処刑人と白銀の英雄は世界最強   作:改革結集の会

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活動報告で書いた通り、就活で行けると思った企業からサイレントお祈りされてメンタルやられている中で、読者からの感想や☆10の評価が活力になります!本当にありがとうございます!
にしてもこの小説、本当に好き嫌いが分かれる小説だなと思いますね。嫌いな人はとことん嫌いというのは評価欄見ても伝わってきますし。まぁ地球組のアンチ対象外が優花、奈々、妙子、愛子先生くらいしかいないので…。


2-4

「嘘でしょ…、なんで無いの……」

 

爪熊を倒してから三日が経過していた。南雲ハジメは、恋人のアリナ・クローバー、親友のジェイド・スクレイド、ルルリ・アシュフォード、ロウ・ロズブレンダと共に、【オルクス大迷宮】の奈落の底で上階へと続く道を探し続けていた。

 

この階層の八割は既に探索を終えていた。

 

爪熊の肉を食べたことでステータスが跳ね上がり、今やこの階層で彼らにとって脅威となる魔物はほとんど存在しない。

 

広大な迷宮ではあるが、5人の連携は抜群で、探索は急ピッチで進められていた。それでも、上階への道は一向に見つからない。

 

 

ハジメは汗を拭いながら、周囲の岩壁を見渡した。

 

緑光石の薄い光が、彼の穏やかな顔を照らし出す。

 

「何も見つからないというのは語弊があるね。正確には『上階』への道が見つからないだけだよ。『階下』への道なら、二日前に見つけてるし」

 

ハジメは仲間たちに穏やかに語りかけた。

 

その声は柔らかく、仲間たちに安心感を与えるものだったが、心の中では焦りが渦巻いていた。

 

 

迷宮が階層状に構成されている以上、上階への道が存在しないはずがない。

 

なのに、どれだけ歩き回っても、どれだけ壁を叩いても、手がかりすら見つからない。

 

 

アリナが心配そうにハジメの手を握った。

 

彼女の細い指が、少し震えている。

 

「ハジメ、無理しないでね。この迷宮、なんかおかしいよ」

 

アリナの瞳には、ハジメへの深い信頼と不安が混ざり合っていた。

 

ハジメは彼女の手を優しく握り返し、微笑んだ。

 

「大丈夫だよ、アリナ。みんなで一緒なら何とかなるさ」

 

その笑顔は、アリナを安心させるためのものだったが、同時に自分自身を励ますものでもあった。

 

彼は仲間たちの前で弱さを見せるわけにはいかないと、そう心に決めていた。

 

 

ジェイドが冷静に状況を分析し始めた。

 

「確かに妙だ。上階への道がなければ、この迷宮の構造自体が普通じゃない可能性がある。錬成で突破できないか試してみたか?」

 

彼はハジメに提案した。

 

彼の声は低く落ち着いており、グループのリーダーとしての責任感が滲み出ていた。

 

ハジメは苦笑しながら答えた。

 

「実はもう試したよ。でも、一定の範囲を進むと壁が錬成に反応しなくなるんだ。上下には何かプロテクトがかかってるみたいだね」

 

 

彼は試した時のことを思い出した。錬成で壁を削ろうとした瞬間、手応えが消え、まるで空気を掴むような感覚に襲われたのだ。

 

それは自然の法則を無視した異常な現象だった。

 

【オルクス大迷宮】は神代に作られたとされる謎多き場所だ。

 

何が起こっても不思議ではない。

 

「それなら、この迷宮の深部に進むしかないのですか……?」

 

ルルリが小さな声で不安げに呟いた。

 

彼女のショートボブの髪が揺れ、瞳には恐怖と迷いが浮かんでいた。

 

「まぁ、そうなったらそうなったで、俺たちがぶっ潰して進むだけさ!」

 

ロウは彼女の肩を軽く叩き、明るく励ました。

 

彼の笑顔は無邪気で、グループのムードメーカーとしての役割を果たしていた。

 

 

5人は互いに顔を見合わせ、沈黙の中で決意を新たにした。言葉は少なくとも、彼らの絆は目線だけで伝わり合っていた。

 

「…行き止まりだね。これで分岐点は全部調べたよ。一体どうなってるんだろう」

 

ハジメは深い溜息をつき、疲労が滲む声で呟いた。

 

目の前には、苔むした岩壁が立ち塞がっている。

 

彼は上階への道を一旦諦め、二日前に見つけた階下への階段がある部屋へと仲間たちを導いた。

 

足取りは重く、心も同様だったが、仲間たちの前では弱音を吐くわけにはいかなかった。

 

 

その階段は粗雑で、階段というより凸凹した坂道に近い。

 

緑光石の光が届かず、先は真っ暗な闇に閉ざされ、不気味な雰囲気を漂わせていた。

 

湿った空気が鼻をつき、どこかから滴る水音が響いた。

 

まるで巨大な怪物の口のようで、一度入れば二度と出られないような感覚がハジメの胸に湧き上がった。

 

だが、彼はそれを押し殺し、振り返って仲間たちに言った。

 

「僕たちが一緒なら、何だって乗り越えられるよ」

 

彼は皆に笑顔を向けた。

 

その言葉は、仲間たちを勇気づけるためのものだったが、同時に自分自身への誓いでもあった。

 

「そうだね、ハジメ。私たちなら大丈夫」

 

アリナは頷いてハジメの誓いに応えた。

 

彼女の声には、信頼と愛情が込められていた。

 

「行くぞ、みんな」

 

ジェイドが剣を握り直し、静かに気合いを入れ、ルルリとロウも準備を整えた。5人は躊躇せず、暗闇へと踏み込んだ。

 

 

その階層はとにかく暗かった。

 

地下迷宮である以上暗いのは当然だが、これまで潜った階層には緑光石があり、薄暗くとも視界を確保できていた。

 

しかし、この階層には緑光石が一切見当たらない。

 

5人はその場に立ち止まり、目が慣れるのを待ったが、数分経っても闇は薄れるどころか、まるで生き物のように彼らを包み込んでくるようだった。

 

「これじゃ進めないね」

 

ハジメは息を整えながら呟き、爪熊の毛皮と錬成した針金で作ったリュックから緑光石を取り出した。

 

「仕方ないね、これで灯りにしよう」

 

そう提案した。

 

 

アリナが心配そうに尋ねた。

 

「暗闇で光源を持つのは危険じゃない?」

 

彼女の声には緊張が滲んでいた。確かに、光は魔物を引き寄せる可能性がある。

 

だが、ハジメは冷静に答えた。

 

「うん、確かに魔物がいたら自殺行為かもしれない。でも、これなしじゃ進めないよ。僕の左手は塞がっても大丈夫だから、ここに括りつけるね。」

 

そして、左腕に緑光石を固定した。

 

その左手は、爪熊との戦いで失った部分だ。

 

神水の力で再生はしなかったが、錬成で作った義手のような構造で動かせるようにしていた。

 

緑光石の淡い光が腕に映り、彼の顔をぼんやりと照らし出した。

 

5人は慎重に進んだ。

 

足音が湿った床に響き、時折遠くで何かが動く気配がする。

 

通路の奥で何かがキラリと光った気がし、ハジメが「気をつけて!」と小声で警告した。

 

全員が即座に警戒を強め、岩陰に身を潜めながら進む。

 

 

すると、左側の壁に嫌な気配を感じ、ハジメが「危ない!」と叫んだ瞬間、灰色のトカゲが壁に張り付いて現れた。

 

体長は2メートルほどで、鱗が濡れたように光り、金色の瞳が鋭く輝いている。

 

その瞳はまるで獲物を捕らえた猛獣のようだった。

 

金眼が一瞬輝き、次の瞬間、ハジメの左腕がビキビキと音を立てて石化し始めた。

 

緑光石も石に変わり、数秒で砕け散った。

 

光源が失われ、辺りを完全な暗闇が覆う。石化はハジメの肩まで進み、彼の体が重く軋んだ。

 

アリナが「ハジメ!」と叫び、ジェイドが素早く剣を構えた。

 

だが、暗闇で敵の位置を正確に捉えるのは難しい。

 

「大丈夫、僕なら何とかするよ!」

 

ハジメは冷静さを保ち、腰のポーチから神水を取り出し、一気に飲み干した。

 

喉を流れ落ちる冷たい液体が体に染み渡り、石化が止まり、腕が徐々に正常に戻り始めた。

 

「よかった……」

 

アリナが安堵の息をついて呟いた。

 

「私が回復するのです!」

「ありがとう、ルルリさん。でも神水で十分だよ」

 

ルルリが回復魔法をかけようと手を伸ばしたが、ハジメは優しく断った。彼の声は穏やかで、仲間たちを安心させるものだった。

 

「敵はまだそこにいる。油断するな」

 

ジェイドが警告し、ハジメは腰のポーチから閃光手榴弾を取り出した。

 

「みんな、目を閉じて!」

 

ハジメは叫び、トカゲのいる方向へ投げ込んだ。

 

暗闇で再び金眼が輝いたが、ハジメは縮地を使い一瞬で距離を取った。

 

仲間たちも素早く身を隠した。

 

閃光が爆発し、強烈な光が周囲を満たした。

 

「クゥア!?」とトカゲが混乱する声が響いた。

 

姿を現したのは、バジリスクと呼ぶべき魔物だった。

 

鱗が硬く、鋭い牙が口から覗いている。

 

ハジメが「今だ!」と叫び、ドンナーを発砲した。

 

弾丸がバジリスクの頭部を貫き、壁に大きな穴を開けた。

 

「すげぇ威力だな!」

「仕留めたな」

 

衝撃で岩が崩れ落ち、ロウとジェイドが呟いた。

 

ハジメは息を整え、バジリスクの肉を切り取りながら提案した。

 

「これ、食料にしよう。みんなで協力すれば、この階層も怖くないよ」

「ハジメがそう言うなら、私も頑張るよ」

 

アリナが笑顔を見せ、5人は再び探索を進めた。

 

 

闇の中を何十時間も歩き続けても、階下への階段は見つからない。

 

倒した魔物や採取した鉱石が増え、持ち運びが不便になってきた。

 

ハジメが「ここで拠点を作ろうか」と提案すると、仲間たちは疲れた顔を見せつつも賛成した。

 

 

ハジメは壁に手を当て、錬成で六畳ほどの空間を作り出した。

 

岩が削れ、整った部屋が現れた。

 

「ハジメの錬成技術、頼りになるな」

「ハジメの錬成って、本当にすごいよね」

 

ハジメの錬成技術をジェイドが褒め、アリナが目を輝かせた。

 

「これで少し明るくなるよ。神水も確保できるしね」

 

ハジメは神結晶を壁に設置し、アリナ達に説明した。

 

神結晶から滴る神水が小さな水たまりを作り、部屋に淡い光が広がった。

 

「さて、じゃあ、ご飯にしようか」

 

ハジメはリュックからバジリスクやフクロウ、六本足の猫の肉を取り出し、纏雷で焼き始めた。

 

調味料はないが、5人で「いただきます」と手を合わせた。

 

肉を噛むたびに体に痛みが走り、強化が進んでいるのを感じた。

 

「これ、爪熊と同じくらい強い魔物なのかな?」

「そうだね。でも、みんなで戦えば怖くないよ」

 

アリナのつぶやきにハジメが応えた。

 

食事を終え、ハジメはステータスプレートを確認した。錬成に特化したステータスとなっていた。

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:23

天職:錬成師

筋力:300

体力:400

耐性:350

敏捷:550

魔力:500

魔耐:500

技能:

錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+鉱物加工]・魔力操作・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地]・風爪・夜目・気配感知・石化耐性・言語理解・処刑人の守護者

 

「夜目のおかげで暗闇が見えるようになったよ。この階層では大きなアドバンテージだね」

 

ハジメは満足げに言った。

 

どうやら他の皆もステータスプレートを見たところ、夜目が書いてあった。

 

ルルリが嬉しそうに微笑み、ロウが笑った。

 

「ハジメさん、強くなってるのですね」

「なぁに、俺たちも負けてねぇよ!」

 

ハジメは弾丸を錬成し始めた。

 

「地上に戻るためにも、準備を怠らないようにしないとね」

 

アリナがそっと寄り添い励ました。

 

「ハジメ、私たちなら絶対に戻れるよ。一緒に頑張ろうね」

「そうだな。俺たち5人の力なら、どんな迷宮だって攻略できる」

 

ジェイドが力強く言い、5人は絆を再確認した。

 

 

階下への階段を見つけ、5人は躊躇いなく進んだ。その階層は地面がタールのように粘つく泥沼で、足を取られ動きにくい。

 

「気をつけてね、足元が悪いよ」

「うわっ、靴がべたべたする!」

 

ハジメが警告し、アリナが顔をしかめた。

 

鉱物系感知で周囲を調べると、ハジメはフラム鉱石を発見した。

 

[フラム鉱石]

艶のある黒い鉱石。熱を加えると融解しタール状になる。融解温度は摂氏50度ほどで、タール状のときに摂氏100度で発火する。その熱は摂氏3000度に達する。燃焼時間はタール量による。

 

「これ、まずいよ……火気厳禁だ」

「纏雷やレールガンは使えないな。どうする?」

「僕たちなら、他の方法で戦えるよ。物理攻撃するだけさ」

 

ハジメが引き攣った笑みを浮かべた。ジェイドが尋ねると、ハジメはと穏やかに答えた。

 

三叉路に差し掛かり、左の通路へ進もうとした瞬間、サメのような魔物がタールから飛び出してきた。

 

「ハジメ!」とアリナが叫び、巨神の破鎚を構えた。

 

ハジメは空力で回避したが、「気配感知に反応しない!」と驚いた。

 

サメの攻撃は執拗で、弾丸も弾き返された。

 

ハジメとジェイドが風爪で切り裂き、ロウが攻撃魔法で追撃し、ルルリが回復で支えた。

 

アリナが破鎚でトドメを刺し、5人の連携で勝利した。

 

「気配遮断の技能か……これが原因だったんだね」

 

ハジメはサメの肉を切り取りながら分析した。

 

ステータスを確認すると、レベルが24に上がり、気配遮断が追加されていた。

 

 

「僕たちは絶対に地上に戻るよ。そして、僕たちは必ず降りかかる理不尽を乗り越える!」

 

ハジメの言葉に、仲間たちは力強く頷いた。

 

5人は奈落の底で固い絆を胸に、次の階層へと進む決意を固めた。




ステータスは魔物肉を食べたことで原作通り強くなってます。ですがハジメくんの性格は魔王化する前そのものです。
感想、評価のほどよろしくお願いします。執筆の力になります!

セリフと地の文分けると時間がかかるのですが、次話更新が数週間程度遅くなってでも分けるべきですか?

  • 更新優先でお願いします。
  • セリフと地の文分けるの優先で。
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