日本国召喚if パーパルディア本土上陸作戦   作:だうんふぉーる

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9.終幕

 

 翌年、日本国首都東京。

 内閣総理大臣をはじめ、首相官邸に集った閣僚たちは揃って頭を抱えていた。

 戦後日本初となる敵国本土への上陸作戦を成功させ、日本はパーパルディアとの戦争に終止符を打った。だがその代償は決して小さくなかった。

 

「……想像以上に高くついたな」

 

 まず、戦闘機や護衛艦などを動かすのに使った燃料費が高くついた。

 自衛隊と在日米軍の航空戦力を総動員して空爆を行い、2万人を超える上陸部隊をピストン輸送するために多数の輸送艦を投入したのだから当然と言える。

 幸いにもクイラ王国の巨大油田の存在もあり、何桁ガロンという莫大な燃料を浪費した割には、燃料費自体は想定よりも抑えられたが。

 

 だが燃料はともかく弾薬は別だ。パーパルディアを陥とすために投下された無数の航空爆弾やミサイルは、ロデニウス事変後に量産体制を強化してなお、国内にあった弾薬備蓄を相当に削ってしまった。

 今後もパーパルディアのような覇権主義国家と再衝突する可能性も否定できない以上、消費した弾薬の補充も急ぐ必要がある。

 

 さらに協力を要請した在日米軍へも莫大な要請費を請求されていた。彼らとて善意100%で協力した訳ではなく、日本政府への恩売りと資金調達が主目的で参加したのだ(転移によって溜まっていた将兵らのフラストレーション発散も目的である)。

 

 そして何よりは人的損失だった。

 敵国本土上陸という事実上の侵攻作戦に加え、一部では敵皇軍兵と自衛隊員・米軍兵が直接対峙して銃撃戦をし合う事態にもなったのだ。

 転移前、アメリカが地獄を見ていたイラク戦争後の占領業務のような轍を踏まぬよう、敵国の都市は一切占領せず首都だけを包囲するという荒業により、被害を抑えはした。

 だが、それでも少なくない自衛隊員と米軍兵が死傷した。当然の義務ではあるが、彼らの犠牲について責任を追及されることは想像に難くない。

 

「高い代償は払ったが、それでも戦争は終わったんだ。もう少し前向きに行こうじゃないか」

「しかし戦後処理も大変ですよ。パーパルディアの連中、終戦するなり分裂して内戦始めちゃったんですから」

 

 閣僚らの会話に政府関係者一同がため息を吐く。

 占領業務を面倒くさがった日本は、終戦後、洋上監視の護衛艦隊を残してパーパルディア本土から即座に自衛隊と米軍を撤退させてしまった。

 降伏したとは言え皇国首脳部は健在だったし、すでに述べた通り占領業務などイラク戦争のような地獄を覚悟せねばならない。

 

 しかし自衛隊が退いた途端、パーパルディア各地で軍閥が勃興し、内戦が勃発した。

 神聖不可侵の皇国本土を侵されたことで、皇帝ルディアスの権威は失墜。本来ならこの国の戦後を取りまとめる予定だった第3外務局長カイオスも処刑済みであり、パーパルディアは誰も幸せとなれないような地獄と化している。

 

 これ以上関わりたくない日本も、特に厄介そうな軍閥の拠点を不定期にBP-3C爆撃機で掃討するに留めているが、これでは本当に終戦したと言えるのか怪しい状態だった。

 

 唯一の成果と言えば、これによって日本という国は列強第3位の大国を直接蹂躙し、攻め滅ぼした国という評判が広まり、本来(原作)よりも世界に顔が利くようになったが、プラスマイナスどちらで評価するかと言えばマイナスであった。

 

 




これにて本作は終了です。
・カイオスのクーデターが失敗
・元属領の73か国連合軍の攻勢が失敗
これらの前提で、パ皇に自衛隊を本土上陸させるという頓狂な物語を展開させて頂きました。

とても短い作品でしたが、ここまでご拝読下さり、大変ありがとうございました。
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