それでも、彼女は彼を信じている。
「ダームストラングの代表選手は」
力強い、はっきりした声で、ダンブルドアが読み上げた。
「ビクトール・クラム」
歓声が上がる。みんな喜んでいるようだ。
炎に巻き上げられるように、二枚目の羊皮紙が中から飛び出した。
「ボーバトンの代表選手は」
「フラー・デラクール!」
あ?あれ、ヴィーラか?
まあいい。
問題はここだ。成功したのか。
3度目。ゴブレットの炎が盛る。
「ホグワーツ代表は──」
爺さんが固まった。
よし。成功したようだな。
「────アルバート・ソーン」
どうすればゴブレットから名前を出せるだろう。
障害がある。
まず、年齢線。間違いなく、結界に手を加えたら爺さんにバレる。バレずに年齢線は越えられない。
そしてゴブレット。年齢線を越えられたとして、ゴブレットに名前を入れられるのか。
だから、考えた。
年齢線を越え、ゴブレットに名前を入れる方法。
俺がやる必要はないのだ。
必要の部屋で見つけた
間違いなく、17年以上存在している。
俺の杖に使われている角。その素材元であるバジリスクは千年生きた。
魂と肉体。
これならば、年齢線を越えられる。
あとは杖を蛇に変身。
「───というのが、俺の手口だ」
「では、ハリーの名前を入れてはおらぬのじゃな?」
当たり前だ。そんなことするはずがない。
「だがホグワーツだけ二人出場するのは公平さに欠けることだ!」
「
二校の校長達は文句を言う。
いやまあ確かにそうだけど。
「だが、ゴブレットの炎は消えた。次の試合まで炎が点くことはないだろう」
「次にダームストラングは出場することはない!」
「どうだろうなカルカロフ。ポッターの名前を入れたのはソーンでは無いだろう」
「ソーンのやり方では名前を入れたとしても、ゴブレットに魔法を掛けることは出来ない」
ムーディ先生がカルカロフに詰め寄る。
「大人の、それも強い魔法使いの仕業だ。儂はそういう人間を多く見ている。なあカルカロフ?」
「アラスター!」
ゴブレットから名前が出て、ハリーは四人目として参加することになった。
「ハリー。実は、言わなきゃいけないことがあるんだ」
「え?な、なに?」
アルバート・ソーン。ハリーの知る限り、ダンブルドアにすら匹敵するほど優れた魔法使い。
同年代どころか、教師達すらも越えるほど彼が強いことを、ハリーはよく知っていた。
魔法の知識はハーマイオニーすら越えるという、絵に描いたような優等生。
元々高かった身長も、今では190cmに近いほどで、ハグリッドやマダム・マクシームを知らなければ最大だった。
彼と戦うことになるだなんて!
「パッドフットの話………知らないって言ったけど、俺、最初から知ってたんだ。嘘ついてごめん」
「うん。知ってたよ」
「………あれ?」
「だってアルバート、いっつも申し訳なさそうにしてるもん。だから、隠さなきゃいけなかったんだなぁって」
アルバートは意地悪で嘘をつく人間じゃ無い。
でも、必要なら隠すしだます。
アルバートは結構隠すのが下手だ。ハグリッドほどじゃ無いけど、ちゃんと見ればわかりやすい。
「………気づいて、いたのか」
「うん。ずっと前からね」
わかりやす過ぎて、流石にわかってると教えた方がいいのか悩むくらいだった。
「………今回も、同じだ。ハリーの名前を入れた犯人を、俺は知ってる。いや、知って
「知ってた?」
「おそらく、忘却術だ。俺が俺にかけた。犯人を隠すために」
「ええー!?何で!?」
「まだ知るべきじゃ無いって判断したんだろ。
だが、やろうと思えば犯人はわかる。一度見つけたんだ。2度目もある」
「ハリーが望むなら、今すぐ犯人を見つける」
………アルバートは、僕を尊重してくれる。
僕の意思を、考えてくれる。
「いいよ。犯人が見つからなくても、僕はいい。それより、試合の方が心配だよ」
それに………
「もし危なかったら、アルバートが守ってくれるでしょ?」
必ず守ってくれる。
『石』の時も、バジリスクの時も。
命をかけて、守ってくれた。
「────ああ。必ず守る」
「えへへ。よかったぁ」
「ソーン!名前を入れたんだったら教えろよ!」
「入れたよ」
「先に言えよ!名前が出てから言うな!」
だって、入れて出なかったら恥ずかしいし。
「にしても、ポッターも名前を入れるとは」
「いや、ハリーは入れてない。別の奴がやったんだ」
「はあ!?誰が入れたんだ!」
「まあいいだろそんなこと。それより、ドラコ、もふもふにならない?」
「絶対にならない!」
そんなぁ。
もふもふ中毒者