『魔王』 アルバート・ソーン   作:アーっr

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愛ゆえに曝け出す。
愛ゆえに隠し通す。


本性

 

 

 卵の中の叫び声。

 あれは水中人(マーピープル)の歌だ。

 一時間以内に大切なものを取り返す必要があるらしい。

 

 大西洋を生身で渡った俺には関係ない話だが。

 ………ハリーには助言しとくか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「制限時間は一時間!それまでに選手は大切なものを取り返す必要があります!」

 

 「それでは、競技開始!」

 

 

 潜る。潜る。

 

 去年の今頃も、バカ寒い中で泳いでいた。懐かしい思い出だ。2度とやらないが。

 

 途中で、水魔(グリンデロー)などに襲われた。

 水中で脅威度が増すが、俺には敵わない。

 

 すぐに、湖底にたどり着いた。

 

 

 

 

 そこは、円になっていた。

 円の中には水中人(マーピープル)が一人だけいる。これが彼らなりの決闘なのだろう。

 

 円の中に入る。

 ………槍を投げ付けられた。これで戦えという事だろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 打ち合う。

 水の中というのは、なかなか難しい。

 

 空気に比べて、かなり勢いを殺される。

 流れに逆らわない。それが最適解だろう。

 

 「オオオオオオォォォッッッ!!!」

 

 そんなことは関係ない。

 正面から叩き潰す。

 

 

 

 

 

 

 勝った。決闘してる間に、クラムはハーマイオニーを連れて行った。

 

 「アルバート!」

 

 ハリーだ。どうしたんだろう?

 

 「フラーが来ない!このままじゃ………」

 

 ふむ。見たところ、ロンとドラコと、フラーの妹?がまだ居る。

 ハリーがロン、俺がドラコだとしたら、フラーは妹だったんだろう。

 これこそが大切なもの、だろう。

 

 『あなたはいつか、愛する者を守って……死ぬ』

 

 ………ここじゃないはずだ。

 少なくとも、まだ。

 

 「アルバート、手伝って!」

 

 ………しょうがない。ハリーが他の人質も助けたいのなら、手伝おう。

 

 「助けられるのは一人だけだ」

 

 水中人(マーピープル)が邪魔してきた。

 知るか。強引に突破する。

 

 「ハリー。ドラコは俺が運ぼう。ロンは一緒に。フラーの妹は頼んだ」

 

 「わかった。じゃあ、ロンの右腕を持つから、

左腕はそっちね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 上がる。

 水魔(グリンデロー)が、ケルピーが、水中人(マーピープル)が、大イカが、

邪魔をしてきた。

 

 その全てを弾き、退け、吹き飛ばす。

 

 ───楽しい。

 力を振るうのが。

 愛する人(ハリー)と一緒に戦うのが、楽しい。

 

 ダンスパーティから、俺は少し変わった………

変われた気がする。

 前より、隠さなくなった。抑えなくなった。

 

 周りに優しくなくなったかもしれない。

 どうしても、ハリーのことだけを考えてしまう。

 

 ………ハリーは、こんな俺をまだ愛してくれるだろうか。前以上に自分勝手になった俺を。

 

 『いいよ。僕は、全部許すよ』

 

 ああ、愛してしまうんだろう。

 ハリーは優しいから。俺みたいな化け物も、愛せてしまう。

 

 ………でも、嫌だ。

 もしも、万が一にも。

 

 ハリーに嫌われるなんてことがあったら、嫌だ。

 それだけは絶対に嫌だ。

 

 なら、いつも通りに。

 演じよう。抑えよう。この本性を。

 

 愛を受け取る為なら、いくらでも我慢できる。

 

 

 「ご、ごほっ!」

 

 「あ、ねぼすけ坊ちゃんのお目覚めかな?」

 

 「うるさい!魔法で眠らされてたんだ!」

 

 知ってる。というか、素で寝てたらすごいぞ。

 

 「まあ良いじゃないか。無事地上に戻ってきたんだし」

 

 時間は………一時間をちょっと越えてる。

 しまった。水中人(マーピープル)と遊びすぎたか。

 

 

 とか思っていたが、47点も可算された。

 ならいいや。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「へえ。ボーバトンではそんな勉強を」

 

 「面白いでしょう?貴方も留学して、ボーバトンに来ませんか?」

 

 「いいえ。俺はあくまでホグワーツ生。ここだから良いんですよ」

 

 「つれない人」

 

 

 

 

 

 

 「………さっきの、ボーバトンの人だよね?二人きりで、しかもフランス語で、何話してたの?」

 

 ハリーだ。話をしてた時からずっと見てたけど、なんかあったのかな?

 

 「ああ、さっきの人?あの人はダンスパーティに誘ってくれた人だよ。一緒に踊ったりはしなかったけど、結構話はするようになったんだ」

 

 「さっきのもその延長。ボーバトンで学んでることを聞いてたら、ボーバトンに来ないかって誘われたんだ」

 

 「………それで?なんて答えたの?」

 

 「ホグワーツがいいって言った。ここには思い出があるし、それに………」

 

 「………?」

 

 首を傾げてる。かわいい。

 

 「………ハリーが、いるからな」

 

 「………!!アルバート!!」

 

 

 

 




意外とモテるアルバート。
でも、浮気はしない。
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