僕の二人目の生徒である神代 愛依
神に見初められた彼女を救うために起きた神様との対立が引き起こした一連の事件は夜宵ちゃんの人形に多数の損失を与えたものの
一方でそれが進化を促し卒業生という異次元の悪霊を産み落とした。
そして、数と引き換えに手に入れた超越的個は、新たな指針を僕たちに示すことになる。
その後、一夜明け予定通り僕たちは愛依ちゃんの部屋の整備と夜宵ちゃんの部屋の片づけを行った僕たち三人はというと...
「やってしまった。まさかオバケに関わるだけじゃなくて神様に喧嘩を売ることになる
なんて」
「つい私だけじゃないのを忘れてオラついてしまった。今回は、たまたま神様が尋常に勝負するタイプだから生き残った。けど、あのままだったら対神様用の備えがなくて負けどころか死んでいたかもしれない。」
「けど、もう後には引けない腹をくくってやらなければいけない事を明確にしよう。」
「うん」
「では、ご存じの通り私は心霊スポットに行き悪霊を集めている。理由はママの魂を連れ去った悪霊である空亡を倒す戦力を得るため。大体こんな計画を進めていた。」
・心霊スポットで悪霊たちを捕まえる
↓
・悪霊軍団を作る
↓
・空亡を倒す
「そして人形に閉じ込めた悪霊の中に自分の一部をいれ、あらゆる霊的攻撃からの身代わりにしていた。」
「その数約100体、それらが私の部屋で絶対防御を成立させてかつ疑似的な蟲毒の状態に置き高いレベルの戦力を整えていた。」
「待って、持って帰ってきていたの?」
「うちに?」
「身代わりの処置は寶月家全員と螢多朗に施している。安心していい。」
「ならいっか」
「いいの?」
「ただ昨晩、神様とのいざこざでそのシステムが崩壊しかけやらないといけないことに1悪霊の補充と2神様を捕まえることが増えた。」
「悪霊の補充は防御システムの安定と神様を捕まえる戦力になるから。そして神様を捕まえるのは、対空亡の戦力になり尚且つ神の花嫁として死ぬ運命の愛依が助かるから」
「1はともかく2はどうするつもりなんだ?」
「やることはともかく一体どれくらい集めればいいのだろう...それに今までと同じことの繰り返しで大丈夫なのかな?」
当然の疑問だった。昨晩遭遇した神様は今までの悪霊と比べても別格だった。とても今のままの戦力じゃ捕まえるどころか戦うことすらままならないように感じる。
「私は、一度神様を殺っている。」
「「えっ」」
「神様の格にもよるけどその時は卒業生3人がかりで殺すことができた。捕まえるには倍以上の戦力、卒業生相当の子が最低6人は用意しておきたいけれど昨日の神様のことを考えるとそれでも足りないと思う。」
「ならどうすればっ」
「落ち着いて、螢多朗ここからが本題なんだけど、現在私たちの陣営には今まで育てた卒業生が3人いる。そして昨日の共食いでできた同格の子とさらに一か月前に私についていた7人の地蔵、そいつらを共食いさせて作った超越地蔵が一人いる。」
「計5名、このメンバーをもって東京および全国の激やばスポットを攻め落とそうと思ったけれど戦力も時間が足りない。そこで更に一人追加の戦力になるであろう人物を招集した。」
「招集したって一体誰を呼んだんだよ夜宵ちゃん。」
「彼は私がまだ悪霊収集を始めたばかりの時に出会った。いわば私の師匠に当たる人物、正直卒業生とも引けを取らないどころか並みの卒業生以上の戦力になると思う。」
「そんな知り合いがいたなんて知らなかったよ。頼りになりそうだね夜宵ちゃん♪」
詠子が夜宵ちゃんにそう話していると突如今までに感じたことのないレベルの悪寒を感じてたまらず震えだしてしまう。着実に近づいてくるその気配に恐怖が増幅していく。
「螢くんすごく震えてるけど大丈夫?」
詠子の声にも返事が出来ないほど震えていると家のチャイムが鳴る。この悪寒の原因が家の前まで来たことを感じ取った。
「きっと師匠が来たんだと思う。螢多朗たちを紹介するからついてきて」
夜宵ちゃんにそういわれどうにか動き出すことができた。夜宵ちゃんの師匠だというがこの感じたことのないレベルの悪寒の正体が普通の人間だとはとても思えない。そんなことを考えながら移動していると玄関の扉が開きその人物は姿を現した。
「こんにちは、君たちが夜宵ちゃんのパートナーかな?僕は乙骨っていうんだ。よろしくね」
なぜこの距離になるまで気づかなかったのだろう。禍々しいなんてものじゃない
まるで呪いに愛されている。そう言わざる負えないような圧倒的な気配
とても同じ人間のように感じれない彼こそが夜宵ちゃんの師匠に当たりこの先僕たちと行動を共にする人物であった。