便利屋節約ご飯 作:ひよりん
「さて、と…どうする?」
「お金、ないね」
「…すみません、やっぱり私、血を…」
「「売らなくて良い/よ?/から…」」
「で、でもアル様のお誕生日祝いが……」
「…そうだね、この前の仕事の報酬がこれで…」
「こっちがみんなのアルバイトのへそくり〜」
「…全部合わせて、4000円…」
「意外とあるね」
「でもでも〜、ケーキ買って、ご飯買ったら足りなくなるよ?」
3人でテーブルに並べられたお金を囲み、唸る
「そもそも、プレゼントか、ご飯か…か」
「どう、しましょう…今日はアル様は夕方までシャーレにいますし…」
「……時間はある、か…じゃあ、誕生日プレゼントは、ムツキに任せるよ」
「え?」
「私とハルカで晩御飯、1000円もらうね、行くよ」
「は、はい…!」
「んー、仕方ないか、了解!」
「1000円で、豪華なご飯とケーキは…無理か」
「…や、やっぱり私、今からでも…」
「大丈夫、やりようはきっとあるから」
「は、はい…」
スーパーマーケットの中をフラフラとウロつき、買い物する内容に当たりをつける
(…何を作れればいいんだろう、1000円、ご飯、うーん…)
「…4人前を1000円、お米と調味料はあるけど…何ができるかな」
「お、お鍋はどうですか…?」
「鍋、いいね…ただ、野菜が高い、かも……豆腐、こんにゃく…でも、せっかくの誕生日に…ううん」
「あなた達、何してるの?」
「えっ」
「……空崎ヒナ…?…なんで、ここに…」
「買い物だけど…で、何してるの?」
「…アルが誕生日だから、買い出し」
「ふうん…そうなの、陸八魔アルが…」
「そっちは?」
「…今日も遅くなりそうだから、夕飯でも、買おうと思って…夜遅くだとスーパーがやってないから」
「……」
「なんで黙ってるのよ」
「いや…」
「ええと…」
「…はぁ…まあいいわ、じゃ、私は行くから」
「……なんだったんだろ」
「さ、さあ…」
「やっぱりお鍋が現実的なのかな…白菜半玉400円、か…豚肉100グラム98円を…300円くらいで…豆腐は、48円の…」
「あ…か、カヨコ課長…事務所にもまだ乾燥しいたけがあります…!」
「…冷蔵庫にうどんもまだあったけど…正直飽きたし……うーん、これで…ええと…あ、お会計500円超えてるから卵が120円…」
「ど、どうしましょう…」
「…お鍋をするには物足りないけど、このまま買っていこうか……あれ?」
「あ……(ジャキッ」
「で、ギリギリ1000円」
「うわぁ!白菜今高いのに…よく買えたね」
「…誤魔化し誤魔化しになるけど、これでなんとか納得してもらおう、それより…そっちは?」
「みてこれ!」
「へえ…それなら、こっちもあるよ」
「わーお♪いいじゃん!プレゼントも用意できたし、アルちゃん帰ってくる前に準備しよっ!」
「ただいまー、あら…」
「「「お誕生日おめでとう、/ございます!/アルちゃん!/社長」」」
「…あ、ありがとう、ところで…どうしたの?それ」
「今日の晩ご飯、お鍋だよ」
「しかもすき焼き!…まあ、春菊の代わりに白菜だし、牛肉じゃなくて豚肉だけどね」
「すき焼き風、って事で良いでしょ、早く食べよう、社長」
「あ…う、うん…」
「あれ?もしかしてアルちゃん感動して泣いちゃった?」
「泣いてないわよ!うるさいわね!!」
「あははっ怒ったー!図星じゃん!」
「…さて、いただきます!」
「ほら、社長、お椀貸して」
鍋の中でクタクタに煮込まれた豚肉と白菜、そして椎茸をよそう
「ふー…ふー…はぐっ…ん…美味しい!」
「甘っ辛くて美味しいよね〜、卵に潜らせるともう最高!」
豚肉で白菜を包み、溶き卵を纏わせて口に運ぶ
砂糖と醤油、それから和風出汁の素を少し混ぜただけの味付けが、卵を纏わせるだけですき焼きらしくなる
「うん、おいしいね」
「は、はい!お豆腐もよく味が染みてて…すごく美味しいです!」
(本当はしらたきとか…お麩とかが欲しかったけど、ないものは仕方ないか…)
「ふう…食べたね」
「そうだね、あ、アルちゃん、これ私達から!」
「これ…口紅?…良い色ね!ありがとう!」
「…あー、あと…」
「あ…アル様、その…」
「…どうしたのよ」
「これ、貰い物だけど、ケーキ」
「…だ、誰に貰ったの?」
「風紀委員長…」
「…な、なんですって!?……お礼の電話とかしたほうがいいのかしら」
「繋いでもらえないんじゃない?」
4人でケーキを食べた