ゲヘナ学園 園芸部の死神   作:やーなん

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今回はミチルちゃん回です!!
なので、パロディ要素強めです。



side:ミチル 「ソラナギ 前編」

 

 

 

「はあ、チャンネル登録数20人か……」

 

 彼女は、千鳥ミチル。花も恥じらう女子高生。

 しかしその行動は周囲が恥じらうほどの忍者オタク。

 

 この日も、趣味が高じて始めた忍者の布教活動の、動画投稿をしていた。

 しかし鳴かず飛ばずもいいところで、全くと言っていいほどトレンドになってバズったりするには縁遠かった。

 

「いいや、弱気になっちゃダメだ。

 きっと忍者のいいところを分かってくれる人はいる筈!!」

 

 彼女は己を鼓舞し、やり方を変えることにした。

 

 で、何から始める? と、ミチルの内なる金髪コーカソイド系の美女が問いかける。

 

「あ、そうだ!!」

 

 彼女は閃いたのだ。

 即ち、動画投稿ではなく、配信活動をしてみよう、と。

 

 

 

「そう言うわけで、雑談配信から始めようと思うよ!!」

 

 配信活動なんて、全くわからないミチルだったが、とりあえず手ごろな雑談配信から始めることにした。

 学校近くの河川敷に陣取り、スマホを固定し機材を置いて配信を始めた。

 

 視聴者数を確認すると、なんと2名もミチルの配信を見ていた。

 それを意識すると同時に、内気な彼女が押し出ようとしてくる。

 

「と、とりあえず、好きな忍者マンガから話そうと思うな!!

 私はかまぼこ突風伝とか、大衆向けでおススメかな!!」

 

 大衆向けってなんだよ、とミチルは言ってから内心ツッコんだ。

 要するに、日和ったのである。大人気のマンガを挙げ、ディープな内容の代物を紹介して引かれることを恐れたのだ。

 

 だがコメント欄に、すぐ反応が有った。

 

 

 最強無敵ミコト様:俺も好きだぜ!! アニメも見たし。どのキャラが好きなんだ?

 

 反応があった、とミチルは心臓が飛び跳ねた。

 

「や、やっぱり、スケアクロウ先生かな!! 主人公の成長やライバルキャラもいいけど、彼らを教え導く上忍ってかっこいいよね!!」

 

 が、ミチルの喜びは予想外の形で裏切られる。

 

 

 最強無敵ミコト様:でも、ダイナマイト先生の方が強いじゃん。

 

 

「はぁ? なんだぁ、お前ぇ……」

 

 ミチル、キレた。

 

「勿論ダイナマイト先生も最高だよ!? でも今は優劣の話はしてなくない!? 最強キャラの話なんてしてないんだけど!! それを言ったらあんまり忍術を使わないダイナマイト先生は忍者として論点がズレるじゃないの!! スケアクロウ先生の魅力はね、昼行灯にみえて実力があって仲間思いで、辛い過去があって――」

 

 オタク特有のマシンガントークである。しかも好きなモノを否定されているのだから猶更だ。

 

「とにかく!! どっちが強いかどうかなんてその忍者の魅力には関係無いってこと!!」

 

 

 ルナ☆ドロップ:私はリアル系の忍者が好きかしら。派手な術で戦う忍者もいいけど、ニンジャエッグ乱気流みたいな子供向けでもちゃんと忍者してるのがね。

 

 

「あ、わかるぅ。あれ子供向けのコメディだけど、先生達や先輩はしっかりと忍者描写に溢れてるんだよね!!」

 

 

 最強無敵ミコト様:でも一番強いの食堂のおばちゃんじゃん。

 

 

「だ、か、ら!! 今はそんな話してないでしょ!! おばちゃんは確かに最強だけど忍者じゃないじゃん!!」

 

 なんだこの痛い名前の奴、とミチルは内心地団駄を踏んだ。

 痛さレベルではミチルもどっこいだが、会話が成立しないのは違う。

 

 

 最強無敵ミコト様:じゃあ、白黒はっきりさせようぜ。まどろっこしいから、直接会ってだ。

 

 

「望むところだよ!! こっちに来なよ、どっちが正しいか決めようじゃん!!」

 

 売り言葉に買い言葉。お互いにネットリテラシー皆無の二人であった。

 

「もう、折角の初配信が台無しだよ!! NGに登録してやる……」

 

 折角お小遣いを叩いて配信機材を整えたのに、とミチルが配信を終えようスマホに近づく。

 

「こっちの機材、止めといたぜ。ミチルっち」

「うん。ありがとう」

 

 ミチルが配信を切ると、そう答えた。

 

「……え?」

 

 勿論、孤軍奮闘中のミチルは固まった。

 

「どーも、ミチルっち。約束通り、来てやったぞ」

 

 殺戮者のエントリーである。

 

「あ、アイエエエ!!!??? ミコトさん、本当にミコトさんナンデ!?」

 

 ミチルはてっきりミコトの名前を使ってるどこかのアホだと思っていた。

 だがまさか本人が自分の名前で、しかも痛々しいユーザーネームで突っかかって来るなんて誰が思うだろうか。不思議!!

 

「明日、百鬼夜行で祭りがあるんだろ、丁度近くで来てたんだよ」

 

 あわやショックで乙女の尊厳がガバガバになる寸前で、ミチルは我に返った。

 

「じゃあ、やろうぜ。どっちの忍者論が正しいかをよぉ」

「そ、その前に!!」

 

 ミチルは言った。

 

「トイレ行かせて……」

「……おう、行ってこい」

 

 なお、ミチルの尊厳は守られた模様。

 

 

 

 §§§

 

 

 

「ダメじゃないミコト。これは流石に擁護できないわ」

「んなこと言ったってよ」

 

 ミチルがトイレから戻ると、人数が一人から二人に増えていた。

 

「あら、こんにちはミチルさん。動画をいつも拝見していますわ」

「あ、視聴者さんですか!! う、うれしい……」

「俺も全部見てんぞ」

「嬉しくない……」

 

 ミコトとユエ。今をトキメク、キヴォトス最凶最悪のコンビであった。

 その悪名は百鬼夜行連合学院にまで届く程である。

 

「それじゃあ、どっちの意見が正しいか勝負しようぜ」

「ま、待って!! 忍術、忍術で勝負しよう!!」

 

 せめてもの抵抗に、ミチルはそう言った。

 

「おう、ダイナマイト先生は体術が専門。つまり、体術=忍術。俺の忍法を見せてやるよ」

「か、火遁の術!!」

 

 ミチルは咄嗟に手榴弾を取り出し、投げつけた。

 忍術の遁とは、遁走術。つまり、基本的に逃げ隠れする為の技なのである。

 

「あとは、常人の3倍の速さで逃げる!!(死亡フラグ)」

 

 が、ミコトは爆発前の手榴弾を手に取って、投げ返した。

 どかん、とミチルの背中で手榴弾が爆発した。

 

「俳句を読め。ミチルっち」

「来世また、忍者好きで、生まれたい……」

 

 がく、と倒れるミチルだった。

 ポエット、と称えて拍手を送るユエだった。

 

 

 10分後。

 

「前々から会いたかったのよ、ミチルさん」

「いてて、ありがとう……」

 

 ユエの手当てを受けて、何とかミチルは復活した。

 

「よーし、これで俺がキヴォトス最強の忍者な」

「は? 違うし」

「何だと?」

「ダイナマイト先生もかっこいいけどさ、やっぱり忍術を使えないのに忍者を名乗らないでくれないかな!!」

 

 ぷんぷんと怒りながらミチルはそう言った。

 

「ミコト、折角だからミチルさんに修行をつけて貰ったら?

 キヴォトスと言ったら忍者よ、忍者」

「いや、なにがキヴォトスと言ったら忍者なんだよ」

「それに、忍者はどんなフィクションでも強キャラじゃない。適当に殴っただけで勝ったつもりなんて、ミコトの言う心技体も随分と程度が落ちたのね」

 

 ユエは諭すようにそう言った。

 そもそも殴ってすらいない、というのは言ってはいけない。

 

「それもそうだな」

「ね? キヴォトスで誰よりも忍者に詳しいミチルさんに免許皆伝を貰えば、忍者のパワーを手に入れたってことでしょう」

 

 ユエの適当な言葉に、ミコトは何度も頷いた。

 

「ってことでミチルっち。弟子入りさせろ」

「弟子入りさせてもらう態度じゃない……」

 

 もしかしてこれってこちらに拒否権は無いのではないだろうか、ミチルは訝しんだ。

 

「この場合、先生って呼べばいいのか?」

「いや、流石にそれは恐れ多いって言うか……」

 

 ミチルは忍者が登場するフィクションで数多の師匠キャラを思い起こし、遠慮がちにそう言った。

 別に決してシャーレの先生と呼び方が被るからとか、そんな理由ではない。奥ゆかしい読者の皆さんにおかれましてはそこのところをツッコんではいけない。いいね?

 

「じゃあ、頭領?」

「頭領!? それは心惹かれる……」

 

 ユエの提案に、ミチルはちょっとグッと来た。

 

「それじゃあお前、今日から頭領な」

「ちょっと嬉しい自分が悔しい……」

 

 こうして、暫定ミチル忍軍(総数3名)が結成された。

 

「え、ユエちゃんもやるの!?」

「当然じゃない」

 

 

 

 

 はてさて、この時点で割とキヴォトス最強の自称忍者軍団になったわけだが、ミコト達の当初の目的は忍者の修行をすることではなかった。

 

「なんかパレードみたいな奴があるんだろ?」

 

 そう、ミコト達はお祭りを見に来たのだ。

 

「そうだよ、通称、百鬼夜行大行進って言われてるんだ!!

 みんなで山車を引いたり担いだりして、百鬼夜行中を練り歩くんだ。

 最後にはどばばーって後ろから全部山車を壊して回るの」

「去年の晄輪大祭でも思ったけど、キヴォトスのお祭りって必ず無駄に派手にしないといけないルールでもあるのかしら」

 

 ミチルの解説に、そんな疑問を抱くユエだった。

 

「まあ、うちでもここまで派手なのは少ないかな。

 伝統あるお祭りだし、観光客もたくさん来るよ」

 

 主に観光業の収益で、百鬼夜行学院は成り立っている。

 派手な催しが好きなキヴォトスの住人からすれば、そう言う方がウケが良いのだろう。

 

「お、貸衣装屋があるぜ、ユエ。なんか借りようぜ」

「それは良いわね」

 

 流れでミチルと一緒に観光をしていた二人が、貸衣装屋に入っていく。

 

 そうして、二人はこてこての忍者装束を纏って出てきた。

 

「ちゃんとメンポを付けて来たぜ!!」

「忍者は顔を隠すものだものね。まあ、私の美しさは覆面程度では隠し切れないけれど」

 

 クソ怪しい忍んでもない二人組に、あっはい、とミチルは返した。

 とは言え、クラシックな忍者スタイルにミチルのオタク心はくすぐられてもいた。

 

「うーん、私も着替えてこようかな……でも、地元で着物を着るならともかく、本格的な忍者のコスプレは……」

 

 ミチルが羞恥心と戦っていると。

 

 爆音と銃撃音が聞こえた。

 

「なんだ、もう始まったのか」

 

 しかし爆音と銃声で驚いていてはキヴォトスでは暮らせない。

 観光客たちはなんだなんだと音の方を見やった。

 

「いや、本番は明日からの筈だけど……」

 

 ミチルが首を捻っていると。

 

「ははは!! 我らは魑魅一座・路上流!!」

「さあみんな、暴れろ暴れろ!!」

「あんなお祭りを許すな!!」

 

 なんと、百鬼夜行の不良達。魑魅一座が現れ、暴れているではないか。

 

「おお、あれが無軌道学生って奴か」

「ゲヘナでもよく見るわよね。特に目標も無いまま刹那的かつ享楽的に振舞い、試験に落ちてお先真っ暗ってところとか」

 

 あながち否定できない、とミチルは二人の物言いに思ってしまった。

 

「ちょっと挨拶してくるわ」

「行ってらっしゃい」

 

 ミコトは暴れている魑魅一座の方に歩いて行った。

 

「どーも、魑魅一座のえーと、道路族の皆さん」

 

 彼女らの前に、あからさまに忍者の格好をしたミコトがエントリーした。

 

「誰が道路族だ!! 路上流だ!!」

「何だお前、コスプレなんかして。私達の邪魔をするな!!」

「そうだ、そうだ!! 邪魔するなら、お前も――」

 

 1分後。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 

「おらぁ!!」

「んあぁーー!?」

 

 ミコトのパンチが、魑魅一座の一人に炸裂する。

 もう誰も立っていない。

 

「線香の代わりに、お前らの天狗のお面を口に突っ込んでおいてやるよ」

「やめろー、やめろー!!」

 

 ミコトは丁寧に、天狗の長い鼻を彼女らの口の中に突っ込んで、弔いごっこをした。

 

「これからインタビューを始めるぜ」

 

 天狗のお面を突っ込まれている魑魅一座の一人を地面に押し付け、ミコトは言った。

 

「てめえらのヘッドのところに連れていけ。

 イヤならお面じゃなくて、ダイナマイトをしゃぶって爆発四散して貰うが?」

「んん!!」

「聞こえねえ、ほら、さっさと答えろ」

 

 ミコトは天狗のお面を引っこ抜いてそう言った。

 

「はい、喜んでーー!!」

「ぎゃははは!! 百鬼夜行じゃ、喧嘩は華だってマジらしいな!!」

 

 最悪の災厄に、目を付けられてしまった魑魅一座だった。

 

 

 

 

「歴史的に見て、元をたどれば、忍者と言う存在もゴロツキ集団に過ぎなかったと言うわ。

 諜報活動をする諜報員という見方もあるけど、当時の扱いは雑兵として戦争に駆り出されるような、その程度の存在だった」

 

 ユエはそのように語った。

 つまるところ、ミコトのなんちゃって忍者ごっこは、ある意味ではリアルなのである。

 

「しかしその後、忍者は創作で早くも大蝦蟇を使役する不思議な術を操る存在として人気を得るようになった。

 今の忍者フィクションの下地になったと言うわけね」

「突風伝の主人公はそう言う意味では古典的な忍者だよね!!」

 

 ユエがミチルと忍者談義をしている横で、話は進んでいた。

 

「お前ら、なんで連れて来たんだよ!!」

 

 魑魅一座の隠れ家で、そのリーダーのアラタが仲間たちに怒鳴っていた。

 

「だってリーダー、この人べらぼうに強くて……」

「私達もぼこぼこにされたんですけど……」

「バカ!!」

 

 アラタは仲間たちに発砲した。

 

「だからって素直に連れてくる奴があるか!!」

「仲間割れは終わったかよ」

 

 そんな彼女達に、冷や水のような言葉が投げかけられる。

 

「そうだわ、ミコト。いつか使うと思ってこれ、作っておいたわ」

「お、メンポか。やっぱりこう言うところで個性出さなきゃな」

 

 一体どう言う想定なのか、ユエはミコトに顔を隠すための布を渡した。

 ミコトがそれを付けると、赤黒い文字で「最」「強」の文字が威圧的な書体で描かれていた。

 

「さて、俳句読めや。今日からすだれ一座は解散だ」

「だから魑魅一座だってば!!」

 

 仲間たちと一緒に小動物のように固まって震えているアラタが精一杯口答えした。

 

「いや、そもそもなんでお祭りの邪魔をしようとしてたのさ」

 

 ここで冷静にミチルがツッコミを入れた。

 その言葉に、彼女らはお互いの顔を見合わせた。

 そして、代表してリーダーのアラタがこう言った。

 

「それは勿論、“ソラナギ”役が無いからだ!!」

「そらなぎ、ってなんだ?」

「ほら、ミコト、さん。今回のお祭りの、大行進で最後に後ろから出しを全部壊して回るって言ったじゃん? それがソラナギ役なんだ」

「ああ」

 

 ミチルの言葉に、ミコトは頷き返した。

 

「なんだか今年からは、それを止めようって話になってたんだ」

「へぇ。なんでだよ」

「単純に危険だし。いつも観光客とか巻き込んでたから。

 それに壊すより、毎年再利用した方が経済的だって話になったらしいよ」

 

 そりゃあそうだ、とミコトは思った。

 

「そりゃあ、何十って数の山車を毎回用意するのは手間だし、お金も掛かるさ!!

 でも毎年違う手作りの山車を見に来る観光客はいっぱい居るんだ!!」

 

 アラタはそう主張した。

 

「あんただって、ソラナギ役が無しで、残念に思ったから最後に壊して回るってそいつに説明したんだろ!!」

「まあ、そうだけどさぁ」

 

 ミチルは今回のお祭りの説明に対し、不必要な説明をミコト達にしたことになる。

 ミチルもソラナギ役が無いことを寂しいと思っていた一人だった。

 

「なにより一番気に食わないのは、“ソラナギ”が創作だって理由だ!!

 創作だから、無くしてしまっても問題ないって、そう言う話なんだとさ!!」

「創作……」

 

 彼女の主張に、ミチルは思うところがあるようだった。

 

「そもそも、そのソラナギってのはなんだ?」

「ふふぅ、説明してあげよう」

 

 アラタは誇らしげに、ミコトに語り出した。

 

「元々、ソラナギって演目のお話だったんだ。

 百鬼夜行学院に反目して、最後にはその全てを滅ぼす復讐劇!!

 お話の中の最強の存在。それがソラナギなんだ」

「まあ、お前らが滅んでないってことは、創作なんだろうな」

「でもこの演劇は人気が有った。徐々に派手になって、今では百鬼夜行の一大イベントさ!!

 それが今更になって陰陽部が、ソラナギって創作キャラの存在は学校に不適切だとか言い出して、ふざけるなって思う方が当然でしょ!!」

 

 その出力が問題なだけで、それは百鬼夜行の生徒としては真っ当な怒りだった。

 アラタの仲間たちも、そうだそうだ、と頷いている。

 

「すげーな、お前ら」

「へ?」

「不良なのに政治に興味があるってことだろ? そんなのゲヘナじゃ全くないぜ」

 

 ミコトはなんと、感心していたのだ。

 彼女らの主張に道理があると思ったのだ。

 

「なあ、お前ら」

 

 だから彼女はこう言った。

 

「俺らでそのソラナギ役、やってやろうじゃねーか」

 

 おお、仏よ、寝ているのですか!?

 百鬼夜行連合学院に、末法の夜が訪れようとしていた。

 

 

 

 

 





ソラナギの元ネタは、百鬼夜行絵巻に登場する太陽を妖怪化した存在、空亡ですね。
太陽を妖怪として解釈した創作上の存在であり、百鬼夜行の最後に現れてその全てを終わらせる存在とされています。

簡易人物

ミチル:割と奔放な彼女も、ミコトの前ではツッコミ役に。なぜか頭領に祭り上げられるが、悪い気はしていないし、ユエとは話が合うので満更でもない様子。

アラタ:こんなはずじゃ……(ノルマ達成


久々に日間ランキングに出てて驚きました!!
皆さんの過大な評価に報いるべく、頑張って投稿したいと思う所存であります。
ではまた、次回!!

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