日本国召喚if パーパルディア本土上陸作戦   作:だうんふぉーる

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今日の投稿はこれで最後です。


4.上陸開始

 時間を少し遡る。

 

 日米の航空部隊がパーパルディア全土の軍事拠点を空爆している頃、皇国東部にある工業都市デュロ近郊の砂浜に迷彩服の集団の姿があった。

 

 彼らの正体は、陸上自衛隊の 西部方面普通科連隊(西普連)――2年後に水陸機動団へと拡大発展することとなる――の情報小隊に属するレンジャー隊員たちである。

 転移前からアメリカ海兵隊との共同訓練を重ね、島嶼奪還部隊として訓練に励んできた彼らの現在の任務は、上陸予定地点の偵察と確保であった。

 

 彼らは深夜、海自の潜水艦に乗ってこっそりと皇国本土に近づき、静かに上陸していた。

 彼らもまさか島嶼奪還ではなく、戦後初となる本土上陸の先遣を担うなど思いもしなかったが、命令された以上は忠実に職務を完遂するしかない。

 

「いずも、こちら先遣隊。上陸地点に敵影無し。本隊の上陸に支障ナシと認む」

『いずも了解。これより本隊の上陸に移行する』

 

 沖合のヘリ搭載護衛艦『いずも』に設置された前線司令部に向け、情報小隊が通信する。

 幸いなことに敵は空爆で相当混乱しているらしく、また付近には敵兵も居ないようだ。

 上陸するには絶好のチャンスと言えた。

 

 

 

 

 数分後、水平線にいくつもの艦影が現れる。

 第1次上陸部隊を乗せた海自のおおすみ型輸送艦『おおすみ』『しもきた』『くにさき』、在日米海軍のワスプ級強襲揚陸艦『ボノム・リシャール』、ホイッドビー・アイランド級揚陸艦『ジャーマンタウン』『アシュランド』の6隻だ。

 そしてそれらを取り巻くように海自の護衛艦8隻が護衛している。前線司令部の置かれたヘリ搭載護衛艦『いずも』の姿もあった。

 

 さらに輸送艦と揚陸艦の艦後部ハッチが開き、何隻ものエアクッション型揚陸艇(LCAC)が上陸部隊を乗せて発進。白色のスモークを曳きつつ、時速70kmという高速で海上を突き進む。

 西普連情報小隊による誘導のもと、第1次上陸部隊を乗せたLCACはさしたる攻撃を受けることもなく、皇国本土へと上陸した。

 

 LCACからは陸自隊員や在日米海兵隊員、73式トラック、装甲車、ブルドーザーといった各種の軍用車両が次々に陸揚げされる。

 上陸を完了した部隊は周辺に展開して警戒を行い、ブルドーザーなどを用いて防御用の海岸堡を構築し始めた。第1陣を上陸し終えたLCACも海上に戻り、艦に積まれたままの部隊と装備も下ろすべく、海岸と艦を忙しなく往復してピストン輸送を行う。

 おおすみ型輸送艦に載せられたCH-47JAや、ワスプ級強襲揚陸艦のCH-53Kといった大型輸送ヘリも輸送作業に加わったことで物資揚陸のペースは上がり、やがて海岸は瞬く間に迷彩服の一団で埋め尽くされてしまった。

 

 

 

 

 

 だがここまで派手な上陸作業をしていれば、隠れてコソコソすることに限界が出てくるのも時間の問題だった。

 

「こっ、こちらデュロ防衛隊! デュロ近郊の海岸に二ホン軍が上陸した! 沖に艦隊も見えるぞ!」

 

 未知の軍勢が海岸に上陸しているという現地漁民からの通報を受け、近郊から駆けつけた皇国軍デュロ防衛隊――数か月前のデュロ空爆で壊滅した旧防衛隊の生き残りの寄せ集めだったが――は、二ホン軍による上陸作戦の様子を遠くから望遠鏡で確認。

 即座に魔導通信で皇都エストシラントの臨時司令部や、周辺部隊へと情報を共有した。皇国の技術レベルは基本的に産業革命前後だが、魔導通信による通信網だけは現代にも劣らなかった。

 

「出動できる部隊は急ぎデュロへ集結し、敵上陸部隊を殲滅セヨ!」

「急げ急げ急げ! 蛮族どもを海に追い返すんだ!」

「飛竜隊は全滅してるんだぞ!? エアカバー無しで敵に突っ込んで大丈夫か……!?」

 

 空爆による混乱の中、空爆の影響をあまり受けずに済んでいた皇国陸軍の部隊は、準備もままらないうちに上陸部隊を撃退すべく移動を開始した。




※補足:2016年当時、水陸機動団はありません。なのでその前身となった西部普通科連隊となっています。
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