この素晴らしい世界とは   作:脱兎の如く

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代という相棒から
この物語の核心に迫っていきます。


ジジイの仮説

代(ジジイ)

 ジジイ(おじさまじゃ!)はもとアクセルの街の王だった。しかし、現在の王都との覇権争いの中で敗北する。駆け出しの冒険者に優しくしていた王は、人望はあるが戦力は集まらなかった。そして、その人柄に漬け込んだ女性に殺されてしまう。

 ……こう言う時は邪魔しないんだな(いやーシリアス!)だー!うるさい!

 元は魔王討伐に神器「光」を与えられて冒険していた勇者だったが、何かをきっかけに辞めて、駆け出しの冒険者のサポートをするようになる。

 (転生者に優しい街って必要じゃろ?)

「……確かに」

 何気に代が作ったこの街が俺は大好きになっている。ここで、エリスが代にむくれ顔で話す。

「それで?今は代って名前なのね?アクセル王?」

 (もう代で良い)

「急にいなくなってどれだけ私が焦ったか……最も魔王討伐に近いと思ってたのに……」

 (……飽きたんじゃ笑)

 あ、はぐらかしてるな?ジジイ。飽きたとか、もう少しマシな言い訳したらどうなんだ。

 あとで尋問してやる……

 そう考えていると、エリスが説明をし出した。

「光は、例えば刀の形だとその刀身が光になってる。だから折れることはないわ」

「へぇ……どこかの宇宙戦争の選ばれた人が使えるやつみたい」

 フォースの導きのままに……という感じで笑(ぶぉぉぉぉぉぉぉぁん)。……ジジイ、効果音はわからんて。

「その今はわからないけど……とりあえずもう武器に困らないはずよ」

 武器に困らないって……そんなにすげぇの?

「……まて、光なのに切れるのか?これ、そもそも、この武器強いのか?(失礼な!わしは強い!)」

「安心して、光といえどもちゃんと物体化している。光っている剣ではなくて、ちゃんと刀よ。シンプルなね。そしてこの世界ではその刀を壊すことはできないはずよ」

 なら、安心した。さて、聞かなきゃな。

「ところでジジイ……なんで魔王討伐やめたんだ?」

 (……そのうちおまえもわかる)

 ……?どうした?そんなトーンの声で……ジジイはシリアスブレイクの役回りではないのか?

 (世の中は不条理なのじゃ)

 どう言う事だ?

 (……)

 だんまりか……、まあいいか、

「とりあえずエリス様、ビリーバーの効果お願いします。ルビ、この後時間あるか?話がある」

 唐突に話題をルビに振る。

「え?あるよ!うん、わかった!」

「よし、じゃあ戻るか……」

 

 ……………………

 

 

 デュラハン討伐の宴会をよそに、ルビと俺、ゆんゆんが宿に戻った(ワシもいるぞー!)……

「いるな、ジジイ、聞くぞ?なぜ冒険を辞めた?」

「……」

「ダンマリか……もう思念はやめてちゃんと話せよ?」

 その前にと、ジジイがスリープでゆんゆんを眠らせる……おいおい、動けるのか、憑いるだけではないのか……

「……ふむ……ルビ、女神になってどれくらいだ?」

「まだなったばかりよ。アクア様がいるからまだなれなかったの……」

 マジか、はやくアクアを引退させなければ……あれ?でもそうしたらルビはいなくなっちゃう?なら、アクアで居続けるようにしなきゃな。

「なら、知らない事かもしれんな」

 ジジイが何か話をしそうだ。

「私が知らない事?」

 ……ジジイが俺に語りかける。

「なあ、タケ、この世界にはスキルと魔法がある。それを人々が当然のように使う。なぜじゃ?」

 これは最初の俺とルビの疑問だな。

「あ、それ俺も思った。料理スキルなくとも料理はできる。剣術なくても剣は振るえるよな。でもだけどスキルポイントで何にでもなれる。便利だよなー。」

「言われてみれば確かにそうね……」

 そう、本来努力をして、練習して、何度も何度も繰り返していろんなことができる。それをこの世界はギルドカードですぐに習得できる。

「俺がいた世界ではありえないな……」

「そう、ワシのもといた世界でもそうだった……」

 ……ん?ジジイがいた世界でも??そう疑問に思ってると一呼吸おいて、代は話出す。

「この世界の創造主、そして神たちがそれらを与えているとしたら、どうだ?」

「……なに?」

 なにやらものすごい話になってきた。

「エリスが与えてる?スキルも魔法も?」

 そりゃルビもいきなり言われたらそんな反応になるよな。この世界を見守ってても、エリスがそんなら与え続けるなんて無理だ。

「待てジジイ、それはありえない。じゃあ、なんであのデュラハンの死の宣告や、モンスターのスキルや魔法があるんだ?エリス様は魔王討伐をしたいんだろう?」

 わざわざ敵に武器を与えるわけないだろう……

「そう、そこじゃ。それがワシにも最初はわからなかった。だが、この世界がその神にとってただのゲームだとしたらどうだ?見守っているのではなく暇つぶしであり、与えるのではなく競い合わせてるだけ……」

「違う!!!!」

 ルビが叫んだ

「私はタケを見守っていた!あの世界の人々を見守ってた!遊んでなんかない!」

 そうだ、それでおれはルビに助けられている。

「本来、神とはそうあるはずじゃ、おそらくエリスもそうだ。人間を助けようとしている。そして、わからんか?疑問に思わんか?女神よ……エリスが降臨した姿のクリスもスキルを与えられている」

 ……あれ?ルビもだ、与えられている……

「ここから……ワシの予想じゃが……」

 ジジイの仮説が、この後俺たちの物語の大きな転換期となる。




世界の当たり前を疑問に思った代
代はなぜ、冒険を辞めてしまったのか。
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