この素晴らしい世界とは   作:脱兎の如く

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ジジイの仮説とはなんなのでしょうか。
シリアスブレイカーの末路とは


この素晴らしい世界とは

この素晴らしい世界とは

 「これはあくまで仮説じゃ」

 そう前置きしてジジイが話出す。しかし、その声色から意を決して話すという決意が読み取れる。シリアスブレイカーではなかったのか。ジジイ……

「エリスよりも上の神がいて、そいつがこの世界を創った。そして、人間がいて、文明ができた。しかし、他のある世界を見て思った。このままでは滅ぶかもしれないと……」

 俺の世界も文明が発展したから戦争だの環境破壊だのあったな……それもこれも確かに人間が始まりではある。さらに代は続ける。

「なら、文明が発展する前に「その状態で留めておけば」良いのではないか?そのために今のシステムを作ったのでは?」

 え?と言うことは、文明が発達しないために今の魔法やスキルがあると?それは説明がつかないんじゃ……ジジイに聞いてみる。

「待て待て待て、なら、なんで魔法とスキルなんだ?その説明ではなんもわからんぞ?」

 その質問にジジイは嗜めるように、そして、諭すように俺に話してくる。

「まあ待てタケ……人間はどのように発展した?」

「……どうって、より良い生活になるため……より快適になるため……便利になるため?」

「そうだ、要するに、不便だと思うことを解消するために知恵を活用して、応用し……使った。そして、いろんなことを便利にして、不便をなくしてきた」

 移動をするために車……火を起こすためにライター……ものを書くために筆記具……なかったら全て不便だな。

 ああ……そうか……その科学や技術に変わることが……

「スキルや魔法は、不便を解消するためのものか」

 魔法があれば不便ではなくなる。人はわざわざ開発なんてしなくなっていく……科学や技術みたいな事はいらない。わざわざできることを考える必要はない。

「そう言うことじゃ、そうすれば知恵を使わない。技術進歩もない」

 ここでルビが言いにくそうにジジイに話す。

「まって代……なんか私たちが悪いみたいな言い方だけど……」

 確かにそうなる。その疑問にジジイは答える。

「ルビは、エリスがどんな助けをしたかわかるか?」

「聖典にはさまざまなことが書いてありますが……」

 その昔、エリスが人々を()()()話しだな。俺も読んだぞ。

「人々をどれも導いたとだけだろう?それは……」

 ……助かる手立てがわかってたから、そちらに導いた。そう、魔法とスキルへと導くために……

「……ジジイ、確証がないとは言ったな?でもそこまで言うなら何かあるんじゃないか?流石に言い過ぎたぞ?」

 ルビが悲しい顔になる話題はやめたい……

 すでにルビは目に涙を溜めている。そんな彼女をそっと抱き締めてやる。それを見て流石に申し訳なくなったのか、ジジイはまとめる。

「そうじゃな……すまん。言いたいのは」

 

 

 魔王を倒して本当に平和になるのか

 魔王はなぜいつまでも倒されないのか

 倒された記録があるがなぜ復活するのか

 そもそも何故魔王軍にもスキルと魔法があるのか

 

 

「……言われてみればだな。なんで考えなかったのだろう……」

 ジジイの言いたいことを聞いて、俺の疑問が大きくなっていることに気づいた。

「……タケ?」

 俺の言葉にルビは不安そうな顔をする。自分が否定されているような話題だ。当たり前だよな。

「大丈夫だよルビ、俺は仲間が第一だ」

 まずはルビを安心させる。神を疑う話題だったが、ルビは神というよりは仲間でありパートナーだ。例え何かに巻き込まれても手は絶対に離さない。その意思を示すために抱き寄せる手を強くする。

「……タケはいい若者じゃ、何故ワシの武具を使えたり、わしがこのように懐いたのかわからんが……ワシがおまえを信じたくなったからかもしれんな」

「それはどうも。ところで、ジジイはなぜついてきたんだ?」

 そこまで大事な考えを抱えて……500年も待ち続けた理由も知りたい。

「……今の仮説を誰かに伝えるまで死にきれなかった。だから、もしもの時はリッチーにしろと城の魔導士に伝えてあったのだ。もちろん、伝える適任者がいたらその命令も棄却する。しかし、居なかったのだ……」

 声のトーンでわかる……いろいろあったもんな。……まて、その仮説を……伝えるまで?

「そんな中、魔法とスキルの出所を調べ出した矢先に、妻の1人に殺された」

 ……ん?仮説の核心を調べ出したら殺された?

「待て……それは偶然か?」

「だと思うぞ?……覇権争いで……あれ?なんで王都は駆け出しの街を手に入れたかったのだ……?」

 なにやら、昔の時代からその()()()()()()()()()があったようだな。何か……何かわかりそうなんだが……

「まあ、良い。タケよ、ワシは元の世界に戻るよ。この世界も好きだったが……やはり生を受けたところに帰りたい」

 おい、もしかして若者に預けて帰ると言うのか?!……そりゃ、長くこの世界に存在していたから、そう考えるのかもしれないが……

「おい、待て、伝えたからさよならというんじゃないだろうな?」

「……そういうことじゃ」

 まてまてまて!

「確かに筆者はめんどくさいやつだと考えてたけど!居なくなることはないだろ!」

「……筆者が神なのかもな笑、それに、神に聞くのなら神に会いに行かなきゃなるまい。わしは一時期ではあるが統率してた街の今を知りたかったのだ。街の活気を見て、それはそれは安心したんだぞ?……もう、思い残す事はない。それに、この仮説は誰かが天界で聞かなければならない事だ」

 神と対話するために死ななければならない。けど、この仮説を残したい。だから、俺たちに仮説を託したのか。

「タケ、ルビ……それでは、この世界を頼んだぞ」

 あっという間だったジジイとの一時は、唐突に終わりをつげた。クリスにもアクアにも浄化されることなく、その存在は消えた……

 

 だが、なんだろう……このジジイはまた帰ってくる気がする。まだまだ教えてもらわなきゃならないことがたくさんあるはずなのに……




ジジイ、退場。

ですが、どこかでまた出してあげたいなと考えています。
実際はこの話題を出すための存在でしたが、
いかんせん筆者が気に入ってしまったので

やっとタイトルまできました(・_・;
ここまでそんなに時間かけないつもりだったのだけど、
脚色つけてると長くなりますね、、、
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