最強と最凶の生き残りたちに鍛えられた白兎がオラリオに来るのは間違っているだろうか 作:有頂天皇帝
本来ならばベルくんの相手はシルバーバックなのですが今作のベル君、原作よりも強いので対戦相手変えました。どんなモンスターかは物語で明かします。それでは本編へどうぞ
とある一幕
バカ王子「おい爺、早くその子を檻に入れるのじゃ」
爺「わかってますよバ───王子。おいお前ら!ちゃんと運べよ!!今は眠ってるけど起きたらここにいるヤツらじゃ歯が立たねぇんだからな!!」
バカ王子「おいジジイ、今余のことバカって言いかけただろ」
爺「そんな訳ありませんよ、バカ王子」
バカ王子「クソジジイ、そこになおれ。ぶん殴ってやるから」
この後、バカ(ハタ)王子が舐め腐った態度をとっている爺を殴ろうとしたが、勢い余って転びモンスターを閉じ込めていた檻の鍵を壊してしまい中にいたモンスターを逃がしてしまった。逃げたモンスターがどんなモンスターかは本編にて・・・
その日のオラリオは朝から賑わっていた。
それは、【ガネーシャ・ファミリア】が主催する催しが原因だ。年一度に行われるフィリア祭、オラリオの闘技場で【ガネーシャ・ファミリア】の調教師達がダンジョンで捕らえたモンスターを倒すのではなく、手懐けるまでの一連の流れーーー調教を客に披露する祭りだ。
このギルドが企画する祭りはそれぞれ賛否両論だ。危険因子であるモンスターをダンジョンから地上に出すなど本末転倒という声や街の人間へのあからさまな商売と蔑む声や、純粋に客達を楽しませ市民や冒険者達の緊張をほぐすという意味で素晴らしい祭りだという声もある。
「凄い人ですね・・・!僕、田舎暮らしだったからこんなたくさんの人が集まってのお祭りなんて初めてです!!」
「そ、そうなんですね」
初めての
ベルは初めての都会でのお祭りを前に興奮を隠せず当たりをキョロキョロ見渡しているのに対し、頬を染めているゆんゆんはチラチラとベルの方に視線を向けては髪や服を整えていた。
実はゆんゆん、一緒にベルとダンジョンに潜った時にマインドダウンになりかけその隙を狙われゴブリンに襲われそうになった時にベルに助けて貰ってからベルに好意を抱いていた。今回の怪物祭を回る際にヘスティア、フィルヴィス、エミリアがそれぞれ用事でいないのをチャンスだと考え、勇気を振り絞ってデートに誘ったのだった。なお、当の本人であるベルはこれがデートであることに全く気づかないでいる。
「じれったいですね・・・。さっさと手でも繋げばいいのにこれだからヘタレのゆんゆんは・・・」
「な、なぁめぐみん。流石に後を追うのは気が引けるのだが・・・」
「そうだよ。他人の恋路を邪魔するのは流石に・・・」
「黙ってるネ、ドMと眼鏡掛け器。私たちがしっかり見てないとあのポンコツ2人は何かやらかすネ」
「「誰がドM(眼鏡掛け器)だ!?」」
少し離れた場所からベルとゆんゆんの様子を見ていた同じヘスティアファミリアのメンバーであるめぐみん、ダクネス、シムラ・新八、神楽はベルとゆんゆんに聞こえない程度で言い争っていた。なお、他のヘスティアファミリアの団員であるサカタ・銀時、ハセガワ・泰造、佐藤・カズマは知り合いである神ヘルメスと協力して裏賭博で荒稼ぎしようとガネーシャファミリアとアストレアファミリアの目を掻い潜って行動していたり、ナカジマ・敦とイズミ・鏡花はデートを楽しんでいたり、クリスとアクア、エミリアはミアハファミリアの手伝いに行っており、レオナルドとフィルヴィスはヘスティアの護衛として彼女の手伝いに行っている。
「というかコレってデートなのかな?ベルくんの方はそんな素振り見せてないけど・・・」
「これだからヘタレ童貞の眼鏡はダメなんですよ。男女が2人きりで出かけるのを楽しむ、これがデートでなければなんだと言うのですか?」
「黙れ爆裂バカ」
新八がベルとゆんゆんの様子を見てとてもではないがデートしているように見えないと言うとめぐみんはやれやれと手でジェスチャーしながらそう返答してきた。
「しかし今年も化物祭は盛り上がっているな・・・」
「そうアルな。パピーたちも年々色んな奴らが集まってくるからそれに合わせて賑やかになってるって言ってたアル」
ダクネスと神楽は化物祭の盛り上がりに関心しながら周りを見渡していた。7年前、邪神アンリマユを中心とした邪神たちのファミリア連合《
そしてしばらくの間、ベルとゆんゆんの動向を見ていると2人はガネーシャファミリアが主催となっているモンスターの
場所は変わって闘技場の特別観客席にて、フレイヤは護衛として後ろに待機させているフレイヤファミリア団長であるLv7の
「それで?わざわざ私を呼び出した理由は何かしら?」
フレイヤは不機嫌な態度を崩さずにオーディンに用事を尋ねる。フレイヤが不機嫌になっている理由は最近見つけたお気に入りの白兎の少年が同じファミリアの少女とデートしているのを見つけてしまったからだ。その際、フレイヤの美の女神らしからぬ地団駄を踏む姿が見られ、オッタルは胸がほっこりとしたそうだ。
「なに、ちょっとした余興をするからお主にも見せようと思ってな」
「余興・・・?」
オーディンは茶をしばきながらフレイヤにそう返事を返す。それを聞いてフレイヤは眉を少し顰めるがそのことを尋ねるよりも先に闘技場から歓声が響いたために思わずそちらに視線を向けると闘技場の中心に向かって歩む白髪の少年───フレイヤがつい最近見つけたお気に入りの子であるベル・クラネルがいた。
「彼は・・・」
「えぇあなたの最近のお気に入りのベル・クラネルです。今回神ガネーシャに無理を言って彼を出場させました」
フレイヤがベルの登場に驚き半分喜び半分で見ているとシロエが眼鏡をクイッと指で上げながら説明をする。
ベル・クラネルは今、オラリオでそこそこ名の売れている新人冒険者だ。イレギュラーに巻き込まれたとはいえLv1、それも単独でミノタウロスとその強化種に勝利を納め、つい先日は第7階層で未開拓領域を発見した。冒険者になってから僅か一月も経っていないルーキーとしては異常な実力と幸運を持つベルに対して興味を持つ神や冒険者かそれなりの数いる。フレイヤもまたその1人であり、ベルの活躍を聞いては胸を躍らせそれを見た彼女の眷属が嫉妬するのが最近のフレイヤファミリアである。
「相手はシルバーバックか・・・」
「なんじゃつまらん・・・。今更その程度の相手であの小僧の本気が見れるとは思えん」
オッタルはガネーシャファミリアの団員たちが闘技場に運んできた檻から現れたのは白髪の大猿のモンスター、シルバーバックを見てそう呟く。シルバーバックは11から12階層現れるモンスターでミノタウロスよりも弱いモンスターであるためにオーディンはつまらなさそうに茶菓子に手を伸ばす。
これが普通の経験のあるLv1あるいはLv2冒険者ならば見応えのある試合が見れたかもしれないが、ベル・クラネルはLv1とはいえミノタウロス強化種を倒せる実力の持ち主であるためにシルバーバックでは面白い戦いは見れないとオーディンとフレイヤはつまらなさそうに闘技場に視線を向けていると、突如龍の咆哮を思わせる嘶きが響いたかと思えばシルバーバックが雷に撃たれその巨体を一瞬にして黒焦げにしたかと思えば徐々に身体が灰になっていきシルバーバックのいた場所には魔石とドロップアイテムであるシルバーバックの純白毛が落ちており、シルバーバックと入れ替わるかのようにそれは姿を現した。
「ドレイクホース・・・」
シロエはポツリとベルの前に姿を現したモンスターの名前を呟く。
ドレイクホース。中層以降に出現するモンスターであり、適正レベルは3とミノタウロスやシルバーバックよりも高い。竜の名を持つのに相応しい力を備えており、並の武器や魔法では傷をつけられない強固な体に額に生えている一本の角から放たれる強力な電撃は下手をすれば第一級冒険者ですら一撃で倒せる可能性を持つ一撃だ。
突然のドレイクホースの乱入に対してガネーシャファミリアの団員たちがドレイクホースを取り抑えようと闘技場に乗り込むよりも先にベルが動き、ドレイクホースの胴体に大剣を振り下ろした。
その一撃はドレイクホースにダメージを与える程ではなかったが、少しだけ弾き飛ばすことに成功しドレイクホースがベルを敵と判断するのに十分な一撃だった。それを見ていた観客たちはシルバーバックの撃破からドレイクホースの登場、ベルの攻撃全てが演出によるものだと判断して大歓声を上げた。これによってガネーシャファミリアの団員たちは下手に動けなくなってしまった。
「これもあなたの仕込みかしら?」
「まさか。流石にこれはワシも想定外じゃよ。だがそのおかげで中々面白いものがみれそうじゃの・・・」
フレイヤはドレイクホースの登場もオーディンとシロエによる仕込みなのかと聞くが、オーディンたちからしてもこれはいい意味での想定外の出来事だった。これによりフレイヤとオーディンが望むベル・クラネルの冒険をその目で見れることになったのだった。
(さて、見せてもらおうかな。かつての最強たちによって鍛えられた君の実力を・・・)
「・・・・・・」
オラリオでもトップに位置する冒険者のシロエとオッタルもまたそれぞれの主神が目をかけているベルがどのように動くのかを見るのだった。
場所は変わって闘技場のコロシアム内部。突如現れたドレイクホースに驚きながらもベルは大剣を構えながらドレイクホースの次の動きを警戒する。
何故ベルがこうしてガネーシャファミリアの催しに参加しているのかというと、数日前にガネーシャファミリアからの依頼でベル・クラネルにモンスターの
対戦相手については事前に知らされておらず、闘技場についたベルはゆんゆんと別れてガネーシャファミリア団員の案内に従って用意された武具を纏って出場したベルは最初はガネーシャファミリアか運んできたシルバーバックと戦うのだと考えていたのだが、檻から出てきたシルバーバックは一瞬にして電撃によってその身を黒焦げにされ絶命したかと思えばシルバーバックがいた場所に代わりに推定Lv3の馬型のモンスター、ドレイクホースが佇んでいた。
ベルはドレイクホースを野放しにしたら観客にも被害が出てしまうと考え、ドレイクホースの注意を自分に向けさせるために大剣による一撃を当てた。その一撃はドレイクホースの体に傷を与えることはできなかったもののベルの思惑通りドレイクホースの意識をベルに向けさせることに成功した。
「─────ッ!!」
「っ!?《
ドレイクホースが嘶くと同時に額の角から雷撃がベルに向けて放たれたのでベルは咄嗟に《ケラウノス》を発動させてその場から飛び退く。それによってベルは既のところでドレイクホースの雷撃をかわすことに成功し、ベルが先程まで立っていた地面は抉れ黒く焦げていた。その威力の高さにベルは背筋が凍る思いをしたが、そんな暇を与えないと言わんばかりにドレイクホースは高らかに蹄を鳴らしながらベルに向けて突進してきた。
「くっ!?」
ベルは回避できないと判断し咄嗟に大剣の腹でドレイクホースの突進を受け止めるが、雷撃をかわしたばかりでバランスが取れていないこともありあっさりと弾き飛ばされてしまった。だが、ベルもまたタダでやられはしなかった。
「斗流血法・シナトベ『刃身の弐 空斬糸』!!」
ベルは手から血の糸を出すとドレイクホースの右足を縛り、そのまま勢いよく引っ張って体勢を崩させ転ばせる。ドレイクホースはすぐさま立ち上がろうと足に力をこめようとするがそれよりも先にベルはドレイクホースに接近するとヒビが入った大剣を捨て腰に帯刀していた長剣を握り攻撃をする。
「『シャープ・ネイル』!!」
ベルが振るう長剣による三連撃は吸い込まれるようにドレイクホースの胴体に当たるがその傷は浅い。故にベルは攻撃の手を緩めず追撃を試みて長剣を垂直に構えて勢いよく突き出し浅い傷口に向けて勢いよく剣先を突き刺す。傷口をえぐられるような一撃にドレイクホースは思わず悲鳴を上げたがすぐさまベルを弾き飛ばすと前足で勢いよくベルを蹴り飛ばした。
「がはっ!?」
「ブルルルッ・・・!!」
ベルはドレイクホースの蹴りを受けて肋骨にヒビが入ったが何とか体勢を立て直して長剣を構えようとしたが、それよりも早くドレイクホースの角がベルに迫りベルは長剣で受け流すがその衝撃で長剣は折れてしまった。武器を全て失ったことで観客たちの間にベルの敗北が確定してしまったと思っていた。しかし、ベルの瞳はまだ死んでおらず拳を強く握るとそのままドレイクホースの横っ面を殴った。
「どうしたっ・・・!!まだ僕は戦えるぞっ!!」
「ブルルルゥッ!!」
ベルの言葉を理解しているのか、それとも本能で察したのかドレイクホースもまた薄れかけさせていた戦意を滾らせベルを睨む。拳を握り構えるベルに対して突進体勢をとるドレイクホース。1人と1匹の間に重苦しい空気が発生しているのを感じた観客たちは固唾を呑んで静かにその様子を見守っている。そして少しの間膠着が続いたが、その空気を壊すように真っ先に飛び出したのはベルであり、その手には血で形成された三叉槍が握られておりベルはそれを勢いよくドレイクホースに突撃する。
「斗流血法・シナトベ『刃身の伍 突龍槍』!!」
「ブルルルァッ!!」
ベルの三叉槍による刺突とドレイクホースの角がぶつかり合い凄まじい衝撃が発生し、空気を震わせた。しばしベルとドレイクホースの間に拮抗状態が生まれたがステータス的にはドレイクホースの方が上のため徐々にドレイクホースの角が押し込み始めていくが、ベルは負けじとドレイクホースの角を受け流し上に向かってかちあげると同時にその身体をがら空きにさせる。
「これで、終わりだ・・・っ!!」
ベルは右手をガントレットのように血を纏わせながら拳を光輝かせるとドレイクホースの胴体に向けて勢いよく拳を叩きつけた。
「『ハンド・オブ・フォーチュン』!!」
ベルのその一撃はドレイクホースの胴体にめり込み、そのまま勢いよく壁へと殴り飛ばした。壁に叩きつけられたドレイクホースは体を震わせながら何とか立ち上がろうとしたが耐えきれずそのまま地面に倒れ込んだ。
「─────傷ついた英雄、怯える民、失われた箱庭、絶望を乗り越え立ち上がれ。我が力、我が願いををもって癒せぬ者さえも癒しつくすることをここに誓う。さぁ顔を上げよ、我らが戦士たちよ、我が鐘の音を聞き、その傷を癒せ。《治癒ノ鐘音
ベルはドレイクホースにゆっくりと近づきながら魔法の詠唱を始めると周囲に大鐘楼の鐘の音が響き渡る。ベルとドレイクホースの戦いに決着がついたことで静かに見守っていと観客たちも大鐘楼の鐘の音に聞き惚れながらベルとドレイクホースの様子をただ静かに見守っていた。
「ブルルッ・・・」
ベルの魔法の影響によって鐘の音が鳴り響く度にベルとドレイクホースの傷が癒えていく。それに気づいたドレイクホースは驚きに目を見開きながら近づいてくるベルを前に思わず後退りする。
「──────」
目の前の、己より目線が低い人間に、ドレイクホースは立ち上がり口を大きく開く。対してベルは、そのドレイクホースの額に手を優しく置いた。
「・・・・・・ブルルル」
ドレイクホースは目を細め、その場にしゃがみ込んだ。敵意は完全に消えた。観客達は、まだ呆然と見つめている。ふぅ、と息を吐いたベルはドレイクホースに背を向け、恭しく礼を取る。
「喝采を。劇は終わった」
「「「オ───オオオオオオオオッ!!」」」
歓声が大気を揺すり、拍手の雨が降り注ぐ。ベルはドレイクホースの背に乗ると顎である方向を指す。意図を察したドレイクホースは直ぐにベルの入ってきた入り口に向かって優雅に歩く。
(やはりか・・・あの子こそがお前たちの残した最後の英雄候補なのだな。
ドレイクホースを見事テイムしたことで興奮して顔を紅潮させているフレイヤの隣でオーディンはベル・クラネルこそがかつての最強と最凶たちが残した英雄候補であると確信を持ち気づかれない程度に小さく微笑んでいた。
──────これにて怪物祭は終わりを迎え、オラリオもまた何時もの通常の活気ある日々になるだろうとこの時の神々と冒険者、市民の誰もが思っていた。しかし、彼らの知らないところで燻っていた悪意はこの日、再びオラリオの表舞台に姿を現し人々に恐怖を与えるのだった。
今回初登場したキャラたち
ゆんゆん、ダクネス、めぐみん(この素晴らしい世界に祝福を!)
シムラ・新八、神楽(銀魂)
シロエ(ログ・ホライズン)
ドレイクホース(いずれ最強に至る錬金術師)
あとがき
ベル君にはドレイクホースをテイムさせてみました。他の方の小説の影響もあるのですがベル君に騎乗できるモンスターをテイムさせて戦わせたいなと思ってこうしてみました。ドレイクホースの名前は原作通りのツバキにするかそれとも別の名にするかはまた次回までに決めようと思います。また、暗黒期の邪神のトップをエレボスにしていないのには理由があります。そのおかげでアーディやアストレアファミリアが生存しているというのもあります。その代わりヘスティアファミリアの団員たち(オリジナル)が犠牲になっていますが・・・ソードオラトリアでの24階層でのヘルメスファミリア➕アイズVS
獣やドラゴンよりの亜人などを登場させてもいいか?
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あり
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なし