便利屋節約ご飯   作:ひよりん

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第5話

「ずっと退屈だし、そろそろお腹減ったー…」

「はぁ……じゃあ、お昼ご飯にしようかな…」

「わーいっ、何食べる?何食べるの?カヨコちゃんっ♪」

「…そんなにはしゃいでも、何もないでしょ、コレ以外」

「…だよねぇ、あはは」

 

お鍋の蓋を開けると、白く固まり浮いた脂と、茶色い液体、ポツポツと浮かんでいる謎のカケラ…

「…美味しかったね、すき焼き」

「うん……まあ、もうすぐ報酬も出るし、今日も社長たちが依頼をこなしてるし」

予定通りなら、それなりのお金が入ってくるはず…

それさえあれば、足りない食材を買い揃えて、真っ当なご飯を食べられる…

「明日は美味しいもの食べたいなぁ…」

「…そうだね」

 

冷やご飯の入ったタッパーを冷蔵庫から出し、レンジで温める

その間に鍋に残ったすき焼きだったものを火にかけて温め直し…

「…うーん、冷蔵庫空っぽだ…せめて卵とかあれば最高だよね〜」

「いいね、この汁を煮詰めて、少なくなったらたまごで閉じて…」

「あ、いい!それに味噌とか!味噌のこってりした味が卵とじでまろやかになるんだよ〜」

「…ものすごく美味しそうだけど、卵はもうないから、この話はやめよう」

「…うん、余計にお腹すいちゃった」

 

温め直したご飯をお茶碗に盛り付け、すき焼きの汁をご飯にたっぷり回しかける

ご飯全体に馴染ませて…完成…

「いただきます」

「いただきまーす!」

スプーンですくって一口…

「ん…んん…?……んー……」

「どうかした?」

 

「意外と、美味しい…野菜とかお肉の味がちゃんとする…」

「…一応、すき焼きだったしね…豆腐のカケラとか残ってると、嬉しいよ」

煮汁ででひたひたのご飯をスプーンでサラサラと流し込む、甘辛のすき焼きの味付けを吸ったご飯…

まあ、決して不味くはないけど、コレと言って特別に美味しいわけでも無く…

(卵がないから?うーん、それともやっぱりお肉……)

(…美味しいんだけど…なんだか、虚しくなるな…)

 

「…ねえねえ、カヨコちゃん、すき焼きふりかけってあるよね」

「…あるね」

「あれってこんな味なのかな?」

「…いや、あれは別物でしょ」

「だよねぇ…あっちの方が美味しかったりするのかな?」

「…さあ…」

((…微妙に、物足りない…))

 

「ごちそうさまでした!」

「ごちそうさま」

「…そろそろ、お魚とか食べたいなぁ」

「いいね、お刺身が良い、サーモンとか」

「美味しいよね〜♪あ、そうだ!ムツキちゃん良いこと思いついちゃった!」

「いい事?」

「くふふ、1人あたりが…このくらいだとしたら……うん、みんなでお魚食べる方法あるかも!」

「え?」

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