最強と最凶の生き残りたちに鍛えられた白兎がオラリオに来るのは間違っているだろうか   作:有頂天皇帝

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ダンまち 3話

まえがき
今回、オリジナルファミリアの主神が登場します。イメージ姿はあとがきにて語りますね。


第四話 神の宴

ロキファミリアとの会合後、ベルはヘスティアファミリアの拠点に帰ってそのままぐっすりと自室で寝た。翌朝、装備を整えたベルはダンジョンに挑むためにギルドに向かおうとしたのだが、その前にヘスティアに声をかけられた。

 

「ベルくん。フィルヴィスくんたちにはもう言ってあるけど僕は今夜友神たちのパーティに参加するから数日留守にするよ」

 

「え?あ、分かりました。僕たちのことは気にしないで楽しんできてくださいね」

 

「ありがとう。今日もベル君は1人でダンジョンに行くのかい?」

 

「だ、ダメでしょうか?」

 

「ううん。他の子達はそれぞれやることがあるから気にしなくていいよ。だけど今度はこの間みたいな無茶は控えるんだよ」

 

「は、はい・・・」

 

現在ヘスティアファミリアの団員はベルとフィルヴィス、銀時を除いたメンバーは他のファミリアの遠征に同行して既にダンジョンに潜っているため今はホームにいない。フィルヴィスと銀時はアトラスファミリアに呼ばれ、かの主神と大切な話があるらしく彼らもまた既にホームを出ていた。そのため今回もベルは1人でダンジョンに潜ることとなっている。

 

「よし!わかっているならそれでいい!!それじゃあ気をつけていくんだよ!!」

 

「分かりました神様!行ってきます!!」

 

ベルはヘスティアに見送られながらギルドに向かって走っていく。それを見送ったヘスティアは気合いを入れ直して神々が集う宴に向けてその舞台であるガネーシャファミリアのホームへと向かうのだった。

 

 

(今日はエイナさんから許可を貰えたし7階層まで行こうかな・・・)

 

ギルドに寄ってからダンジョンに潜ったベルはヘスティアから教えてもらったステータスをエイナにだけ教えたことで渋々とではあるが7階層まで潜る許可を得られた。ベルは購入したばかりの武器である槍で迫り来るゴブリンやフロッグ・シューターたちモンスターを薙ぎ払いながら下の階層へと進んでいく。

 

ベルはアルフィアたちから色んな武器の扱いを教えてもらい何度もズタボロになりながらオラリオの外での実践を通して、そして常人よりも数倍努力してきたことでどの武器も最低でも第二級冒険者並に扱うことが出来る。そこにベルの希少(レア)スキルである《大英雄願望(ヘラクレイノス)》の効果の一つである全武器の使用適性向上も合わさっているのだからそれは凄まじいものであった。

 

「そろそろ第7階層だ・・・」

 

ベルは第7階層に降りるための階段の前でゴクリと息を飲んで槍を持つ手に力を込める。第7階層には《新米殺し》と呼ばれるモンスターキラーアントが現れる。キラーアントは硬い甲殻と鋭い鉤爪も厄介ではあるが特に厄介なのは死にかけた際にフェロモンを放ち同種を呼び出す特性を持っておりそれにより数の暴力で多くの冒険者たちを死に追いやってきた。故にベルはこれまでとは違う危険を孕む第7階層に向けてより一層気合を入れて挑むためゆっくりと歩き始めた。

 

「キシャアアアアア!!」

 

「シっ!」

 

ベルは第7階層をしばらく歩いていると遭遇したパープル・モスの胴体に向けて槍を投擲して貫く。パープル・モスが灰となって魔石とドロップアイテムである《パープル・モスの翅》を落としたのをベルは拾ってから先に進もうとしたところでニードル・ラビットの群れがベルに向かって襲ってくる。

 

「《切り裂け(ジャッジ)》!!」

 

ベルはすぐさま腰の短刀を取り出すと刃に風を纏わせ勢いよく横薙ぎに振り回すと風の斬撃波《エアリアル・ブレード》を飛ばしてニードル・ラビットたちの首を切り落としその姿を一瞬にして灰に変えた。それからベルは襲い来るモンスターを倒し時には休憩をしてを繰り返しながら第7階層を探索する。運良くキラーアントに出会わず2、3時間探索を続けているベルはそれなりの魔石とドロップアイテムを回収していたが、まだ体力に余裕があるベルは刃こぼれし始めている槍や斧をしまいメイン武器である大剣を構えて先に進んでいくとダンジョンの壁に1箇所だけ違和感がある場所を見つけた。

 

「これは・・・」

 

一見すると普通のダンジョンの壁にしか見えないのだが、アルフィアたちに徹底的に鍛えられたベルは観察眼もかなり鍛えられている。そのおかげで壁の一部分が薄くなっていることに気づいた。それを見てもしかしたらと思ったベルは違和感のある壁に向けて大剣を勢いよく振り下ろすとダンジョンの壁はガラガラと音を立てて崩れ落ち道ができた。それをベルは目を見開きながら思わず小さく呟いた。

 

「未開拓領域・・・・・・」

 

《未開拓領域》。それは今までギルドですら確認が取れていない場所のことであり、その情報をギルドに提出するだけでもかなりの大金を約束されたようなものである。ベルは未知という存在を前に足を止めることも出来ずそのままダンジョンの壁の向こうへと歩みを進めていく。しばらく歩いているとベルの前に広がったのは不規則な大きさ、不規則な角度、不規則な長さの水晶が崖一面を埋め尽くす程に広がる光景だった。

 

「凄い・・・」

 

ベルは目の前に広がるこれまで見てきた薄暗い洞窟のようなダンジョンとはかけ離れた美しい光景を前に圧倒されていた。キョロキョロと辺りを見渡したベルは水晶の一角に鉱石が埋まっているのに気づき警戒をしながらそこに近づくと壊れかけの片手斧を振り下ろして採取活動を開始する。数分に及ぶ採取の結果、かなりの数の希少な鉱石を採取出来たベルはホクホク顔で未開拓領域を出ようとしたのだが、突如ガラッと音が聞こえ恐る恐る後ろを振り向くとそこには水晶の体をした巨大な蠍────本来ならば深層に出現する《水晶群蠍(クリスタルスコーピオン)》が大量におりベルを見下ろしていた。

 

「ど、どうも・・・」

 

ベルは引きつった顔でゆっくりと後ずさり距離を取ろうとしたがそれよりも先に水晶群蠍たちは我先にとベルに向けて襲いかかってきた。

 

「ピィィィィィィィィッ!?」

 

ベルはこれは絶対に勝てないと判断して《ケラウノス》を発動しながら足を動かして必死に逃走する。命の危機を前にして火事場の馬鹿力でも発揮しているのか何時もより早く動けたベルは入口が近かったこともあり水晶群蠍たちの猛攻を掻い潜ることに成功したベルはそのまま一気に上層を駆け上がりダンジョンの外まで走り抜けたのだった。

 

────後に残像を残さぬほど素早く走り抜ける白兎のような冒険者を見たもの達は彼のことを最速兎(ソニックラビット)と異名で呼ぶようになったのはまた別の話である。

 

 

「────未開拓領域を見つけたぁぁぁぁ!?」

 

そして無茶をしたベルがまたエイナから説教されるのもまたご愛嬌である。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

ベルがエイナからの説教を受けていた頃、ヘスティアは神々の宴が行われているガネーシャファミリアのホームにてファミリア連合を結んでいる他の神々と久しぶりの会話を楽しんでいた。

 

「よーっすヘスティア!この間は敦くん貸してくれてありがとうな!!おかげでウチの子供たちまた強くなったぜ!!」

 

「ヘスティア、アクアちゃんにまた浄化お願いしていいかしら?」

 

「へいロリ巨乳様!!フィルヴィスちゃんとエミリアちゃんでまたアイドルユニット結成させてくれ!!」

 

「あーうん。君たちは相変わらずだなぁ・・・」

 

ヘスティアの眷属たちは色んなファミリアに顔を出しては手伝いなどをしているため人気があるのだがこれらには苦笑するしかなかった。それからある程度話をしてから彼らから離れてヘスティアは友神達の元へと足を運ぶ。

 

「やぁヘファイストス!それにタケとミアハも!!」

 

ヘスティアが声をかけたのは神界からの友人であるオラリオ最高の鍛冶ファミリアであるヘファイストスファミリアの主神であるヘファイストス、零細ファミリアタケミカヅチファミリアの主神であるタケミカヅチ、中規模医療ファミリアの主神であるミアハファミリアの主神であるミアハである。

 

「久しぶりねヘスティア。あなたもやっぱり参加しに来たわね」

 

「まぁね。僕の協力関係のあるファミリアの神たちとはこういう場じゃなきゃあわないのも多いからね」

 

「たしかにな。俺も眷属たちを鍛えるのとバイトで忙しいからこういう時でもないとヘスティアに会わないからな」

 

「私のところも子供たちがポーションを買いに来てくれるがヘスティアは来ないからな」

 

それからしばらくの間ヘスティアは友神たちとの久しぶりの会話を楽しんでいると、1柱の女神がヘスティアたちに近づいてきた。

 

「相変わらず仲がいいわね」

 

その女神は容姿の優れた傾向にある神たちの中でも群を抜いた美の持ち主であり、黄金律に整えられたプロポーションは、同性のヘスティアやヘファイストスですら魅了されかねない。

美すら魅了する神、フレイヤは長い銀髪を揺らしてヘファイストスに近づいてきた。

 

「フレイヤか、何の用だい」

 

「ふふ別に大した用ではないわよ。ただ久しぶりにヘスティアと話したいと思ったから話しかけただけよ」

 

美の女神であるフレイヤと三大処女神であるヘスティアはその収める権能の違いもあってかヘスティアはフレイヤに苦手意識を抱いているがそれだけで2人の仲はそこまで悪くは無い。だが、ヘスティア自身があまり神々の宴や神会などの神の集まりに参加しないためにフレイヤとあまり会えないでいた。

 

「僕に話かい?」

 

「えぇ最近噂の涙目兎(ティアーラビット)のことをちょっと聞きたくてね」

 

「ベル君の事かい・・・」

 

「えぇその子よ」

 

フレイヤがニコニコと笑顔を浮かべて聞いてくるのに対してヘスティアは言いづらそうに顔を少しだけ顰める。ちなみに涙目兎とはベルがミノタウロスを討伐したその日、エイナとアミッドによって説教されている姿を見た神や冒険者たちが勝手につけた非公式のベルの2つ名である。

 

そしてフレイヤが男に興味を持つということはつまりそういうことであり、離れた場所でヘスティアとフレイヤの会話を聞いていた神達はフレイヤがヘスティアの新人を気に入っていることに気づき、下手したらフレイヤとヘスティアによる戦争遊戯(ウォーゲーム)が見れるのではないかと内心ハラハラドキドキしていた。

 

「────相も変わらず恋の多い娘っ子じゃな」

 

フレイヤとヘスティアの間に不穏な空気が流れそうになったところを壊すかのように飄々とした態度で現れたのは現在のオラリオで《最強》の名を名乗るのに最も相応しいと言われる探索系ファミリアのトップ、オーディンファミリアの主神であるオーディンだった。一見ただの爺にしか見えないがその実態は・・・・・・

 

「そんなに男が欲しいならワシとかどうよ?なんなら今晩その豊満な身体をワシが慰めて────」

 

「黙ってろエロジジイ」

 

「ぶふっ!?」

 

かつての最強、ゼウスファミリアの主神であるスケベジジイであった。いや、ゼウスよりも多少はマトモなところはあるからまだマシ・・・なのだろうか?オーディンは親指を立てながらフレイヤを誘うが、そんなスケベオヤジのオーディンを横にいた全身鎧を纏っている男神────探索ファミリア2位のアトラスファミリアの主神、アトラスが殴る。

 

「相変わらずのエロジジイやな、オーディンのジジイ・・・」

 

「神がそう簡単に変わるわけないでしょ。このジジイは一生スケベオヤジのままよ」

 

オーディンとアトラスに続いて来たのはオラリオ4位のロキファミリア主神のロキとオラリオ5位のシヴァファミリア主神シヴァだった。

 

 

────ここにオラリオの五大派閥の主神たちが揃い踏みとなった。最初は遠巻きに見ていた神達も何か起こるのではないかとハラハラドキドキしていたが特に何か起きるわけでもなく、互いに近況報告をしてから解散しそれぞれ別の場所に別れて行った。それからしばらくして宴も終わりを迎え、神々たちもそれぞれのホームへと帰っていく中、ヘスティアは友神であるヘファイストスにあることを頼むために彼女と一緒にヘファイストスのホームへと向かった。

 

「それで、私に何をお願いしたいのかしら?」

 

ヘファイストスは友神であるヘスティアから久しぶりに頼られていることに内心喜んでいるのを隠しながらヘスティアの頼み事について確認を取るとヘスティアは一瞬躊躇いを見せたが、すぐに真剣な表情を浮かべてヘファイストスに頼みをする。

 

 

「────僕の新しい子に例の武器を作って欲しいんだ」

 

 

─────竈の女神は亡き眷属たちのために作って貰っていた武器を、英雄を目指す新しい眷属のために再び作ってもらう決意をするのだった。

 





あとがき
オリジナルファミリアの主神たちのイメージは以下の通りになります。

オーディン→ハイスクールDxDのオーディン
アトラス→ファイナルファンタジー4のゴルベーザ
シヴァ→ドリフターズのサンジェルミ伯

もう少しよさそうなキャラがいたら変更しますがその場合意見がありましたらよろしくお願いします。ちょっとだけシャングリラフロンティアのサンラクのお友達である蠍が登場しましたがベル君の今のレベルじゃ即死なので逃げの一択しかないですね笑。この未開拓領域は高レベル冒険者でも危険なので立ち入り禁止区域になります。多分出るか分からないけど某鳥頭の半裸男が金策で潜りに行く可能性がありますね。
次回は化物祭にしますが原作通りの相手だとベル君の勝利は揺るがないと思うので少し変更しようと思います。ソードオラトリアのストーリーともかかわらせようと思いますので今後もどうかよろしくお願いします。

獣やドラゴンよりの亜人などを登場させてもいいか?

  • あり
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