龍虎戦記 項羽vs劉邦【翻案・通俗漢楚軍談】 作:外清内ダク
漢王劉邦は、大軍を
出迎えにきた
劉邦は、
左手側は
後には
前には
風景は
すべてを見尽くすことなど、できぬ。
ここは
この美しい風景の中を、劉邦がニコニコと微笑みながら進んでいると……
前方から、
「
と報告が来た。
「そうか。会おう」
と劉邦がその人民たちに
その中に、
ずいぶん前のことになるが、項羽が英布に
そのとき
(第二十五回参照)
その
「漢王様が軍勢を動かして
劉邦は、うなずいた。
「その『
「『徳に従うものは
項羽は無道な男で、己の欲望のために
これは、天下の
仁ある者は、物事を勇では行わない。
義ある者は、物事を力では行わない。
軍勢を立ち上げるとき、その名分が正しくなければ、人々は従いませぬ。
漢王様は、今、大義名分のない軍勢を出して、むやみに土地を
これでは、たとえ
そこで……
今、亡くなった義帝のために
さすれば、誰も漢王様の
劉邦は、なるほど! と手を打った。
「汝の言うことは、まさしく当然の
どうだね、爺さま。この俺に
と、身を乗り出して誘う劉邦であったが、
「いえ……
臣は、じきに90に手が届こうかという年寄りです。世に名を上げようなどという望みは無くなりました。
漢王様が最初に
庶民は大いに喜び、漢王様が四海(全世界)の君主となることを願っているのです。その気持ちは、まるで大
それゆえ、庶民の願いをかなえるお手伝いをしようと思って、お
官職を求め
劉邦は、にっこりと笑って、うなずいた。
そして
*
劉邦は、
韓信と相談したうえで、即時に義帝のために
その
『天下の諸侯は、
しかし、項羽は義帝を
これはまさに大逆無道の行いである。
この私、漢王劉邦は、関中の兵を進発させ、
この頃、覇王項羽の政治は、はなはだ乱れていた。
そのため、項羽に
その者たちは、劉邦の
我も我もと
1ヶ月もたたないうちに、なんと総勢56万騎にも達したのである。
(つづく)
●注釈
劉邦が見た
「演義」において、
右にあるという河池とは、おそらく
以上の位置関係から、西から東へ進んでいけば、
前に見えるという
最後に、後ろにある大河とは、黄河であると考えられる。本来、『河』という漢字は黄河を表す固有名詞であった。今でも中国でただ河と言えば黄河のことを指す。位置関係的には、黄河は洛陽の北を東西に走っているのだが、劉邦が若干南東向きに進軍していたとすれば、『後ろに見える』と言えなくもないだろう。