それに見合う報酬がないならば、それくらいは。
説明
プリベット通り4番地。
そこに、男が来た。
「本日は、お忙しい中ありがとうございます」
「………それで?お前もあのイかれた………」
「ええ。ハリーと同じです」
この家の主人………バーノン・ダーズリーはとても、とても嫌な顔をした。
この男から手紙が来たのはつい先日。
『プリベット通り4番地
バーノン・ダーズリー様。
初めまして。私はハリエット・ポッターさんの
学友のアルバート・ソーンと申します。
この度、バーノン・ダーズリー様、そして奥方様にどうしてもお話したいことがあり、手紙を書かせていただきました。
もしお時間ございましたら、ご連絡ください。
クレアモント通り113番地
アルバート・ソーン』
まず、
何せ、バーノンが知っている
カエルの卵をポケットに入れたり、かわいいダドリーに尻尾を生やしたり!
だから手紙を見て、奴らの中にこんな
しかし、どうしても話したいこととは何なのか。正直バーノンはすぐにでも手紙を破り捨て、見なかったことにしたかった。(奴らに関わると碌なことにならない!)
だが、愛する妻チュニーが、話を聞くべきと言ったのだ。
チュニーはバーノン以上に(妹が
「………それで?一体何の用だ!」
「
その男──ソーンというらしい──は、本当に、本当に
服装から、バーノンは驚いた。
男は(およそだ。正確にはわからない)185cmほどの身長で、がっちりとした体格だった。(ラグビーのアスリートと言われても信じただろう)
その髪は黒く、全く乱れていない。しっかりとセットされていた。
言葉遣いも、話し方も、いかにもまともだ。
どこを見てもまともで、本当に
「まず、ヴォルデモートについて、ご存知でしょうか?」
「知っている!その──ヴォルなんちゃら──のことなど、耳が腐るほど聞いた!」
本当に、嫌になる程聞いた。もう2度と聞きたくないほどに。
「良かった。では話が早いです。実はですね。
ヴォルデモートが、復活しました」
「───は?」
何と言った?復活?
いくらま、の付く技術といえど、そこまでできるのか?
「奴は、肉体を失っても魂をこの世に残す魔法を使い、生きながらえていたのです」
「そして、ついに肉体を取り戻した」
原理などどうでもいい。ま、の付く技術の話など聞きたくない。
だが………
「それがわしらに何の関係がある?
「待って、バーノン」
チュニーが、話を止めた。
一体なぜ?
「………本当に、蘇ったの?」
「はい。全盛期の力はまだ持っていませんが、確かに肉体を取り戻しました」
「このままでは時間の問題でしょう。少なくとも、一年。来年までに、完全に力を取り戻します」
チュニーは何か思うところがあるようだった。
──というか。
「………そもそも、なぜ貴様がそれを教えにくる?ハリーか、大人が来るものだろう!」
「これを知るのは
「ならばなぜお前は伝えに来た!?この話でわしらを脅す気か!?」
「気をつけてほしいからです。
「
バーノンは思わず口を閉じる。
この男の言葉が、嘘には思えない。
「………お前、働く気はあるのか?」
「は、はい?」
「まともに働く気があるのかと聞いている!」
「ま、まあ。将来は魔法省………
政府。つまり、公務員か?
………まあ、この男ならなれるだろう。
バーノンから見ても、この男はいかにも優秀でまともだった。
「研究とは何だ?カエルの卵を食べるのか?それとも馬で空を飛ぶのか?」
「分野で言うなら、錬金術ですね。金を作るようなものなら一般的でしょうか」
錬金術?金を作る?
………やはり馬鹿げている。まともだと思ったのは気のせいだったか。
「お前の親は?何の仕事をしている?」
「両親はどちらも死にました。私が生まれた頃に、父が交通事故で。母は一人で育ててくれましたが、病気に罹って………」
「孤児か。では、親の遺産で生きているのか?」
チュニーの妹の夫も、親の脛を齧って生きているような、バーノンからすればクズだった。
「いえ。遺産はほとんどないんです。
両親は
「実は私、一年生の頃に被服業で成功しまして。ほとんどそのお金で過ごしています」
「………お前が?」
まともで優秀そうだが、ここまでとは。
もし
「………本日はありがとうございました。今日のこと、ハリーには秘密にしてください」
帰る時、男はそんなことを言った。
「なぜだ?お前のお仲間だろう?」
「あなた方に言ったことを、ハリーはまだ知る必要がないのです。いえ、知っていてはいけない」
「ならばなぜわしらに言った?」
「………実は、その………」
それまでハキハキ話していた男が、言い淀んだ。
「………俺、実はハリーのことが好きなんです。だから、ハリーには伝えられなくても、ハリーの家族にはちゃんと話したいって思って………」
「………………は?」
好き?好きと言ったのか?
「あなた方とハリーの仲については、知っています。あなた方が
「でも、家族です。愛していなくても、実の子じゃなくても。それでも、家族なんです。俺が失った、家族なんです」
………この、男は。
「………ふん!さっさと行け!」