朧月   作:アサシン・零

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第1話「麗らかな日々」

紀元528年寒い12月のある夜

 

私は思った。この世では戦争はなくらないと思い知ったのだ。そうある時、高句麗と百済の戦争が始まった。

 

過去

 

「李 夏瑞!! 夏瑞!? 起きろ」

 

「兄さん何? 今日は父上が戦から帰ってくる日だろう。覚えていないのか?」

 

私は兄のほうを向いて咄嗟に

「兄さん!!それ本当!?お父様が帰ってくるって?」

 

「あぁ、父上はまず今日の手柄を報告してくるはずだ。」

 

父上は高句麗での歩兵大隊長「「李 瑞純」」(リー セオジュン)でした。父上は先の百済の治めていた彭府城の攻城戦。この戦いにおいて勝利したのでした。それ以来、大隊長となって今日、荒起城の戦いから帰ってくるところでした。

 

父上はとにかく厳しい方でした。本当は私に色々、教えたかったのでしょうが、大隊長となって以来はたびたび会えていません。

 

兄さんの名前は「「李 瑞鳳」」(リー ソパング)。ここ浄邱の役人をしています。兄さんは役人なので父上の情報が兄の耳よりたびたび入ってくるのでした。

 

此度の荒起城の戦いは壮絶で高句麗側は不利を強いられたようです。父上の身が心配になってきます。この戦では武勇に長けた父上の上司である「織 水武」(ジャン ミジェウ)三千人将が戦死し、苦戦を強いられましたがなんとか死人を多く出しながらも敗走し逃げてきたのでした。

 

原因は荒起城が現代で言う仁川より南のほうにあったことが原因でした。地形もほぼ湿地地帯。おまけにここは三角州で川を渡るのに時間がかかるそうでしたはこの時代高句麗は劣勢でした。なぜなら新羅からも高句麗領焼都城まで進軍してきたためでした。

 

「父上!!」

 

「おう、瑞鳳。元気にしてたか?」

 

私は喜びのあまり父に抱きついた。

「お父様!!」

 

「夏瑞までいたのか?長いこと留守にしてすまん。」

 

とりあえず3人は家の中に入っていく。

 

「ただいま。」

 

「おかえりなさい。あなた。」

 

「ちょうどいい。二人ともこっちに来なさい。」

 

父に言われて二人とも座る。

「二人とも元気だったか?」

 

「はい!!」

二人揃って言う。

 

「此度の戦は少し長かったからな、「織 水武」(ジャン ミジェウ)三千人将は戦死した。代わりに弟君の「織 水羽」(ジャン ミジェウバ)二千人将が総大将を勤め、皆を逃がしたのだ。」

 

「そして私は目を疑った。此度の戦は死人が多すぎた。おそらく新羅側の焼都城攻略戦も負けるであろう。高句麗にはもう人材がほとんどない。せめてできるものなら戦に出たかったが「織 水羽」(ジャン ミジェウバ)二千人将は止めた。戦も長続きしているから一回、帰りなさいと言われて帰ってきたのだ。」

 

父が腕を組みながら焚火を見つめる。

「戦は消えないだろう。新羅より東の島国大和でも多くの血を流しているに違いない。此度の戦は敗北したが次は必ず勝利してみせる!!」

 

父上は身長172cm 体重55kgの現代からしてみれば平均的であるがこの時代はかなりの大きさである。兄の身長も178cm。体重は61kgだ。

 

この当時の朝鮮は高句麗、新羅、百済の三国に分かれて争っていた。いわば朝鮮の三国時代。私達が住んでいるこの街である「浄邱」(ジョング)は今の漢城(ソウル)の東当たりの山の麓にあった街だ。山を使った街なので政庁は山の上にあるし、ほとんどが坂道であるが攻めにくく、敵も狙いにくいのでは自勢力の派閥からたびたび言われていた。

 

「それよりも父上、水羽三千人将って確か、かの有名な浄麓平野の戦いで3000の兵力で勝った将軍ですよね?」

 

父は兄を見て言う。

「よく知っているな?」

 

「上司である「金 衛江」(キム ウイガン)から聞いたことがあります。」

 

実は水羽三千人将は父が初陣の「浄麗(ジョンミョン)平野の戦いで総大将ではなかったものの当時、五百人将だった将軍は敵方である百済6000人の軍を僅か3000差で埋めたという話だ。これは非常に有名である。

 

父が再び囲炉裏の火を見て話す。

「うむ。私もその時は新兵でその時の総大将は「震 空浄(ジン ビンジョン)元将軍であった。現在は武官を引退し文官に転身したと聞いた。」

 

私は真面目な顔で父のほうを見た。

「父上、私はその戦いの時、3歳でしたのであまり覚えていません。各将官はどんな人物だったのですか?」

 

父が私の顔を見て話す。

「うむ。まずは総大将の「震 空浄」(ジン ビンジョン)元将軍。そして現在の「織 水羽」(ジャン ミジェウバ)三千将。「綾 守飛」(アヤ スビ)三千人将。「深 吹滅」(シン ブンニャン)三千人将。「穂 煌烈」(スイ フワン)二千将などだ。」

 

「どれも猛者揃いで特に「穂 煌烈」(スイ フワン)二千将は七支刀を使って戦う。七支刀は基本的に祭事に使うものだがあの人は七支刀を武器として戦った。」

 

父が再び囲炉裏を見て話す。

「織 水羽三千将は長槍を持って戦った。数々の武功を挙げたのは間違いないだろう。ただあの方は実兄である」織 水武二千将とは性格が違って短気で豪胆な性格で怨みをどこでも買っている人だった。」

 

「陣中で殺されないといいのだが............」

 

 

その夜は父は家の中で寝た。母上と共にきっと子供をまた作るのだろう。命はなんとも言えないのが戦乱の今だからこそ子供は大切な宝物になるのかもしれない。

 


 

現在:百済・西楼城・政庁

 

「申し上げます!!」

 

「高句麗との戦いは百済の勝利となりました。ただ高句麗軍は敗走したようです。」

 

「ご苦労さん。休んでもいいぜ。」

 

「ありがとうございます。「北 哀鴨」(ボグ エガー)様。」

 

「いいってことよ。それはそうと高句麗軍はどうしたんだ。」

 

「はっ、「北 哀鴨」(ボグ エガー)様の言う通り、「彭府」(ヘンプー)城は陥落しました。敵軍味方問わず大損害が出たそうです。」

 

「そうか。致し方ない。俺が出陣する。」

 

「!!本当ですか!!」

 

「ああ、だが高句麗軍総大将の「織 水羽」(ジャン ミジェウバ)と一騎討ちがしたくてさ。」

 

「それはどれ故に?」

 

「君も百済軍なら分かるだろう。」

 

「相手である武将の力量を確かめたくてだな。」

 

「でも次の戦いはおそらく補給もあわせて3日かかると思いますが?」

 

「織 水羽」(ジャン ミジェウバ)と戦いたい。だが3日か。高句麗軍側の基地はどこにある?」

 

今度は伝令でなく別の人物が話し出す。

 

「一番は高句麗領の「浄邱」(ジョング)じゃないでしょうか。」

 

「浄邱」(ジョング)か。確か山岳地帯にある城塞都市だったよな。」

 

「はい。「浄邱」(ジョング)は山岳地帯にあります。なので普通に攻めると難しいでしょう。なので策略が必要かと思われます。」

 

「慶 若純」(ゲイ ワジュン)おまえ天才かよ。だがそうだな。諸将を集めよう。まずはそれからだ。」

 

伝令が答える。

 

「はい。では西楼城にいる諸将を集めてきます。」

 


 

西楼城軍議室

 

「皆様、こちらからの招集に感謝します。」

 

北 哀鴨」(ボグ エガー)様、本題に入りましょう。」

 

「うむ。「慶 若純」(ゲイ ワジュン)。武官23名のうち、武将として戦えるのは6名の貴方様方。文官は15名集まりましたが彼らには軍師を与えます。中華でいう軍師中郎という役職を与えますので文官もそのうち6名輩出します。」

 

 

「まずは秦 李準」(ジン イジュン)様、お力をお借りください。」

 

 

 

 

 

 

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