カルラディア帝国戦記   作:カルラディア帝国

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命からがらポルトメルシアより逃げ延びた放浪艦隊は、ハーマリア星系近傍に在る"カラーディ星系"へとジャンプした。
そのカラーディ星系の第4惑星"ヴィルディア"は、ガミラス人であった彼らにとって最適とも云える環境を有していた。
待ちに待った星を見つけた彼らは、そんなヴィルディアへの入植を開始したのだった__


芽吹き、新たな試練

ヴィルディアへの入植が始まったその日から、ロドルフ以下のセカンド・オーダー幹部達は、新国家建国の為奔走していた__

 

文官達は憲法の制作を開始、マリウス=トイアー以下政治に精通した幹部達は暫定行政府である"臨時統治機構行政局"にて新国家建国までの暫定的な内政を行っていた。

 

そして、シュティーア・シャーフ以下の技術陣は回収したゲシュ・タム=コア(波動コア)の安全な解析の為に、カラーディ星系第9番惑星"ハーデッシュベルト"に移送し解析作業に入っていた__

 

 

ーーー2/22ーーー

 

 

カルラン暦元年(地球暦2190年)2月22日、この日、臨時統治機構行政局施設内で、ロドルフ・クルークが新国家"カルラディア帝国"の建国宣言文書に調印した。

 

「閣下、いえ総統。建国式典は予定通り3月1日に開催する手筈となっております。」

「そうか。臣民への周知はどうなっている?」

「現在進めている状態であります。本日総統が建国宣言文書へ調印なされたことも臣民へ知らせる予定です。」

「ただ…、憲法の制作が少し手間取っておりまして。3月1日迄には完成する見込みなのですが、ギリギリになってしまうとのことです。」

「構わんよ。間に合うのであれば問題は無いさ。他に何か問題は起きているか?」

「いえ、現状他には聞いていません。」

「宜しい。マリウス、憲法制作に取り掛かっている文官達へ、決して無理はせぬようにと伝えてくれ」

「はっ!!」

 

ロドルフが建国宣言文書へ調印したこと、そして国名が"カルラディア帝国"となった事は、その日の内に全臣民へ伝えられた。

 

それに併せて、以前より告知されていた建国式典の日程について改めて告知されたのだった。

 

 

 

ーーー建国前夜ーーー

 

 

建国式典が明日へと迫ったその日の深夜、クルークは中々寝付けず総統用臨時邸のバルコニーで夜風に当たっていた

 

(ガミラスを離れて5年……。これまで"殿下が生きておられれば"と何度も考えてきたが……、これからはそうも考えていられなくなる…。明日、臣民へ宣言をしてしまったら戻ることは…、いや、宣言文書に調印した時点でもう戻ることは叶わないのだ。私に出来ることは、覚悟を決めて前へ進むことだけだ。要らぬ不安を与えてはならない。国の為にも、民の為にも……)

 

一人黄昏れ、物思いに耽っていると、寝室に居なかったことを心配したのか、妻の"リベルタ・クルーク"がバルコニーへとやってきた

 

 

「こんな夜更けに、どうなされたのですか?貴方」

「リベルタ……。何、少しこれまでの事に思いを馳せていただけだよ。」

「そうでしたの。……思えば、色々ありましたものね。」

「あぁ…。国を正す為の闘争に敗れ、なれば自ら国を興すのみと、言ってしまえば半ば勢いで飛び出し、行先も定まらぬまま放浪を続けてきたこの5年。皆には辛い思いを多くさせてしまった…。」

「ですが、私達をここまで導いてきたのが貴方だからこそ、皆着いてきたのだと思いますわ。」

「そうだろうか……」

「そうですとも。貴方には人を導く才がお有りなのですから。でなければ、貴方に賛同して後から着いてくる方々が居まして?」

彼ら(・・)か……。いや、全く彼らには驚いたよ。」

 

彼ら(・・)とは、ガミラス離反直後のクルーク一派へ追撃してきた艦隊に紛れ、背後から急襲し艦隊へ合流した者たちの事である。

彼らはマティウスやエーリクの融和政策を支持していた改革派の軍人達であった。

国があらぬ方向へ傾き出し、大公一家と国への忠誠心が弱まった時にクルーク一派の反乱を知り、合流すべく追撃艦隊に紛れていたのだ。

 

「合流してきた者たちを指揮していたのがマークだと知った時は嬉しかった。彼とは今生の別れになると思っていたからね。」

「昔から付き合いが有るとの事でしたね。」

「あぁ…」

「…少し、冷えてきましたわね。お部屋に戻りませんか?」

「そうだな。お前と話して気も紛れた。」

「明日はお早いのですし、もう寝ましょう」

「あぁ、付き合わせてすまなかったな」

 

そう言って二人は寝室に戻って行った……。

 

 

ーーー建国式典ーーー

 

 

日が登り夜が明け、遂に建国式典の日が訪れた。

 

ヴィルディアに腰を据えて一月余り、急ピッチで都市やインフラの整備が進められた帝都は、彼らが降り立った時からその風貌を変え始めていた__

変わり始めた帝都、その中で一際目を引くのは、建設が始められたばかりの総統官邸だろう。

この建国式典は、その総統官邸の側に建てられた総統臨時官邸前で行われるのだ。

今や式典会場には、臣民達が溢れんばかりに詰め寄せ、式典の始まりを今か今かと待ちわびている。

そうこうしている内に、クルークを含めた元セカンド・オーダーの幹部達が式場に現れ、遂に式典が始まった。

マリウス=トイアーの式典開会宣言に始まり、直ぐにクルークの建国宣言が始まる。

 

クルークがマイクの前に立ち、一言目を発するのを、人々が固唾をのんで待っていた…

 

『ここに集いし同志諸君!これまでの苦難、よく耐えてくれた。長きに亘る放浪と混迷の時代を耐え忍び、立ちはだかる困難と闘い、我々は希望の光を求め続けてきた。そして今、新天地ヴィルディアに辿り着くことができた。ここで我々は再び一つとなり、新たな未来を切り拓く為起ち上がるのだ―"カルラディア帝国"の名の下に!

 

今この時も、我々の住処を築き、守りを固め、或いは新たな技術の開発に従事する仲間たちがいる。彼らに最大限の感謝を。そしてこの式典の場にいる我らもまた、共に手を携え、ここから先の未来を創り上げていこうではないか。

 

 

"団結せよ!前進せよ!切り拓け!"

 

 

我等の未来は、今や我等の手中に在る。勇敢なる帝国臣民達よ、諸君等の誇りに満ちた生命の輝きを称え、希望ある未来を共に築き上げることを誓い、ここにカルラディア帝国の建国を宣言する!!!!

 

ハルン・カルラディア!』

 

 

 

クルークの建国宣言を聞いていた民衆や幹部達から、自然と拍手が溢れてくる。

会場が拍手で包まれる中、マリウス=トイアーが総統を称え「ハルン・クルーク!」と声を張った。

すると、それに併せて幹部や民衆が一同に総統を称え始めた

 

「「ハルン・クルーク!総統万歳!!ハルン・カルラディア!帝国万歳!!」」

 

帝国と総統を称える声が、帝都中に木霊し、新たな歴史の始まりを予感させながら、建国式典は成功を収めたのだった___

 

 

ーーー第9番惑星ハーデッシュベルトーーー

 

 

建国式典が無事成功して3日、回収されたゲシュ・タム=コアの解析作業は、カルラディア帝国軍技術開発局装備開発課課長"クシェフ・ヴァエト"指揮の下で順調に進められていた。

 

「慎重に扱えよ。このゲシュ・タム=コア(波動コア)、今はこれ一つしか無いんだ。」

「はい、課長。…しかし凄い代物ですね、このゲシュ・タム=コア(波動コア)。この大きさでここまで莫大なエネルギーを取り出せるだなんて…」

「あぁ…純イスカンダル製なだけはある。ガミラス製の比じゃない。一刻も早くこれの解析を終え、新装備の開発に繋げるぞ!」

「「はっ!」」

 

ヴァエト達が解析作業に戻ろうとした時、施設職員の一人がヴァエトを呼びに研究所へやってきた。

 

「ヴァエト課長、シュティーア・シャーフ局長から通信です。一度通信室までお越し下さい。」

「シャーフさんか。判った、直ぐに向かう。」

 

職員に連れられ通信室へと向かい、ヴァエトはシャーフとの交信を始める。

 

『凡そ一月振りだね、ヴァエト君。そこに缶詰状態にしてすまん』

「ご無沙汰ですね、シャーフさん。そんな事はここに居る誰も気にしていませんよ。むしろ、こんな国家機密レベルの代物を調べられる事に皆喜んでいます!」

『そうか、それなら良かった。早速で済まないが、ゲシュ・タム=コア(波動コア)の解析状況はどうだ?』

「はい、解析は順調に進行中です。しかし、こいつは出力は桁違いですね。」

『やはりそうか。総統がこれを発見された時に"2乗倍か3乗倍の出力を得られるかもしれない"と仰ったそうだが、実際にそのレベルの出力は得られそうか?』

「いえ、3乗倍何てレベルじゃありませんよ。これがガミラスにあれば技術革新が起きていたかもしれないレベルです。」

『そこまでの代物か!』

「えぇ、そこまでの代物です。こいつを今のゲシュ=タム機関(波動機関)のコアにすれば、ゲシュ・タム=ウォール(波動防壁)を艦体防御用のシールドとして展開出来るようになるかもしれません。」

『何!?コア防御用のあのゲシュ・タム=ウォール(波動防壁)をか!』

「まぁ、発振の為の中継機は必須になるでしょうが、これまでの解析結果を考えれば、夢物語では無いかと」

『なるほどな……。素晴らしい』

「しかし、今の我々にこれが有っても、正に宝の持ち腐れなのでは…」

『宝の持ち腐れと云うならば、その宝に見合った(ふね)を造ればいいだけの話よ。』

「それはそうなんですが…、今の我らにそのような余裕は無いでしょう?」

『確かにその通りだ。だが、余裕が出来ればそういう(ふね)も作れるだろう?』

「仰ることも、解らないでは無いですが……」

『何も無策で君にこんな事を言ったわけでは無いさ。』

「一体、どの様な策がお有りなので?」

『……これは、極極秘事項に類する話だ、他言無用に頼む。総統は我が国の領土をハーマリアまで広げるおつもりとの事だ。』

「何と!確かに、ハーマリアまで勢力圏に収めることが出来れば、資源的にも大きく余裕を持つ事が出来ますね!」

『あぁ、ヴァエト君、それまでにコアの解析は終えられそうかね?』

「無論です!お任せください!!」

『その言葉を待っていた!期待しているぞ。研究員の皆にもそう伝えてくれ』

「はっ!ありがとうございます!」

『ハルン・クルーク!総統万歳!』

「総統万歳!」

 

通信室でシャーフとの通信を終えたヴァエトが研究室へと戻って来る。

 

「皆聞いてくれ!シャーフ局長が我らに期待していると仰っていた!!気合引き締めて行くぞ!」

 

「「はっ!!」」

 

 

ーーーヴィルディアーーー

 

 

建国式典を終え3日が経ち、カルラディア帝国臨時統治機構行政局から、カルラディア帝国政府へ行政機能が徐々に移転されていく中、総統府内務卿を拝命したマリウス=トイアーは、総統執務室にて公務の合間の休息(ティー・ブレイク)をクルークと共にしていた。

 

「3日経った今更言うのも何だが、式典が無事に終わって何よりだよ」

「そうですね…。しかしここからが大変ですよ。」

「わかっているよ。とりあえずは総統官邸の建設を急いでくれ。」

「現在、最優先事項として急ピッチで建築を進めています。現状の見立てでは、6月始めから中頃には完成できると思われます。」

「建設作業をしてくれている者達には無理をさせてしまうな…」

「作業員達には無理をしない様にと言い聞かせていますので、ご安心下さい。」

「すまんな、助かる」

 

クルークが次の話題を切り出そうとした時、政府幹部が二人の元へ訪れた

 

「総統閣下、ご休憩中に失礼致します!技術開発局長のシャーフ様よりご報告が。」

「聞こうか」

「はっ! "ゲシュ・タム=コア(波動コア)の解析は順調、最高出力は想定を大きく上回る"とのことです!」

「大きく上回ると来たか、それは素晴らしい。また何か分かり次第直ちに報告する様、シャーフ君に伝えてくれ」

「はっ!失礼致します!総統万歳!」

 

政府幹部が去っていくと同時に、トイアーも立ち上がる

 

「それでは総統。私も執務に戻ります。」

「そうか。また遊びに来てくれ。今の私はあまりやることが無くて暇でね」

「承知しました!失礼します。」

 

そうして、トイアーの執務に戻るため総統執務室を去っていった____

 

 

ーーー海賊艦隊ーーー

 

 

ヴィルディアで建国式典を終え10日が経った日、ポルトメルシアで遭遇した海賊艦隊に不穏な動きがあった____

 

「キャプテン!この前の奴らの居場所がわかりやした!」

「どれだけ待たせるつもりだ!!」

「すいやせん。なにぶん星間物質が濃いもんで…」

「言い訳は良い!奴らはどこに居る!」

「"カラーディー"へジャンプした様です!」

「"カラーディー"か…。丁度良い。前々からあの星系には目を付けていた、星系ごと頂くとするか」

「へへっ、キャプテンも欲張りっすねぇ」

「欲しいモノは全て手にしてこその海賊だ。奴らを叩き潰し、カラーディーを我が物にする!全艦前進!!」

 

「「おう!!」」

 

放浪艦隊から受けた傷を癒やした海賊達は、近傍の星系で見たことのない技術を用いる彼らからその技術を奪う為、ヴィルディアへ向けたワープに入るのだった___

 

 

ーーーヴィルディアーーー

 

 

総統臨時官邸で政府閣議を開いている時、政府幹部が1人血相を変えて会議室へ入ってきた。

 

「失礼致します!」

「閣議中である!何事か!」

「宙軍参謀本部より緊急入電!『海賊艦隊、10番惑星ダゼアフォン宙域へジャンプ・アウトセリ。艦隊総数ハ以前ノ倍ヲ計測。本星侵攻ノ公算大ト思ワレル』とのことです!」

「なんと……。」

「総統閣下、如何致しましょう。」

「宙軍へ直ちに非常体制を発令し、第一艦隊には出撃命令を下命せよ!参謀長をロドルフィアへ呼んでくれ。私もろロドルフィアにて出撃する!」

「はっ!」

 

クルークからの指示で、宙軍に対し直ちに非常体制が発令され、第一艦隊は作戦行動規定に則りヴィルディア衛星軌道上へ集結。

他艦艇も非常態勢下の為出撃態勢を整え本土防衛態勢を整えていく__

 

 

ーーー旗艦ロドルフィアーーー

 

 

「総統閣下並びにセト艦隊司令、艦橋に上がられます!」

 

艦橋へ上がるクルーク総統とベルンシュタイン=セト航宙艦隊司令へ、他要員が敬礼をしようと向き直るが、クルークがそれを諌める。

 

「敬礼は必要無い。シナノ参謀長、艦隊の状況はどうなっている」

 

先に艦橋へ来ていたコドルヴォ・ナタ・シナノ宙軍参謀本部長が、ホログラフィックで作り出された航路図を用いて艦隊の現状を説明し始める。

 

「現在、第1艦隊は惑星軌道上へ集結しつつあります。第2艦隊及び予備艦隊は出撃準備を整え、指示があれば直ぐに出撃できる状態になっています。」

「了解した。第一艦隊は全艦の集結を待ち直ちに進発、迎撃行動へ入る」

「はっ!」

「敵艦隊の現在位置は判明しているのか?」

「現在敵艦隊は8番惑星"トリンティア"の軌道を抜け、7番星"フルァノス"の軌道に差し掛かっています。このままの速度で行きますと、我が第一艦隊との会敵予想位置は、5番惑星"ジュパーダ"と6番惑星"ヒメルティーア"間の惑星間空間だと考えられます。」

「承知した。参謀長、今次作戦の行動概要を知りたい」

「はっ!今次作戦においては、艦隊の編成から鑑みガミラスでも用いられた機動砲撃戦術(・・・・・・)を主眼とした行動を取ります。まず、艦隊を"前衛艦隊"、"奇襲艦隊"、"中核艦隊"の3つに分けます。前衛艦隊はデストリア級のデストロイを旗艦とした陽動攻撃部隊です。この艦隊は偽装突撃を行います。その後クリピテラ級2隻を旗艦とした2戦隊が敵艦隊を両側面よりショート・ジャンプにて奇襲。敵艦の撹乱を行います。敵艦隊の隊列が乱れた隙を付いて、本艦ロドルフィアを旗艦とした中核艦隊が突撃、敵を一掃します。」

「3段構えか、良いだろう。通信士!艦隊編成を変える!今の指示を全艦へ伝達せよ!」

「はっ!」

「セト司令、前衛2艦隊の指揮権は君に託す。やれるな?」

「はっ!!」

「ゲルベリウス艦長!中核艦隊の指揮は君に一任する!」

「はっ!!」

「作戦概要を直ちに全艦へ共有!!共有の後、全艦発進!敵を叩く!」

 

シナノ参謀長発案の作戦を実行するため、艦隊の陣容が変わる。

陣容が変わったのを見図り、艦隊はゲシュ・タム=ジャンプへ移行した____

 

 

ー前衛艦隊デストリア級デストロイー

 

 

「通信長、ロドルフィアへ打電!」

「はっ!!」

 

 

 

ーロドルフィアー

 

「デストロイ艦長、ベルンハルト中佐より入電!『ワレ、偽装突撃ヲ敢行ス』!」

「頼むぞ…ベルンハルト艦長…」

「通信士!奇襲艦隊へ伝達、前衛艦隊の偽装突撃に併せてショート・ジャンプを敢行。撹乱攻撃を開始せよ!」

「はっ!」

 

 

ーデストロイ艦橋ー

 

 

「通信長、各艦へ『作戦は予定通り』と通達!」

「はっ!」

 

前衛艦隊に与えられた作戦は、その名の通り"偽装突撃"である。敵艦隊正面から最大速力にて海賊艦隊へ突撃、主砲有効射程に入り次第、射撃しつつ敵艦隊を通り抜け、艦隊後方に出ると同時にジャンプする艦隊による1撃離脱の陽動作戦である。

 

「全艦最大戦速!突撃開始!」

 

前衛艦隊が旗艦デストロイの指示に従い突撃を開始。艦隊の有効射程に入ると同時に砲撃を行った。

亜光速状態で接近し攻撃を仕掛けてくる前衛艦隊に対し海賊艦隊も応戦はするが、速すぎるが故に照準が合わず、数隻の撃沈を出すと同時に、余りの速さに追撃するか否かの判断が錯綜し艦隊の陣容が乱れ始める。

 

前衛艦隊がジャンプに入ると同時に、予定通り奇襲艦隊がジャンプ・アウト。

奇襲艦隊の突然の出撃に艦隊は混乱状態へ陥るが、そこを逃さず奇襲艦隊により砲雷撃が行われ、更に多数の敵艦を撃沈する。

 

その状況を逃さず、ロドルフィア麾下の中核艦隊が一斉に突撃。攻撃を開始した____

 

 

ーロドルフィア艦橋ー

 

 

「友軍、損害軽微。敵艦隊、依然指揮系統乱れたままと思われます!」

「順調だな。このまま敵を一掃する!」

「はっ!全艦に通達!敵を一掃する!砲撃用意!」

「各砲座、砲撃用意宜し!」

「全砲門開け!撃ち方始め!!」

 

ロドルフィアからの指示を受け艦隊が一斉に砲撃を開始した。

 

しかし、艦隊が砲撃の為に速度を落とした事で、照準が付け易くなった敵艦隊から、反撃が始まった。

 

「敵艦隊半数の撃沈を確認!!残存する敵艦、反撃行動に出る模様!!」

 

 

ー海賊旗艦ー

 

 

「キャプテン!このままじゃやられちまいます!どうしやすか!!」

「なに、敵の脚も落ちてきた、今の内に体勢を建て直す!反撃するぞ!!」

「キャプテン、丁度良い機会です。頂き物のアレ(・・)使って見やすか?」

アレ(・・)か…。良いだろう、手前(てめえ)らにむざむざやられる様な存在じゃねぇって事を知らしめてやるか。アレ(・・)を搭載している奴らは俺に続!お見舞いしてやるぜ…」

 

「アイ!!」

 

 

ーロドルフィアー

 

 

「敵艦4隻、隊列を離れます。この進路は…、突撃!?」

「何だと!艦種は何か!」

「大型艦です!」

「奴ら、何をするつもりだ…警戒を厳に!迎撃の」

 

クルークが出すその瞬間、随伴のデストリア級前期型が轟沈、その爆発を受けロドルフィアも損害を受ける

 

「デストリア轟沈!」

「何が起こった!」

「判りません!攻撃らしきものを受けたとしか…」

「デストリアの爆発を受け本艦も副砲及び魚雷管、電探を損傷!航行に支障はありません。」

「…、只の攻撃にしては爆発が大き過ぎる………。敵は未知の兵器を使用してきた可能性がある、艦長!」

「はっ!突撃してくる敵艦を優先して攻撃!撃沈せしめよ!!」

「目標、照準ヨシ!主砲一斉射!()ーー!!」

 

ロドルフィアの砲撃が命中し、突撃して来た艦の内1隻に命中した。弾薬庫か機関部へ命中したのか近くに居た同型艦を1隻巻き込みながら大爆発を起こした…

 

「2番艦、4番艦の爆発に巻き込まれ爆沈!」

「ちっ!ここまでだな。艦隊、撤退する!!」

「逃げるんすか!!」

「当たり前だ!損害も馬鹿に成らねぇ、立て直しが必要だ。アレ(・・)の威力も良く判った。引き時だ」

「アイ!!全艦へ伝えろ!ずらかるぞ!!」

「白旗揚げた奴らはどうしやすか、キャプテン」

「軟弱者共は捨て置け!全艦ジャンプ!撤退だ!」

 

敵艦隊が撤退した事により戦闘は終結。戦闘中に降伏した敵艦は拿捕、乗員は捕虜とした。

戦闘終結後、宙域に残された残骸の調査を行う事になり、そのための特別隊が編成される事になった。

しかし、調査途中にあの様な出来事が起こるとは誰も予想していなかった____




海賊艦隊の襲撃は終わった__
しかし、国はまだ動き始めたばかりであり、赤子も同然…
国家の基盤を固めるべく人々は奔走する

次回、第4話「栄光と技術の躍進」
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