処刑人と白銀の英雄は世界最強 作:改革結集の会
ハジメ達は、メルド団長率いる騎士団員やクラスメイトと共に、【オルクス大迷宮】の正面入口がある広場に集まっていた。ハジメは薄暗い洞窟のような入口を想像していたが、目の前には博物館の入場ゲートのような立派な門と受付窓口が広がっていた。制服姿のお姉さんが笑顔でステータスプレートをチェックし、出入りを記録している。「戦争に備えて死者数を把握するんだってさ」とアリナがハジメに耳打ちすると、ハジメは「へぇ、几帳面なんだね」と感心した顔で返した。
広場には露店が所狭しと並び、店主達が大声で客を呼び込んでいる。「タレが自慢の串焼きだよ!」「迷宮土産に魔石アクセサリーはいかが?」と威勢のいい声が響き合い、お祭り騒ぎの熱気が漂う。浅い階層で稼ごうとする冒険者、勢いで挑んで命を落とす愚か者、裏路地で犯罪に手を染める輩までいて、王国と冒険者ギルドが協力して管理しているらしい。受付脇では素材の売買も行われており、迷宮に潜る者には便利な場所だ。ハジメが「なんかテーマパークみたいだね」と呟くと、アリナが「ハジメがいなかったら、こんな騒がしい場所なんて苦痛でしかないよ」と肩を竦めた。ハジメは「僕もアリナがいなかったら迷子になってる」と笑い、二人は手を繋いでメルド団長の後をカルガモのヒナのようについていく。
ジェイド、ルルリ、ロウは「白銀の剣」パーティーとして固まり、キョロキョロしながら進んだ。ジェイドが「露店の剣、悪くないな」と呟くと、ロウが「どうせなら迷宮で素材拾って作った方がいいだろ」と返す。ルルリが「二人とも物欲しそうですね」と笑い、ジェイドが「リリアーナに何か贈りたいだけさ」と照れ隠しに咳払いした。
迷宮の中は外の賑わいとは別世界だった。縦横五メートル以上の通路は、緑光石の薄い発光で照らされ、松明がなくても視界が確保できる。ハジメが「この鉱物、鑑定してみようかな」と言うと、アリナが「ハジメの錬成なら何か分かるかもね」と期待を込めて見つめた。ハジメは「鉱物系鑑定」を発動し、「緑光石だね。魔力を蓄えて発光する性質がある」と分析結果を呟く。アリナが「じゃあ、これ壊したら暗くなる?」と巨神の破鎚を手に持つと、ハジメが「やめてよ、アリナ! 迷宮ごと壊す気?」と慌てて止めた。
一行は隊列を組み、広間へ到着。ドーム状の空間で天井は七八メートルあり、壁の隙間から灰色の毛玉――ラットマンが湧き出てきた。メルド団長が「光輝達が前に出ろ! 交代で戦うぞ! ラットマンはすばしっこいが大した敵じゃない!」と指示を出す。光輝、雫、龍太郎が前衛にで迎撃し、香織、そして彼女と特に親しい女子二人、メガネっ娘の中村恵里とロリ元気っ子の谷口鈴が魔法を準備。ハジメとアリナは後方で待機しつつ、ハジメが「鉱物系鑑定」で周囲の岩を分析。「この壁、脆そうだな」と呟くと、アリナが「なら私が巨神の破鎚でぶっ壊すよ」と笑った。ハジメは「冗談はよせよ、アリナ」と笑った。
光輝の聖剣が一閃し、ラットマンをまとめて切り裂く。刃が空気を切り裂く音と共に、灰色の毛玉が血飛沫を上げて地面に崩れ落ちた。龍太郎は拳を振り下ろし、「オラァ!」と叫びながらラットマンを吹き飛ばす。衝撃波が床を震わせ、敵の体が壁に叩きつけられた。雫は流れるような抜刀術で敵を両断し、鋭い切れ味がラットマンの筋肉を紙のように裂く。後衛では香織達が詠唱を終え、「暗き炎渦巻いて、敵の尽く焼き払わん、灰となりて大地へ帰れ――『螺炎』!」と唱えると、螺旋状の炎がラットマンを飲み込み、断末魔の「キィイイッ」を上げながら灰に変えた。
ハジメとアリナの出番はなく、アリナが「ハジメ、私達も何かしたいね」と不満げに言うと、ハジメが「まぁ、僕の錬成じゃあのチート軍団には勝てないよ」と肩を竦めた。メルド団長が「魔石の回収も忘れるなよ。オーバーキルすぎるぞ」と苦笑いし、香織達が「やりすぎちゃった」と頬を赤らめる中、一行は順調に階層を下げていった。
ハジメ達一行は一流の冒険者と認められる二十階層に到達した。ハジメ達のチート能力で楽に降りられたが、トラップが最大の脅威だ。騎士団員のフェアスコープによる誘導のおかげでここまで来たが、メルド団長が「ここからは複数種の魔物が連携してくる。油断するな!」と気合を入れる。
ジェイド率いる「白銀の剣」は、前世での連携を活かし、メルドも舌を巻くほどの戦闘力を発揮した。ジェイドが剣を振り抜き、鋭い斬撃で魔物の首を刎ねると、ロウが「黒炎!」と叫び、黒い炎で敵を焼き払う。炎が魔物の体を焦がし、焦げ臭い匂いが広がった。ルルリが「癒しの光を!」と回復魔法を放ち、ジェイド達の軽い擦り傷を瞬時に癒す。その動きはまるで一つの生き物のように息が合っていた。
一方、ハジメとアリナのパーティーは独自の連携を見せた。犬型の魔物――クロウ・ウルフがハジメに向かってきた。ハジメが地面に手を付き、「錬成!」と叫ぶと、地面が隆起して落とし穴を作り、魔物を閉じ込める。アリナが「ハジメ、ナイス!」と巨神の破槌を振り下ろし、落とし穴の中で動けない魔物を粉砕。鈍い音と共に魔物の体が潰れ、血と肉片が飛び散った。ハジメは「アリナに倒してもらって、まるで僕は寄生型プレイヤーだな」と自嘲したが、魔力とレベルが上がり、錬成の精度が向上していることに気づく。
ジェイドが「ハジメ、いい連携だな」と褒めると、アリナが「ハジメのサポートがあってこそだよ」と胸を張る。ルルリが「ハジメさん、地味に活躍してるのです」と笑い、ロウが「まぁ、俺らの火力には敵わねぇけどな」とからかった。ハジメが「アリナがいれば十分だよ」と返すと、アリナが「ハジメ、大好き!」と抱きついてくる。香織がその様子を遠くから見て拗ねた顔をするが、ハジメは気づかず、「白崎さんが守るかどうかなんてどうでもいいや」と内心で呟いた。
二十階層の奥は鍾乳洞のような複雑な地形だった。ハジメが「鉱物系鑑定」で「このツララ、壊れやすい」と分析し、「アリナ、高火力は控えて」と忠告すると、アリナが「分かったよ、ハジメ」と頷いた。先頭の光輝達が立ち止まり、メルド団長が「擬態してるぞ! 周りをよく見ろ!」と警告。壁が変色し、ロックマウントが現れた。ゴリラのような魔物が胸を叩き、「ドンドンドン」とドラミングを響かせる。
光輝が聖剣を振り、「下がれ!」と叫びながら斬りかかるが、足場が悪く動きが鈍る。龍太郎が拳を叩き込み、「くらえ!」と衝撃波を放つが、ロックマウントの硬い皮膚に弾かれた。雫が抜刀術で横から斬りつけ、鋭い刃が魔物の腕に浅い傷をつける。ロックマウントが「グゥガガァァァ!」と咆哮を上げ、「威圧の咆哮」で全員を硬直させた。ハジメが「うっ、体が動かない!」と呻くと、アリナが「ハジメ、じっとしてて!」と前に出るが、彼女も一瞬動きを止められた。
ロックマウントが岩を投げ、アリナが「ハジメ、下がって!」と巨神の破鎚で迎撃しようとするが、岩が第二のロックマウントに変形。空中で一回転し、「ガオォ!」と吠えながらダイブしてきた。アリナが「何!?」と引き上げ、香織達が「ヒィ!」と悲鳴を上げる。メルド団長が「戦闘中に何やってる!」と剣で切り捨て、魔物の体が地面に落ちて血溜まりを作った。
光輝が「よくも香織達を怖がらせたな! 許さない!」と激昂し、聖剣を輝かせて「万翔羽ばたき、天へと至れ――『天翔閃』!」と放つ。光の斬撃がロックマウントを両断し、壁を破壊。轟音と共に破片が落ち、メルドが「馬鹿者! 崩落したらどうする!」と拳骨を食らわせた。光輝が「へぶぅ!」と呻き、「すみませんでした」と謝った。アリナはこれを見て開いた口がふさがらなかった。こんなんでよくハジメをバカにできたよなと。
崩れた壁から青白く輝くグランツ鉱石が現れ、香織が「素敵……」と見とれる。ハジメは「鉱物系鑑定」で「価値はあるけど脆いな」と呟き、アリナに「僕にはアリナの方が輝いてるよ」と囁く。アリナが「ハジメ、そういうところが好きだよ」と照れる中、檜山が「俺らで回収しようぜ!」と勝手に登り始める。メルド団長が「安全確認がまだだ!」と止めるが、檜山が「うるせぇな!」と無視して鉱石に触れ、魔法陣が発動。
部屋が光に包まれ、ハジメ達は転移させられた。巨大な石橋の上に叩きつけられ、ハジメが「痛っ」と尻をさする。アリナが「ハジメ、大丈夫?」と抱き起こし、ジェイドが「くそっ、どこだここ!」と剣を構える。ルルリが「皆さん、無事ですか?」と確認し、ロウが「檜山のバカのせいだ!」と怒りを露わにした。檜山はロウの剣幕に何も言えなかった。やはりアリナが小心者のゴミと評するだけのことはある。橋は百メートル以上あり、下は奈落の闇。横幅十メートルだが手すりもなく、落ちれば終わりだ。
メルド団長が「階段まで急げ!」と指示を出すが、階段側と通路側から魔法陣が現れ、魔物が溢れ出す。階段側からは骸骨のような魔物がガチャガチャと剣を鳴らしながら、通路側からは巨大な影が現れた。メルドが呆然と呟く。
「まさか……ベヒモス……なのか……」
セリフと地の文分けると時間がかかるのですが、次話更新が数週間程度遅くなってでも分けるべきですか?
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更新優先でお願いします。
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セリフと地の文分けるの優先で。