便利屋節約ご飯 作:ひよりん
「……あ」
「あれ、カヨコ課長、どうかしましたか…?」
「ハルカ、みて、これ」
スーパーの一角、野菜コーナーに積まれた、大量の白いキノコ
「…これは…エノキですね…」
「そうだね、一つ78円か…よし、たくさん買って帰ろう」
「えっ」
「大丈夫、ちゃんと美味しくするから」
「あ、あの…カヨコ課長…こんなにエノキばっかり買ってどう…あ、いえ!不満があるわけでは…!!」
「うん、これはなめたけにするよ」
「…な、なめたけ…?」
「そう、なめたけ、エノキは栄養もあるし、夏バテにも良いんだ、そうめんを食べる時に麺つゆに混ぜ込むとアクセントにもなるよ」
「…夏バテ…そういえば、最近アル様たちが…」
「うん、完全にバテてるからね、スタミナつけてもらわないと…」
「さてと…まず、エノキの石づきの部分を切り落として、長さが半分くらいになるように切る」
「それから一口分になるように割いて分ける…コレを耐熱容器に入れる」
「めんつゆとみりんを2:1の割合でまぜて、そこにチューブニンニクを少し入れたらラップをふんわりかけて…レンジで全体がクタクタになるまで温める」
「コレで完成…ですか?」
「うん、基本的にはコレで完成、でも今回はさっぱり食べたいからお酢をひと回しして…ほんとは冷蔵庫で一晩寝かせたいけど、今日食べようか」
「…いい匂い…何作ってるの?」
「お疲れ社長、なめたけだよ」
「なめたけ…」
「ハルカ、そうめんはどう?」
「は、はい!そろそろ茹で上がります!」
「ならそっちのザルに出して、水で洗ってから氷水につけて」
「わかりました!」
(…ラーメン屋の厨房?)
「じゃあハルカ、つゆを作ろうか、まずは麺つゆに粉末鶏がらスープを入れて、よく溶かす」
「はい…ええと、砂糖と、お酢を加えて…混ぜて、冷蔵庫で冷やして…」
「じゃあ、お皿に盛り付けたそうめんに茹でた鶏胸肉をほぐしたものときゅうりの千切りを乗せて」
「は、はい!」
「ここでなめたけ、をのせる前に…小皿に移して、ラー油をたっぷりかけてよく馴染ませて、トッピング」
「さ、最後に氷とスープをまわしかけて…」
「はい完成、そうめんの冷麺風」
「「「「いただきます」」」」
「はむ……うん?」
「ちゅる……うん、辛くない?」
「でも美味しいでしょ」
「は、はい!その…エノキがすごく、シャキシャキしてて、そうめんとも相性が良くて…!」
「うん……うん、美味しい」
そうめんと一緒になめたけを口に運ぶとガツンと辛さと酸っぱさが来る
冷たいのに、食べれば食べるほど芯から熱くなるような…
「ずず…うん、コレ美味しい!」
「はぁ…ごちそうさま…2人ともありがとう」
「い、いえ!」
「しっかり食べて、また明日からも頑張らなきゃね」
「そうね!」