この素晴らしい世界とは   作:脱兎の如く

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国の隠し宝物庫?
そりゃね、一筋縄ではいかないでしょうよ!
それでは、どうぞ!


師匠ポジションを狙うジジイ

師匠

 こんなところに宝物庫があるのか?と疑いたくなる街外れの教会近く。エリス教会のような古き良き雰囲気ではなく、本当に寂れているという感じだ……こんな場所あったんだな……

「もう少しじゃ、何せ隠してるからのぅ……」

 トラストは普段と変わらない様子で歩く……記憶がある時点ですごいが、まあ、トラストは元転生者であり、勇者だし、できるのだろう。トラストが転生者である事や、勇者だったことは創造神との会話やバニルの発言でなんとなく察した。今度ゆっくり話がしたいものだ。

 さて、一応、隠し宝物庫という事で人の気配が消える夜中に行動を開始した。もちろんいつもの4人だ。ゆんゆんは眠そうだな……育ち盛りなのに申し訳ない。

「……確か……ここに……お!あったぞぃ!」

 そこには剣が2つ重なったマークが小さな石垣に刻んであった。石垣の中にさも当たり前のように……これは見つからないだろう。子どもの落書きに見えるし、ひとがここに来ることはない……それに、もし見つかってもこれが鍵とは考えつかないだろう……

 そこにトラストが手をかざし、何かを唱えると

 ガタン……

 と石垣の奥で音が鳴った。……魔法がいるなら尚更見つかっても開かないよな……すごいセキュリティだ。

 

 ……

 …………

 ……………………

 

「なあ、トラスト?宝物庫までどれくらい潜れば良いんだ?」

 トラストが鍵を開けた後、石垣が音もなくポッカリと空いた空洞を進んだ……あれから小一時間は下へ伸びる螺旋階段を降りている。扉はもちろん閉めたから真っ暗だ。まさか……ここまで深いとは思わなかったな……

「さて……そろそろかのぅ……」

 そういうとやっと階段の終わりが見えた。平坦な通路が見える……やっとか……帰りはどうしようかな……何往復すれば良いのやら……

「……タケよ。お前は強くなったのぅ」

 突然のジジイの言葉に……

「そうかな?」

 気の抜けた返しをしていた。

「少なくとも初めて会った時よりは強くなった」

「ああ……あの古城の宴会の時だな?」

「そうじゃ、その気になればワシはお主を瞬殺できた、しかし、今はそこまでは難しいのぅ」

 ……たしかに、あの時やり合ってたら俺は消滅待ったなしだったな……

「……そりゃどーも」

 突然そんなこと言い出すなって……やだよ?師匠ポジションとかいらないぞ??そんな雰囲気ださないでくれよ……今は宝だよ!拠点のための金をもらってからにしてくれよ!

「じゃが……まだ足りん」

 はい!師匠ポジション決定ですね。わかります!

 でも、修行編とかは宝物庫終わってからな?筆者が困るだろ?

 

 

 ……タケよ…………

 

 

 な!筆者!?

 

 

 ……納豆は細巻きに限る……

 

 

 ……

 ………………

 

 

 か、関係ねぇ………………!

 

 

 

 

 トラストは続ける。

「今のタケは神速で走って、ゆんゆんの魔法を受けて、攻撃。それが主体じゃ……」

 だが、それだけだと言われた。わかっている。それ以外で戦闘してないからな……

「特典……光は武器を体内に宿す特典ではない……主人の成長とともに鍛えられていく武器だ」

 そうなのか……確かに最近股間から出し入れするくらいしか有効活用ないなと思ってたところだ。特典の割には俺に対しては効果がない。

「あれから成長しているから、性能は上がっておる。しかし、まだまだじゃ、天界ということは神を相手にするかもしれん。鍛えなければならん」

 知ってるよ……かなりビビってんだから再確認させんなよ。ちびるぞ!こら!

「そこで……だ」

 ふとトラストが立ち止まる。そして、すばやく呪文を唱えると……

「ルビ、ゆんゆん、そこで待ってなさい」

「……?」

「フン!」

 トラストが魔法を剣を振り下ろすと壁がせりあがった……カチッとなったところから、スイッチがあったのだろう……

「……な!?」

 そんなことより……ルビ、ゆんゆんと壁を隔てて離れ離れになってしまった……

「何すんだジジイ!」

 トラストはドカッと床に座り込んだ。俺の言葉なんて聞いてないようだ……

「……この先に宝物庫がある。もちろん、それを守る門番もいるだろう」

 ……は?もしかして……

「お前1人で倒して来い」

 ……うっわぁぁぁぁぉ、よくあるイベント発生だー……

 待て待て待て……俺は所詮ゆんゆんかルビの魔法を帯びないと碌な攻撃ができないんだぞ!?

「トラスト!俺の攻撃が通用するのか?お前もわかってんだろ?まだ何も教わってないすらないのに、いきなり実戦とかどんな昭和時代の営業ですかこのやろう!」

 そんな俺の焦りの言葉に……

「お前は強くなるはずだ。少なくとも、天界を相手にする以上……もっと強くならなねばならない」

 トラストは確信のあるような……自信に満ちた声で話した。それに続いて、

「強さは理解するものではない……」

 トラストはいつしかの自分を振り返るかのような、そして、懐かしむような……そんな顔をしながら、確信と重みのある声色ではっきりと言った。

「自分を信じることが強さだ」

 それは、おそらくビリーバーとしての俺の一つ上の成長を促すためなのかもしれなかった。




勇者だったジジイは何を教えたかったのでしょうか
次回、タケオンリーの戦闘が始まります!
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