ちはっと★ホロポケ   作:たかしクランベリー   

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15話・覚醒! 千速の第六感!?

 

 

「――『ありんこ組』って

いうのはどうかな。」

 

「「――!!」」

 

2人は驚愕したような表情を

一瞬浮かべ、頬を緩める。

どうやら気に入ってくれたようだ。

 

「千速ちゃん、ナイスアイデアだよ!」 

「フッ、

良いセンスしてんじゃねーか。」

 

「決まりね。

質問は……不要そうね。

さぁ、試合を始めるとしましょう。」

 

「…………。」

 

「どうしたよ千速、腹でも痛ェか?」

 

数秒立ち止まった所為で

ニコたんに変な誤解をされているが、

そういう訳ではない。

 

気になったのは、

卓上に散らばった裏面のカード達だ。

 

カードの仕様なのかも分からない……

なぜか謎の靄みたいなのモノが

それぞれ浮かび上がってる。

 

色が同一のモノもあれば、

基本のカラーは各々疎らだ。

これじゃあまるで、

神経衰弱そのものがゲームとして

成り立たなくなる。

 

一応、カマをかけてみるか。

 

「はあとさん。

ちょっと質問いいですか?」

「あら。どうしたの?」

 

「このカード達って

背面数字以外の見分けやすい

目印とかって付けられてますか。」

 

「いいえ。特定のカードに

折り目や傷、マジックペンなどは

施していないわ。

必要なのは記憶力と駆け引きのみ。

その方がお互いに楽しいでしょう?

……疑うなんて心外だわ。」

 

悲しそうな目で彼女は

そう答える。

言われてみればそうだ。

 

わざわざ試練やゲームを

つまらなくする意味がない。

それに、挑戦者を

蔑ろにする施設じゃないのは

来る前から分かってた筈だ。

 

考え直してみれば、

野暮な質問だっただよ。

 

「すいません。なんか懐疑的な

態度をとってしまって。」

 

「気にしなくて良いわ。

初めてのジムチャレンジ。

初心者が緊張で錯綜し、ポロッと

失言が溢れちゃうのはよくある事……

気を取り直して臨めばいい。」

 

「分かりました……!」

 

返事をし、

例のデカい円形テーブル席に着席する。

両サイドの空席に

かなた先輩とニコたんが

続くように座り込む。

 

これで試合の準備は整った。

 

「先手後手も、

公平にコイントスで決めましょうか。」

 

ちぃろんっ♪

 

はあとサンが親指でコインを弾き飛ばし

ちはのオデコにヒットさせる。

ちょっとヒリヒリするが、

それもすぐに治った。

 

「あら、キャッチ出来ないのね。」

「べっ、別に良いじゃないですか!?

キャッチしろとか

言われてないですし!」

 

「それもそうね。

で、表と裏。どちらにする?」

 

先手と後手……

初手札を2枚見てから動ける

後手の方が

地味に有利なくらいか。

 

となると、特に大差はなさそうだ。

それより今考えるべきは……

 

「表で。」

「表ね。

それじゃ、コイントスお願いね

トゲトゲ帽子ちゃん。」

 

「千速、やれんのか?」

「僕が代わろうか?」

 

「んや、大丈夫。

先手後手程度じゃ勝負の根幹が

大きく揺らぐ事はない。

だから2人とも……

カード選択を

ちはに任せて欲しいだよ。」

 

「「…………。」」

 

いきなり食すモノを

1人の判断に委ねるなんて

かなり無茶な指示。

精々断られるのがオチだ……。

 

正直ダメ元だけど、乗ってくれると

めちゃくちゃ有り難い。

 

「へっ、その漢気買ったぜダーリン。

ここ1番の勝負強さ、

ガツンと見せてやれ!」

 

「ったく、しょーがーねぇ

後輩だなぁおみゃーは。

まァ、新米に特等席を

譲んのも先輩の務めだ。

思う存分暴れてみろ。」

 

「ニコたん、かなた先輩……

ありがとう。」

 

許可は貰った。これで躊躇いなく

カード選択できる。

 

本来は仲間同士順々に

カードを選ぶつもりだったけど……

この靄が見えているのは

ちはだけっぽいので、

有効活用するとなると

どうしても選択権をちは1人に

絞る必要があった。

 

そして今。

 

この覚醒した第六感についても

目星がついた所だ。

思い出したのは、怪異列車の中で

オニオン君が言っていた……

〝大事故を境に霊能が目覚めた事〟。

 

おそらく。

ちはも今際の際を経て、

そういった類いの

サイキックに目覚めたと考えられる。

……が、直感でわかる。

 

この第六感は1週間もしない

内に消滅すると。

ならば、ここで活かさねば勿体無い。

 

(2人の期待に、

応えて見せるだよ。)

 

親指の爪上にコインを

セットし構える。

ひと呼吸置き、空中へ

それを弾き飛ばした。

 

ちぃろんっ♪

 

縦回転で球の残像を描くコイン。

段々と卓上へ落ちていき着地すると、

『表』を示した。

 

「アナタ達が先手ね。」

 

パンッ。

 

急に彼女が拍手すると、

モニターが切り替わり

白い体毛の狐っ子が画面に映った。

 

どうしてだろう。

初めて目にした筈なのに、

どこか懐かしさを感じる人だ。

 

「あの……彼女は?」

 

「――『白上フブキ』。

私の同期で、ベテランの司会者を

やってるの。ゲームを

盛り上げるなら、良い司会者が

必要不可欠でしょ。」

 

「…………。」

 

「おいおい。ニコたんを置いて

画面に見惚れてる場合かよ千速。

シャキッとしよーぜ。」 

「あっ、ごめんニコたん。

別に見惚れてたとかじゃなくて、

なんだか懐かしい気分になって……」

 

「上の空ってヤツじゃねーか。

気をつけろよ。」

「う、うん。」

 

白上……さん?

がマイクを口元に寄せ、

もう片手を広げた。

 

『レディース&ジェントルマン!

お待たせしましたぁ!

遂に始まります〝新生ちゃまの試練〟っ!

実況を務めますはこの私ィ……!

白上フブキでございまーーすっ!!』

『ぉおおおおお!!!』

 

画面越しに熱量ある歓声が木霊する。

いやどこで中継してんだよ。

というか、

ジムの試練にギャラリーは必要か?

 

まぁ、彼らが楽しいのなら

変に水を差すのも変か。

それに、気を一々散らしてたら

試合運びに支障が出る。

 

今は、カードが置かれた

この盤面に意識を集中しよう。

 

「覚悟の準備が出来たようね。

さぁ、カードを選びなさい。」

 

言われなくてもそのつもりだ。

 

「行きますよ。44番、0・5番。」

 

豚の被り物をしてるスーツの男が

ちは達の代わりに

指定されたカードを丁寧に捲り返す。

 

『44番ハバネロ・ポテト。

0・5番スターゲイジー・ウィンナーパイ。

おおっとHITならず!

手番は赤井さんに移りますッ!』

 

マジか。

敢えてオーラ色の違うカード2枚を

雑に選んだが、開幕イキナリ

ジョーカーカード2種と

エンカウントとは……

意図せず

敵に塩を送っちまっただよ。

 

「ちゃーまちゃまっ♪

初手から面白い

引きしてくれるじゃないの。

良いわ良いわ……

ふふ、俄然楽しくなってきた。」

 

この余裕ある態度……

やはり油断ならない敵だ。

より慎重に、

HITさせる札を選んでこう。

 

「ちゃまは27番、72番のカードで

行かせてもらうわ。」

 

ペラッ、ペラッ。

 

『27番ウィンナー・コーヒー(直球)。

72番限界タコ飯だぁ!

こちらもHITならず、

手番はありんこ組に移ります!』

 

新たに判明した札は

ダイヤ柄のシケポイント食材と、

入手ポイント倍加のタコ飯。

 

成る程、これはキツイな……。

なんせちはは

ブラックコーヒーを飲めない。

……というより、めっちゃ苦手だ。

極力飲みたくない。

 

タイトルの背後に付いた

(直球)の意味も

よく分からなくて正直怖い。

取り敢えず、

2人のどちらかに押し付ければ

気にする必要はないし

もう勝負にでても良い頃合いだろう。

 

ハバネロ・ポテトのような

激ヤバ限界食材が

まだまだ潜んでる可能性は充分にある。

それらを食うリスクを避ける為にも、

楽に食えそうなのは

優先的に食っておきたい。

 

(決定だ。)

 

ルール上。

フェイズ中に

HITできる上限回数は2回。

……よーし、勝負に出よう。

 

「かなた先輩、ニコたん。

始めるよ。」

「「おう!」」

 

「たった4枚しか判明してないのに、

どうするつもりなのかしら。」

「勘ってヤツですよ。

見ててくださいはあとサン。」

 

同色のオーラを放つ

札同士を捲り合うだけだ。

何もそんな難しい事じゃない。

でも不正は疑われない程度に、

次のフェイズはMissを踏もう。

 

「えぇ、見せて貰おうかしら。」

 

「72番、90番。」

 

ペラッ、ペラッ。

 

『72番限界タコ飯、90番限界タコ飯ぃ!

おおっとまさかの

3フェイズ目でHITだぁッ!

偶然か、はたまた必然かぁ!?

とんでもない速さで

リードしています!』

 

言葉にはしないけど、

ハッキリ言うなら必然。

ある種のイカサマではあるが、

イカサマというのは

バレなきゃイカサマじゃあない。

 

どこかのギャンブラー兄貴と

オラオラ系時止め男子高校生が

そう言ってたので間違いない筈だ。

 

赤井サンも一瞬、

己の目を疑うように

見開いてたので、

これは気がついてないと

見ていいだろう。

 

「驚いたわ。出任せの

ハッタリじゃなかったのね。」

 

「いいえ。どちらかと言うと

らっきっきー★だっただけです。

言靈ってバカにできませんし……

それに、今のが出任せであるのは

ちはも否めません。

……と言っても。

記憶と駆け引きのシーソーゲームは、

あと5手ほど進んでから

本領を発揮するんじゃないですかね?」

 

「ふふ。よく分かってるじゃない。」

 

カラカラカラ……。

 

コック帽を身につけた能面料理人が

レストランズワゴンで料理を運ぶ。

料理の全貌は銀色のクローシュで

覆われており視認できない。

 

……なんだろう。

 

仮にも限界メシのカテゴリに

含まれてるであろうヤツが、

まるで高級レストランの逸品のような

扱いで運搬されてるのは

意味不明だ。

 

あ、ちは達の前に一皿ずつ置かれた。

 

『さぁさぁ、映えある

一食目の限界タコ飯……

いざOpenッッ!

ありんこ組一同、実食願います!!』

 

パカァッ。

 

銀色のベールに包まれた

タコ飯が遂に姿を現す。

 

「「「…………。」」」

 

「あら、3人ともフリーズ

しちゃってどうしたの。

どこをどう見てもタコ飯でしょ?」

 

うん。限界メシがそういう路線の

料理を指す概念だと

ちは達は知っていた。

 

――分かってるよ。

雰囲気に流されて

勝手にハードルを上げていた

自分たちもちょっとは悪いかもしれない。

 

……けどさぁ〜↓あ↑。

食の祭典みたいな面しといて、

そんなのってないぺこじゃん。

 

だから、声を大にして言わせてくれ。

 

「タコってそっちの

タコかいィィイイイイイ!!!」

 

 





【後書き】

どうも、たかしクランベリーです。
今緊急で後書き書いてるんですけど、
一体何が緊急かと申しますと
本日風真いろはが
周年ライブするという事で
これには風真隊、holoXの面々もにっこり。
あずきちもにっこり。

たかしクランベリーは
フルフルニィ……!
という事で、今日は
NARUTOダンスして
ライブに備えようと思います。
よろしくお願いします。
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