この素晴らしい世界とは   作:脱兎の如く

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書いてて思ったのですが、
死んだ後も不遇って、なかなかヘビーな魂ですね。
タケはなにをしたのでしょうか。


ルビの秘密

ルビの秘密

……俺はいつまで寝ていたのだろうか。

「タケ!タケ!!」

 あ、ルビの声だ。呼んでる……起きなきゃ、

「タケさん!」

 カズマ、来てくれたのか……多分どうにかしてくれたのだろうな。歳上なのに迷惑かけてすまない。

「ルビったらなかなか良いリザレクションするじゃない……アクシズ教徒にならない?」

 お前は黙ってろ駄女神。

「流石に肝が冷えましたよ……」

 爆裂娘もいるのか、散歩……ついていってやらないとな。感謝するぞ。

「カズマでもあんな死に方してないな……」

 ダグネスも……こいつは別にコメントないや「んぅ!」……なぜ悶えるダグさん……でも、そうか……みんなが居た。そうか、助けに来てくれたんだな……

「みんな……ありがとう……」

 目をやっと開けれた俺はまず感謝をする。そして、一気に恥ずかしくなる。ルビが膝枕をしているのだ。こりゃあかん!……あれ?体がだるくて起きれない。なぜだ……

 そうしているとアクアが自慢げに言う。

「お礼ならカズマとルビに言うのね。カズマが初心者殺しを引きつけて、ダグネスのデコイまで誘導。そこをめぐみんが爆裂で撃破。至る所から出血やら折れてるやらめちゃくちゃだったあなたを血だらけになりながら治したのがルビよ」

 おい、駄女神……お前何もしてないだろ。

 それにしても……血だらけだと?

「そんなに……めちゃくちゃだったのか?」

「そりゃ……食べられてたもん」

 うわぁ……考えたくない。ちゃんと俺の体あるよな?

「ヒクッ……ゥゥ……」

 ルビが泣き出した。晴れてるのに、顔は小粒の雨が降り出した。

「……ルビ、ありがとな」

「ゴメンナサイ……ヒクッ……置いて……いっちゃって……」

「いや、ルビの判断のおかげで助か……」

「違うもん!!!!怖くて……ニゲ……タダケ……」

 違うぞ……?全く……

「ルビ、それは違うぞ?」

「……え?」

 だるい体を起こしながら伝える。

「俺はルビに生きて欲しかったから逃がしたんだ。カッコつけたんだから……泣かないでくれよ」

 そうしてルビの頭にそっと手を置き……

 周りの取り巻きは「撫でるのか?」と期待していると思うのだが……

「んしょっと!」

「ーーーえ!」

 俺はルビの頭を支えに立ち上がった。

「ーグスン」

 あ、期待させてたのか??不貞腐れてる?

「あー……ルビ?」

「……」

「……怖くても戻って来たんだろ?」

 言わなきゃな。御礼を……

「……うん、今度はタケが居なくなるのが怖くて……」

「でも……戻って来た。逃げずに戻って来たんだ。そして助かった。俺は感謝してる。だから謝らないでくれ」

「…………」

「あと、エリス様からいろいろ聞いたよ。あとで話そう」

 コクンと頷いたルビを、今度はちゃんと撫でてやる。

 もう大丈夫という気持ちを込めて……

 

「カズマカズマ……なんだか私たち空気なんですけど」

 KY駄女神が囁くようにしているが、やたら通る声で筒抜けだ。

「アクア、こう言う時は空気になるんだ」

 さすがカズマ、わかってるな。

「何でしょう……私も撫でられたいな……」

「めぐみん、私が撫でてやろうか?」

 ダグネスの手って硬そう……同意なのかめぐみんは即答した。

「絶対嫌です」

「即答の拒絶……んぅ!……」

 

 …………

 

 

 ギルドに報告を終えて、カズマたちと別れた。

 2人で宿に戻り、早速エリス様から聞いたことを打ち明けてみる。俺は電車ではなく、違った死に方……妻の不倫相手に殺されること。妻と子どもがそいつの家族で、殺そうとして、逆に殺したこと……そんな未来から救うためにせっかく溜まった神聖をつかって「俺だけを」転生させたこと。

「……全てほんとです。嘘をついてごめんなさい」

「助けられたんだ。恨んでないよ。でも、正直に話して欲しい」

「……」

 それからルビは事のあらましを話した。

 俺をたまたま見つけて、あまりにも不遇さと報われない未来に心を打たれたと。

 そして、向き合う覚悟ができたのに、それが最悪の未来を引き起こす事になるとわかってしまった。このままでは、人を殺した罪で地獄行きになってしまう、そんなの不遇すぎる。なぜ、死んだ後も不運で不遇が続くのか……

 そして……俺を転生させた。

「アクア様の後世として頑張ってたから神聖溜まってたの。だから、使った。私はあなたに生きて欲しかったの」

 それは女神というより……普通の女の子のような言葉だった。だから……

「ありがとうな。おかげでクソみたいな人生ではなくなった。今はルビもいるし、第二の人生として生きていくよ」

「……」

 あ、ダメだ。こんな助けてくれた女の子が近くにいて、そして生きてて欲しいなんて言われたら

「それに……今はルビがいるから」

「…………?」

 もう家族はいないし、戻れない。言わば、魔王を倒すという理由とともに、この世界で生きている理由がなくなることになる。でも、

「家族はいない、帰る理由もこの世界に生きてる理由は一度なくなった。けど、多分おれはこれからもこの世界で生きたいって思うんだ」

 ルビがいるなら、それが理由だとおもう。

「それは、ルビが帰ってきて欲しいと言ってくれたからだとおもう……ルビがこれからも帰る場所であって欲しい」

 ほんと、自分の感情に弱いな、俺……

 今こんな事言うもんじゃないのに……

「ルビが好きなんだ。これからも一緒にいてくれないか?俺の帰るところでいて欲しい」

「もう……私を逃すために囮とかにならないなら……もうあんな思いさせないで……その時は私も一緒に戦うから。一緒に帰るために」

 その後、一呼吸おいて、ルビが言った。

「……いいの?私で、あなたのことを天界で見続けたストーカーだよ?」

 ……なんか不穏な単語聞こえたな……でも、

「いやむしろ神に向かって告るとか俺が良いのかって感じだけど……」

「そうだね……フフッ」

「それで……返事は?もらえてないんだけど……」

 ……………………

 …………

 ……

 返事の代わりに、ルビはそっと抱きしめて

「これからもお願いします」

 そう小さな声で、優しく応えた。

 

 

 ……………………

 

 ルビ視点

 最初は命令で来させられた。私のミスだから仕方なかった。でも、知ってしまった。天界では味わえない感情。失いたくないって思ってしまった。いつか……隠している事を話さなきゃいけなくなるけど……話そうにもわからない事だらけなんだよね……

 今はこのまま、この感情に任せていたいな。あーダメだ。独占できるって考えたら……我慢ができなくなりそう。何年か前、天界に馴染めずに、落ち込んで下界の河原で出会った青年。誰もが通り過ぎる中で声をかけてくれた青年に元気づけられて、また頑張れた。そのおかげでアクア様と話す事ができて、自分の悩みがちっぽけだと分かった。……この人が居たから女神になれた。

 そんなの、気にならない方がおかしい。

 そんなこと言われたら、好きにならない方がおかしい。

 

 もう、この人を死なせない。苦しませない。悲しませない……逃げたりしないからね。




メインヒロイン爆誕!
たまにイチャつく描写とかチャレンジしてみます。

基本的にカズマパーティとの共闘は考えてません。
カズマたちの冒険の裏でというスタンスでいきたいなーと考えています。
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