東方双志別   作:東方一気見

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同日三話投稿!あと二章完結です!


第終話 湖面を照らす月光

 この人間...底が知れない

 どうしてここまで詳細を知り得ることができるのか。遺伝と言うのは恐らく嘘。何故なら私は彼の行った通り500年は生きている。けれどもスペルカードルールができたのは凡そ300年前。遺伝にスペルカードが書かれている筈がない。

 それとあの魔法使いは鬱陶しいから無力化しておこう。

 

 あの魔法使いに段幕を放つ。臨戦態勢を取っていなければ避けることも受け止めることもできまい。魔法使いに段幕が当たる直前...

 

 

 

 ___段幕が大きく横に逸れた

 

 何故、という疑問は視界に映り込んできた光景で意味をなさずに終わる。

 

 

 先の少年が横から拳を突き出していた。

 

「魔理沙、お前には勝てない。手を出すな」

「...!(なんだこの圧倒的な威圧感...いや、私と二人の間のある...壁?マスタースパークをどれだけ放とうと、全てが高々一閃によって凪がれてしまいそう)

くっ...判った、ここは任せるぜ」

「助かる」

「お話はすんだかしら?神槍『スピア・ザ・グングニル』」

(...!おい天音、聞いてないぞ!)

『(ごめん紅魔郷のスペルだった!)』

(許すまじ天音うおああぁぁあ!?あっぶね!)

「よく避けたわね人間。先程までの余裕はどこに行ったのかしら?」

「定時で帰ったよタイムカード切って!」

「面白い冗談を言うのね」

「ならまず攻撃の手を止めろ!」

「それはできないわ。私だって久しぶりの生き血を味わいたいもの」

「こっちはごめんだ!降神『ハデスの雷』」

 

 確かグングニルは北欧神話でオーディンが持つとされる武器だな。ならばこちらも北欧神話で相手取らせて頂こう

「天音、準備はいいな?」

『「何時でも!」』

 

 このスペルは俺と天音の合作。一心同体だからこそ扱える。天音が小さな結界を作り、そこに俺の霊力妖力混合段を細かな粒子状にして入れ、結界の中で暴れまわらせる

 この段幕を放ち、着段させると...?

 

 壮絶な破壊力を持つ粒子弾が一気に解き放たれ、周囲の物を溶かす。

 最悪巻き込まれる可能性のある、正に諸刃の剣だ。威力もさることながら、危険度、扱いの難しさもトップクラス。一撃必殺のため、ハイリスク超ハイリターン

 まるで300%でK.O.を持ったリトルマックに追われるような物。分かりやすく言うと、いつ爆発しても可笑しくない核爆弾を持って近づかれるようなもの。現に屋上に着弾した弾が天井を抉り、内装をさらけだしている。

 以外にも、レミリアはすぐに披弾してしまい直ぐ様勝負は終わった

「うっし。俺の勝ち」

「ち、地淡...大丈夫か...?」

「ん?見た目通りピンピンしてるぞ?」

「いや、だが...そのグングニルは...大丈夫なのか?」

 

「...は?グングニルがどうした?俺は一度も披弾なんて___」

 

___していないという言葉が、喉から出てこなかった。と同時に、体全体に目眩が走る。なんだ?この痛みは...?

 腹部に違和感を覚える。まさかと思って自分の胸を見下ろすと...

 

 

 __紅色に怪しく光り、毒々しい妖気を孕んでいるグングニルが刺さっていた

 

(......っっ!?天音!)

『(欠穿『パナケイア・メディスン』!)』

 

 痛みを必死に堪え、グングニルを引き抜いてカードを宣言。何故気が付くことが出来なかった、過度の疲労と戦いの影響で痛みを忘れてしまったのだろうか?

 

『(地淡!)』

 

 腹にできた傷が少しずつ、塞がっていく。自分で見ていて非常に毒々しい

 

『(霊力を全部使ったよ。さっき咲夜さんに霊力をもらえてなかったら死んでたね...)』

「いや、流石に俺でも痛いものは痛い。傷が塞がったとはいえ...立ってるのも...キツく......なって............」

 

想像を遥かに絶する苦痛、それは地淡の意識を刈り取るのに十分なものだった




パナケイアは万能薬(panacea)、
メディスンは薬(medicine)です
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