商売シミュレーター   作:名無しの権左衛門

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~663年

「みろよこれ」

「なんぞこれ」

「静電気で光るんだぜ」

「これ、中華はともかく倭国のやつらは理解できるのか?」

「できるだろ」

 

『工業』、『電位』『電気反応』『蛍光色』

『文化』、『バッジ』

 

 

「内燃機関が爆発で変形する」

「じゃあ冷やすか」

 

「割れる!」

「じゃあ、膨張させて冷やした空気送るか」

 

「だめだ、冷えない」

「じゃあ、機構の中に冷えた水を送るか」

 

「安定……だめだあ!」

「少し安定したから、こっち方面で攻めるぞ!」

 

『工業』、『液冷エンジン』『垂直尾翼』『水平尾翼』『車輪』

     『電気モーター』『コイル』

『文化』、『押し花』

『科学』、『クーロンの法則』

 

 頭首は今、チベットにいる。ここからシルクロードにのって、更に坂路の拡大と地図の拡大を行っている。

そして保存食を持っているので、長い旅路に耐えきれているように思える。

 

「うーん。やはり基本的な臭さは変わらないな」

「では、最後に沸かした湯に浸かり、この皮膚試験に受かった石鹸なるものを使って、

体表面の細菌を落とす。次に、馬の毛で作られたブラシで、全身を磨こう」

「毛もシラミが増え、これが吸血とともに感染するという研究結果が出ている。

よって、不潔な内側の毛は剃るように」

「しかし、毛がある理由を解明しきれていない。そこは慎重に行こう」

 

『文化』、『はちみつ』『風呂』『湯船』『清潔と不潔』『脱毛』

     『美肌』『健康の定義』

『化学』、『石鹸』

『工業』、『蜂蝋』

『科学』、『養蜂』

 

 

 さて、はちみつが外交商品になってしまった。

これを隋へ献上し、煬帝に讃岐国を認めてもらうことができた。

更に外交官が西の果て、東ローマに到着する。

まだスペインではないが、倭国に東ローマなんて想像すらできない場所である。

だからこそ偉業だ。

 すでに果てへの旅へ派遣される外交官は多くいる。

開拓された道を行き、舗装したり周辺国家や民族に貨幣とともに売り渡す。

 

 あ、隋が分解した。

 

 と、それよりも東ローマ帝国だ。

なんか接触したか?

最初期よりも効率化された道を行っているから、後続の使節団と共に向かっている。

最初期の使節団も4人となっていた。そして、栄養の発見など、

色々相次いで肉体の強化をされた外交官が追いつき、104人の大所帯になっている。

 たまに戦争に巻き込まれたりしているが、筋肉質の巨漢が無双しているので

問題ない。

 

 ちなみにある程度したら帰ってきているので、

外国語辞典や翻訳が増えていく。

全部厳重に保管されて、歴史研究に使われるんだろう。

 

 あ、南海トラフ。干ばつ、寒冷化で、だいぶ食物にダメージが蓄積したな。

讃岐よりも倭国のほうがダメージがでかいとか、何が起こったんだろうか。

 

『工業』、『圧縮空気』『ガスタービン』

 

「圧縮圧縮! 空気を圧縮~!」

「何してんの、あれ?」

「分厚いか薄いか、四角か丸型かで入れ物の耐久力を調べているんだ」

「ああ、あの燃えるガス、メタンを長期使えるようにしてんのね」

 

 

『工業』、『ガスタンク』『ガス灯』『電灯』

 

 

「やっほー」

  「ャッホー」

     「yahho-」

「y h --」

 

「どうしたんだ?」

「いや、解剖学における声とは、肺から圧縮された空気が飛び出してきて笛のように鳴らす声帯で意味があるように聞こえる音なんだ。

で、手を使って口周りに添えて言うと、遠くまで行く。洞窟だと拡散して聞こえる。

声は音で力なんだ」

「そりゃまあ、そうだろうよ。じゃないと、世界はうるさくなる」

「とすればだ。文字や紙で伝えるよりも、音で伝えたほうが相手の感情がわかりやすい。

言葉の抑揚とか。実際に現地へ行ったことがない外交官が、遠征隊商から

話を聞いても理解ができない。つまり、音をナニカに閉じ込められないかなって」

「ガスと空気は閉じ込められた。液体もだ。音は分散し、力であるなら。

そして、その力の伝わり方は……」

「何をしておる?」

「あ、我らが王!」

「声の正体を探ってました!」

「声は振動だ。柔らかい金属に固く細い金属をあて、声が持つ力で刻めばいいだろう?」

「「あ。確かに!」早急に作ってまいります!」

 

『工業』、『音の記録』『録音』『拡声器』

 

「音と封じて、それを再び金属の棒で取り出す。

しかし、音を伝える薄い金属の板が震えるだけ」

「再生成した金属で囲ってやってみるか」

「お、聞こえた」

「少し音の質が悪いな」

 

『文化』、『初期型レコードプレイヤー』『音声記録』

 

「これを使って、倭国の奴らの声を収めて、逃げられないようにしてやる」

「は! ただちにあらゆる市井の声を収め、証拠を残しましょう」

 

 さてさて、貨幣による影響が瀬戸内海周辺を取り囲む。

そこで外交官を使って、ヤマト王権の蘇我氏に不可侵条約を結ぶように実行した。

 

「レコードの用意」

「!」

「我ら倭国の大王、推古。並びに摂政である聖徳が、天地神明に誓って今後恒久なる不可侵の約定をしよう」

「ありがとうございます」

 

 よし、これでなにか言ってきたら、これを再生して脅してやる。

もしもこれで1930年代ぐらいに、併合しようと動き始めたら1300年前の音声を使って、

神様政治を揶揄してやろう。

 

「メッキ処理して劣化を防ぐように」

「御意」

 

 

『科学』、『ビタミンの定義』

 

「ようやく、ようやく完成したぞ……」

「追い求めて約60年。漬物の梅干しに、ビタミンCがあることを発見した」

「なんでビタミンなんだ??」

「ビタ1枚から来てる」

「?」

 

 ? 何があったんだ、研究者諸君。

さて、625年。開墾開発で、広げていってるが香川県と吉野川流域名物の反乱で、

ちょっとした住人が消失してしまった。

 このゲーム的にいえば、3年間従業員が増加するおいしいイベントだから、

定期的に来てほしい。

 生物的なアレで、生存本能が刺激されるからだ。

 

 朝鮮半島は百済・新羅・高句麗に分割され、隋へ色目を使っている。

朝貢合戦になっているのを確認。ついでに、隋が周辺国家へ政治制度を輸出している。

アメリカや欧州は押し付けてくるけれど、このころの極東アジアはギリギリの関係を

築いていたようだ。

 さて、王は禅譲し船に乗って南へ向かっていった。

禅譲された次代は、海への関心を示しているがやはり西への関心がいく。

 

「蹴り玉しようぜ!」

「防人、前衛、後衛と人員をわけて、12対12で戦だ!」

「いくぞ! 猛蹴撃!」

「まだまだあ! 鉄鋼防壁!」

「っしゃ、すくい上げ! これで、トドメだ画竜点睛!」

「愚かな年下共よ、わが防禦の守りなぞ崩せぬわ!」

 

『文化』、『サッカー』『フットボール』『バレーボール』『手毬』『バスケットボール』

 

「みてみて、このお花の色を生かした遊びよ」

「生け花ってことね。いい案だわ」

「白を手前にするの? 他の色が目立たなくない?」

「白を後ろに、黄色を手前にするのも映えるはずよ」

 

『文化』、『生け花』『華道』

 

「和紙を正方形に切って、いろんな折り方をしてみたぞ」

「へー、息をいれる手毬、小舟、飛行機。カブトムシ? カエル」

「そうそう。そして、2つ合わせた風車」

「す、すげえ」

 

『文化』、『折り紙』

『工業』、『塩』

『科学』、『塩化ナトリウム』『水素』

『経済』、『岩塩』『揚げ浜式塩田』『硫酸』『マンガン』『アルミニウム』『鈴』

『化学』、『電気分解』『ホウ素』『塩素』『ケイ素』

 

 お、生活に余裕が出てきたのか、文化的生活が増えてきたな。

メタンを集積する場所もできて、それを使った熱源で塩を作ることにも成功している。

 研究だけでなく、他にも行われているものがある。

それは当代が口々に言うことだ。

 

「なあ。なんで讃岐はこんなに水に乏しいのだ?」

「こちら。塩素と反応させて作った塩です。そして、ついでに出来た水素と酸素を合わせて作られた水です」

「ちょっとしかないじゃないか」

「上水を作りますか?」

「……たしか、吉野川が一番中心を流れているのだったな」

「いえ、そこよりも満濃のほうがよろしいかと」

「やはり、民の生活が一番か?」

「いえ、今の我らのちからでは難しいのです。直近では一番水がある満濃を、貯水の場所にしましょう」

「よし、現場検証だ」

「「お供します」」

 

 今年は猛暑のようだ。おかげで干ばつと一緒に農作物が全滅だ。

しかし漬物や他の地域で購入された魚や野菜で、なんとか飢饉をしのいでいる。

ここから3年かかるんだよな。天保の大飢饉かよ。

 あまりにも水がちょろちょろなので、大規模な治水工事を行っている。

だが水がない。工事の進捗度は全く進まない。

 

「雨って汚いよな」

「だからろ過するんだろ?」

 

『文化』、『貯水槽』

『工業』、『農業用貯水池』『ダム』『大規模国家事業の考え』『上水道』『地下ガスタンク』

 

「我らが王!」

「どうした?」

「石油と定義されたものを、鉄鋼で封じて持ってきました!」

「おお! メタンや石炭・水素よりも安定しているか!?」

「はい! 少なくとも気体よりも扱いやすいです!」

「でかした!」

 

『工業』、『中期内燃機関』『中期メタン専用内燃機関』『石油製品』

『化学』、『熱分解』

『科学』、『マイクロ波』

『経済』、『マッチ』『ライター』

 

「今まで鉄と礫でやってたが、ようやく安定したか」

「最初は火花とメタンでやろうとしてたんだよな」

「死ぬかと思った」

「ガラス製で密閉圧縮したメタンは、漏れたら怖いからな」

 

 国内と倭国の動向をみていたから気付けなかったけど、

南へ直行した奴ら、ニューギニアに行っていたらしい。

それと東ローマ帝国の外交官は、フランク王国へ向かったようだ。

 なんでわかったかというと、知覚範囲が広がったからだ。

範囲が広がったということ自体、情報が国内に入ってきたのだから

次への遠征に向けて技術を盛り込めるというものだ。

 

「潮で劣化しない、ガラス製の讃岐の橋です」

「うむ。これから南へ行くとき、讃岐の国のものとするよう、

橋を立てていかないと。いつか、倭国・中華・高句麗が攻めてきたとき、

材料を調達できる場所を増やしておくに越したことはない」

「我らが王! 太陽は南に行くほど真上になり、日の傾きが真逆になります!」

「ほほー、面白いじゃないか!」

「ということは、地球は場所によって太陽の当たり方が違うということか。

讃岐と同じ場所を探り当てろ! そのほうが暮らしやすい!」

「了解であります!」

 

 よし、運営キャパシティが余っているから、天皇が住まう地とニューギニアに

神教と会社の支部を建てよう。

発足してから600年経過しているから、全員会社だってこと忘れてそう。

なお、一族は全員、これは会社経営と知っている。

 国じゃないので、いつか潰れることを自覚しているので今も必死に商売をしていたりする。

スゴイよなあ。

 

「まずは便利を与えよう。怠けている集団に、経済の厳しさを通達しようではないか」

 

『文化』、『蚊取り線香』

 

「菊を燃やしたら、虫が寄り付いてこなくなったんだけど」

「増産せよ!」

 

『工業』、『ガスタービン外洋船』『タービンジェット』

『経済』、『インフラの概念』『道路』『空港』『港』『養殖のり』『養殖』

『文化』、『出汁』『うまみ』

 

「水とか酒の量、どうする?」

「気づいているかどうかしらないが、水1滴を1グラムにしている」

「え、じゃあ」

「1ミリリットルだ」

「なんだよ、その讃岐語じゃないの」

「1目盛りを土佐もんがなまらせた結果、王が受けて採用した」

「リットルは?」

「1目盛り減っとる」

「うっそだろ!?」

 

 はえー、嘘のようなホントの話かな?

日本発祥だとこんなことになるんだな。

 

「どうやって計ったんだよ」

「テコの原理を使って、水1滴と純鉄のちっさいのとで均衡したらOKになった」

「ということは、根気強くこれを作っていったってことか!?」

「そうだ。百個の鉄でつくった箱が、100グラムだと確認して

水を1、100、1000でやっていったんだ」

「執念がスゴイな、先輩たち」

「国立鉄工所が長年かけたんだ。当然だろ?」

 

『工業』、『重さの定義』『水の量の定義』

『科学』、『音と電気信号の関係』

 

 さてさて、外交官がフランク王国や周辺国家の調度品を持って帰ってきた。

その中にダマスカス鋼で作られた刀剣があった。

 

「うっ、つくしい。これはどこの鉱石で作られた?」

「わかりませぬ」

「次は鋼を買ってくるように。技術もだ」

「承知しました」

「ま、何にせよ。無事で良かった」

 

 




15社落ちた~
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