ちはっと★ホロポケ   作:たかしクランベリー   

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10話・激レアポケモンは君の手に!

 

―――[ロボット工学三原則]

 

①ロボットは人間に危害を

加えてはならない。

②ロボットは人間にあたえられた

命令に服従しなければならない。

(※②よりも①の原則が優先される)

③ロボットは自らの存在を

守らなければならない。

(※③よりも①、②の原則が優先される。)

 

1900年代後半に出版、アメリカのSF著作群

『ロボットシリーズ』内の

提唱より引用・抜粋―――

 

AIであるからして。

AIこより図鑑が

ロボット三原則に従う道理は無いが、

パートナーである人間に

ガッツリ危害を加える

仕様なのはいただけない。

 

転売というのは、

当事者のネットワーク全てを

断たれる程までに

ヘイトを買う悪事なのだろうか。

 

誤検知で

作動する可能性だってあるのに、

あまりにもデメリットがデカい。

……もう少し段階を踏んでの

粛正・矯正でも良かった筈だ。

 

そういった疑念が悶々と募り、

心の中でとぐろを巻く……

そして極め付けは

20/23テールナーガチャ。

 

一気に怒りの火蓋を切るには

充分すぎる理由がそこにはあった。

 

そう。だからコレも当然の仕返しだ。

 

ドゴォオオオオン!!

 

バリバリと赤黒い稲妻を

解き放った拳は、

博士の土手っ腹にクリーンヒットした。

いわゆる腹パンってヤツだ。

 

しかしコレだけでは制裁は終わらない。

悪夢の追撃が今、

始まろうとしていた。

 

かなた先輩が

博士の全身を抱きかかえる。

 

「こ、こここ今度は何っ!

こよちゃんに愛の告白ぅ!?」

 

「エンジェリック魔法……」

「ん?」

「――〝ジャーマンスープレックス〟」

 

スドォォンッ!!

 

「ゴハァッ……!!」

 

研究室の床に頭部サイズの

クレーターが出来上がった。

こんなに夢の無い魔法があったとは……。

 

5分くらい放置して、

博士は再度立ち上がった。

かなた先輩が多少手を抜いたとはいえ、

凄まじい回復力・復帰力だ。

 

獣人は人間を遥かに上回る

回復力があると何処かで耳にしたが、

その情報はどうやら本当らしい。

 

「痛ったぁ……君たちホント容赦ないね。

歴代合格者と比べても

頭のネジ一つトんでるよマジで……。」

 

「何? まだ僕の制裁が足りないか?」

 

グキ、グキ……

 

牽制のクラッキングが効いたようで、

博士も懲りたように口を開いた。

 

※クラッキング・・・首や手首の関節を

意図的に鳴らす行為。

自動車の塗膜が裂ける音や、

PCやネットワークの不正アクセスに

対しても用いられる用語である。

 

「あーもう分かりましたよぉ!

ガチャ辞めればいんでしょおお!!」

 

不服そうに白旗を上げた彼女は

そそくさと付箋付きボールを回収。

そして正真正銘、3つの

激レアボールだけが残った。

 

「へっ、最初からこうしとけば

良かったんだぜ♪ なっ、千速ぁ。」

「さも自分の手柄のようにイキるの

やめてねニコたん。」

 

なんで虎が虎の威を借りてんだ。

 

「まぁ、これでなんだかんだ

仕切り直しだしさ。

改めてガチャに臨もうじゃないか。

うじゃうじゃ引き摺っても

空気悪いだけだ。

ちゃっちゃと第二ラウンド行こうよ。」

 

流石かなた先輩、行動一つ一つに

無駄がなく次へ動ける。

すばらしい先輩の鑑だ。

ちはも見習わなくっちゃ。

 

「いい事言ったね天使ちゃん!

じゃあ第二ラウンドと行こっか。

はいっ、もう一度ニコちゃんから

スタートでどーぞー♪」

 

ようやくクリーンなガチャに挑める。

ニコたんもそれを分かってか、

さっきよりも気合を入れて

腕をぶん回していた。

 

オレンジのサングラス越しにはきっと、

メラメラとやる気を燃やす

虎の瞳が宿っていることだろう。

 

「行くぜ、

一番乗りのタイガーハンドっ!」

 

バッ。

 

何の変哲もないモンスターボールを

手に取り天に掲げる。

約束された勝利のポーズ……と

いったところか。

 

1番乗りの喜びってのは

風呂や駄菓子の当たりでも

同じようにテンションが上がるモノ。

 

その高揚感ははたからでも

ヒシヒシと伝わってくる。

 

「なぁなぁ博士。

もうボール開けてもいいか!?」

「いいよぉ♪

どこでパートナーと出逢っても

旅するのは一緒だからね〜。」

 

「ふっ、アンタなら

そう言うと思ったぜ!

さぁ顔を見せろッ、ニコの相棒ゥ!!」

 

パカッ。

 

宙を舞った球が上下に開き

青々とした光の筋を放つ。

光の中から現れたのは、

黒いネコ科生物のポケモンだった。

 

すぐさまAIこより図鑑のアイコンを

押し起動。その正体を掴むため

画角にポケモンを納める。

 

すると、AIこよりがスラスラと

解説を始めた。

 

『ニャビー、ひねこポケモン。

立つな立つな言われてるが、実際立つと

めっちゃ頼りになる強いポケモン。

飴舐めて立つだけで実質50ダメ

アグロムーブ。3エネ貯まる頃には

高確率で140ダメージ飛ばせる

HP180ラインの筋肉要塞……』

 

「ミームとポ●ポケの説明しか

してねぇじゃんッ!!

不良品だろこれェ……!」

 

「なんだか

よく分からんが強いんだな!?

へっ、楽しみだぜ!!」

 

まぁ、ニコたんが楽しんでるなら

それで良しとしよう。

 

「お次は怪力天使ちゃん!」

 

「誰が怪力天使じゃあっ!?

僕は天音・かなた! 

見ての通りぃ〜、ひ弱で

キュートなエンジェルですっ★

きゅきゅきゅっ♪ きゅきゅきゅっ♪」

 

もう修正に無理があるだろ。

さっきの大技を食らわせてまだ

か弱い少女キャラを押し通すのか。

 

きゅっきゅ歌っても

あのパワープレイは払拭できないぞ。

 

「……こほん。

では改めてかなたちゃん。

ボールガチャどうぞー!」

 

「よーしィ、いっくぞー!

ほいっ!!」

 

バッ、シャッ、ポーン!!

 

速攻でモンスターボールを手に取り、

開封の儀へ映る。

テンポ重視の即断即決ムーブ。

 

迷いのないその姿に、

ちははまた心の内で見習いたい

良い先輩だと感心してしまった。

 

「ミズゥ!」

 

「うおw 紫色のミズゴロウ!?」

「ぴんぽーん正解〜♪

色違いミズゴロウだよ〜。」

「あざます!!」

 

「いえいえお気になさらず〜……

さて、お次は…………」

 

博衣博士が視線を向けると、

かなた先輩やニコたんまで

つられるようにこちらを見る。

 

謎の緊張感に押されながらも、

残った1つのモンスターボールを

手に取って宙に投げ放つ。

 

現れたのは、水色の体色をした

特に珍しさも感じない象ポケモンだった。

 

「ゴマァ!」

 

「おいおいおい……ゴマゾウか?

別に珍しくもないし。色違いでもない。

最大サイズや最初サイズの

個体にも見えねーな。

下手したらテールナーの方が

レアなポケモンなんじゃねぇの?」

 

「ニコたんの言う通りだよ。

博士、説明を。」

 

「説明……ねぇ。

ところでみんなは、ゴマゾウの

特性をどこまで知ってるいるかな。」

 

「ゴマゾウ……

ちはが知る限りではですけど、

『ものひろい』と

夢特性の「すながくれ』ですかね……。」

 

自信があまりないのでハキハキと

は言えないが、

多分そうだった気がする。

 

好感触なのか、博士は嬉しそうに

ビシッと指差してくれた。

 

「正解だよ千速ちゃん。

一般的にはその2特性が普通だ。

しかぁーしッ! その子らは、

こよちゃんの用意した

スペシャルポケモン達……」

 

「まさかっ、新しい特性持ち!?」

「如何にもぉ!

そこ子の特性は『古代活性』。

天気が晴れだと強くなるんだ!!」

 

「すげぇ!? 新特性だぁ!」

 

「ふっふっふ♪ 凄いでしょ〜。

天才科学者こよちゃんの手にかかれば

希少ポケモンの一匹や2匹……

捕えるなんて容易いのSA★」

 

「よし、もう用は残ってなさそうだし

僕らも帰宅と洒落込むか。」

「おうよ!」「ですね。」

 

「えぇえええ!?

もっとこよちゃんから

聞きたい事ないのぉおおおおお!?!?」

 

「「「――無い。」」」

 

そそくさと

博士の怪しげな引き留めを

シャットアウトしその場を後にする。

 

確かに冒険指南のあれこれを

色々尋ねたり聞いたりして、

トレーナーとして準備をしっかり

整え冒険に臨むのも良い。

 

先人の知恵が大事なのは

百も承知だ。

 

だが、色々と気づきに出逢いながら

経験を積んで楽しむのも

旅や冒険の醍醐味。

ちは以外の2人も同じような事を

思ってるんだろう。

 

何はともあれ、明日から

本格的な冒険のスタートだ。

 

(ワクワクするだよ……!!)

 

一同は明日への冒険と戦いに

闘志を燃やし、

各々の帰路へと歩むのだった――。

 

 





【お知らせ&後書き】

どうも、たかしクランベリーです。
今回見直す時、最初のくだりで……ん?
コレ本当にちは★ポケか?
と、一瞬自分も混乱しました。
という訳で、
今になって何度でぇもっ♪ に
ハマり始めた果物です。

それでは、お知らせの方参ります。
先述の影響もあってか、またもや
本編からそこそこ乖離する
番外編の方に筆がノッてしまいました。
ですので番外編は、
今週中に投稿しようと思います。
(おかげで来週の本編投稿、
間に合うか五分五分……)

謎のゴマゾウについて深掘りしつつ、
既存のポケモンキャラも登場予定です。
よろしくお願いします。
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