結界師が行くヒーローアカデミア   作:無個性な一般人

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誤字脱字につきまして。ご指摘をいただき誠にありがとうございます。
投稿前に2,3回読み直して、チャットGPTとか他の校正ツールを通してるんですけども……
毎度ご指摘いただけるの助かります。いや、ほんと……。

今後も文章の精度を上げる取り組みを続けていきますので、よろしくお願いします。


宣戦布告!? 普通科からの挑戦状!!

 雄英高校USJ襲撃事件で俺が負った傷は皆無であり、またいつもの日常が戻って来る。

 と、思っていたのだが世間は当事者である俺以上に、事の重要性を大きく捉えていた。

 

「うへ、こんなデカデカと報道しなくてもいいだろ」

 

 通学途中にある高層ビルに貼り付けられた巨大なスクリーン、普段なら有名企業の広告が流れる画面に、USJ襲撃事件のニュースが放映されていた。

 間の悪いとはこのことだ。ニュースを見たおっちゃんやらが好奇の視線を向けてきやがるのだ。

 見目麗しい女性ならともかく、野郎の視線は鬱陶しいだけだ。

 

「はよー」

 

 なかなかに気の抜けない通学路を通ったせいか、教室に着いたときに感じたのは安堵だった。

 

「おっす尾白」

 

「ああ、札折。おはよう……」

 

 通りかかった尾白に挨拶したんだが、どこか暗い顔してんな。

 

「どうした、大丈夫か?」

 

「いや……。なんでもないよ」

 

 さも悩んでますって面でよく言えたなコイツ。

 だが、どうせUSJの一件のことだろう。

 もしもそうなら、俺が今とやかく言ったところで解決する問題でも、寄り添える問題でもない。自分の中で解決しなきゃならねえ問題だ。

 教室全体を見てもどこかぎこちない空気だし。

 俺が感じたことを他の連中が感じないわけもなく、話題のネタはもっぱらUSJ襲撃とニュースについてだった。

 

「おい札折見ろよコレ! 皆写ってんのにオイラだけ頭しか写ってねえんだよ!?」

 

「うっせぇなー、んな近づけなくても画面ぐらい見えてるっつうの」

 

「おめえには分からねえかも知れねえがよ! オイラにとっては一大事なんだよ!」

 

 ちらりと見れば、俺達が写っている中で峰田だけが頭部のみカットインしていた。

 峰田だけ写真写りに文句を垂れてたので、適当に流した。

 

「牛乳飲め」

 

「ムッキイイイイイ!!!」

 

「あんたら、朝から元気だね」

 

 ほれ見ろ、耳郎からもすっごい微妙な目を向けられたじゃあないか。

 

「そういや今日からの担任誰がやるんだろうな、ヤオモモ分かるか?」

 

 相澤先生は重症も重症。昨日今日で復帰できるとは到底思えなかった。

 

「いえ、伺っておりませんわ。飯田さんも」

 

「HRの時間だ! 私語を慎み、席に着き給え!」

 

「席についてないのはオメーだ」

 

「そうだ、そうだ」

 

「くっ! 不覚……!」

 

「……知らなそうだな」

 

「……ですわね」

 

 そうして今だ入院中であろう相澤先生の代理が誰になるのか、みんなでワイワイ話しあった。

 耳郎達はセメントス先生や、オールマイト先生を上げ、俺と峰田はミッドナイト先生を猛烈に推した。

 冷たい視線を向けられたが、男の矜持としてコレを譲らなかった俺と峰田の意思は強固なのだ。

 

「18禁ヒーローが担任とか自慢しかねえじゃん!」

 

「そうだぜ! テレビ越しでしか見れない18禁を合法的に、授業で凝視できるなんてサイッコーじゃねえか!」

 

「残念俺だ」

 

『相澤先生復帰早!?』

 

『ぐあああ!? 俺達のヴァルハラァ……!』

 

 まさかの大穴過ぎてクラス揃って突っ込んでしまった。

 全身包帯グルグル巻きで来られてもこっちが気まずいんだけど。

 だが、そんな気まずさは次の言葉で吹き飛ぶ。

 

「戦いはまだ終わっちゃいない」

 

 USJの一件。クラスに緊張がはし

 

「雄英体育祭だ」

 

『くそ学校ぽいの来たアアアア!』

 

 前世で言うところのオリンピック。

 規模とボリュームはともかく、個性が日常化している世界において数多いビッグイベントの一つ。

 俺も小さい頃から毎年欠かさずに見ていた。

 プロヒーローまでもが見に来るのもそうだが、毎年何かしらの伝説を残すことでも有名で、そのなかでも全裸事件はいの一番に上がるだろう。

 

「峰田よ、スカウトが来るならどこがいい?」

 

 プロヒーローからのスカウト。

 体育祭に来るプロヒーローはただ観戦しに来るわけじゃない。体育祭で優秀な人材を探しに来ているのだ。

 個性の有能さ、個人の資質。それらから判断され、プロヒーローから職場体験のスカウトが来る。

 ある種、プロヒーローから能力を認められたと受け取れるのだ。

 誰から、どこからスカウトを受けたいのか。それは今後ヒーローとして活躍してく上で最も重要な要素。

 

「ふっ。決まってんだろ、んなもん……」

 

 出場する側に立って初めて知る、体育祭がどれほどの価値を内包しているのか。

 当然。悪友たる峰田は俺と同じ考えに至ったのだろう。

 俺達は笑みを浮かべ、同時に発した。

 

「マウントレディ!」

 

「ミルコ!」

 

 俺達は笑顔で見つめ合った。

 笑顔のまま、互いに顔を近づけていく。

 やがてその距離はゼロになり、デコがゴツンと衝突した。

 

「ああああん!? やんのかテメェ! オメエにはマウントなヒップのレディがどんだけ素晴らしいか分かってねえようだな!?」

 

「じょーとーだゴラァ! 筋肉ウサギのマッスルボデーの魅惑ってやつを叩き込んでやらあよオオォオ!」

 

 こうなりゃ戦争だ。男と男のプライドを掛けた聖戦だ!!

 

「二人共……うっさい」

 

「誠に申し訳ございませんでしたア!」

 

「なーに謝ってんうぎゃああああ!? オイラのメガああああ!?」

 

 あっぶね。速攻で土下座をかましたことでどうにか逃れることができた。

 

「最近思ったんだがよ、俺と峰田への対応というか扱いが雑すぎません? とりあえず感覚で目潰し止めない?」

 

「なに?」

 

「いえ、なにも……」

 

 峰田。俺等失明せずにこの学校を卒業できんのかな。

 ヴィラン連合を名乗る阿呆どもが残した傷は決して小さくはない。だけど今みたいに、みんな無事に学校生活を送ることができている。

 あのときに感じた恐怖を忘れるつもりもないし、もう安心だなんて微塵も思ってないない。

 

(次だ、次は全部守ってやる)

 

 攻撃的な個性としては使えないが、守ることに関して俺の結界は最強だ。

 それを証明するためにも、次の体育祭までに結界を伸ばす。

 目標を新たにしてどんな訓練をしようかと考えながら、俺達が教室を後にしようとしたときだった。

 

「なんだ?」

 

 教室のから出ようとした俺達を出迎えたのは廊下に集まる人だかりだった。

 他クラス、他学科の生徒が何故かAクラスの教室前に集まっていたのだ。

 ナンデ?

 

「これじゃ出れねーじゃん! 何しに来たんだよ!」

 

「敵情視察だろザコ」

 

 峰田、爆豪にすんげえナチュラルにザコ呼ばわりされてんじゃん。

 あー膝から崩れちゃったよ。

 

「ダイジョブカーミネター、傷はあさいぞー」

 

「それならザコって発言に対しての弁護をしてくれよ……」

 

「評価は人それぞれだ。お前が筋肉ウサギの太ももは天下一です、て言うならフォローしてやるぞー」

 

「しゃらくせぇ! マウントなヒップ一択に決まってんだろ!」

 

 爆豪に心を折られても魂はくじけない、か。

 

「よくぞ言った相棒。お前はザコじゃない! ちょっと火力がゼロで地味めだけど有益な個性を持った存在だぞ」

 

「フォローになってねえ!?」

 

「ゴチャゴチャウルセェぞザコどもオ!」

 

 うひー。この人手をBoooom!ってさせてるよコエー。

 

「つーかテメェ等もゴチャゴチャ集まってんじゃねえ。無意味なんだよ、ドケやモブ共」

 

 凶悪顔に粗暴な口ぶり、誰が見てもやばいヤツ認定がされた爆豪に、集まっていた生徒達の何人かが一歩下がった。

 

「随分と偉そうだな、ヒーロー科はみんなこんなやつなのか?」

 

 その中で、紫色の髪と気だるげな目をした男子生徒が前に出て口を開いた。登場の仕方が首領のそれっぽいな。

 しかしまあ、爆豪だけに向ければいいのに主語だけ大きくしちゃって。

 男子生徒はニヒルな笑みを浮かべると「知ってるか?」と続けた。

 

「ヒーロー科を落ちた中には、そのまま普通科に行った奴がいるんだ。体育祭のリザルトによっちゃヒーロー科に編入できる可能性もあるし、その逆もな」

 

 ヒーロー科から落とされる。

 初めて知る事実にみんなが大小反応を見せた。

 俺? ぼーっとしてた。へー、そうなんだって。

 

「おい、なんでお前だけ平然としてんだよ!」

 

「静かにしろって言ったの峰田だろ。平然もなにもねえだろ、んなもん」

 

 必要以上に怯えてる峰田に教えてやろうとしたところで、紫髪君がまた口を開いた。

 

「敵情視察? 少なくとも俺は、調子に乗ってると足元すくっちゃうぞって、宣戦布告しにきたつもりなんだけど」

 

「だから無意味なんだよ、ドケ」

 

 この手の問答で爆豪に勝てるやつはいないだろうな。

 

「おい爆豪! おめーのせいでヘイトが集まりまくっちまってんじゃねえか!」

 

「関係ねえよ」

 

 なんだかんだ言ってコイツには一本の軸がある。ヒーローに対する絶対的な指標がある。

 

「上に上がりゃ、関係ねぇ」

 

 そういうやつは強え。

 そんな爆豪の姿にAクラスの顔つきが変わる。

 

「はあ。まったく爆豪らしいっちゃらしいよね」

 

 たった一言で場の空気を変えた張本人は、素知らぬ顔で教室から出ていった。

 そして変わるようにめっちゃ大きな声が聞こえた。

 

「おいおいおいおい! 隣のBクラスのもんだけどよー! ヴィランと戦ったつうから話し聞こうと思ってたんだがよ! えらく調子づいちゃってんなオイ! 本番で恥ずかしいことになんぞ!」

 

「うわ、また面倒そうなのが来たよ」

 

「耳郎、そう言いながら俺の背中を押すのはなんでだ?」

 

「決まってんじゃん。あーいう手合はアンタ担当」

 

 いつ決まったんだよ。

 

「まあいいか、耳郎に頼られるのなんか嬉しいし」

 

「だ、だからそういうのヤメロって!」

 

「札折……お前……」

 

 やべ。峰田が怨嗟の眼差しを向けてくる。

 悪霊退散、悪霊退散!

 この悪霊ズルズル脚から登ってきやがる!?

 

「とりあえず、爆豪みたいに喧嘩売らなければいいから。穏便にね」

 

 なるほど、穏便にねぇ……。

 でもよ、アニメとかだとこういうときってド派手に言い合ったほうがよくない?

 こう、演出としてさ。強キャラ的な、ね?

 

「はいはい。Bクラスの生徒よ、よくぞ来た。俺が話を聞いてやろうじゃねえか!」

 

 と、言うわけで。爆豪ほどじゃないが、俺もいっちょかましてやっか!

 

「おう! 俺はBクラスの鉄哲徹鐵だ!」

 

「俺はAクラス札折界支だ! よろしくぅ!」

 

「早速だがよ! おめーらヴィランと戦ったからって調子に乗ってんじゃあねえのか!」

 

「調子に乗るだろうがよォ! 俺等は一年目にしてヴィランとやり合って生き残ってんだぜ! お前等にソレができんのかよ!」

 

「ちょ、ふ、札折ぃい!」

 

 何だよ耳郎、止めるでない。

 爆豪が啖呵を切ったんだからソレに続かなきゃ損だろうが!

 

「言ってくれるじゃあねーか! 体育祭で恥かかねえことを祈ってやるぜ!」

 

「ありがとよう! そっちこそAクラスの引き立て役にならねえよう頑張りやがれ!」

 

 とりあえず鉄哲のテンションに合わせて茶を濁す。

 喧嘩腰にならず、威勢よく相手すればこの手合は満足してくれるからな。

 

「よく言った! 体育祭が楽しみで仕方がねえぜ! じゃあな!」

 

「おう! 首を洗って待ってるぜ! じゃあな!」

 

 そして満足した鉄哲が他生徒の波をかき分けて去ろうとしたところで、

 

「結」

 

 鉄哲、そして集まった他の生徒たちを結界で覆う。

 もちろん、覆うのは二の腕から頭のてっぺんまでだ。これで腕は動かせて肘からだ。

 

『えええええええ!?』

 

「札折! おめえなにやってんだよ!」

 

「個性を生徒に向けて使うなんて!?」

 

「は、はやく個性解除しなって!」

 

 これには流石のAクラスも俺を止めようとするが、あえて無視!

 

「忠告だ。ヴィランの第一声は自己紹介じゃねえ、宣戦布告でもねえ。殺すって言う連中だったぜ」

 

 あの悪意は授業じゃ絶対に経験することはできない。

 害意をもって、殺意をもって個性を向けられる感覚はあの場で、立ち向かったやつにしかわからない。

 

「お前等にすくえる足元だったら、USJを生き残れてねえんだよ……俺等は。解」

 

 鉄哲達だけじゃない。Aクラス皆にも発破をかけるつもりで言い切る。

 

「だが、誰かにハッキリと啖呵を切るなんざ誰でもできることじゃねえ」

 

 あまりに唐突な出来事で半ば放心している鉄哲、そして紫髪を挑発するように嗤う。

 

「かかってこいよチャレンジャー共。俺は、俺達は……強ェぞ?」

 

 調子に乗っているんじゃあねえ。

 そう見えるなら、ソレだけの壁をお前等が感じたってだけだ。

 

『……』

 

 誰もが口を開くことはなく、俺をただ呆けた面で見るだけ。

 

「ふっ……。決まった」

 

「決まった。じゃない! バカ!」

 

「いぎゃあああああ!? 目にかつてないげきつうがああああ!」

 

 次の日、俺は相澤先生からめっちゃ怒られた。

 

 

 

 

 




没ネタとして札折の性格がちょっとキツいパターンも書いてみたんですけど
なんといいますか。空気が合わなかったので止めました。
メタ発言のオンパレード。自分の性格の悪さが浮き彫りになった気分です。

どこかで供養ができたらなと、はい。
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