ちはっと★ホロポケ   作:たかしクランベリー   

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17話・アンタのそうゆう所、大好きだから。

 

一面、銀世界に染まる

はあちゃまタウン。

その街道で、1人の天使と

ハーフエルフが対峙していた。

 

(嘘ぺこでしょ……)

 

「やっほぉ〜かなたーん♪

元気してたぁ〜?」

 

「お、おみゃーは―――

ラミィっ! 

どうして此処に居るッ!?」

 

「どうしてってそりゃあ、

かなたんが心配だからに

決まってるじゃ〜ん。」

 

猫撫で声でそう答えるラミィの

声色の中に……重い悲しみが

潜んでるのを僕は感じ取った。

 

「心配って……

大丈夫だよラミィ。

僕がか弱い子に見えるかい?」

 

不服そうに、彼女は首を横に振る。

 

「違うよかなた〜ん。

本当は分かってるんでしょ。

ねぇ、今からでも遅くないしさ。

ホロサントス東田高校に帰ろう?

あずきちも、ころさんも……

同期のみんなも待ってるよ……。」

 

「…………。」

 

「ジムバッチなんて

無理に集めなくていい。

もう一度

ウチらの青春をやり直そう……!」

 

そうか。僕は心配させていたのか。

 

2週間以上も音沙汰なしな上、

ジムバッチすら1つも未所持。

はたから見れば、

冒険に対してのやる気がないと

思われるのも無理はない。

 

「おい嬢ちゃんたち!?

こんな危ない時に何駄弁ってんだ!」

「そうだそうだ!

さっさと帰った方がいい。

さっきから

天気が荒ぶってんだど!!」

 

何か、道ゆくオジサン2人に

目をつけられた。

まさかギャラリーにまで

心配されるなんて……

更なる大ごとに発展する前に、

なんとか穏便に済ませたいなぁ。

 

「ラミィ、今すぐ街を元に戻せ!

僕を見逃せぇっ! 

時間がないんだッ!

ラミィの気持ちもわかるけど、

僕は本気であの2人と

チャンピオンを目指してるんだ!!」

 

ラミィは片手を頸に当て

ため息を吐いた。

 

「ハァ……相変わらず。

言いたい事、

全部口に出すねェ……」

 

互いに目線を向き合わせる。

なんて鋭さだ。

 

これは、臨戦態勢の目だ。

説得するのはとても難しいな……。

 

ヒュォオオオオオ!!!

 

冷たい突風がラミィから 

吹き荒れ、霜焼けしそうな

闘いの火蓋が切られる。

 

「――そのどれも叶えられねェよッ!

かなたぁぁあんッ!!」

「…………。」

 

「アンタのそういう所、

大好きだからぁ……

ラミィも今、やりてェように

やらせて貰うんだァ!!」

 

ラミィはモンスターボールを

構えて宣戦布告する。

どうしても

僕の足止めをしたいらしい。

 

(馬鹿モンが……)

 

僕も応じるように、

懐からモンスターボールを出して

ボタンを押そうとするが。

 

カチ……カチ。

 

「何だ? 凍ってて、

モンスターボールの

ボタンが押せな…………ッ!?」

 

ワンテンポ遅れて、

ラミィの仕組んだ罠に気がついた。

 

(しまった!? フェイクか!!)

 

なんつーミスディレクションだ。

狙いは最初から……。

 

「――〝アイス・ボール〟っ!」

 

パキィンッ。

 

僕の身体は、一瞬にして

氷塊の中に閉じ込められた。

 

「スタイルが良くて可愛い後輩

2人の為に……かつての大親友を

ボコせんのかァ!?」

 

プロポーションの良さなら

ラミィも全然負けてないけどなぁ。

 

やっぱり、何処か縛られてるな。

今を生きろと伝えた筈なのに。

 

てか、このまま氷漬けだと

かなたそ確実に

タイムオーバーするよね。

あーあ、あんまりやりたくは

ないけど……やるしかないか。

 

ドドドドドド……!

 

「なんだぁ!? 地鳴りかッ!」

「おいおい、次はどんな異変が

起きるってんだ!!」

 

氷塊に亀裂が広がっていく。

それは一瞬にして表面全体へ行き渡り、

粉々に氷を砕き飛ばした。

 

パリィン!!!

 

僕の身体は熱烈なビートを刻み、

周囲に熱気を放っている。

 

――仕上げだ。

右脚に力と熱を込めて太ももを上げる。

それを思いっきり振り下ろし、

僕は四股踏みをかました。

 

「――ふうんッ!!」

 

足から拡散した高温の衝撃波は

即座に街全体へ波及。

銀世界は遂に終焉を迎え……

平穏で暖かい

街並みが姿を取り戻す。

 

「硬ェ氷塊を内側から砕いたァ!?

んな馬鹿なッ!?」

「何だ……!」

 

「あの子の頭上を見ろ!

青い手裏剣が浮いてるぞ!!」

 

最初から浮いてたわ。

あたかも後付けした装飾品みたいに

言わないでくれ。

あと言わせて貰うけど、

実は手裏剣じゃねぇんだわコレ。

 

「ん〜? 青い手裏剣んん〜??」

 

おみゃーもそのノリに便乗すんなや。

何年ゴリレバやってると

思ってんだ。

 

「見ろ、街の景観が戻っていくぞ!」

「くっ……

何がどうなってんだァ!?」

 

ラミィは、白々しく

僕の表情を覗き込んだ。

 

「円盤状のヘイローより更に希少……

複合菱形状のヘイロー!!

こんな天使の輪は、

見た事がないねェ〜〜……!」

 

まだ続けるんかい。

頂上戦争で

モブ海兵と大将と敵幹部が

リアクションや会話を繰り広げて

能力開示する謎のノリ。

 

「下らないじゃれ合いは

これくらいにしようぜラミィ。

今の僕に

そのヒエヒエ攻撃は通用しない。

大人しくポケモンバトルに

応じたらどうだ?」

 

「……成る程、『シバリング』ね。

これほどの熱量……

筋肉への負荷も、かなりデカいん

じゃあないの?」

 

※シバリング・・・体温が下がった時に

筋肉を動かすことで

熱を発生させ、

体温を保とうとする生理現象。

低気温に晒されて歯がガタガタと

震えてしまうのも、

この症状の一種である。

 

「ラミィの心の傷に比べりゃあ、

軽いモンさ。」

「言ってくれるねェ。

でも、譲歩はしないよ。」

 

互いに

再度モンスターボールを構えた。

 

「行くぞラミィ!」

「おうよ!」

 

PONッ!!

 

天音かなた 

[ヤレユータン-♂-]

 

雪花ラミィ

[ユキハミ-♀-]

 

「ユキハミ、〝むしくい〟――!」

 

こうかはばつぐんだ!

 

「やれやぁぁああああ!!」

 

ヤレユータンの

野太い悲鳴が耳に入る。

思いの外、効いてるらしい。

 

……となると、ヤバいな。

タイプ弱点で結構なダメージを

喰らったに違いない。

こりゃあ、

マトモにポケモンなんか

勝負やってたら、

僕が敗北していただろう……。

 

しかし、試合に勝って勝負に

負ける方の手段を選べば

切り抜けられない事もない。

 

否。今はそれしか選択肢を取れない。

 

ごめんよラミィ。

僕の奢りで、

またどっかで遊びに行こうな。

 

「ヤレユータン……〝重力〟。」

 

ズズズンッ!

 

突如発生した強力な力場の影響で

ラミィが跪いた。

 

「こっ……コレはっ。

対象をラミィにしたとしても、

この出力は明らかに可笑しい……。」

 

本来、指一つ動かせない程の

重力力場を発生させる技じゃない。

勿論、タネも仕掛けもある。

 

「〝縛り〟だよラミィ。

対象はポケモンではなく、

僕とおみゃーの2人だ。」

 

ポケモンの技は、

威力を低下させる〝縛り〟で

攻撃の先制力を高めることも出来る。

それら縛りを

上手いこと組めば、

こんな芸当も出来てしまう

という訳だ。

 

「なんで、かなたんは普通に

動ける……の?」

 

「決まってんだろ。

筋肉は裏切らない。

ラミィの方こそ、筋トレの詰めが

甘かったんじゃないのか?

そんなんじゃ、今年の体力王獲得は

難しくなるぞ。」

「馬鹿言え……」

 

バチバチバチ。

 

これ以上は、

会話に時間を割けない。

名残惜しい気持ちをグッと抑え、

僕は懐から出したスタンガンを

起動させる。

 

ラミィも、何かを察したように

口元を緩めた。

 

「――完敗だよ。

やっぱりかなたんは……優しいね。」

 

「買い被り過ぎだよ。

ホントに優しかったら、

こんな手を使っちゃあいない。

だからお世辞なんて要らないよ。

これは、僕の怠慢だ。」

 

「その謙虚さも含めて……

ラミィは言ってんだよ。」

「そっか。じゃ、

あるがままを受け入れてくれ。

また今度、ゆっくり話しような。」

 

バチッ。

 

電流が彼女の首筋に奔り

意識を沈める。

気絶したラミィを抱え、

その場で未だ野次馬を継続してる

おっさんに声をかける。

 

「おーい! 

そこのお兄サンたちぃーー!」

 

「うおw 呼ばれちまったぜ!」

「いやいや、絶対俺だど!」

 

「アンタ達2人ともだよッ!!

この子をさっさと  

病院に運んでくれェ!!」

 

「病状は?」

「知らん!

それを診るのは医者の役目だ!」

 

「「確かにッ!!」」

 

おし、特に病状はないが

時間稼ぎとしては充分だろう。

彼らにラミィの運搬は

任せるとして……

僕は僕の使命を全うするとしよう。

 

 

 

〜SIDE『輪堂・千速』〜

 

「さて。

時間も半分を切ったわね。

……ふふ、見捨てられたかしら?」

 

挑発するように、はあとサンは

腕時計を二度見する。

 

バアンッ!

 

黙れドン太郎よろしく

握り拳一つで台パンし、

ニコたんが否定した。

 

「んなワケねェ!

かなた先輩はニコたんが言うのも

なんだが……いい奴なんだよ!」

 

「落ち着いてニコたん。

カッとなる気持ちも分かるけど、

今はじっくりコトコト待つだよ。

相手のペースに乗せられたら、

それこそ相手の思う壺だ。」

「す、すまねぇ千速……。」

 

「ふふ。

その虚勢、いつまで続くかしら。」

 

スタッ。

 

達観するはあとサンを前に、

颯爽と白髪の天使が降り立った。

 

想定外なタイミングで突如出現。

出来過ぎた帰還に、流石の彼女も

目を見開いて数秒狼狽えた。

 

「おみゃーら、待たせたな。

これで必要な食材は揃った……ぜ。」

 

追加食材を担当スタッフが回収。

いつの間にか掌に置かれた

レシートを確認し、

はあとサンは頷いた。

 

「へぇ……中々やるじゃないの。

アンタ達のコト、

少し見直したわ。」

 

「そりゃどうも。ささ、

改めてゲーム再開といきましょう。

現在の手番は……アナタですよね。」

 

「そうよ。33番、4番。」

 

ペラッ。ペラッ。

 

『33番、リミット・カプレーゼ!

4番、同じくリミット・カプレーゼ!

ここは手堅く

クローバー食材をスナイプっ!

余裕の構えでしょうかァ……!?

赤井はあと氏。

リミット・カプレーゼ、実食願います!」

 

クローシュから姿を現した

例の食材は……やはり見てて

ちょっと悲しくなる限界メシだった。

 

ミニトマトと一本のチータラが

交互に陳列し、上にかかった

刻み大葉とオリーブ油が

必死にその悲惨さを覆い隠す……

そんな一皿として完成されている。

 

「――ご馳走様でした。」

 

そりゃペロリと

イケちゃいますよな。

 

……にしても、さっきから気になる。

 

「ん、どーしたの千速ちゃん。

僕をチラチラ見てさ。

髪にゴミでもついてる?」

 

「いや、そーじゃなくて……

かなた先輩、

ちょいと窶れてませんか。

深くは詮索しないですけど、

何かガッツリ食べた方が……」

 

「ああ。心配させて悪いな。

思いの外、僕は体力とカロリーを

消耗してたみたいだね。

でも、贅沢な食事なんて今は……」

 

確かに、目の前でこんな悲しい

前菜見せられたら期待値も

ダダ下がりするだろう。

 

だが、限界メシの本質は

飽く迄も効率よく

高カロリーを摂取する

ダイナミック料理であると

ちはは認識してる。

 

弱ってひもじくなってる時こそ、

糖質と脂質の暴力は

大きな活力になり得る。

 

念には念をかけておいて良かった。

 

追加食材と比較的期待値の高い

ハート食材を選べば、

かなた先輩の

体力回復も充分狙える。

……ハート食材を残したのが、

功を奏したともいえよう。

 

「可能ですよ。

かなた先輩が、

一肌脱いでくれたお陰でね。」

「え?」

 

手番のパスやラリーを散々続けたから、

もうカードのペアは

ほぼほぼ把握し切った。

 

中でも、贅沢品に化ける

ポテンシャルを秘めたヤツは

ちょくちょく目にしている。

材料の仕入れも万全。

 

あとは、脳内献立チャートに従って

丁寧に処理してけばいい。

 

「114番、514番。」

 

ペラッ。ペラッ。

 

『114番、ハッピーハッピーハッピーザ。

514番、ハッピーハッピーハッピーザ!

おおっとぉ!?

ここでありんこ組、

高ポイント食材をHITだぁ!!

静かな空気から一変、突然の猛攻ッ!

赤井氏に戦慄が走ります!』

「…………。」

 

『ありんこ組一同、

ハッピーハッピーハッピーザ。

実食願います……!!』

 

何だよ

ハッピーハッピーハッピーザって。

売れ残りの子猫が飼い主欲しさに

ケージ内で飛び跳ねてるという、

実は全然ハッピーじゃない

あの光景が頭をよぎるんだが。

 

パカッ。

 

あらら。

こっちのピザも案の定、

アンハッピーの塊だったよ。

 

ウィンナーとチータラ3本乗った

一切れの食パンに、

トマトジュース一缶。

 

え。マジでこれだけ?

限界すぎんだろ。

 

トマトペーストは?

バジルは? 玉ねぎ、ピーマン、

チーズは何処へ……。

ラオーラ先輩、助けてくれ。

 

「おい千速ぁ……。

どうすんだよ、

全然ハッピーじゃないぞ。このピザ。」

「はあとサン。ちょっと手間を

プラスしても良いですかね?」

 

「良いわよ。買い物も

その為に行ったんでしょう。」

 

「あざます!!」

 

「お!? 遂に料理するのか

千速ちゃん!!」

「勿論だよ。今から、

元気を盛り盛りチャージできる

ピザに昇格させてやるだよ!」

「フッ、心強いぜ千速ぁ。」

「うっひょお〜っ、楽しみぃ〜♪」

 

食事時間もそこまで設けられてない。

出来る限り手短に、且つ

美味しく仕上げてみせよう。

 

(よし……出来た。)

 

「すげぇ! 

一気にピザっぽくなったあ!?」

「ホントだ! 

何がどうなってんだぁ!?」

 

「時間がないだよ2人とも。

細かい話はあと!

取り敢えず完食して!!」

 

「「おう!」」

 

パンッ。

 

「「「――ご馳走様でした!!!」」」

 

「おい千速ぁ、これ美味すぎるぞ!

おかわりくれよッ!!」

「僕も僕もっ♪」

 

「無いよ。」

「「がーーん!!」」

 

『ううぉっとぉ!

ここで見事に

改造ハッピーハッピーハッピーザを

完食だ。ありんこ組、

凄まじい機転を効かせ攻め立てる!

続きまして、手番は赤井はあと氏に

移ります……!!』

 

「ンフフ。面白いモン

魅せてくれるじゃないの。

その案、ちゃまも頂くわ。

0・5番、10番。」

 

ペラッ。ペラッ。

 

『0・5番、スターゲイジー・ウィンナーパイ。

10番スターゲイジー・ウィンナーパイ。

赤井氏も負けじとHITぉ!

続けて、相手の食べた食材も

ポイントと共に飲食可能です!』

 

「一目で分かったわ。

千速ちゃん、アナタは

トマトジュースに

ゼラチン剤を添加して

ペースト状にしたわね。

更に『パイルの実』の葉と実を

使用して彩りと酸味、

甘みをピザに加えた。

そして、キョジオン岩塩で

味を整えたって寸法ね。」

 

「ええ。料理を扱う

試練の担当者だけあって……

そこら辺の知識は詳しいんですね。」

「ふふ。そのお世辞……

この料理と共に、有り難く頂くわ。」

 

よーし。計画通り、ちは達のピザを

真似てくれたか。

これでもう、彼女の退路は

上手いこと塞がれた。

 

このまま順調にフェーズを進めて……

押し付けるのみ!

 

ペラッ、ペラッ。ペラッ……。

 

試合は淡々と進んでいき。

残るは遂に

ハバネロ・ポテトだけとなった。

 

先にパス限度へ達したのは

はあとサンの方だ。

予定通り、策に嵌める事ができた。

 

「さぁて、はあとサン。

ハバネロ・ポテトを完食すれば

僅差でちは達に勝てますよ。

どうします?」

 

「ふふ。私がハバネロ・ポテトを

忌避する立ち回りをしたから、

〝食べれない〟とでも思ってるの?

そんな限界食材、最初から

用意する訳ないじゃない。」

 

「ですよね。

因みに、何の対策も無しに

ハバネロ・ポテトを

食すとどうなります?」

 

「1週間、ジリジリとした

耐え難い腹痛を味わうわ。」

「……そうですか。」

 

「何よ。私が対抗策を仕込んでると

疑ってる訳?」

「はい。例えばですけど、

食道や胃、腸内にプラスチック製の

膜をコーティングしたりとか

できそうじゃないですか。」

 

「はっ、SFの読み過ぎね。

そんな荒唐無稽なコト、できるワケ……

――ッ!!」

 

何かに気がついたように、

彼女は冷や汗をかいた。

ちはの読みは、的中したようだ。

 

「何故って顔してますね。

食材の食し方を把握してても、

〝食材の食べ合わせ〟までは

考慮できなかったんですね。

ちは達を甘く見過ぎですよ。」

 

「馬、馬鹿なッ……

いつから、いつから私は……」

 

食材には、良い悪いの

食べ合わせが存在する。

レバーとニラは良い例で、

ニラのアリシンという成分が

レバーのビタミンB1の吸収率を高める。

 

悪い例としては、

スイカとビールという

組み合わせがある。

互いの利尿作用が重複し、

脱水症状を引き起こし易くなるのだ。

 

そして今回、ちはが目をつけたのは。

 

「料理に詳しいならご存じですよね。

パイルの実がパイナップルの

近縁種であることも。」

 

「それが……どうしたって言うの。」

 

「パイナップルが含有する

タンパク質分解酵素『ブロメライン』は

パイルの実にも多く含まれている。

肉を柔らかくするという作用ばかり

注目されるけど……

他にも応用は効くんですよね。

そして、アナタが食べた

チータラの擬乳酵素と

キョジオン岩塩は、

その成分とも頗る相性がいい。

色んな意味でね。」

 

「…………。」

 

「とどのつまり、

何が言いたいかと言うと……

薄いプラスチック膜程度なら、

数秒もしない内に

完全分解できるってワケですよ。」

 

「輪堂っ……千速ァアアアア!!」

 

「嘆いたって無駄です。

アナタに在る選択肢はただ2つ。

長い腹痛と引き換えに

ちは達を追い出すか。

降参して

ポケモンバトルに応じるかです。」

 

「…………。」

 

悔しそうにキリキリ歯噛みし、

彼女は数十秒の

間を置いて答えた。

 

「――認めるわ。ちゃまの負けよ。

でも、

本当の勝負は〝これから〟だわ!!」

 

ポチッ。

 

はあとサンがリモコンを押した瞬間。

一斉に全ての椅子が飛び上がった。

 

「「「――!!!」」」

 

見下ろすと。

床が半分に割れてスライドし、

ジャングルのような

バトル場が地下に現れた。

 

待って。

このままちは達……下に落下すんの?

 

そんなのって、ないぺこじゃん。

 

「「「――うわぁぁあああああ!!」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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