連続狩猟に行ってから数ヶ月後。砂漠地帯に向かっていたとき、アダイト、ディノと共に偶然ではあるが、オアシスを縄張りにしていたドスゲネポスの狩猟をし、とある町の人々に感謝されていた。
3人は、数日の接待を受けたあと、旅立つこととなった。
「アダイト、元気でな!ディノ......オレより先に死ぬなよ?」
「フン......お前こそ、くたばって遺体がワーニェ村に運ばれることのないようにな」
「なにを?」
「なんだ?」
「ふたりともこんな時まで喧嘩しない!行くぞ!」
アダイトに怒られた2人は矛を収め、それぞれの目的地に向け歩き出した。
ドラコはケンカの内容をふと思い出していた。
「......百竜夜行で仕留めた獲物の話で喧嘩したんだよな。......ちくせう、ティガレックスとかナルガクルガとかかっこいいやつばっかり討伐しやがって......俺なんてプケプケにフルフルだぜ?......まあ愚痴っても仕方ねぇか」
ドラコがなぜ砂漠までやってきたのか。それはディアブロス亜種を探しにやってきたからだ。
「見るだけなら......タダだよな」
狩猟や討伐が目的ではなく、"ディアブロス亜種"の姿を見ること"が目的だった。クリスティアーネたちが死力を尽くして討伐したというディアブロス亜種。その姿を一目見ようと、そしていつか狩猟しようと。同期たちが話し合っている中、一人だけ火山に行っていた為、一人蚊帳の外だったのだ。
そして、砂漠をしばらく探索していた。
「お。ディアブ....ロぉ!?」
ドラコはその時見つけてしまった。異様な姿のディアブロスを。亜種ではない全くの別物を。
一見普通のディアブロスに見えるが、頭部や翼、脚部や尻尾などが部分的に異様な濃紺色に染まっている。
最大の特徴は左右非対称の歪な角で、左角が右角よりやや短く先端が三股に分かれたような異様な形状になっている......
「亜種じゃねえよな......なんなんだあれ」
「ギャオオオオオオオオオオオオオオォォォォッ!!!!!」
ディアブロスはドラコに気づくと雄叫びを上げこちらに突進してきた。なんとか躱すも、息を整える間もなく飛んできた尻尾の一撃を食らい、遠くまで吹き飛ばされてしまった。
ディアブロスは暫く暴れたものの、出て来ない様子に、"死んだ"と認識したのか、何処かへ去ってしまった......。
「し、死ぬかと思った......なんなんだよあのディアブロス......震えが止まんねぇ......」
と思われていたが、ドラコは生きていた。咄嗟にゴシャズバァで身を守り、翔蟲を使い移動、近くの岩場に身を潜めた。
ドラコの身体は奇跡的に無事であり、生きていることにホッとしたものの、暑い砂漠地帯にいるにも関わらず、寒気を感じていた。自分が無事な代償に、ゴシャズバァは完全に崩壊、ゴシャ装備も見るも無残な姿となってしまった。
「......一撃食らっただけでこれかよ。ああ......村長に貰ったデビュー祝いが......」
あらかじめ用意していた他の防具を着用し、ディアブロスに生きていることを悟られぬようそっとその場を離れた。
後にドラコは知ることになる。
出くわしたモンスターの名を。
名を"鏖魔ディアブロス"。
ディアブロスの中でもとりわけ危険で凶暴な個体であるということを。ギルドの特殊許可が無いと狩れない程に凄惨な被害を出した最強最悪のディアブロスだということを.....。