この素晴らしい世界とは   作:脱兎の如く

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マクスウェルって
実際可哀想だと思うのは俺だけ?


マクスウェルとの対話

マクスウェル

 ヒューヒュー……

 ヒューヒュー……ヒューヒュー……

 暗闇の中に息遣いだけがこだまする……

 ()()がそこにいるのだが、暗闇はどっぷりと落ちていて見えない……今は4人で手を繋いでいるのだが……ルビの手が震えている……

「どうした?ルビ」

 ルビがいつもよりも怖がっている……どうしたのだろう?

「タケ……この先にバニルクラスの悪魔の気配がする……」

 おいおい、それはほんとか?バニルみたいなキャラならオッケーだが……あれは友好的だから良いものの、頭の思考を全て読まれてたら戦闘の時に厄介すぎる……

「……あかりをつけるぞ?」

 俺はカズマから貰ったライターで火をつけると……そこには……

「ヒューヒュー……ヒューヒュー…………」

 長髪の青年がいた……が、なんだろう、ゾクゾクする感じ……バニルよりやばいんじゃないか?

「嘘……こいつ……地獄の公爵……!?」

 なにやら不穏な単語が出てきたが……そこに堂々と前に進んだものがいた……トラストだ。

「おぬし……悪魔か?ワシは元リッチーのトラストだ。おぬしはなんという」

 ここで元?アンデッドのジジイが前に出る。そういえばリッチーってこういう存在と交流はあるのだろうか。

「ヒュー……マクスウェルだよぉ……ヒューヒュー……」

 青年のなりで幼児退行したようなその悪魔は、不気味な呼吸とオーラを纏っている。ゆんゆんは言葉も出ないようだ……

「…………マクスウェル、なぜここにいる?」

 おっと、ジジイは既知のようですね。この後の話はジジイに任せるか……

「アルダープに何かの道具で無理やり呼ばれて契約したからね……」

 ……契約?マジか!バニルといい、こいつといい……悪魔って何かと厄介そうだ……話せる間に能力を聞いとこう……

「そうなのか……ちなみに、お前はどんな能力なんだ?」

「辻褄を合わせることが得意だよぉ……」

 なに……?じゃあ、何があっても都合のいいようにできるのか??

「アルダープに何度も辻褄を合わせたのか?」

 俺が聞いてみる。

「ふふふ……そうだよぉ……アルダープが頼んできたことは大体ね……早く対価が欲しいなぁ……」

 マクスウェルは無邪気に微笑んでいる……

 対価??どう言うことだ?

 疑問に思っているところに今日の解説役(ジジイ)が説明してくれる。

「悪魔は契約として力や恩恵の代わりに対価を求めるんじゃ、マクスウェルは絶望の感情じゃな。ほら、バニルは悪感情じゃろ?」

 バニルはどちらかというと羞恥心のような気がする……

 でもなるほど、アルダープは見たところそのような対価を払ってないのかも知れないな……

「タケ……この悪魔、どうするの?」

 ルビが不安気に聞いてくる……ゆんゆんはあまりにも恐怖に固まってる。……まだ年端のない少女にはこのオーラはキツイかも知れないな。

 

 

 

 ふむ……

 

 

 

「スルーで」

 俺が出した答えに皆が驚愕する。

「タケ?多分これ元凶よ?どうにかしないの?」

 ルビはどんな感情になったら良いかわからない表情だ。

「ルビ?こいつ契約とか、交渉とかしないと動かないんだろ?なら、契約の解除をすればこいつはもうアルダープの悪さの加担をしないと思わないか?」

 そう、こいつはコイツで何かあってここにきたんだろう……それに、道具によって無理やり連れてこられたんだろ?

「マクスウェルもここに好きできたわけではない。そんなやつを討伐とか、戦闘とかしたくないな。」

 悪魔ってのは先入観の存在であり……確かに、力も恐怖もあるだろうが、どう考えてもこのマクスウェルは被害者で利用された方だ。

 確か、信号機青の話では悪魔は滅ぶべし……だったっけ?いくら天界と地獄で抗争やらなんやらあったとしても、こいつは巻き込まれた側……かつての俺と同じなんだ。こいつを呼び出した……おそらく神器が問題なんだろうな。

 

「マクスウェル……しばらくしたらアルダープから対価もらうんだろ??待っててくれや」

 

 そう言って元来た道を帰ろうとしたら……

 

「タケさん!誰かくる!」

 ゆんゆんの言葉に4人は隠れる……なんとマクスウェルの後方の本棚の後ろに……

 そこに降りてきたのは

「マクスウェル……誰がいなかったか?」

 アルダープだった……肖像画で見たが、5割くらい気持ち悪さを足した感じだな。やな上司ランキングに入りそう

「……ヒュー……ヒュー……」

 マクスウェルはなんと答えるのか……

「アルダープアルダープ!!ここから誰も出て行ってないよぉ……」

 なんと!俺たちの肩をもつのか!?

「なら良い……マクスウェル!今度も借金を作り、ダスティネス家に押し付けとけぇ!あの主人にかけた呪いも続けろぉ!」

「わかったよアルダープ……」

 ええ、ほんとに命令してる。

 マクスウェルも何を考えてるかわからないし……悪魔もあんな悪意の塊の言うことを聞かなくても良いのに……

 

 その後、マクスウェルの言葉に満足したアルダープは半壊しそうな上の階に戻って行った……

 

 ……

 …………

 ………………

 

 

「マクスウェル、助かったよ」

 庇ってくれたと思い、一応お礼を言う……のだが

「なんのこと?……いなかっ()のではなく()()んだから、誰も出て行ってないよ……」

 ……あ、なるほど……

「タケ?悪魔は契約、すなわち約束事とかを重んじるの、だからこう言うことも起こるのだと思うわ」

 悪魔って、なんとも……律儀なんだな……

 それはそうと、マクスウェルの今後についての考えを教えておく……

「この後、バニルにこの情報を伝える。魔王よりも強いかも知れないバニルさんならなんとかしてくれるんじゃないか?」

 そう、悪魔は悪魔なら任せれば良い。穏便に、戦わなくても解決策はある。

「タケがいうなら……」

 ルビは少し不服そうだが……

「ほっほっほ……リッチーの時といい、今回といい……タケは悪魔も天使も関係ないんじゃのぅ」

 うち師匠枠狙っているジジイは満足そうだった。




バニルへの情報提供を
タケがしていたと言う事です。

マクスウェルも大変ですよね。
まあ、この後対価もらえてよかったよかった、、、
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