さて、あれほどスネイプ先生に怒られたのにも関わらず、夜のホグワーツで散歩しているわけだが。
「わん!わん!わふ〜!」
「パッドフット!お〜よしよし。結構肉ついて来たんじゃないか?初めて会ったときは骨と皮だけだったもんなぁ」
ペットの黒犬、パッドフット。
初めての出会いは、確か───
「お前、確かハーマイオニーの………クルックシャンクス?」
『必要の部屋』から寮に戻っているとき、ハーマイオニーのペットであるクルックシャンクスが、俺に近付いて来た。
「迷ったのか?」
クルックシャンクスは賢い。俺の発言を聞き、理解している。
「………ん?そっちに行けばいいのか?」
着いてこい、とでも言いたそうにクルックシャンクスは俺の前を歩く。着いて行こう。
「あ?『暴れ柳』………」
魔法界でもかなり凶暴な魔法植物である暴れ柳。それに近づく意味は………?
「なんかぐったりしてる………」
クルックシャンクスが暴れ柳の側で何かをした。すると、あんなに動いていた暴れ柳が動かなくなった。
「秘密の通路だ!」
かっこいい。ロマンがある。
中に入ってみよう。
「ホグズミード………『叫びの館』か」
とても危険な魔法生物が〜とか、ゴーストが〜とか、よくわからない理由で立ち入り禁止になっている場所。
そこに、黒い犬がいた。
大型の犬種だろう。犬にしてはかなり大きい。
怪我はしていないようだが、骨に皮がくっついただけのような、いかにも餓死寸前という姿だった。
「おい、大丈夫か?」
「わん!わんわん!ぐるるるる!!」
警戒されている。まあ、急に人が来たら警戒もするだろう。
「あー、君を傷付けるわけじゃないんだ。ほら」
ローブを脱ぐ。流石にここまですれば信用してくれるだろう。
「………わん!わん!」
「うーん?飯が欲しいのか。ちょっと待ってろ」
確か、ローブの内ポケットに………
「あった。パンと、チキン」
「わん!」
喜んでくれたようだ。今にも“チキン!”と叫びそうなほど飛び上がっている。
「わん!わふわふ………」
ガツガツ食べている。………
「………ふーん。雌か」
「きゃん!?ぐるるるるるる!!!」
「ごめん!俺が悪かった!」
それから、俺は毎晩『叫びの館』に行った。
「今日は出来立てで温かいぞ!」
「わん!わふわふ………」
「よしよし。おーよしよし。最近寒くなって来たからな。マッサージしてやろう」
「わふ。くぅ〜ん」
食べ物を運んできて、食べさせてる最中にいっぱい撫でた。もふもふだった。
「なあ、名前を付けていいか?」
「わうっ。きゃんきゃん。わふ〜」
いいのかな?よし!
「お前は
「わふ!?わん!わんわんわん!わお〜〜ん!」
お!喜んでくれたみたいだ。
「パッドフット。おいで」
「わん?わんわん!」
「野良犬と間違われないように、首輪を着けたいんだ」
そのために、わざわざ
「きゃん!?」
「嫌だった?」
「………くぅ〜〜ん」
パッドフットが、頭を上げて首を見せる。
「いいのか?じゃあ着けるぞ!」
かちゃかちゃかちゃ………きゅっ。
「─────あお〜〜ん………」
それから、いろんな話をした。
俺の母さんの話。ホグワーツに入ってからの話。
ハリー達と『石』を守った話。『秘密の部屋』でバジリスクと戦った話。
特にハリーの話をする時、パッドフットはとても集中して聴いていた。
「わん!わんわんわん!!」
「え?クィディッチを見に行きたいのか?」
しょうがない。散歩がてら、見てみるか。
「わんわんわんわん!!わお〜ん!!」
めっちゃ興奮してる。嬉しそうだからいいか。
「きゃん!?きゃんきゃん!?!?」
「俺だよ、俺。怖かった?ごめんね」
七変化と
それに、本の絵に描いてあったような姿ではなく、狼の頭………いわゆるマズルを持っていて、獣のように毛を持った、人と狼の融合と言える姿だ。
同じ犬科、近しい姿になればもっと距離が近まると思ったのだが、逆効果だったようだ。
変身を解く。
「ごめん、もうやらないよ。よしよし、怖かったね。大丈夫。傷つけたりしないよ」
「はっはっはっはっ!わふ。わお〜ん」
ロン・ウィーズリーのペット、ネズミのスキャバーズはピーター・ペティグリューである。
ジェームズやリリーを裏切り、その情報を『闇の帝王』に売った。
しかし『闇の帝王』がハリエット・ポッターに敗れ、ピーター自身『死喰い人』に追われるようになった。
それだけでなく、自分が裏切ったことを知った
シリウス・ブラックすら自分を追ってきた。
死を偽装し、ウィーズリー家に転がり込んだ。
だが、またしてもシリウスは自分を追ってくる。まさかアズカバンから逃げ出すなんて!
逃げなければ。遠くへ。誰も分からないような、そんな場所に───
「やあピーター。元気そうだね」
───そして、闇に会った。
アルバートは犬好き。