処刑人と白銀の英雄は世界最強   作:改革結集の会

23 / 40
執筆のために原作読んでて思ったのですが、割とハジメってかなり鬼畜だなぁと
今作のハジメくんは鬼畜モードなしでいきますのでよろしくお願いします。


2-8

奈落の底で迷宮攻略を続けるハジメ達6人は、長い旅路を経てついに次の試練の場へとたどり着いていた。

 

一行は広間の奥に現れた階段を下り始めた。ハジメが先頭に立ち、皆を鼓舞する。

 

「みんな、気を付けてね。何かあるかもしれないから。」

「ハジメ、心配しないで。私が守るから。」

 

アリナの声は力強く、彼女の存在がハジメに安心感を与えた。ジェイドが巨大な盾を掲げ、後方を警戒しながら落ち着いた口調で応じる。

 

「そうだね、アリナさん。だが俺もいる。皆で乗り越えるさ。」

 

彼の言葉には頼もしさが込められ、チームの柱としての自覚が滲み出ていた。ルルリは小さな杖を握り、回復魔法の準備を整えながら静かに歩く。ロウは両手に炎の気配を宿し、いつでも魔法を放てる態勢を保っていた。そしてユエはジェイドの近くに寄り添うように歩き、彼女の視線は常に彼に注がれていた。ユエの心の中では、ジェイドへの想いが静かに、だが確実に育ちつつあった。

 

階段は果てしなく続くように感じられた。一歩進むごとに足音が反響し、暗闇の中を進む6人の息遣いだけが響き合う。やがて、目の前に広大な空間が広がった。最深部と思われる階層だった。そこは無数の強大な柱に支えられた荘厳な場所で、柱は一本一本が直径5メートルを超え、螺旋模様と木の蔓のような彫刻が施されていた。天井までは30メートル以上あり、地面は平らで荒れていない。どこか神聖な雰囲気が漂い、迷宮の深部にふさわしい威圧感を放っていた。

 

ハジメが柱の間を進みながら、感嘆の声を漏らす。

 

「…すごい場所だね。もしかして、ここが…」

 

彼の声には好奇心と緊張が混じっていた。アリナが隣で息を呑み、緊張した声で続ける。

 

「反逆者の住処かしら?」

 

ジェイドが盾を構え直し、皆に呼びかける。

 

「いかにもラスボスの部屋って感じだな。気を引き締めろよ。」

 

ルルリが小さく頷き、ロウが拳を握りしめる。ユエは無言でジェイドの横に立ち、彼の気配を感じながら歩みを進めた。6人の間に流れる空気は、重く、だが確かな結束に満ちていた。

 

 

柱の間を進むと、突き当たりに巨大な両開きの扉が姿を現した。全長10メートル以上あり、表面には美しい彫刻が施されている。特に七角形の頂点に描かれた文様が目を引き、古代の魔法の力を感じさせた。ハジメが興味深そうに扉に近づこうとしたその瞬間、異変が起きた。扉と6人の間に巨大な魔法陣が浮かび上がり、赤黒い光を放ちながら脈打つようにドクンドクンと音を響かせた。

 

ハジメが驚きの声を上げる。

 

「うわっ、なんだこの魔法陣!? すごい大きさだよ…。」

 

彼の声には純粋な驚きと、少しの恐怖が混じっていた。ジェイドが即座に剣を抜き、盾を構えて前に出る。

 

「落ち着け、ハジメ。俺たちが負けるわけがない。」

 

その言葉には揺るぎない自信が込められ、仲間たちに勇気を与えた。アリナが槌を握り直し、ルルリとロウが魔法の詠唱を開始する。ユエはジェイドの隣で手を掲げ、魔法の準備を整えた。彼女の目はジェイドを守る決意に満ち、彼を見つめるたびに心が熱くなるのを感じていた。

 

魔法陣が一層輝きを増し、遂に弾けるように光を放った。光が収まると、そこに現れたのは体長30メートルを超える巨大な怪物だった。六つの頭と長い首を持ち、それぞれが異なる色の紋様で彩られている。神話に登場するヒュドラそのものだった。

 

「「「「「「クルゥァァアアン!!」」」」」」

 

六つの頭が一斉に咆哮を上げ、凄まじい殺気が6人に叩きつけられた。赤い紋様の頭が口を開き、炎の壁を放つ。その熱は空気を焦がし、瞬時に戦場を灼熱に変えた。

 

ジェイドが盾を前に出し、叫ぶ。

 

「皆、散開しろ! 俺が引きつける!」

 

彼の盾が炎を弾き返すと同時に、ハジメは「空力」を起動し、高く跳躍してドンナーを構えた。アリナが槌を振り上げ、ルルリが回復魔法の準備を進める。ロウが両手を掲げ、火魔法を放ち、ユエが「緋槍」で援護した。6人の動きはまるで一つの生き物のように連動し、戦闘が始まった。

 

 

ハジメのドンナーが火を吹き、電磁加速された弾丸が赤頭を正確に捉えた。轟音と共に赤頭が吹き飛び、血と肉片が飛び散る。だが、次の瞬間、白い文様の頭が「クルゥアン!」と叫び、白い光を放つと、赤頭が瞬時に再生した。

 

ハジメが悔しそうに呟く。

 

「うそ…回復魔法か!」

 

その声には焦りと驚愕が混じっていた。ユエが素早く反応し、「凍雨」を放つ。青白い魔法が緑の頭を包み込み、瞬時に凍りつかせた。しかし、白頭が再び光を放ち、緑頭もまた回復してしまう。

 

ジェイドが盾で炎を防ぎながら、冷静に指示を出す。

 

「白頭を狙え! このままじゃキリがないぞ!」

 

アリナが力強く巨神の破槌を振り下ろし、黄頭を攻撃する。鈍い衝撃音が響き渡って一見折れたように見えるが、黄頭が一瞬で肥大化し、硬質な鱗で防御してしまった。ハジメとユエが同時に白頭を狙うが、黄頭が盾のように立ち塞がり、攻撃を防ぐ。

 

ロウが火魔法を連発し、炎の嵐でヒュドラを包み込む。ルルリは「不死の祝福者」で全員の体力を維持し、優しい光が仲間たちを癒した。6人の連携は見事だったが、ヒュドラの頭は次々と回復し、戦いは膠着状態に陥った。

 

ハジメが息を整えながら、仲間たちを見回して言う。

 

「僕じゃ力不足かな…でも、みんながいればなんとかなるよね!」

 

その言葉には自分への苛立ちと、仲間への信頼が込められていた。アリナがハジメに笑顔を向け、力強く応じる。

 

「ハジメ、私たちがいるよ。一緒に戦おう。」

 

ジェイドが盾を構え直し、力強い声で言う。

 

「そうだ。俺たち6人ならどんな敵にも勝てる。」

 

ユエがジェイドを見つめ、小さく呟く。

 

「……ジェイド、私も戦う。」

 

彼女の声は静かだったが、その瞳にはジェイドへの深い想いと、戦う意志が宿っていた。

 

 

戦闘が続く中、黒い文様の頭が不気味な目を光らせ、恐慌の魔法を放った。まず最初にユエがその標的となり、彼女が苦悶の表情を浮かべて膝をつく。彼女の心に暗闇と孤独の幻が広がり、かつて封印されていた時の記憶が蘇った。冷たい石の壁に囲まれ、誰にも届かない叫びを上げる自分の姿が脳裏に浮かび、ユエの体が震えた。

 

ユエが震える声で呟く。

 

「…ジェイド…見捨てないで…」

 

その声はか細く、彼女の心が恐怖に支配されていることが伝わってきた。ジェイドがユエの異変に気づき、即座に駆け寄る。

 

「ユエ! 大丈夫か!?」

 

彼は盾でユエを守り、黒頭に剣を向ける。ジェイドの声がユエの耳に届き、彼女の心に小さな光が灯った。

 

「ユエ、俺は絶対に見捨てない! 安心しろ!」

 

ジェイドの言葉にユエの瞳に光が戻り、彼女は立ち上がる。彼が黒頭に突進し、剣で斬りつけた。鋭い一撃が黒頭を切り裂き、黒い血が飛び散る。ユエが解放され、ジェイドに感謝の目を向けた。

 

「…ジェイド、ありがとう。」

 

ジェイドが優しく笑う。

 

「仲間だからな。」

 

ハジメがその様子を見て微笑み、アリナに言う。

 

「ジェイドとユエ、すごいね。僕も負けてられないよ。」

 

アリナがハジメの手を握り、頷く。

 

「私たちも頑張ろう、ハジメ。」

 

しかし、黒頭は倒れてもなお恐慌の魔法を放ち続け、今度はアリナ、ハジメ、ジェイドを同時に襲った。アリナが膝をつき、顔を歪めて苦しむ。彼女の心には、ハジメを失う恐怖が広がっていた。目の前でハジメが血まみれで倒れ、彼女の手からすり抜けていく幻影。さらに、クラスメイトたちの冷たい視線が彼女を刺す。「お前なんかにはハジメくんはふさわしくない、暴力女」「調子に乗るなよ」と囁く声が耳に響き、アリナの心を締め付けた。

 

アリナが震える声で呟く。

 

「ハジメ…あなたを失いたくない…でも、みんなの目が…気持ち悪い…」

 

ハジメもまた、恐慌に飲み込まれていた。彼の心にはアリナを失う恐怖が広がり、彼女が自分を置いてどこかへ去っていく姿が見えた。同時に、クラスメイトたちの嘲笑が耳に響く。「お前なんかにアリナは守れない」「最弱のくせに」と笑い声が彼を追い詰める。

 

ハジメが苦しそうに言う。

 

「アリナ…君がいなくなるなんて…僕、みんなに笑われる…無力だって…」

 

ジェイドもまた、リリアーナを失う恐怖に苦しめられていた。目の前にリリアーナが倒れ、彼の手から消えていく幻影が浮かぶ。彼女の悲しげな瞳がジェイドを見つめ、「なぜ守ってくれなかったの?」と問いかける。盾を持つ手が震え、彼の心が軋んだ。

 

ジェイドが呻くように言う。

 

「リリアーナ…俺は君を守れなかったのか…」

 

ルルリがこの危機を見て、すぐさま杖を掲げた。彼女の声が響き、回復魔法「不死の祝福者(シグルス・リバイブ)」が発動する。

 

「皆さん、しっかりしてください! 私たちがいます!」

 

柔らかな光が3人を包み込み、恐怖の幻を払拭した。アリナが涙を拭い、ハジメが息を整える。ジェイドが盾を握り直し、立ち上がる。ロウが遠距離から火魔法を放ち、黒頭を攻撃した。炎が黒頭を包み込み、恐慌の魔法の効果が弱まる。

 

ロウが力強く叫ぶ。

 

「俺が黒頭を抑える! 皆、攻撃を続けてくれ!」

 

 

ルルリの魔法とロウの援護により、アリナ、ハジメ、ジェイドは正気を取り戻した。アリナが立ち上がり、槌を握り直してハジメを見つめる。

 

「ハジメ、私がいるわ。あなたを守るために強くなったのよ。」

 

その声には決意と愛情が込められていた。ハジメがアリナの手を握り返し、微笑む。

 

「ありがとう、アリナ。僕も君を守るよ。」

 

ジェイドが盾を構え直し、ユエに声をかける。

 

「ユエ、俺たちは負けない。リリアーナのためにも、地上に戻るんだ。」

 

ユエがジェイドに頷き、魔法の準備を整える。

 

「……うん、ジェイド。」

 

ハジメがシュラーゲンを取り出し、照準を合わせる。ジェイドが剣で黄頭を斬り、アリナが槌で白頭を攻撃する。ロウとルルリが援護し、ユエが「緋槍」で赤頭を攻撃した。6人の動きが完全に噛み合い、戦場に響く音はまるで一つの楽曲のようだった。

 

ハジメが叫ぶ。

 

「みんな、頼むよ!」

 

ドガンッ!!

 

大砲のような炸裂音と共に、フルメタルジャケットの弾丸が黄頭と白頭を貫通し、背後の壁を爆砕した。黄頭と白頭が消滅し、ヒュドラが悲鳴を上げる。ジェイドが叫ぶ。

 

「今だ! 皆で攻撃しろ!」

 

6人が一斉に攻撃を仕掛け、残りの頭を次々と倒していく。ユエが「天灼」を放ち、雷撃が三つの頭を消し炭にした。

 

ユエが息を切らしながら言う。

 

「…ジェイド、これで…」

 

ジェイドが頷き、彼女に笑顔を向ける。

 

「ああ、よくやった、ユエ。」

 

 

勝利の瞬間が近づいたかに見えたその時、ヒュドラの胴体から七つ目の銀色の頭が現れた。その姿は他の頭よりも威圧的で、全身から放たれる殺気は空気を凍りつかせた。銀頭が口を開き、極光を放つ。その光は全てを焼き尽くすほどの威力を持ち、ハジメがユエを守るために立ち塞がった。

 

ハジメが叫ぶ。

 

「アリナ、危ない!」

 

極光がハジメを飲み込み、彼は胸を押さえて膝をつく。体中が焼けるような痛みに襲われ、血が地面に滴った。アリナが叫ぶ。

 

「ハジメ!」

 

ユエがジェイドに助けを求める。

 

「ジェイド! ハジメを助けて!」

 

ジェイドが盾で銀頭の攻撃を防ぎ、アリナがハジメを抱き上げる。ルルリが回復魔法をかけ、ロウが火魔法で援護する。ユエが銀頭に「蒼天」を放ち、青白い太陽が銀頭を包み込んだ。灼熱の光が銀頭を融解させ、断末魔の絶叫が響き渡る。

 

ヒュドラはついに力尽き、地面に崩れ落ちた。

 

 

ハジメが倒れ、アリナが彼に駆け寄る。アリナがハジメを抱きしめ、涙をこぼす。ルルリが回復魔法をかけ、優しい光がハジメを包んだ。ジェイドがユエに声をかける。

 

「ユエ、無事か?」

 

ユエがジェイドを見つめ、頬を赤らめる。

 

「…ジェイド、ありがとう。」

 

ジェイドが笑顔で応じる。

 

「仲間だからな。」

 

ユエの瞳に光が宿り、彼女はジェイドへの想いを改めて自覚した。ルルリの魔法で復活したハジメが弱々しく微笑む。

 

「みんな、ありがとう…僕、みんながいてくれて本当に良かった。」

 

アリナが涙を拭い、ハジメの手を握る。

 

「ハジメ、私が守るって言ったのに…ごめんね。」

 

ハジメがアリナの手を握り返し、優しく言う。

 

「アリナ、君がいてくれるだけで十分だよ。」

 

ルルリとロウも近づき、6人は互いに見つめ合う。恐怖を乗り越え、戦いの中で深まった絆がそこにあった。

 

 

ヒュドラを倒した後、巨大な扉が開き、最深部への道が現れた。6人は神代魔法を手に入れるために前へと進む。ハジメが皆を見回して言う。

 

「僕たちは最弱かもしれないけど、みんな一緒なら何でもできるよね。」

 

ジェイドが笑って応じる。

 

「そうだな、ハジメ。何としてでも地上に戻ろうな。」

セリフと地の文分けると時間がかかるのですが、次話更新が数週間程度遅くなってでも分けるべきですか?

  • 更新優先でお願いします。
  • セリフと地の文分けるの優先で。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。