【助けて】数年後に人類が半減するスレ【クレメンス】   作:華風鱗月

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14スレ目お待たせしました。
数話前から試みて居たのですが通常のシーンと展開が素早く動き続ける戦闘シーンでスレ民の会話の書き方を切り替えて行こうと思います。
通常シーンではスレの番号と名前(名無しの転生者orコテハン名)ですが戦闘シーンは【】で言葉のみ書きます。一応コテハン勢は口調を特徴的にしたり地の文で誰が発したのか分かるようにしますが、分からなかったらすいません。

ただ最近の話ではスレ形式がメインと言うより地の文がメインな形式になってきたのでタグの掲示板形式は無くして掲示板回アリにした方が良いのか悩んでおります





14スレ目

「じい…ちゃん?嘘だろ?」

 

 道場に踏み込んだ剣一郎の視界に映ったのは胸を斬られ、白い胴着を血で真っ赤に染めげて倒れている弦一郎の姿だった。

 

 弦一郎の周りには弦一郎が流したであろう血が広がっており、その量からして傷の大きさに想像が付く。

 

 傷の付き具合からして一撃でやられたと分かる。剣一郎にとって最強であり目標でもあった弦一郎がたった一撃でやられるなどあり得ない…そう考えるが離れた位置からでも胸の傷だけなのが分かる。

 

 ピクリとも動かないその姿に最悪の考えが頭の中を駆け巡り動悸が早くなるのを感じる。その考えを否定したくても、この数カ月間医療機関に徹底的に叩き込まれた医療知識がその考えを肯定してしまい、そしてその考えは剣一郎の身体をその場に留めさせてしまう。

 

 

 

 

 

 

 

 

123:名無しの転生者

し、死んでるのかあれ…?

 

124:名無しの転生者

分かんねぇ…けどあの血の量はやばいぞ!

 

125:名無しの転生者

ど、どうするんだよコレ大丈夫なのか!?

 

126:医療機関

一先ず近くで診ないとどうにも分からん!イッチ近づいてくれ!

 

127:名無しの転生者

あの傷と血の量じゃもう手遅れじゃ

 

128:医療機関

断定するにはまだ早い!動けイッチ!

 

129:名無しの転生者

でもよ…これはもう

 

130:医療機関

でもじゃない!もしイッチのじいちゃんの息がある場合、今こうやって立ち尽くしてる間も生存確率は下がっていってるんだぞ!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 医療機関による喝を受けるが、頭では動かなければと分かっているのに身体が動いてくれない。もし近付いて脳裏に過ぎる最悪の予想が的中していたら…そう考えただけで剣一郎の足は岩の様に動かなくなってしまう。

 

(医療機関の言う通りだ…動け!今じいちゃんを助けられるのは俺だけだ!!)

 

 早くなる鼓動を感じながら、それでも動こうと固まっている足に力を入れる。そうして一歩、踏み出した時だった。

 

「ゴボッ!!ゲホッゴフッ!」

 

 

 突如として道場内に響く咽る声。剣一郎が発したものでは無いソレは道場の中心、つまり弦一郎から発せられていた。

 

「息してる!まだ生きているんだ!!」

 

 弦一郎の息がまだある事が分かった瞬間、先程まで固まっていた身体は嘘のように動き出し素早く弦一郎の側まで近付く。

 

 気管内に血液が入り込んだせいで咳き込んだらしい弦一郎だが、咳き込みと共に血が排出されたのか微かではあるものの、胸を上下に動かして呼吸をしている。

 

「そこにいるのは…剣一郎か…?」

「じいちゃん!もう大丈夫だから、直ぐに救急車呼ぶからもう少し耐えてくれ!!」

 

 意識は有るらしく、側に近寄ってきた剣一郎に気が付いたのか、焦点が合わない瞳を剣一郎に向ける。しかし普段の弦一郎と異なり余りにも弱々しいその姿に傷の深刻さが分かる。

 

 剣一郎は携帯を取り出し、緊急番号である119に電話を掛ける。数コールもしない内に電話の相手が出た。

 

『こちら救急です。火事ですか?救急ですか?』

「救急です!祖父が胸を斬られて大量に血が出てます!祖父の年齢は84歳!意識アリ!呼吸も浅いながら出来てます!場所は東京都ー」

 

 電話相手であるオペレーターに質問をされる前に即座に必要な情報を伝える。救急において迅速な行動と対応が必要である状況において意識の有無や呼吸の有無、救急対象の年齢等はオペレーター、そして救急隊員の事前に取れる行動が増えるものだった。

 

 此等は全て医療機関の教えであり、どんなに焦っても情報だけは必ず正確かつ素早く伝える様教え込まれた。

 

『分かりました。今救急隊員がそちらに急行して居ますので剣一郎さんはそのまま弦一郎さんの側に居てください。可能ならば何か清潔な布やタオルで傷口を抑えてください』

「既に抑えてます!」

 

 オペレーターとの会話中、剣一郎は道場の更衣室に常備してある清潔なタオル等を引っ張り出し、弦一郎の傷口に押し当てていた。

 

 真っ白だったタオルは傷口に当てた瞬間、血液を吸い出して数秒も経たない内に真っ赤に染まる。床に広がっている血の量からも分かっていたが既に大量の血が流れ出ている。

 このままではいずれ大量出血で死んでしまうのも時間の問題だった。

 

(どうしよう先生!血が止まらない!!)

 

 

 

 

 

 

 

175:医療機関

今は一先ず傷を抑え続けろ!それと常に声を掛け続けて意識を保たせろ!意識を失った瞬間一気に死に向かっていくぞ!!

 

176:名無しの転生者

頑張れイッチのじいちゃん!

 

177:名無しの転生者

助かってくれぇ…!!

 

178:名無しの転生者

生きてくれよ…!!

 

 

 

 

 

 

 

 

(抑え続けて声を掛け続ける…分かった!!)

「大丈夫だぞじいちゃん!直ぐに救急車が来る!だから耐えてくれ!」

 

 医療機関の指示の元、赤く染まったタオルの上から傷口を抑えつけて圧迫し続ける。圧迫する力が強いのか、はたまた受けた傷が痛むのか弦一郎は小さく呻く。

 

「ごめん痛いよね…でも我慢してくれ直ぐに助けが来るから!!」

「剣…一郎よ…無事か…」

「喋らないで!傷が開いちゃうから!!」

 

 弱々しく、自身の方が重傷ながらも剣一郎の無事を確認する弦一郎。半蔵には剣一郎がやられる事は無いと豪語したものの、矢張り心配だったようだ。

 しかしそのせいか胸の傷が開き血が出てきてしまい、喋らせないように懇願する。

 

「クッソ…!タオルが幾らあっても足りない…!!大丈夫だから!絶対助けるから!!だかr「剣一郎!」っ!」

 

 血が止まらず弦一郎の顔が青白くなっていき刻一刻と死へと近付いているのが分かり焦る剣一郎。そんな彼に弦一郎は上半身を少し浮かし声を荒げる。

 

「ぐぅぅ…!!」

「起き上がらないで!!傷が開いちゃう!!」

「グッ、うぅ…いかなる時も…精神を乱すな…」

「で、でも」

「フゥ…落ち着きなさい…そしてワシの話を…聞きなさい」

 

 無理に動こうとしたせいで痛みが走り顔を顰めるが、それでも剣一郎を落ち着かせる為に動こうとする。そんな彼を無理に動かせる訳にはいかず、弦一郎の肩を掴んで倒す。

 

「分かった。話聞くから動かないで!」

「ハァ…ハァ…良いか剣一郎…御庭番衆と言う…グッ…連中に鬼哭が奪われた…アレを悪意のある者に使われれば…多くの被害が出てしまう…故に取り返さなくてはならん…!!」

「鬼哭の事も大事だけど先ずはじいちゃんが生きなきゃ」

「……無理だ」

 

 鬼哭を奪われたことを告げる弦一郎…触れた者の精神を蝕み殺戮を繰り返す狂人にしてしまうそれを悪用する方法を幾らでもある。そんな物が犯罪組織の手に渡れば…どうなるか火を見るよりも明らかだった。

 

 だからこそ取り返さなければと剣一郎を伝えるが、剣一郎にとって鬼哭よりも祖父である弦一郎の一命を取り留める事が最優先である。しかしソレを否定する弦一郎。

 

「なっ、無理ってなんで!?」

「ワシは助からん…連中に毒を…盛られてしまった…」

「毒…!?」 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

194:名無しの転生者

毒!?

 

195:名無しの転生者

うせやろ!?

 

196:名無しの転生者

まじか!?

 

197:忍術学園教師

イッチ襲った連中が毒使ってへん思ったらこっちに使われとったんか…!!

 

198:名無しの転生者

毒ってやばくないか…助かるのかよコレ!!

 

199:名無しの転生者

ど、どうなん医療機関?

 

200:医療機関

毒の種類が分からん以上なんとも言えん!!それにこの場所では対処出来ることは殆ど無い!それこそ病院に搬送して対処しないと!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「う、嘘だろ…毒だなんて…」

「嘘では無い…奴等が言うには…暫くしたら死ぬと…」

「そんな…」

 

 じいちゃんが死ぬ…それも毒によって。その事実に剣一郎は呼吸を忘れて固まってしまう。それと同時に納得もした。あの最強である弦一郎が素の状態で胸に一撃を受けるなどあり得ない…しかし毒で弱れば話は変わると。

 

「だから…頼む剣一郎…最期の頼みだ…ワシの…ワシの代わりに鬼哭を……取り返してくれ…!!」

「そ、そんな最期なんて…やめてくれよ!俺まだじいちゃんに剣術の全てを教えてもらってないのに…」

 

 もうすぐ死ぬと察した弦一郎は鬼哭を護り切れず、可愛い孫である剣一郎に取り返す様に頼む事しか出来ない自分に不甲斐無さを感じる。

 

「頼む剣一郎…鬼哭を…ゴフッ!!……取り返すと約束してくれ…出なければ……死ぬに…死に切れん……」

「っ…そ、そうだ!悪人共の言う事が嘘かも知れないんだ!死なないかも知れない。だから最期なんて言わないでよ…!!」

 

 御庭番衆の告げた事が嘘かもしれない…その可能性があるかもしれないと、その可能性に賭けようとする。しかし…

 

「自分の死期ぐらい…分かるわい…もう禄に目も見えなく…なってきた…頼む…ゲホッゴホッ!!…必ず…鬼哭を…」

 

 その可能性を自ら否定し、毒の影響か白く濁り、既に見えなくなった瞳で剣一郎の顔がある場所を見る。

 

「そんな…っ…くっ…分かった…絶対に鬼哭は取り返すよ…!!だから…」

「あり…がとう……頼んだぞ…剣一郎…」

 

 焦点の合わない瞳に見つめられ、弦一郎の言う通りもう助からないのだと察した剣一郎はもうどうする事も出来ないと言う事実に涙が溢れてくるも、それでも弦一郎の最期の頼みを引き受ける。

 

 剣一郎の頬を涙が伝い、真っ赤に染まった床に落ちていく。その涙を力がもう殆ど無い腕を持ち上げ、彼の涙を拭う弦一郎。

 

「出来る事ならば…お前の…晴れ姿を…見たかった…

「幾らでも見せるよ…!!だから…?…じいちゃん…?嘘だろ…?じいちゃん!!」

 

 

 

 最後の振り絞った力で涙を拭った弦一郎の腕は崩れ落ち、同時に弦一郎は動かなくなる。その姿に気が付いた剣一郎が直ぐ様脈を測るが既に脈は無く、心臓の鼓動もしていなかった。

 

「そんな…!嘘だ…!!動いてくれよ…!!」

 

 弦一郎の身体を揺すり弦一郎の死を否定しようとする…しかし死が覆ることは無い。

 

「っ…うあ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!!!

 

 弦一郎の死。ソレを頭で理解した瞬間、まるで溜め込んでいたダムが決壊した様に慟哭を上げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 剣一郎の叫び、その後ろでサイレンが鳴り響く。連絡していた救急車が到着した。道場に救急隊員が突入した彼等の目に映ったのは真っ赤に染まった老人の側に縋り付いて泣いている、全身に怪我を負った少年の姿だった。

 

 

 その日、一人の剣士がこの世を去った。




弦一郎、死んじゃいました。目の前で唯一の肉親を亡くすというのはかなりメンタル来ますよね。因みに剣一郎の両親は剣一郎出産時、病院に向かう最中に事故に遭い父は即死、母は重傷を負うも破水が始まった為剣一郎を出産し数時間後に死亡してます。
ぶっちゃけ作中に出てこない人物なんでキャラ設定集に書かないフレーバーテキストとでも思ってください。
そんな訳で最後の肉親を失った剣一郎、コレからどうなるか楽しみですね。

シルバーサムライ編のヴィランをどうしようか悩んでます…MARVELに登場しているかつ、MCUに出ていないヴィランを出すかオリジナルキャラを適当に出すか…アンケ取ります。尚、原作キャラの場合はハンドから出すつもりなんですが…作者、ディフェンダーズサーガ見てないんですよね…

  • MARVEL作品に居るヴィラン出す
  • 原作ヴィランでもハンド以外から出す
  • 別にオリジナルでもええんちゃう?
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