便利屋節約ご飯 作:ひよりん
「…お金、ないね」
「ね〜!」
「「ね〜!」じゃないのよ!だから節約しなきゃいけないのに…!」
「あ、アル様…わ、私内臓を…!」
「「「売らなくて良い/から!/って…/と思うよ〜♪」」」
「は…はい…」
「……はぁ…と、とりあえず!私とムツキで仕事に行くから、2人は事務所で電話番をお願い」
「わ、わかりました…!」
「それはいいけど…社長達は夕方まで帰って来ないんだっけ」
「そうね…」
「な、なら晩御飯は私が…!」
「え〜!ハルカちゃんが作ってくれるの?いいじゃーん!」
(…って言っても、もう食材なんてうどんと残り物の野菜くらいしかないし…)
「は、ハルカ?その…無理はしなくて良いのよ?素うどんでいいから…」
(いいから、っていうか食材が無いんだけどね!)
「わ、わかりました…すうどん…用意しておきます!!」
(……電話、今日も結局来なかったな…)
ポツリとため息を一つ
「はぁ……」
日がな一日、掃除と武器の手入れに使ってしまった
今頃2人は上手くやったのだろうか、いつだったかムツキとハルカが爆弾を使いすぎて報酬がパァになった事が頭をよぎる
(今回は社長も一緒だし、大丈夫だろうけど…)
…まあ、そんな感じでやってるおかげで今の事務所を維持するのもギリギリ…
食費を切り詰めながらなんとかやってるけど…
「……あ、晩御飯の用意…ハルカ、1人でできたかな…」
とはいっても、今の便利屋には経済的な余裕が無いから今日の晩ご飯は素うどん
多分問題は……
(…酸っぱい匂い…?)
「ハルカ?これなんの匂い?」
「あ…か、カヨコ課長…!え、ええと…すうどんを…」
「うどん腐ってた?…あ」
ハルカの手元を見て、理解する
「……ハルカ、素うどんって、お酢は使わないから…」
「…えっ…?……ええぇぇっ!?す、すみませんすみませんすみません!!そ、そんな…!」
慌てふためくハルカを横目に、うどんの入った鍋の汁をスプーンで一口…
(酸っぱ……うーん…)
「すみませんすみません!そ、その…」
「落ち着いて、大丈夫だから」
「え…?」
「…多分、だけど…ハルカ、今から言う通りにしてみて」
「まずは今のままだと酸っぱすぎるから、お湯を半分捨てて捨てた分の水を足す」
「は、はい!」
「それから…調味料…鳥ガラスープの素と醤油、砂糖…片栗粉もあればよかったけど、無いか……ほら、入れて」
「…ど、どのくらいいれれば…?」
「味見しながら調節して、今日はハルカが作るんだから」
「…は、はい…」
「やっほー!ただいまー!」
「あ、おかえり」
「おおお、おかえりなさい!!」
「晩御飯できてるよ、ね、ハルカ」
「…は、はい…」
ハルカがうどんの入った丼を机に置く
「…酸っぱい匂いがするわね」
「賞味期限マズかった?」
「ううん、お酢が入ってるだけだよ」
「…お酢?」
「……あ、お酢うどんってこと?」
「すみません…ごめんなさい…!」
「大丈夫だって、ちゃんと美味しかったんでしょ?」
「うう…」
「…なにがあったのかはわからないけど、まあ、とりあえず食べましょう?」
「「「「いただきます」」」」
「うーん…?…ずずず…あ、美味しい!」
「これをハルカが?すごいじゃない、ハルカ!」
「あ…ええと…!」
「うん、ちゃんと美味しくできてるよ」
「…は、はい!」
鶏ガラ出汁と醤油、砂糖、それからお酢、それだけだけど、ちゃんと美味しく仕上がってる
「ねえねえカヨコちゃん、これって何?」
「…サンラータン風うどん、かな…出汁も味が濃くて美味しいでしょ」
くたくたに茹でられたうどんが酸っぱくて、鳥の旨みがたっぷりの出汁をよく吸っている
「ちゅる…」
「それで、今日の仕事の報酬は?」
「ちゃんと振り込んでくれるって、これでしばらくは安心ね…!」
(((だといい/けど…/ね〜/ですね…)))