モンスターハンター 〜寒冷群島の紅き鬼狩り〜   作:北凍武人

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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜https://syosetu.org/novel/76619/に関係するお話です。

百竜夜行での出来事です。


キレた鬼狩りと魂の旋律

ドラコは、再会した訓練所の同期達と共にカムラの里を襲う未曽有の大災害、百竜夜行に立ち向かっていった。

 

「ねえ、何か聞こえてこない?」

 

「本当ですね...狩猟笛の音色だ」

 

ドラコと共に毒妖鳥プケプケを仕留めた同期、カエデとゴウが狩猟笛の音色に気づいた。

 

「...この音色」

 

ドラコは一人この音色の主に気づいていた。音色の主はドラコが訓練所で最も親しくしていた友人だった。

 

「ヤツマ.........」

 

・・・・・・

 

これは、ドラコが訓練生時代に起こった出来事である。

 

同部屋となったヤツマ、ウツシに話しかける。すでに就寝時間だったのだが、親睦を深めるべく話しかけているのだ。

 

「なーなー、2人は好きなモンスターいる?俺はゴシャハギなんだ!」

 

「ドラコ、君は確か幼いころにゴシャハギに襲われたんだよね...?トラウマじゃないの?」

 

「ああ。まー確かにあの時はマジで怖かったし恩人を引退させちまったっていう後悔はある。けどゴシャハギの、『厳しい環境の寒冷群島で力強く生きている姿』に惚れ込んだんだ。あとあれだな。氷の刃!まあ...フィオドーラのプケプケ推しの強さに比べたらそこまで熱はないんだけど」

 

「あはは...あの子、プケプケにハマったみたいだからねえ...ちなみに俺が好きなモンスターはジンオウガかな~」

 

「ものまね上手いもんな~」

 

「僕は...ライゼクスかな」

 

「ライゼクスって...四天王ってやつだっけ」

 

「うん。その中でも青電主ライゼクスはすごく強くてかっこいいんだ...僕、小さいころに青電主と遭遇したことがあって...黒炎王リオレウスにも臆さず立ち向かう姿にあこがれたんだ」

 

「すげえ~!」

 

「うるさいぞ貴様らぁ!」

 

「「「うわぁ!?教官!?」」」

 

・・・・・

 

「オラオラオラオラ!!!」

 

ドラコはからくり蛙相手に激しい乱舞を食らわせていた。

 

「旋律の効果ってスゲーな、力が湧いてきたぜ」

 

先ほどヤツマが鳴らした狩猟笛の音色がもともと高い攻撃力を持つドラコの力をさらに引き出していた。

 

「凄いなぁ、ドラコは」

 

「そう?ヤツマも十分凄いと思うけどな~。」

 

ドラコと共に訓練していたのはヤツマ。同期の中では特に仲良しだった。

 

熱血漢のドラコと気弱なヤツマ。正反対の性格ではあるが自然と気が合い、一緒に訓練に励んでいるのだ。

 

「僕もドラコみたいに強くなりたいよ」

 

「ヤツマもなれるよ。ヤクライさんみたいな凄いハンターにさ。」

 

そんなある日、ドラコは何故か訓練所にいないヤツマを心配に思い、探しに行くことにしていた。ウツシや近くで訓練していたクリスティアーネに声をかけ、探しに行っていたのだ。

 

見つけたのはヤツマではなく、碌に訓練もせずサボっている先輩訓練生であった。

 

「今年入ってきた奴ら全員生意気なんだよな~

 

「ヤツマってやつ?アレは弄りやすいよな

 

「なあなあ、今度ヤツマを寒冷群島に連れてって、捨ててこうぜ」

 

「泣く子はいねえが~ってな!雑魚はゴシャハギに食われちまえばいいんだよ」

 

「泣き叫ぶからモンスターが集まってくるぜ...」

 

「子泣きキジかっての!あはは!」

 

「!!!」

 

ドラコは激怒した。この外道共を殴らねばと決意したのだ。

 

そして彼らの元に躍り出て一人の先輩をぶん殴る。

 

「ふざけんな!!!!」

 

「いてぇ...!なにすんだよ!!」

 

「ヤツマを馬鹿にすんじゃねえ!!!」

 

そしてドラコは先輩訓練生に馬乗りになり何度も顔を殴りつける。ヨツミワドウを殴るゴシャハギのように。

 

「アイツは!誰よりも努力してんだよ!!お前らに何がわかるんだッ!!!」

 

そして、訓練時に使用しているツインダガーを、引き剥がそうとする他の先輩訓練生たちに向ける。その時。

 

「やめろドラコ!!!」

 

ドラコの体に鉄蟲糸が巻きつけられた。異変を感じ取ったウツシが駆けつけたのだ。

 

「ぐっ...!」

 

「何をやっているんだいドラコ」

 

「俺は悪くねぇ!あいつらがヤツマを...」

 

ドラコの言い訳を遮るようにウツシの怒号が響き渡った。

 

「ドラコ!!!」

 

「....」

 

 

いつも穏やかなウツシがここまでキレたのを見たのは初めてだった。ドラコは何も言えなくなってしまった。そんなドラコを見たウツシは優しくかつ厳しく諭した。

 

 

「どんな理由があっても人に武器を向けちゃいけない。武器はモンスターに向けるべきだ。先輩たちだって人間なんだよ」

 

「.....ゴメン、頭に血が登っちまった」

 

反省した様子を見せるドラコに微笑んだウツシは、先輩訓練生たちの方を見た。

 

「分かればよろしい。先輩たちも、あまりヤツマをいじめないでくださいよ?俺も、同期達も、あんたたちの蛮行には内心腹が立ってますからね...」

 

ウツシは彼等をキッと睨みつけた。

 

先輩訓練生たちとドラコは一瞬、ジンオウガを見たような感覚に襲われた。

 

その後、戻ってきたヤツマとウツシと共に訓練に励み、ハンターになった。先輩たちは卒業試験資格を失ったとか。

 

・・・・・・

 

 

「この旋律は...ヤツマの魂の叫びだ。アイツは臆病なんかじゃない。俺の知ってるハンターの中で一番勇敢な心の持ち主なんだ!!!」

 

ドラコは確信を持って呟いた。共に戦っていた仲間たちも同意する。

 

「さあ行こうか!アイツの勇気を無駄にするわけにはいかないぜッ!!!」

 

元々熱い性格のドラコは友の旋律に更に心を熱くするのだった。そして、次々と現れるモンスターを前に、ウツシに教えてもらった、気合を入れる言葉を叫ぶ。

 

「気焔万丈!!!」

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