処刑人と白銀の英雄は世界最強 作:改革結集の会
あの2人のファンの方はごめんなさい。筆者は中学生のときのハジメくんのように土下座します。
あとUAが1万、お気に入りが100件突破に感謝です。今後も皆様の期待に応えられるよう、頑張っていきます!
ハジメ、アリナ、ジェイド、ロウ、ルルリが落ちたヘビモス戦の後、勇者一行は宿場町ホルアドで一泊し、翌朝には高速馬車で王国へと戻った。迷宮での実戦訓練を続ける雰囲気など到底なく、勇者の同胞が死に瀕した以上、国王と教会への報告が急務だった。メルド団長の報告によれば、オルクス大迷宮のヘビモス戦で、ハジメ、アリナ、そして「白銀の剣」と呼ばれるジェイド、ルルリ、ロウが奈落に落ちたとされている。
王国側はその知らせに衝撃を受けたが、死んだのが「無能」と蔑まれていたハジメと、王国内で厄介者扱いされていたアリナだと知ると、多くの者は安堵の息をついた。しかし、ジェイド、ルルリ、ロウの喪失には誰もが愕然とした。彼らは戦闘職として勇者よりも強く、「神の使徒」として魔人族討伐に欠かせない存在だった。その損失は、今後の戦争に暗い影を落とすものだと誰もが感じていた。
さらに、ジェイドたちがハジメとアリナを守るために身を挺し、その結果奈落に落ちたという話が広まると、王国側はハジメとアリナへの批判を強めた。彼らが魔人族との戦争に大きな損失をもたらした元凶だと見なされたのだ。国王や教会長イシュタルでさえ、勇者一行が迷宮で死ぬなどあってはならないと焦りを隠さなかった。神の使徒たる彼らは無敵でなければならないという信念が、王国の基盤だったからだ。
しかし、その信念が揺らぐことは、彼らにとって耐えがたい現実だった。公には口にしないものの、貴族たちは陰でハジメとアリナを罵った。「無能が死んでよかった」「神の使徒を巻き込んだ疫病神だ」と、死者に鞭打つような言葉が飛び交った。国王やイシュタルは何も言わなかったが内心では思っていたことだったので黙認していた。
ただ、王国にもその陰口を許さない者たちもいた。王宮錬成師のウォルペン達や、王国に帰ってきて目が覚めた光輝、香織、雫であった。
ウォルペンはハジメを特訓させたが、彼の錬成のセンスはなかなかのものであり、攻撃魔法の代わりに地形を変えて戦うという戦術は彼らからしたら画期的であったのである。また、アリナのサポートもハジメの錬成技術に磨きをかけるものであり、ゆくゆくは新発明をしてくれるかもしれないという淡い期待のなかでの死亡の噂だったので、彼らからしたらショックは計り知れないであろう。だからこそハジメやアリナが悪く言われるのは許せなかった。
香織も香織でアリナを火球で落とした犯人であるが、大好きなハジメが悪く言われるのは許せなかった。アリナはもっと悪く言われて欲しいと思っていたが。
光輝も光輝でいつものご都合解釈で、ハジメをアリナが庇ったと解釈しハジメへの恨みを募らせていた。加えてアリナが悪く言われることも耐えられなかった。だからこそアリナは悪くないとだけ言い、ハジメには無言及であった。むしろ批判されてほしいと思っていたくらいである。
雫は単純に正義感から来るものであり、どうしてもアリナやハジメがジェイドを殺したようには見えなかった。ただ、香織と光輝の解釈の相違に頭を悩ませていたのも事実ではあったが。
彼らの抗議により、ハジメとアリナへの悪口はなくなったが、光輝、香織、雫は「無能」や「厄介者」に心を砕く聖人君子と教会や王国から扱われた。あの日、クラスメイトを守ったのは、アリナ、ハジメ、「白銀の剣」の3人なのに。
そしてクラスメイトは誰が魔法によってハジメ達を落としたかの話をしたがらなかった。もしかしたら自分の魔法が誤射してハジメ達に当たってしまったかもしれないからである。
メルドは真相を明かすために一度クラスメイトを集めて尋問したが、その尋問は地獄絵図であった。
なんと誰かが「清水くんが意図的に魔法を放ったんじゃないんですか?」と言ったからである。
清水幸利は「俺じゃない!」と明確に否定したが、清水はクラスでは親しい友人もおらず誰も弁護してくれる人がいなかったため、清水が犯人ではないかという雰囲気になりかけた。
しかし、一人の少女の声で流れが変わる。
「そもそも清水が南雲とクローバーさんを落とす動機があるの?南雲をいつもいじめていた檜山の方がまだありえそうだけど。」
その少女の名前は園部優花だった。優花はハジメに助けられたことをきっかけに、今までの自分を反省しつつあるのだ。
優花も他のクラスメイトと同様に、ハジメは香織やアリナに面倒を見てもらって迷惑ばかりかけるやつとみなしていて、しかも錬成師というありふれた職業だったため、「役立たずの無能」と見下し、檜山によるいじめをみて見ぬふりしていたが、オルクス大迷宮でのヘビモス戦でハジメに助けられたことをきっかけに、人は見かけや噂によらないんだなと思うようになっていった。だからこそ、優花なりに論理的にかつ冷静に、そして客観的に考えるようになり、清水がハジメやアリナ、ジェイド達を落としたことをいまひとつ信じられないことだと思い始めたのである。そもそも接点がない人間が他人を意図的に殺すとか最早サイコパスであろうと考えるようになった。
優花のその発言にメルドは反応し、清水のことを観察した。そして、清水の雰囲気的に嘘をついているようには見えないと判断し、「嬢ちゃんの言っている通り、清水が犯人と断定するのはまずいのではないか。そして清水は無実なのではないか。」と渋い声で言った。そして檜山の表情を見ると、本人は隠しているつもりであったが、心のどこかでは焦りを浮かべているような表情であった。
そりゃ当然であろう。そもそもヘビモス戦にクラスメイト達を巻き込んだ原因なのだから。
メルドは檜山を問い詰めようとした。その時、光輝がメルドに向かっていった。
「メルドさん、これ以上犯人探しをやっても埒が明かないですよ。南雲が勝手に落ちたんです。アリナやジェイドさん達を巻き込んで。」
メルドは納得していなかったが、生徒達は皆光輝に同調したため、誰がハジメ達を落としたかの話はタブーとなった。
その前に、檜山は65階層にワープするトラップに引っかかってしまったことに対してしっかりと土下座していたので印象はそこまで悪くなかったというのもある。
そして王国や聖教教会も、これ以上の捜査をやめるようにメルドに告げ、メルドは苦虫を潰したような顔になったが、尋問時のあの地獄絵図を見ると、捜査はするべきではないのかもしれないと自分に言い聞かせた。
そして清水は無実が示されとは言え、一部生徒からはハジメ達を落とした犯罪者扱いされるようになり、イジメの標的となった。まるであの時のハジメのように。それが清水の心に暗い炎を燃やすことになるとはまだ誰も知らない。
尋問の夜、香織はとある人と密会していた。
「〇〇ちゃん、あの作戦はさすがに難しかったね…。」
「このクラスは特定のやつをいじめることで団結できるからね。特に清水や南雲みたいな陰キャは標的にしやすいんだよ。だけど、園部みたいなのは計算外だったな…。まぁ、清水を犯人と思うやつが出始めたのは及第点かな。檜山追及の流れを止めた王国と聖教教会には感謝だよ。」
「ハジメくんが標的になったのは気に食わないけど、清水くんがどうなったところで私は関係ないしね」
「特に清水なんて誰も味方いないから、犯人役押し付けるのには格好の標的なんだぁ。これなら香織がアリナを落とした犯人であるなんて誰も気が付かなさそうだね(笑)」
「ええ、そうね。しかし、〇〇ちゃん、見かけによらずなかなかすごいこと考えるよね。尊敬しちゃうよ(笑)」
「いや〜、それほどでも〜(笑)まぁ、香織見ててよ。ボクにはもっと秘策があるんだから。檜山はこのために活用してもらうよ〜(笑)」
「ウフフ、ハジメくんを殺した檜山なんて死んでも構わないしね(笑)」
「香織も中々辛辣だね(笑)まぁボクもだけど」
はたから見たらそんな事言わないような二人の会話は、誰にも見えないところで繰り広げられていた。果たして彼女らの運命は如何に。
清水と園部、あの2人は今後この物語のキーパーソンとなる人です。園部はハジメに助けられたあたりから、少しずつハジメのことを見直し始めています。ぶっちゃけ作者が悩んでいた園部の扱いですが、園部には菅原と宮崎を巻き込んで、反省してもらってからの味方化になりそうですね。
感想、評価の程よろしくお願いします。
セリフと地の文分けると時間がかかるのですが、次話更新が数週間程度遅くなってでも分けるべきですか?
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更新優先でお願いします。
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セリフと地の文分けるの優先で。