ゲヘナ学園 園芸部の死神   作:やーなん

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急にこんなネタが思いついたので、早速形にしてみました。
本編どうぞ!!



続きを思いつくまで時間稼ぎの幕間編
ブルアカVol1「開催委員会編」その1


 

 

 

『ブルーアーカイブVol.1「開催委員会編」ダイジェスト』その1。

 

 あらすじ:

 アビドス高校の一大イベント、砂祭りが迫っている。

 生徒会と開催委員会と一緒に、砂祭り開催を手伝いましょう!!

 

 一章:開催委員会の奇妙な一日

 砂祭りを開催する為に立ち上げられた開催委員会。

 彼女達も色々と頑張ってはいますが、準備が進んでるとは言えません。

 

 

 01:開催委員会へようこそ!!

 

 連邦捜査部シャーレに着任して数日、とりあえず落ち着けた先生はアロナに進められ、一枚の手紙を手にする。

 そこには、一人の生徒の切実な訴えが書かれていた。

 

『連邦捜査部の先生へ。

 こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。

 今回どうしても先生にお願いしたいことが有りまして、こうしてお手紙を書きました。

 単刀直入に言いますと、今、私達の学校が催す一大イベント、砂祭りの開催が危ぶまれています。

 それはもう、何一つ進んではいません!!』

 

 先生は二枚目を読む。

 

『こうなってしまった事情はかなり複雑ですが……。

 どうやら、砂祭り開催をよく思わない人たちがいるようです。

 私達生徒会もどうにか奔走していますが、前回は小規模の開催で、経験があるとは言えません。

 このままでは大勢の人たちに迷惑を掛けてしまうような状況です』

 

 三枚目を読む。

 

『そこで、今回先生にお願いできればと思いました。

 先生、どうか私達の力になってはいただけませんか?』

 

 

 街中で遭難するなんて誇張でしょう、と笑うアロナの話をもっと聞いておけばよかった、と先生は思った。

 

「“水……”」

 

 土地勘も無ければ用意も無い。

 砂嵐に遭遇した先生は、当然のように遭難した。

 砂嵐は砂同士がこすれ合い、磁気を帯びるので電波が遮断され助けも呼べない。

 そうしているうちにスマホの電源も切れ、三日間ぐらい彷徨う羽目になったのであった。

 

 

 02:アビドスでの初日

 

 紆余曲折あってシロコに助けられた先生は、アビドス高校の生徒会室に招かれる。

 しかし、学校の蓄電所を狙ったビリビリヘルメット団に襲われ、自己紹介もままならぬまま生徒会の面々を指揮する先生。

 ビリビリヘルメット団を撃退し、喜ぶ生徒達。

 

 

 03:自己紹介をしましょう!!

 

 改めて、自己紹介をする生徒会の面々。

 

「私達は、アビドス高校の生徒会です」

 

 アヤネはまず、そう先生に名乗った。

 

「私は委員会で書記とオペレーター、そして今回の砂祭り開催委員会で副委員長を担当している1年のアヤネ。

 そちらは同じく一年のセリカ。

 2年の生徒会副会長のノノミ先輩、開催委員会の委員長を務めるシロコ先輩。

 そして、こちらが生徒会長のホシノ先輩です」

 

 そうして、自己紹介もそこそこに、先生は事情を彼女達に聞いた。

 

「アビドス高校は全校生徒が300程度の、小さな学校です。

 これでも2年前よりは状況は全然マシなのですが……」

「“全然マシ?”」

「ええ、かつて栄華を誇ったアビドス高校も、2年前の衰退期には30人程度しか在校生が存在しなかったとか」

「いやぁ、あの頃はホント大変だったねぇ」

 

 唯一当時を知るホシノが、まったりとした表情で懐かしむ。

 

「殆ど不良も同然の生徒を受け入れ、彼女らの尽力もあって今のアビドス高校があります。現在の生徒の八割も、そう言った外部から受け入れた生徒達ばかりです」

「太古から蘇った伝説の生徒会長が、砂嵐のようにこの学校の窮地を救ったんですよね!!」

「ノノミ先輩、ここじゃ砂嵐は悪い意味になるんじゃないですか」

「いやぁ、砂嵐で良いと思うよ、あいつは」

 

 ノノミの物言いを諫めるセリカ、その言葉を受けてホシノは目を逸らしてそう呟いた。

 

「人呼んで、“アビドスの鉄拳”。当時中学生だった私の学校にも、その武名は轟いてました。

 在任期間はたった一か月。しかし無法地帯同然のアビドス自治区の治安改善、校内の衛生環境の改善、更には当時あったとんでもない額の借金問題も解決してしまったとか」

「解決、ねぇ……」

「まあ、この学校の救い主に文句を言いたいわけではないのですが、それが原因で砂祭りの開催が危ぶまれているのです」

 

 アヤネはそう目尻を下げて言った。

 

「“どうして、その生徒会長が原因で砂祭りが危ぶまれているの?”」

「踏み倒したんだよ、その借金を。確か11億円ぐらいあったかな」

「“え……”」

「はい、それが原因で我々は現在どこからも融資を受けられない状況です」

 

 資金不足の原因に、先生は唖然とするしかなかった。

 

「当時かなり騒動になったと聞きます。そのどさくさに紛れて、闇金同然の悪徳ローン会社に襲撃を掛け、借金をうやむやにしたとか」

「ああ、先生。勿論おじさんは参加してないからね。金庫を蹴破ったりなんてしてないよ?」

「ホシノ先輩!!」

「なんでキラキラした目で見るのかな、シロコちゃん?」

 

 こうして、問題は山積みのまま、とりあえず直近の問題を解決することにした。

 

『先生、奴らが盗電犯、ビリビリヘルメット団です!!』

「うちの学校の電気を盗む悪い奴らよ!!」

『太陽光発電事業は我が校の生命線です。先生、指揮をお願いします』

 

 太陽光発電機に悪さをしているのを見咎め、セリカが彼女らを指差す。

 オペレーターとして先生らを追跡しているアヤネも声に怒気が籠っている。

 

 数十キロにも及ぶ広大な太陽光発電機の列。

 それらから得られる電気の売却が、アビドス高校の主要な収入源の一つだった。

 それらを場当たり的に守っても意味が無い。

 

 先生とアビドス生徒会の面々は、ビリビリヘルメット団の拠点を次々と襲撃し、彼女らを撃退。元を断つことに成功した。

 

 

 04:砂祭り開催委員会の実情

 

 発電機群は守られた。

 これでようやく、重要な要件に対応できると彼女達は喜んだ。

 

「アビドス自治区に住む住人は、砂祭りの開催に反対しています」

 

 アヤネはそう言った。住人の理解を得られていない、と。

 

「“どうして? お祭りは皆、喜ぶんじゃ”」

「ええ、学校の皆は賛成してくれているんですけど」

 

 ノノミは悲しそうにそう言った。

 

「住民の皆さんも、去年は賛同してくれたそうなんです。

 ですが、我々開催委員会の発足の理由にもなった、とある企画が問題になったのです」

「全ては、シェマタの実演演習の為」

 

 アヤネの言葉を、シロコが引き継いだ。

 

「“……シェマタ?”」

「列車砲シェマタ。かつてアビドスの最盛期を齎した、生徒会長の名を冠した巨大な非対称兵器です。

 当人は鉄拳政治のシェマタと呼ばれていたそうです。かの“アビドスの鉄拳”も、彼女をあやかって自ら“鉄拳”と名乗っていました」

「おじさん、そういうの自分から名乗るのはダサいって言ったんだけどねぇ。本人はゲンを担ぐって聞かなくてさ」

 

 アヤネの解説に、ホシノはそんなことを懐かしそうに話した。

 

「列車砲シェマタはアビドスに眠っていた最盛期の遺産とされ、既にその名が冠されていました」

「……」

「その内部機関は現在のキヴォトスでは再現不可能な装置が組み込まれ、最大で500㎞もの射程距離を誇る、超高温のプラズマ弾頭弾を発射できる常識を超えた異常な兵器です」

「“だから、あんなに発電機が必要だったんだね?”」

「ええ。あれを一発撃つだけで、数千世帯分の電気を消費します。

 この兵器の公表で、住民たちは手のひらを返しました」

 

 そうだろうね、と先生は呟いた。

 こんな超兵器がすぐ傍にあるなんて、恐ろしいと感じるのが普通だ。

 

「住人達は列車砲の解体を望み、我々と衝突をも辞さない構えです」

「“君たちは、その兵器を何に使うつもりなんだい?”」

「決まってるよ」

 

 ホシノが、先生の目を見て言った。

 

「このアビドスを衰退に追い込んだ、砂嵐を打ち払う為さ」

 

 これには、先生も驚愕した。

 

「“そんなことが、出来るのかい?”」

「先生は想像ができるかい? おじさんがアビドス高校に入学した当初、本館が有った場所は砂に埋もれたんだ。

 あいつが来てすぐに砂嵐が来て、この校内も砂だらけになった。

 あいつは言ったよ。お前らはこんなのに耐えて来たのか、って」

「“……”」

「砂嵐の克服は、アビドス全生徒の悲願なんだ。

 あいつは、その為に列車砲を手に入れたんだ。その為にあらゆる手を使った」

 

 ホシノの言う、あいつとは一人しか示さない。

 

「あれを解体なんてしたら、おじさんはあいつに顔向けできない」

 

 ホシノは俯いて、そう言った。

 

「そもそも、政治的な理由で解体は不可能です。

 アビドス高校にあの列車砲を管理運用するノウハウはありません。

 あれはミレニアムの技術者と共同管理してまして、解体なんてすればあちらから何を言われるか分かりません」

「“ミレニアムって、あのミレニアムサイエンススクール!?”」

「そうよ、あそことうちって盟友なのよ」

 

 聞き覚えのある学校名に驚く先生を他所に、セリカが事実を告げる。

 

「昔の生徒会の遺産である列車砲から得られた技術は、ミレニアムに多大な恩寵を齎したそうです。

 今でこそ三大学校のひとつと言われてますけど、同盟当初は大して大きくない学校だったみたいです」

「そしてそれを所有する私達と、彼女達はお友達なんです!!」

「お友達って……お互いに利用し合ってるだけでしょ」

 

 ノノミのふんわりとした表現に、セリカが棘のある言い方で返す。

 

「いずれにせよ、解体なんてすれば同盟関係は確実に解消でしょう。

 様々な援助も打ち切られ、また十年後には廃校寸前にまで陥ってしまうかもしれません」

 

 この学校は列車砲に生かされている。

 それが、先生に知らされた現状だった。

 

「住民の皆さんを説得できれば、資金や資材の援助もして貰えるかもしれません」

「ミレニアムの会長ちゃんに貸しを作ったら、対等な同盟関係は崩れちゃうしね。たとえ実際はそうではなくても」

「ええ。砂祭りは我々の問題ですから」

 

 アヤネは力強く頷いてそう言った。

 

「とは言え、我々は現状力不足。

 先生の、大人としての立場や経験による御力添えを、お願いしなければならないのが実情です」

「“なるほどね。わかったよ”」

「……先生!!」

「“恐ろしい兵器でも使い方次第で正しい事に活用を出来る、私もそれを信じたいんだ”」

「ありがとうございます、先生!!」

 

 アヤネは感極まって目元を拭って先生に感謝を示した。

 

「……セリカちゃんは不満かな?」

「……だって、先生には感謝してるけど、これまで私達で頑張って来たのに、急に部外者の大人がしゃしゃり出てくるなんて」

「でもこの学校を救ったあいつも、ぽっと出の部外者だったんだよ」

「……先生が、また偉人の蘇りだっていうの? そんな都合がいい話が何度もあるわけないじゃない!!」

 

 ホシノにたしなめられても、気持ちの整理が付かないセリカは椅子から立ち上がった。

 

「“偉人の蘇り?”」

「ああ、アビドスにはそういう伝説が有るんです。

 アビドスのピンチに、過去の偉人が復活してちゃちゃって解決してくれるって!!」

「“ははは、私のイメージには程遠いかな”」

 

 そんなことはありませんよ、とノノミは笑顔で言った。

 

「先生はどんな偉人だったら面白いかな」

「あ、良いですね!! でも先生は男性ですし、過去の生徒会長の蘇りとは違いますかね?」

 

 シロコとアヤネがそんな話題で盛り上がり始めた。

 

「まったくもう、馬鹿みたい!!」

 

 結局セリカは怒って生徒会室を立ち去ってしまった。

 

「ゴメンね先生。セリカちゃんもわかってるんだよ。

 うちの学校、退学した不良とか受け入れまくってるから、校外からの評判が悪くてさ。

 この辺りの中学生の殆どが、よその学校に行っちゃってるんだ。これが田舎の若者離れって奴なのかな」

 

 なんて冗談めかしてホシノが言った。

 

「アビドスが息を吹き返したのも、偏見なくやる気のある人たちを受け入れたからなんです。

 勿論素行の悪かった人たちも居ますが、それでもやり直したいって頑張っている人たちばかりなんです。

 そんなみんなの為に、砂祭りの成功で勇気づけたいんです」

「ん、私も受け入れてもらった一人だから。同じ気持ちだよ」

 

 アヤネの真摯な言葉に、シロコも強く頷いた。

 

「セリカちゃんも、すぐに分かってくれますよ」

 

 ノノミは確信を持ったように笑ってそう言った。

 

 

 05:セリカの平凡な一日

 

 その後、翌日先生は生徒会の面々に連れられ、市街地にあるセリカのバイト先であるラーメン屋「柴関ラーメン」に向かう。

 ここはあの“鉄拳”も食べに来たラーメン屋なんだ、と自慢げに語る柴大将は、砂祭りの賛成派であった。

 そしてバイトが終わったセリカに、ビリビリヘルメット団の強襲が起こる。

 

 

 06:救出作戦

 

 セリカの不在を不審に思ったアヤネが、彼女の窮地を悟る。

 先生はその権限でセリカの痕跡を追跡し、ビリビリヘルメット団を補足したアビドス生徒会と、血の気の多い保安部を連れて救出作戦が決行される。

 そして無事、セリカは救出されるのであった。

 

 

 07:新たな刺客!?

 

 セリカの無事を喜ぶ一方で、ビリビリヘルメット団は違法な装備を入手していた。彼女らの裏に居る存在を、彼女達は感じるのであった。

 

 黒いシルエットの大人たちが、会話を繰り広げる。

 彼らは何と、砂祭り開催に反対派の一派であるアビドス自治区の商工会であった。

 不安そうにしている彼らに対し、大柄のシルエットの大人が不安を煽る。列車砲は不完全だ、仮に撃てば周辺に甚大な被害が生じる、と。

 

「くくく、二年前にアビドスに預けておいた列車砲。今度こそ我らが頂くぞ!!」

 

 大柄の大人は更なる刺客を放ち、不敵に笑う。いったいその正体は何ザーなんだ!?

 

 そして場面は変わり、ビリビリヘルメット団を掃討する四つの影が現れる。

 彼女らは言い放つ、ビリビリヘルメット団の業務を引き継ぐ、と。

 

「私達は便利屋68、金さえもらえれば、何でもする……。──何でも屋よ」

 

 そう嘯く四人は、闇夜に紛れ怪しく輝いていた。

 

 

 08:便利屋参上!!

 

 先生も交え、砂祭りの出し物を決めようとする生徒会の面々。

 意見のまとまりのない五人に振り回される先生。

 商工会の説得するにはどうしようか、悩むアヤネ。

 

 そうしているうちに昼になり、面々は今日も柴関ラーメンへと向かった。

 そこで昼食を食べながら、今後どうするか考えていると。

 

「こ、ここよ!! あの御方が食べに行ったというラーメン屋は!!」

「わかったわかった。でも今お金無いでしょ、折角来たのに食べられなかったら意味ないじゃん」

「社長、ラーメン代くらい残しておけばいいのに」

「なに言っているのカヨコ課長、全ブッパは基本よ。あの御方もそうだったと聞いているわ!!」

「流石です、アル様」

「……あんな無軌道者の何が良いんだか」

 

 そんな騒がしい一団が入店してきた。

 彼女らは一杯のラーメンを注文し、分けあって食べるつもりだったのだが。

 

「すまねえ、四杯だって聞こえたんでな。作っちまったのなら仕方ねえ、食べてくれよ」

 

 と、柴大将は気前よく大盛りのラーメンを四人に振舞った。

 

 美味しそうに食べる四人に、ノノミが声を掛けた。

 

「いい食べっぷりですね!!

 ここのラーメンは美味しいですけど、やっぱり先ほどの様子から事前にリサーチ済みですか?」

「ええ、何と言ってもこの店は、二年前あの御方がカイザー本社襲撃の計画を仲間たちと立てたっていう場所なのよ!!」

「あの御方?」

「ああ、こっちじゃ“アビドスの鉄拳”って言った方が伝わるかな?」

 

 早口で語るアルの言葉に首を傾げるノノミに、ムツキがそう言った。

 なぜかその時ホシノが目を逸らした。

 

「あ、アル様はあの御方の大ファンなんです!!

 名前を呼ぶのも恐れ多いって……」

「だって、キヴォトスであの御方以上のアウトローは居ないわ!!

 どんな規則や法律にも縛られず、理不尽にも向かっていくあの姿……後でアビドス高校にも巡礼に行かなくちゃ……」

「ああ、昔の陰キャっぽいところが出てるよ、アルちゃん」

「え!? そ、そんなことはないわ!!」

 

 キラキラと輝くアルの瞳。

 しかし昔のことをムツキに指摘され、彼女はうろたえる。

 

「へえ、あなた達ゲヘナ学園の生徒よね? あの“鉄拳”ってゲヘナでも有名なんだ」

 

 バイト中のセリカが興味を惹かれてそう言った。

 

「むしろゲヘナの方が本場って言うか、キヴォトス全土に出没してると言うか……」

「あの御方を知らない方がモグリよ。ね、カヨコ課長」

「私はどちらかというと思い出したくない方かな……」

 

 話を振られたカヨコは露骨に顔を背けた。

 

「カヨコちゃんはボコボコにされた方だっけ?」

「当時は現場に出てたからね。あいつは私に気づいてたかすら危ういよ」

「う、うらやましい……私なんて一回しか殴られてないのに……」

「なに言ってんの、あの時大泣きしてたじゃん」

「う、嬉し泣きに決まってるでしょ!!」

「ア、アル様を、殴った? こ、殺さなきゃ!!」

「や、止めてハルカ!! 今度は殴られるだけじゃ済まなくなるから!!」

「社長、羨ましいんじゃなかったの?」

 

 そんな愉快で騒がしい四人と、生徒会の面々はすぐに打ち解けたのだったが。

 

「ねえ、アルちゃんは気づいてないみたいだけど?」

「言うべき?」

「面白いから放っておこ」

 

 一部の面々は、この後の波乱を予想していたのだった。

 

 

「それじゃあ、頑張ってね!!」

「お仕事頑張ってください」

「あとでうちの高校にも来るんですよね? 歓迎しますから、是非来てくださいね!!」

「ええ、ありがとう!! あなた達もお祭りの開催、頑張ってね!! 私も応援してるから。じゃあね!!」

 

 アルは笑顔で手を振って、生徒会の面々と先生を見送った。

 

「ふう、良い人たちだったわね」

「……社長、あの子たちの制服、気づいた?」

「え、制服? 何が?」

「思いっきり言ってたじゃん、うちの学校に来るって。アビドス高校の奴らだよ、あいつら」

 

 そこでアルは、ようやく今回の仕事の内容を思い出した。

 

「なななな、なッ、何ですってーーーーーー!!!???」

 

 白目を剥く程驚愕する、アル。

 

「あははは、その反応ウケる」

「やっぱり気づいてなかったんだ……」

「あ、あいつらですよね、商店街を壊そうとしてる悪い奴らって」

「そうだねぇ、別に悪い奴らには見えなかったけど」

「どうするの、社長」

 

 カヨコの視線が、ぶるぶると震えているアルに向けられる。

 

「……あの御方なら、目の前の不条理を許さない筈だわ」

「アルちゃんこそ不条理の権化だと思うけど」

「黙りなさい!! もう依頼は引き受けたのよ!! 今更後に引けるわけないじゃない!!」

「そこは喜ぶべきところなんじゃないの? アウトローなんだし」

「いいから、準備を始めるわよ!!」

「はい、アル様!!」

 

 こうして、恩知らずになった四人は、アビドス高校へ攻略の準備を始めるのだった。

 

 

 

 

 




ダイジェストにしたつもりなのに、一章の八話までしか終わってない……。
この小説が原作時空なら、こんな変化が起こってるみたいな、お話でした。二章の終わりまで、書いた方がいいのかなぁ。
とりあえず反応を見てから考えます。

たぶんこの世界の現実では、最初はミコトと鉄拳が最初繋がってなくて、あとから同一人物だって判明して考察勢が、嘘だろ、ってなるやつ。

それではまた、次回!!
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