6/21 慧音の口調を変えました。あまり二次創作では馴染みのない話し方かもしれませんが、よろしくお願いします。また少し直すかもしれません。
妹紅さんの家らしき前に来た。とりあえず、今にも崩れそうなボロい家じゃなくてよかった。日本国憲法第25条を満たしていそうな生活はできていそう。でも、妹紅さんちゃんとご飯食べてるのかな?あんまり食べていなくて、慧音さんに諭されたりしているのだろうか。25条、「権利」だし、別に放棄しようが妹紅さんの勝手な気はするけどね。でもちゃんと食べていてほしい。
さて、なんて話そうかな。楽しみだな。そうだな、うーん、名前について少し話そうかな。結構妹紅さんと縁がありそうな苗字してるじゃん?藤は言うまでもないが、だって、丹だよ?
あとはめっちゃ写真撮りたい。いや、動画撮れるなら動画撮った方がいいな。此処には動画撮れるカメラはなさそうだしな。写真なら某烏天狗がたくさん撮ってそうだけど。
慧音さんに連れられて開けた扉の中に入る。やばい。超緊張する。
「妹紅、いるか?」
妹紅だ!!!!!!!!!!はっ!!美しい、かっこいい、かわいい、尊い。俺の人生は此処 で終わるのかもしれない 。本物だ!!!
「あぁ、いるが ……って、誰だい彼は。あと慧音、その様子で出歩くものじゃないよ」
「一段落ついたら帰るつもりですよ。それよりも」
実際に会うと全然違う。まずめっちゃ嬉しいしめっちゃ尊い。ずっとここにいたい。
「京平さん?」
「あっ、すみません、あーえっと、丹藤京平といいます!妹紅さん、お会いできて嬉しいですっ!!」
「おっ、おう……。えっと、どういう身の上なんだい……?」
「えっと、俺は昨日幻想入りしてしまったんですが、簡単に言うと、幻想郷の知識が少しある人間です」
「なるほど?」
「私がいた世界では、幻想郷は『ゲームの中の世界』でして、この時期に幻想郷に出てくる人物は大体把握してます。ちょっと何言ってるか分からないと思いますが……」
「は、はぁ」
「それで、そのゲームの中でも特に妹紅さんが好きなんです」
「えっと……それは、どういう意味だい?」
「あ、ええと、少なくとも今の自分としては愛の告白とかそういうつもりで言ったわけではなくて、私がいた世界特有の概念の、『推し』なるものなんですね。ちょっと説明できないんですが」
「確かに分からないわね」
「まぁ、そういうことです。それで、その影響で俺は、妹紅さんのことを他の人より多く知っています。絶対にいい気分にならないと思いますが、妹紅さんの過去についても、2割くらいは知っていると思います」
「ほう……」
妹紅さん、表情が少し固まってしまった。言わない方がよかったか。やばい、しにたい。言いたいこと全部口に出ちゃうのも悪い癖なんだよな。クソが。
「……知っている範囲で話してみな」
「大丈夫なんですか?」
「いい。始めてくれ」
「はい、えっと、まずこれは不確かな情報なんですが、妹紅さんは藤原不比等の隠し子(?)として多分西暦……あれ此処って西暦通じるのか?」
「慧音から聞いたから、多分大丈夫だ」
「はいっ、多分7世紀ぐらいに生まれて、それで十何歳かの時にいわゆる『竹取物語』のの話になるんでしたね。」
「……正確な年は分からないが、そうだな」
「ここからは多分合っていると思う情報なんですが、さっきいった通り初心者なので少し間違っているかもしれません。えっと、まず妹紅さんの父の不比等が、かぐや姫、今でいう蓬莱山輝夜に求婚した。それがうまくいかなくて妹紅さんは輝夜に復讐を決意する。それで、輝夜が月に帰ったことになって、帝に残された壺に入った薬を奪ってやろうとする。それで、岩笠の一行が富士山でそれを燃すのを尾行するが、普通にバレていたし、なんなら妹紅さんは疲れ果てて動けなくなった。でも、なんと岩笠と一緒に山頂まで連れて行ってもらった。それで山頂に着いて薬を燃やそうとしたが、木花咲耶姫に阻止される。それで、いろいろあって、木花咲耶姫は、岩笠の家来達にも、妹紅さんにも『壺の中身が不老不死の薬である』と言いふらしてしまう。それから夜になって、起きたら
「……」
「続けて、大丈夫ですか?気分は良くないですよね。絶対。ごめんなさい……」
「続きはまたいつか聞く。今はもう……充分だ」
浮かれて話し過ぎたよね。絶対に。「いい」と言われても、言っていいことと悪いことぐらいあるだろ俺。まじでさぁ、人間関係の構築が下手くそすぎるんだよ。クソ。
ただ、どうやら自分の知識は大体あっているらしい。やはりここは「正史」であるらしい。
妹紅さんが外の世界出身であることはそうだが、よく考えたら、俺は「外の世界」の住民ではないはずだよな?いやだって、外の世界で幻想郷が「東方」として存在しているなら、早苗が聞いたことあるはずだからおかしい。俺は一体何者なんだ。どこから来たんだ。平行世界?何?
「このタイミングですまないが、そろそろ私は帰らせてもらえたい。昨日があったから少し疲れていて……」
「分かった。ゆっくりしな。お大事にね」
帰っちゃった。そういえば慧音さんどうしたんだろう??昨日なんかあったっけ?
「慧音さんどうしたんですか?」
「貴方、此処の知識があるのに知らないのかい?」
「あっ、その、初心者なんですよ、俺。最近ハマったので」
「ふーん、なるほどね」
「でっ、それで何でなんでしょうか?」
「昨日満月でハクタクになっていたから、疲れているのよ」
「あっそうか、そういやそうなのか、でも疲労が溜まるのは知りませんでした」
ところで、さっきから妹紅さんにしか目がいっていなかったので周りを全く見ていなかったが、部屋はとりあえず普通にきれいそうでよかった。でもベッドないな……いやこの時代だと多分布団が主流か。妹紅さん持ってるよね?
「京平?だったか?」
「はいっ」
「何故、私の背景を全て知っているのに、私に好意を寄せるのか、分からない」
「そりゃ、『推し』ですから。俺は妹紅さんの全てを受け入れられます」
告白じゃねぇよ、クソ恥ずかしいんだが。何言ってんだ俺?でも妹紅さんの気分を害してしまったなら、大袈裟にでも言わないとね、いや、全然大袈裟じゃないが。
「そうか……分かった」
「お節介かもしれませんが、気分はもう、大丈夫ですか?本当に、さっきは言い過ぎてごめんなさい」
「気にするな」
推しに嫌われたら本当に死んでしまう。
って思う気持ちってすっげぇ自己本位的だよね。気持ち悪いな、クソ。
でも、ここに来た目的は「妹紅さんに会ってたくさん話をする」こと。矛盾している気がするが……あとで考えよう。ここは「純粋な興味と好意」だから。
「ところで、外に出ませんか?妹紅さんの妖術とかいろいろ見てみたいし、この辺をうろうろしてみたいです」
って、よく考えたらこれデートみたいじゃねぇかよ。終わった。恥ずかしすぎる。
といっても、誰も見てないがな。うーん。
「あぁ、行こう」
「え?」
「……言い出したのはそっちだろう」
「あっすみませんそんなに上手くいくと思わなくて」
「そうか」
竹林の案内人をしているらしいし、意外とそういうのは好きなのかな?自分の出自については全然話さないらしいけど。
そう考えると、自分で考えるのもなんだけど、妹紅さんにとって俺は激レアキャラになるのかな?慧音さん以外に彼女の出自を知っている人はいるのだろうか?
「数少ない」理解者が慧音であるらしいので、一人ではなさそうだ。二人目とは言わずとも、俺も「数少ない理解者」に入りたいな。
――――――――――――――
妹紅さんの炎は美しい。夜空にとっても似合っている。アニメみたい。花火を鑑賞している感じかな?
夕方から始まった妹紅さんの炎ショー(?)も大詰め。今日は楽しかった。一緒に永遠亭前まで連れて行ってくれたり(俺に悪い影響をあまり与えたくないらしく、中には入らなかったし誰にも会わなかった)、ちょっと出かけて、妖怪の山の麓の滝に連れて行ってもらったりした。俺が妹紅さんの出自を知っているからだろうか?
夜空に火の鳥が羽ばたいている。炎の燃え盛り方は凄まじく、ほうき星のように残った炎が彼女の後をつけている。彼女の姿は、表情のみうっすら見えていて、あとは炎に包まれている。燃え盛る紅い炎は意気揚々としていて、炎に包まれた火の鳥は澄ました表情を覗かせている。めっちゃかっこいい。ガスバーナーとかで火を点けると完全燃焼する部分があるから、青い炎を見えるけど、妹紅さんのものは赤。いや、紅か。世の中に対して悲観的で、寂しがりで、死ねる機会があったならば我先に実行するだろうけれど、あの紅い、生きる原動力のように感じられるものは果たしてどこからきているのだろうか? 輝夜と殺し合いをするときなら分かるけど、普段生活する中であんなにも激しい炎を出すことはできるのだろうか?明らかに気合いが入っている気がするが、どうなのだろうか。
「不完全燃焼」が燃え盛っているのも、彼女の人生が表現されているような気がして、なんだか感傷的になる。でも、「燃え盛る」という表現で青い炎は普通想像しないだろうけどね。
鷹揚な火の鳥は、竹林のすぐ上空にゆっくり降りてくる。自分が飛べる側の人間でよかった、地上から見たら竹が邪魔してさぞ見辛かったであろう。
「最高!!面白かったです!!」
「あぁ、人に魅せるためにやったのは初めてだが、結構面白いものだな」
「まじで、今度また見せてください!」
妹紅さん、得意気な様子を隠しきれていないよ。かわいいな。
「そういえば、ずっと付き合ってもらって悪かった。もう暗くなってしまったな……」
「言い始めたのは俺ですから、大丈夫ですって」
「それならよかった」
「ただ、竹林の外まで一人で帰れる気がしないから、送っていってほしいです」
「そうか……」
「なにか変なこと言いましたか?」
「あ、いや、なんでもない。すまない」
妹紅さんがそんなに慌てているのは珍しい気がする。一度、彼女が月に帰るかもしれないと勘違いして、永遠亭のそばで永琳と輝夜の会話をこっそり盗み聞きしていた時ぐらいかな?なんでそんなに慌てているのだろう。
気にしていてもしょうがないので、撮っていた動画を止める。合計三時間ぐらい動画撮ってたけど、容量大丈夫かな?まぁ、もうほぼ使わないしいいんだけどね。帰ったらパソコンに移して独り占めするんだ。
あれ、不思議だ。いつもならネット上に投稿したくなるはずなのに、そうは感じない。第一、投稿しても誰も信用しないだろうが、普段の自分にはない感情。推しって、こういうことなんだろうか。
「京平」
「なんでしょうか?」
「ご馳走するから、もう少し残らないか?」
「えっ!いいんですか!?一緒に食べても!?」
「京平の分だけ作るつもりでいたんだが」
「えっ、じゃぁ妹紅さん何食べるんですか?」
「分かっていると思うが、どうせ死なないからな。そんなに頻繁に食事をとる方じゃない」
「……一緒に食べませんか?自分で言うのもなんですけど、人と一緒に食べるご飯は明らかに一人で食べるよりも美味しいですから。お願いします」
「そうか、そうだな……そうさせてもらおうか」
「あと、ええっと、後ろから見学しててもいいですか?」
「あ、あぁ……いや、申し訳ないが、緊張して火傷しそうだから止してくれないか」
「あっ、ごめんなさいわかりました」
「悪く思わないでくれ、そんながっかりしないでほしい」
「はいっ!楽しみに待っています」
ちょっと待て、何だよ「火傷しそうだから」って、そんなんなる訳ないだろ……。何か隠してる?
そういうところも含めて、推しているから全く無問題だし、寧ろそういう一面を見れて嬉しいまであるけどね。まぁ、星空でも眺めて待っているか。明日には多分帰れるはずだし、ここまで光源が少ない場所に来るのも珍しいから、見ておこう。
――――――――――――――
「京平、できたぞー」
「あっはい!今行きますっ!」
妹紅さんのご飯!!うまいか超うまいかの二択が最初から確定している!何がでるのかな。やっぱ筍料理は欠かせないのかな。そもそも普段どのくらい料理をしているのだろうか。毎食食べているとも限らなさそうだけど、年の功が半端じゃないからかなり期待できる。妹紅さんに年の功とか言ったら失礼かな?本人は気にしているのだろうか?
扉を開けると、ホクホクした香りが漂っていた。料理の雰囲気はパッと見た感じ、明治の文明開化の影響はあまり受けていないのだろうか。和食という感じがする。
これは、たけのこごはん?やはり筍料理は欠かせないらしい。あと、白米なんだ。いやでも妹紅さん貴族の出だからそりゃそうか。そして主食は、魚だな。なんの魚なんだろう。幻想郷に海はないはずだから、川魚だろうか。結構大きい。幻想郷の川に下流という概念があるのかは知らないけど、こんなのが獲れるのか。
目を少し奥にやると、様々な小皿の上に、上品な雰囲気で山菜や漬物が添えられている。
えっと、あとこれどう見てもお酒ですよね?俺未成年だし、親が両方酒飲めないから絶対ヤバいんだけど。あまりにも飲酒に無知だし、ここで死にたくないからこれだけはちょっと遠慮させていただこうかな……。
「……そんなにまじまじと料理を見られるの、変な気分なんだが」
「いや、こんなん絶対美味しいじゃないですか!」
「そ、そうか。まぁ、とりあえず食べるか?」
「はいっ。いただきます」
うまいっ!味噌汁、なんだか安心する味だなぁ。味噌汁はいつもそんな味がするけれど、やはり推しが目の前にいるのじゃ美味しさ24倍だよね。魚も、程よい塩加減だ。おいしい。おいしい。漬物はそんなに得意な方じゃなかったけど、食べてみるとおいしいな。食わず嫌いをしていたのだろうか。
「そういや、今日の食材っていつとったんですか?あと、漬物とか事前に準備してないと出せないと思うんですが」
「流石に毎日何も食べていないわけではないぞ……」
「そうなんですか、よかったよかった」
「慧音以外にそんなに心配されるとはな」
「それで、一日何食食べているんですか?」
「時と場合による。食べない日もある」
「食べてください!!」
「わかったわかった」
「それ絶対なかったことにしようとしてますよね?」
「ところで、京平が来た世界の食事もこんな感じなのか?」
「あぁ、まぁいいか。えっと、幻想郷ってオムレツとかなんか外国風の食べ物ってあるんですか?」
「あぁ、人里で売っているところはある」
「自分で作ったりしないんですか?」
「するときはするが、少し昔風なほうが喜ぶと思ってね」
「なるほど、あっ、質問に答えてなかった。俺が普段食べている食事は、多分、そういう外国風の食べ物と今食べてるものが折衷されたような感じだと思います。自分の食文化について考えたことがないので正確じゃないかもしれませんが」
「へぇ、そういう感じなのね。外も変わっているんだな……」
「外が変わっても、私が妹紅さんを好きなのは変わりませんから」
「そうか」
暫く妹紅さんは黙り込んでしまったが、何を考えているのだろう?でも、一緒に食べるご飯はやっぱりおいしいな。最高!
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妹紅さんとたくさん話せて楽しかった。帰る(宿を探しに出発する)ときにあんまり笑顔じゃなかったけど、本当にどうしたんだろう……大丈夫かな。なんの表情なんだろうか。悲しさ?寂しさ?
何故か割と早く飛べるようになっていたので 、妹紅さんには竹林の出口まで案内してもらうだけにしていた。なんかあのままだとついてきそうだったから。休んでほしい。ちゃんと寝て欲しいよ。
というか、宿、見つかるかな。体感もう21時ぐらいなんだけど。まぁ、いざとなったら紅魔館にまたお世話になるしかないかな。とりあえず、なんとかなるだろう。今夜も、帰ることも。