Ave Mujica そのタスケビトは仮面をつける   作:お薬二錠

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バンドリ再熱してから、出費が増えてます。主にプライズ品。
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第二十八話 アリガトウ

人生とは何が起こるか分からないものですわ。

 

お父様が詐欺にあい、責任として家を追放された。

見捨てることができなかった私は、お父様を追い、今までの生活は一変した。

運命を共にすると誓ったバンドは呆気なく壊れた。

全てを忘れる。そんな独りよがりな目的で始めたバンドも壊れた。

大切な幼馴染も、大好きな人の人生も、私が壊した。

 

 

 

それなのに……どうして私は、こんな幸せな時を過ごしているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そよりんが大きいのは知ってた……りっきーも、まぁ大きいんだろうなーって思ってた……祥子ちゃんは、クラス違うからあまり見たことないけど……大きかった……でも、ともりんが…あの、ともりんが……あんなに…大きかったなんて……」

 

項垂れるピンク頭の少女は、自分の胸に手を当てながらブツブツと何かを呟いている。

 

「……大丈夫。楽奈ちゃんよりは…ある。それに大きいから良いってわけじゃないし、私のはどちらかっていうと美? そう、形が綺麗で、整ってて、大きさだけが全てじゃない……大きさだけが全てじゃ……」

 

そんな愛音さんを、燈とそよは少し離れたところから見ていた。

 

「愛音ちゃん、どうしたんだろ?」

 

「……ほっとけばいいと思うよ?そのうち戻る思うから」

 

「立希ちゃんも、さっきから……変」

 

お風呂上がりの立希は、リビングにあるソファに顔を埋めながら動くことなくぼそぼそと何かを呟いている。たまに興奮気味に声を荒げており、その光景は異質だ。

 

「燈……燈とお風呂……よかった……悔いはもうない……今の幸せがあるなら……今日で終わってもいい……でももし!……また、燈とお風呂に入る機会があるとしたら……だめだ、あんなに神聖な燈を再び見たら……私は……幸せ死する!」

 

「あれは自分の行いを悔い改めてるんじゃないかな?」

 

「え! 立希ちゃん、何か…悪いことしたの?」

 

「気にしなくていいんだよ燈ちゃん。愛音ちゃんも立希ちゃんもほっとけばいいよ。それより髪まだ濡れてるよ?乾かしてあげる」

 

「あ、ありがとう。そよちゃん」

 

現状が飲み込めないまま二人を心配する燈。そよはそんな二人に目もくれず、困惑する燈の髪を乾かし始めた。

 

「はぁ…バカじゃないの二人とも」

 

「私の知らない、そよがいますわ」

 

「ごめんねー祥ちゃん、二人が落ち着いたらこれまでのこと、ちゃ〜んと話してもらうから、もう少し待っててねー」

 

「え、えぇ…私はいつまでも待てますわ。その……そよ……苦労してますのね」

 

「分かってくれる?本当いい迷惑だよねー」

 

人の悪口なんて、私が知るそよなら絶対に言わなかった。今もあの二人に向けて放った言葉のはずなのに、私自身にも言われてるようで、今までのことを振り返っては罪悪感を覚え、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。

 

気持ちよさそうに髪を乾かされる燈。そんな燈の柔らかな髪を優しい手つきで乾かすそよ。今だに一人でソファに顔を埋め続けている立希。CRYCHICの時は見られなかったそれぞれの一面を知り、私は彼女達との間に大きな溝が出来てしまったのだと改めて思い知った。

 

(燈達は新しいバンドとして今も前に進んでいる。それに対して私は進むこともせず、逃げることばかり…)

 

眩しすぎる彼女達の存在が私の表情を曇らせる。そんな時、目の前に紅茶の入ったティーカップが差し出された。

 

「はい、祥子ちゃん」

 

「千早、さん。ありがとうございます」

 

私が知らない、けれども同じ学校に通う、燈のバンドメンバー 千早愛音が笑顔を向けて私を見ていた。

 

「ちょっと愛音ちゃん、何勝手なことしてるの?」

 

「え〜?ダメだった?そよりん達の分もちゃんと用意してあるから安心して」

 

「そう言う問題じゃ……それより、その呼び方やめてって言ってるよね?」

 

「何で?可愛いじゃんそよりん」

 

「か、可愛くない!」

 

笑顔で逃げ出す千早さんを、顔を赤くしたそよが追いかける。燈達が新しくバンドを組んでから、あまり長い時間は経っていなかったはず。にも関わらず素のそよと仲がよい千早さんに疑問を抱き、髪を乾かし終えた燈に問いかけた。

 

「そよと千早さんは元々ご友人ですの?」

 

「違うよ。愛音ちゃんは、高校に入って…少し経ってから転校してきた」

 

「そう、なんですの。すごく、仲が良いのですね」

 

「えへへ〜、仲良しに見えるって、そよりん」

 

「なにそれ。別に仲良くなんか……まぁ、仲が悪いわけでもないけど」

 

「色々あったもんね〜私達」

 

そう言う千早さんは笑顔を浮かべていたが、何処か含みのある表情をしていた。

 

「色々とは?」

 

彼女達に何があったのか気になった私は、思い切って踏み込むことにした。そんな私の言葉を聞き、燈達は互いに顔を見合いそよが口を開く。

 

「いいよ、話してあげる。でもその次は祥子ちゃんの番だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

順風満帆だと思っていた彼女達のバンド活動は、私の想像以上に困難な道のりだった。

 

何よりも驚いたのは彼女達のバンドが一度事実上の解散をしているということ。

 

事の発端は流行りに乗りバンドを組もうとしていた千早さんと、CRYCHICの再結成を目論むそよが出会った事。千早さんのクラスメイトである燈。そしてライブスタジオRiNGでバイトをしている立希。それとここにはいない要楽奈さんを加えた五人でバンドを組んだが、ある日バラバラになってしまった。

 

 

そよがCRYCHIC再結成を諦め、千早さんが目論見のために利用されていたことを知る。これはCRYCHICの復活は無いと、そよを突き放した私が原因だ。バラバラになる彼女達を引き止めようと燈が動くが、先の見えないまま何も出来ず、そんな彼女から要さんと立希は離れていってしまった。

 

それでも燈はたった一人でステージに立ち続け、詩を歌い続け、彼女達を繋ぎ、再びバンドとなって今も続いている。

 

 

 

 

 

 

 

「あの時は本当にショックだったな〜」

 

「はいはい、悪かったって思ってるわよ」

 

「私も、あの時もっと燈の力になれてればよかった」

 

「ありがとう立希ちゃん。辛いことも、大変なこともあったけど、私は、今もこうしてみんなと一緒にいられることが…すごく嬉しい」

 

本当に比べものにならないほど強くなったと思う。

昔の燈は、今よりも引っ込み思案で、なかなか自分の意見を言わなかった。そんな燈が、一人でステージに立つことすら私にとっては信じ難いことだった。

 

「……私がこんなこと言える立場ではありませんけれども、強く成長しましたのね燈」

 

「祥ちゃんと千明希君のおかげ」

 

「私と……千明希の?」

 

「祥ちゃんが言ってくれた。私の歌詞は心の叫びだって。千明希君は、俯く私に迷ってもいい、それでも自分から向かって行かなきゃって教えてくれた」

 

それは燈が私に言ってくれた言葉と同じだった。

 

「だから…今の私がいるのも、私達が MyGO!!!!!でいられるのも、祥ちゃんのおかげ……ありがとう、祥ちゃん」

 

そう言って燈は再び私を抱きしめる。

お礼を言われるべきではない。むしろお礼を言うのは私の方だ。なんて言っても燈はきっと否定するだろう。ありがとうという心温まる言葉と共に。

 

「ごめんなさい……私のせいでCRYCHICを壊してしまって……私のせいで……たくさんの…迷惑をかけて……ごめんなさい…ごめんなさい」

 

「祥ちゃん、私からも言わせて。出会ってくれて、ありがとう。CRYCHICっていう素敵な…思い出をくれて、ありがとう」

 

「そよ…何も言わず、勝手にいなくなってごめんなさい。私が誘ったのに…私のわがままで……終わらせてしまって……ごめんなさい」

 

「大丈夫、大丈夫だよ、祥ちゃん」

 

「祥子」

 

「……立希」

 

「私も…その、ありがと。祥子がいなかったらCRYCHICとも出会えなかったし、燈とも、そよとも出会えなかった。何より、私は私でいいって一生気付けないままだったかもしれない」

 

「そんなこと…ありませんわ。立希は、ぶっきらぼうだけど、本当は…すごく優しくて、面倒見が良くて」

 

「あーもう!恥ずかしからそういうのいいって。とにかく、祥子には感謝してる…ありがとう」

 

私達は涙を流しながら互いに抱きしめあった。雨に濡れた身体はお風呂と、皆と過ごした時間で暖かくなったが、距離を感じてしまい心までは温まらなかった。そんな心が、今彼女達との距離がゼロになったことで少しずつ熱を帯びていく。

 

「私達もそうだったけど、話し合いって大切だよね。相手が何を思ってるかなんて、やっぱ直接言わないと分からないし」

 

「千早さん」

 

「愛音でいいよ。ていうかみんなずるい!私も祥子ちゃんとハグしたい!」

 

「えぇ!?」

 

「だってともりんの友達ってことは、私とも友達でしょ?同じ学校に通ってるし、ずっと話したいって思ってたんだ!だからこれからよろしくってことで!」

 

千早……愛音さんが飛び込んできたことで私達は大きく態勢を崩した。幸いソファの上だったから怪我はなく、危険な真似をした愛音さんは、そよと立希の二人から怒られている。そんな彼女達のやり取りを燈と一緒に笑い合って見ていた。

 

 

一人じゃない。今まで周りが見えていなかっただけで、私の周りには大切な人がいて側で支えてくれていた。この命を終わらせようと思っていたのに、今はみんなと未来に向かって歩いていきたいと思っている。

共に歩きたいのは彼女達だけでは無い。

 

 

にゃむ、海鈴、初華、睦、そして千明希。

 

 

許されないかもしれない、とても困難な道かもしれない。それでも私は、私のやりたいことは……

 

 

 

 

 

大切な人達と共に未来を歩いていくことだ

 

 

 

 

 

 

そのためならどんな言葉も、どんな罰も受け入れる覚悟だ

 

 

 

「燈、そよ、立希、愛音、本当にありがとうございます。……今度は私の番ですわね。全て、お話しします。私の過去と、私が犯した罪の全てを」

 

決して逃げることはしない。二度と折れてたまるかと、私は強い意志を持って話し始める。

 

 

 

 

ーこれからご覧にいれますのは、秘密を抱えた、私の話ー




キャラ紹介

長崎そよ…大きい。流石は MyGO!!!!!のオカン

千早愛音…この日を境に、バストアップの動画を見るようになった。楽奈を見ては安心している。

椎名立希…すごかった。なんて言うか、褒める言葉が次から次へと出てきて定まらないけどすごかった。綺麗とか、美しいとか、そんな言葉じゃ足らない。なんて言えばいいんだろう、ダイヤモンド?いや、宝石なんか比べものにならない。燈のは、は、は、は……はぁー、燈の可愛さ、美しさ、綺麗さを言葉で表現できないのが悔しい。とにかく一番。私は燈のは、は、はだ……燈より可愛いもの、綺麗なもの、美しいものを知らない。燈がナンバーワンだ。

今回も読んでいただきありがとうございます
次回も楽しみにしていただければ幸いです
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