【助けて】数年後に人類が半減するスレ【クレメンス】 作:華風鱗月
湿ったコンクリートの壁、冷たい空気、剥き出しの裸電球が揺れる暗い地下室にて二人の男が向き合っていた。
「例の物は手に入れたか?」
二人の内、片割れが低い声を響かせながら問い掛け、沈黙を破る。
「いえ、まだ手に入れられておりません」
「何?貴様にアレの捜索と入手を任せて暫く経つが報告もしないどころか手に入ってないだと…?ふざけているのか?」
「滅相もございません」
男は怒りを顕にするが、もう片方の部下と思われる男は直ぐ様否定する。
「今現在、例の物を所持していると思われる男を発見致しました。今夜明朝、奪う予定であります」
「ほう、今夜か…良いだろう。人員も道具も好きなだけ使え。代わりにアレを手に入らなければ…分かっているだろうな?」
「ハッ!」
男は報告された内容に怒りを収め部下に必ず手に入れる様にと指示を出し、圧を掛けるが部下の男は平然とした態度で返事をする。
「では行け!」
「失礼致します」
部下である男はそのまま地下室から出ていく。対して残った男は懐からタバコを取り出し、火を付けて吸い始める。
「フゥー…アレさえ…アレさえ手に入れば我らの400年の悲願がなされるのだ!失敗は許さんぞ……
半蔵よ…!!」
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751:サムライ
疲れたー!
752:名無しの転生者
お疲れイッチ
753:名無しの転生者
今日も事件多かったな
754:名無しの転生者
イッチが毎日活動してんのに何時になったら治安回復するんすかね?
755:名無しの転生者
そもそも政府や警察は何してんだって話になるよな
756:名無しの転生者
一応ちゃんと動いてるぽいけどね…巻き起こる事件の量の方が多いせいで手が回ってないと言う
757:名無しの転生者
オレMCUの世界に転生しなくて良かったわ
758:名無しの転生者
人手が足りねぇ…
759:サムライ
そもそもヒーローの数が少ねぇ…!!早くアベンジャーズ結成しないかな…
760:名無しの転生者
あと数年は耐え忍ぶしかないな
761:名無しの転生者
アベンジャーズ結成しても日本のヒーローイッチしか居らんぞ
762:忍術学園教師
そもそも治安が低下した原因を潰した方が早いんとちゃうか?
763:名無しの転生者
その原因が判明すれば良いんだけどな。今の所何もわかってないと言う
764:名無しの転生者
最悪じゃん
765:名無しの転生者
正直どうしようも無いから毎日コツコツと頑張るしか無いよな
767:医療機関
一応少しずつでも回復し始めてるんだ。がんばれよ
768:サムライ
うっす…頑張る…おん?
769:名無しの転生者
MARVEL世界何だしビッグヒーロー6とかおらんのかね?
770:名無しの転生者
居るかも知れんけど…そもそもそいつ等がヒーローなるって決めな現れんやろ
771:忍術学園教師
でもまぁ確かにイッチのワンオペやときついんやし他のヒーローも欲しくなるよな
772:名無しの転生者
それな
773:サムライ
やばい、変な奴に絡まれた
774:医療機関
どうしたイッチ?
775:名無しの転生者
変な奴って変質者か?
776:名無しの転生者
まさか露出狂…!?
777:名無しの転生者
キャーエッチ!w
778:医療機関
変な奴ってどんな奴だ?
779:サムライ
分かんねぇ…一先ず視点共有で見せるわ
780:名無しの転生者
どれどれ?
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ヒーロー活動を終え、月明かりと街灯の光だけが照らす住宅街を歩いていた剣一郎の前にそいつは突然現れた。
「お前が原田剣一郎だな…?」
音も無く現れたその男は全身を真っ暗な服に包まれ、素顔も頭巾を被って全く見えない状態で剣一郎の前に立ち塞がる。
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781:名無しの転生者
黒尽くめやな
782:名無しの転生者
なんかこいつやばい雰囲気してんな…
783:忍術学園教師
コイツは…イッチ気を付けろそいつ、おそらくワイと同業者や
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(同業者…?まさか忍者なのかコイツ)
忍術学園教師の同業者と言う言葉に男の正体に勘付きながら警戒をする。
「だったら何だよ…」
「いやぁ?ただの確認さ…人違いで別の奴ぶっ殺したら頭目に叱られるもんでね」
「なんだと?」
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784:名無しの転生者
ファ!?
785:名無しの転生者
今イッチの事殺す言ったかこいつ!?
786:名無しの転生者
なんで!?
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男の口から平然と発せられた殺すと言う単語。威嚇や脅す為にでは無く、実際に殺すと言う威圧が感じ取れた剣一郎はその場から直ぐに逃げ出せる様に腰を落とす。
「っと殺す前にお前に聞かなきゃならない事が有るんだった…お前、鬼哭って言う刀の在り処、知ってるか?」
「っ…!?知らないね。そもそも知ってても人を殺すなんて言う奴に教える訳ねーだろうが…!」
男の口から発せられた鬼哭の名。それは紛れもなく剣一郎の一族、原田家が代々受け継いでいた妖刀の名に間違いなかった。
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787:医療機関
こいつ鬼哭が目当てか!
788:名無しの転生者
鬼哭って持つだけで殺戮の衝動に駆られるやつやろ?やばくね…?
789:忍術学園教師
こいつがなんの目的かは知らへんけど明らかにこいつに渡したらアカン!
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(アレは表向きは秘匿されてて知られない筈…!それがなんで…)
鬼哭は妖刀の中でも危険な物であり、その存在を知っているのは原田家を除き政府関係者のみとなっている代物である。
そんな鬼哭が忍者と思われる、更には人を殺すと平然と言ってのける男が探しているなど何かよろしくない事をしようとしているのは明らかだった。
「その反応、知ってるな?だが言うつもりは無いと…まぁ良い。もう一人のジジィに聞けば済む話だ」
「てめぇ…じいちゃんのとこに行けると思ってんのか?」
祖父も対象になっていると知った瞬間、剣一郎は目の前の男を祖父の元に行かせるわけには行かないと逃げの姿勢を止め、即座に攻撃できる様に構える。
「あぁ?いやいや、俺はジジィんとこには行かねぇよ
「俺はって、まさか!」
「ご名答!既にうちの頭目がてめぇのジジィを拷問してるところだろうよ!」
(クソッ、こいつだけじゃ無かったのかよ…!!だとしたらじいちゃんの元に行くのが最優先じゃねぇか!)
男に仲間が居ることを知った剣一郎は直ぐにその場から立ち去り祖父の元に急ごうと振り替えるが、目の前の男と同じ真っ黒な服を着込んだ集団が立ち塞がっていた。
「オイオイ、逃げようとするなんて酷いじゃねぇか…おい、ヤレ」
「クソッ…やるしかねぇか!!」
男の相槌と共に集団はジリジリと剣一郎に迫って行く。少しずつ追い立てられる剣一郎は覚悟を決め、行動する。
「うぉぉぉー!」
迫って来る敵に向かって走り出した剣一郎に対し、懐から各自武器を取り出して迎撃しようとする男達だったが…
「誰が真正面からやりあうかバーカ!あばよ!」
「何!?」
集団の間合いに入る直前、剣一郎は走り出したスピードを維持したまま直角に曲がり、塀へと向かう。そしてそのまま高い身体能力を使って塀を飛び越えてしまった。
「何ぼさっとしてんだ!さっさと追い掛けて仕留めろ!!」
「リょ、了解!」
男は突然の出来事に唖然としていた部下達を怒鳴りつけ直ぐ様追い掛けさせる。怒鳴られた部下達は直ぐに剣一郎を追いかける為、塀を飛び越えていく。
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795:名無しの転生者
良いぞイッチ!そのまま逃げろ!
796:名無しの転生者
取り敢えず抵抗出来る武器確保せな
797:名無しの転生者
それもやが通報した方が良いんじゃ?
798:名無しの転生者
イッチ今スーツ脱いだ後やから無茶できんぞ
799:忍術学園教師
イッチ気ぃ付けぇよ!連中、確実に武器に毒仕込んどる筈や!
800:名無しの転生者
イッチのじいちゃんの安否も気になるけど今はイッチが逃げ切らな…
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(通報…いや駄目だ!恐らく躊躇せずに人を殺せる連中だ。そんな奴等に警察なんて被害が広がるだけ…俺一人で対処するべきだ)
無駄な被害を出さない為に、時折追手から放たれるクナイや手裏剣等の攻撃を避けながら、人の気配がしない方へと逃げ続ける剣一郎。
そうして暫く逃げ続けていると住宅街の中でぽつんと存在する公園に辿り着く。真夜中と言う事もあってか人の気配は一つも無かった。
「このまま追われ続けてもいずれ捕まるし、一旦迎え撃つか…」
人が居ない事を確認した剣一郎はそのまま公園内に設営されている公衆便所の中へと入り、用具入れとなっているロッカーから一つのデッキブラシを取り出した。
「先端が重いけど、弘法筆を選ばずって言うし、武器代わりにはなるか。後は…」
武器を手に入れた剣一郎はそのまま公衆便所から出て公園の隅に植えられている木に登っていく。
丁度剣一郎は木を登り切ったタイミングで追手である男達が公園へと到着する。
「クソッどこに行った!」
「ただのガキの癖に逃げ足が早い奴め…!」
「確実にここに居るんだ。探すぞ」
追手はそれぞれが互いにカバー出来る程度の距離を保ちつつ公園内を捜索し始める。
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846:名無しの転生者
この後はどうするんやイッチ?このままじっとしててもいずれ見つかるぞ
847:名無しの転生者
それにイッチのじいちゃんの安全も確認せな
848:サムライ
分かってる!ずっと追われててもじいちゃんの元には行けない、と言うかあいつ等が行かせないようにしてるからここで制圧する!
849:名無しの転生者
確かにそれが一番いいんやろうけどイッチ気をつけろよ。今まで相手して来た素人と違ってあいつ等訓練を積んだ奴等だぞ
850:忍術学園教師
奇襲するんやったら右から2番目の奴に始めに襲い掛かれイッチ。そいつが一番実力が低い
851:サムライ
了解!
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忍術学園教師の指示の元、標的を定める。他の忍者と違い頻りに周囲を見回すその姿は確かに周りの忍者と実力が離れている事が見て取れる。
(いいぞ…そのまま近づいてこい)
標的である男が奇襲出来る程度の距離に近付いた瞬間、剣一郎は行動し始める。
木に登る直前、拾っていた小石を男達の視界が向いてない瞬間に離れた場所にある草木に投げる。
ガザっと小さいが真夜中と言う静かな環境ではしっかりと聞き取れるその音は男達の耳にも届いていた。
「おい、見て来い」
音に釣られた男達は全員がその方向へと視線を向け、内の一人が確認をする為に集団から離れた瞬間、
(今!!)
好機を逃さず木から飛び降り標的にした男の頭上へと手にしていたデッキブラシを勢い良く振り下ろす。
「アガっ!?」
「な、なんだ!?」
重力と剣一郎の脚力によって下方向へ飛び降りた加速力、更には約110cmの長さを誇るデッキブラシを力いっぱい振り下ろしたその一撃は男を一瞬にして夢の世界へと誘う威力となった。
背後から奇襲を受けた男達は驚きながらも直ぐに態勢を立て直し、各々が手にしていた得物を構え直す。
「まずは一人目、残りは…四人か」
敵一人を鎮圧した剣一郎も同じくデッキブラシを構え、敵の数と位置を確認する。背後から奇襲できたお陰か囲まれてはいない。
「頼むぜじいちゃん、速攻終わらせっから無事でいてくれよ…!!」
祖父の安否を気にしながら戦闘を開始するのだった。
シルバーサムライ編のヴィランをどうしようか悩んでます…MARVELに登場しているかつ、MCUに出ていないヴィランを出すかオリジナルキャラを適当に出すか…アンケ取ります。尚、原作キャラの場合はハンドから出すつもりなんですが…作者、ディフェンダーズサーガ見てないんですよね…
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別にオリジナルでもええんちゃう?