ミナガルデの集会所にて、ドラコは寒冷群島に関連するクエストを見ていた。ワーニェ村はその土地柄か、クエストは多くない。なので、修行がてらミナガルデに行くことも多いのだ。
また、ワーニェ村にはドラコの他にもう1人ハンターがいる。信頼できる先輩ハンターだ。
「なんでワーニェに送らないのかねぇ......。近いのに」
見ていたのは奇怪竜フルフルと人魚竜イソネミクニの狩猟であった。
「フルフルっていやぁ、クリスが目標にしてたモンスターだな。...2体とも狩れれば大幅な戦力アップだな......」
その時、後ろから声がかけられる。ゲリョスシリーズとフルミナントソードを担いだ大柄な美少女が声をかけてきたのだ。
「ドラコ様、お久しぶりです」
「んお?おおー、クリスじゃん。聞いたぜ?フルフルの狩猟に成功したんだって。親父さんも認めてくれたんだよな」
「はい。お陰様で、お父様からも認められ、気兼ねなく活動ができます」
「あと......剥ぎ取りすぎて怒られたってのも聞いたぜ」
ドラコの言葉に、顔を赤くし恥ずかしそうにつぶやく。
「......我ながら、はしたないことをしてしまいました。目標の達成に舞い上がり、際限なく剥ぎ取ってしまいました......うう......恥ずかしいです」
「はは......まあ気持ちは分からんでもないよ。オレだって初めてのゴシャハギ狩猟達成したらやりかねないしな......。クリスは優秀だし、同じ失敗はしないと思うぜ」
「ありがとうございます」
「あ、謹慎明けのクエストってもうクリアしたのか?」
「はい。ヤクモ様、レイン様、ヤツマ様がお付き合いしてくれて......。今では賞金も普通に戻りました」
「おっ。ヤツマもか。......アイツ元気にしてるかな」
「討伐は中々チャンスが訪れないみたいですが」
「ワーニェ村なら受け放題だぜ。......今度会ったら誘ってみるか」
「わたくしも、いつかワーニェ村に行ってみたいです」
その願いは割とすぐに叶うのだが、2人は知る由もない......
寒冷群島。
「フラヒヤ山脈とはまた違った環境ですね......ドラコ様は幼い頃1人でここに?」
「ああ。ワーニェ村も比較的近かったしな。俺が小さい頃会ったゴシャハギは村の真ん中でオブジェになってるよ。待ち合わせスポットとかになってるかも」
「......そうなんですね」
ベースキャンプで応急薬と携帯食料を分配したあと、ドラコは2人分の肉を焼いた。先に出来た方をクリスに渡す。
「ドラコ様はお肉を焼くのが上手ですね......コツとかあるんですか?わたくし苦手で......」
「コツねぇ.....肉に焼き色が付いた直後に引き上げるってのは意識してるんだけど......なんだろね......」
「焼き色が来るまで待つ、と......あっ、少し話しすぎましたね。参りましょう」
レンタルガルクにより移動する2人。少し移動すると、クリスが何かを発見した。
「.....あれは!」
背泳ぎで泳ぐモンスターと目のない白い飛竜が鉢合わせしていた。
「イソネミクニだな。フルフルもいる......。っ!いいこと閃いた」
「......?」
「1人1体を狩猟してみないか?2人で一緒にやるのもいいけど、同時に終わらせたらすぐ完了しそうだぜ」
「......フルフルの素材で必要なものは揃っているので......イソネミクニを狩猟しますね」
「俺はフルフル行くわ。最近作ったクックツインズを試したくてな。イソネミクニは雷属性が効くから、クリスのフルミナントソードはうってつけかもな」
「ありがとうございます。フルフルは火属性が弱点なので、ドラコ様のクックツインズは有効ですね」
「だな。それじゃ始めるか。睡眠粉に注意しろよ」
「ドラコ様は電撃にご注意を。それでは、ご武運を祈ります」
..................
「これで!最期だ!」
「ギョワアアアアアアアッ!?」
ドラコの炎を宿した一撃がフルフルの命を断ち切った。
手早く素材を剥ぎ取ると、その場を離れた。ベースキャンプに戻ろうとしているところで、クリスティアーネが戻ってきた。彼女も狩猟を達成したらしい。
「イソネミクニの狩猟、完了しました。」
クリスティアーネはイソネミクニの素材を見せる。
「俺もフルフルの狩猟完了だ」
その時。
グオオォ......という唸り声が聞こえてきた。
ドラコは慌てて物陰に隠れる。クリスティアーネもそれを見て急いでついてきて隠れた。
クマのような体に鬼のような顔面を持つモンスターがフルフルの死体に近づいてきていた。匂いを嗅ぎ、フルフル以外の匂いを感じ取ったのか、周囲を注意深く観察している。
「あれが......雪鬼獣、ゴシャハギ......」
「手を出しちゃだめだぞ......今の俺たちの手には負えないからな」
「冷静ですね......好きなモンスターなのなら一直線に行きそうですのに」
「小さい頃に身に沁みて理解してるからな、アイツの恐怖とヤバさは。それはそれとしてカッコいいんだけどな。氷の剣とか」
「そうですね。......さて、ゴシャハギに見つからない内にベースキャンプに戻りましょう」
ドラコとクリスティアーネは、ゴシャハギに見つからないよう、慎重に移動した......。そして、クエスト達成を報告しに向かうのだった。