ゲヘナ学園 園芸部の死神   作:やーなん

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side:アル  「ドリームチーム」

 

 

「かっこいい……」

 

 アルは教室で、ホームルームの時間を待つ間、動画を見ていた。

 

『わっしょい!!』

 

 それは、先日ミコトが百鬼夜行でソラナギに扮して大暴れした際に撮影されていた動画だった。なお、投稿者はユエである。

 

 ちなみにミコトが大暴れした件について、先方は激怒したのだが。

 

 百鬼夜行「おたくの生徒、何してくれはったん? どう責任取ってくれんの? これはもうカネやろ」

 ゲヘナ「は? 知らねえし、そのエセ忍者誰だよ。弱小学校の分際でうちらに楯突くんか?」

 

 と、お互いの上層部で一悶着あったのだが。

 

 ミコト「いえーい、マコちゃん!! 祭り楽しんだぜ、うぇーい!!」

 ゲヘナ「……」

 百鬼夜行「……」

 

 こんな感じで自らが下手人だと、動画で公表するバカ。

 

 ゲヘナ「とりあえず、お互いに冷静になろうな? (いざとなったらミコトけしかけてやろう)」

 百鬼夜行「せやね。ほな、次の修学旅行でうちにカネ落としてくれへん?(ドアインザフェイス)」

 ゲヘナ「それで」

 百鬼夜行「まいど♪」

 

 という感じで手打ちになったそうな。

 慰謝料なんてはした金より、ゲヘナの膨大な生徒が観光でカネを落としてくれた方が百鬼夜行はずっと得なのだ。ゲヘナも一応面子は保たれる。

 

 ちなみにちなみに、ここでお互いに予想外の反応が起こる。

 

 百鬼夜行「なんか、うちの生徒が来年もまたあのアホにソラナギ役やってほしい言うてんやけど……」

 ゲヘナ「知らんがな」

 

 ミコトのソラナギは、完璧だった。

 基本的にソラナギ役は、複数人で演じる。

 数キロにも及ぶ山車の列を、一人で破壊して回れる生徒なんて百鬼夜行総合学園という小規模な学校には存在しないからだ。だから去年まではお面を被って、交代で役をこなしていた。

 

 それを単独でこなすものだから、百鬼夜行の生徒の人気を鷲掴みにしてしまったのである。

 映像の拡散もあり、来年もやるのか、と問い合わせが陰陽部に殺到。

 

 あっはい、やります……と、観光業を主財源とする彼女らはそう答えるしかなかったと言う。

 かくして、ソラナギ役という文化は結果的に守られることになったそうな。

 

「やっぱりミコト様は最高のアウトローよ……」

 

 高等部に上がって早二週間。

 ミコトは既に数々の騒動を巻き起こしていた。

 

「アルちゃん、またミコト先輩にメロついてるよ……」

 

 隣の席のムツキ(ゲヘナで席順は自由)が頬杖をついてそう言った。

 

「め、メロついてなんてないわよ!! 私はただ、ミコト様の活躍を追っているだけで」

「ふーん、そうなんだ」

 

 ムツキは何だかつまらなそうにそう言った。

 

「ど、どうしたの、ムツキ」

「いいや? 別に。それよりアルちゃん、結局高校デビューは失敗してるじゃん」

「し、仕方ないじゃない、今年は早々にあんなことがあったんだから……」

 

 ムツキの指摘に、アルはあたふたしながらそう答える。

 

 実のところ、アルは高等部に進級してから眼鏡をコンタクトに変え、心機一転しようと考えたのである。

 つまらない自分を変えて、理想の姿へと。

 

 が、その決意は出鼻を挫かれた。

 インフルエンザの大流行である。

 

 これは大変であると、この二人、実は給食部の手伝いを買って出ていたのである。医療スタッフや万場殿の議員や、生徒達に配給をしていたのだが。

 

「やっぱりアルちゃんは偉いよね!!」

「だよねぇ、今度は私達も手伝おうかなッ」

「私も、インフルエンザでダウンしてなければなぁ」

 

 と言った感じで、クラスメイトに褒められたのである。

 これはなんか違う、と思ったアルだった。

 いやそもそも、クラスメイトの殆どが中等部から、いや初等部からの知り合いだったので、高校デビューもクソも無かった。

 

「ねえねえアルちゃん、今度カラオケ行こうよ」

「トリニティのカラオケ屋の近くに、美味しいスイーツ屋もあるし、一緒に行かない?」

「放課後、ムツキちゃんも一緒に行こうよ!!」

 

 クラスメイトは皆、普通の学生生活を満喫している。

 そう、普通だった。

 

 アルにはある焦燥感があった。

 それは誰にでもある、漠然とした不安。

 

 自分が死後どうなるか考えて、不安になるような、解決などできない、若さゆえの焦りであった。

 

 このままで良いのか?

 普通に生きて、普通に成長して、普通のまま死んでいく。

 

 それは生きていると言えるのか?

 このままただ漠然と生きて、漠然と土に還る。それが人生なのか?

 

「よし、決めたわ!!」

「わ、どうしたの!?」

「私、ミコト様の舎弟になる!!」

 

 急な決意に、アルの周りのクラスメイト達は驚いた。

 ムツキは、また始まったよ、とぼやいた。

 

「そうと決まったら、今すぐ行くわ!!」

 

 幸い、ミコトの在籍している教室はゲヘナ中に知れ渡っているので、この時間なら会いに行くのは容易かった。

 

「私、一応心配だから見てくるよ」

 

 教室を出ていくアルを見て、ムツキが椅子から立ち上がった。

 

「その方が良いよ。多分アルちゃんには不良は無理だし……」

「泣いて戻ってこないか心配だなぁ」

「推しとは距離を取った方がお互いの為だと思うんだけどなぁ」

 

 と、クラスメイト達は心配そうに二人の背中を見送るのだった。

 

 

 

 §§§

 

 

「ミコト様!!」

 

 ミコトのクラスに辿り着いたアルは、クラス中の注目を浴びていることに気づかずにそう言った。

 

「なんだ、お前? 何回か見た顔だな」

 

 朝が弱めなミコトは、胡乱気な視線をアルに向けた。

 

「あ、あの、私を、舎弟にしてください!!」

 

 自分を覚えられていることにアルは喜びつつも、彼女はそう言い切った。

 

「ふーん。じゃあ、お前、不良になんなら親ぐらい殴れるよな?」

 

 ミコトの問いは、実にシンプルだった。

 

「お、親を……も、勿論よ、親なんて幾らでも殴れるわ!!」

 

 アルは自らの良心に蓋をしてそう答えた。

 まさに見栄っ張りな彼女の性質を表した返答だった。

 

「よし、よーくわかった」

「じゃ、じゃあ──」

 

 ミコトの答えは、拳だった。

 

 アルの顔面にミコトの拳が命中し、教室のドアをぶち破って廊下までぶっ飛ばされた。

 

「アルちゃん!!」

 

 遅れてやってきたムツキが、アルの元に駆け寄った。

 

「な、なんで……」

「親殴れる奴は不良でもなんでもねぇ、ただのクズだ」

 

 つかつか、と廊下に出てアルを見下ろすミコト。

 

「大体なんで不良なんかになりてーんだよ」

「わ、わたしは、ミコトさまみたいな、孤高の悪にあこがれて」

「バカかてめぇ」

 

 涙声で答えるアルに、ミコトはそうバッサリと切り捨てた。

 

「教えてやる。孤高の悪なんざ、ファンタジーなんだよ。

 そもそも悪ってのは、妥協の産物だ。正しい方法で出来ないことを、暴力やら何やらで実行する弱者のことだ」

 

 ミコトはいつかの未来で、先生に語る己の哲学を語る。

 

「てめぇの言う悪ってのは、安易で楽な“特別”を悪って言いかえてるだけなんだよ、ガキが。

 努力も我慢もしねぇ、でも暴力を振るえば注目を集められる。キヴォトスにはそんな連中がごまんと居やがる。

 それが妥協じゃなくてなんだって言うんだ、ああん?」

 

 ミコトは淡々と語りながら、アルに言葉を突き付ける。

 

「じゃあ何で俺が不良なんてやってるか分かるか?」

「……」

「努力も我慢もしなくていい身分でありながら、妥協しないって選択を取れるからだ」

 

 ミコトの悪は、自由だった。

 

「努力しなくていい。我慢しなくてもいい。妥協した方が楽だ。

 そんな誘惑を跳ね除けて、己の精神を鍛える為だ。

 俺が仮に風紀委員会に入ってたとしたら、それらの誘惑を耐えるのは()()()()になっちまう。

 これは不良と風紀委員じゃ違うんだよ」

 

 風紀委員が誘惑に耐えるのは、ルールだからだ。

 だが不良はそうではない。精神的敷居が違う。

 

「その上で、俺は己の美学を定めた。不良でありながら、相反するものを己に課した。

 だから俺は、他の不良(チンピラ)共とは違うんだよ」

 

 わかったかボケ、と吐き捨ててミコトはドアを付け直して、教室の中へと消えた。

 

 アルは悟った。

 自分は少しも、ミコトのことをちっとも理解していなかった、と。

 

「う、う、うわあああぁぁぁぁああああん!!」

「うわあ、アルちゃん。泣いちゃったよ……」

 

 号泣するアルに肩を貸して、ムツキはとりあえずこの場から去ることにした。

 

 

 

 校舎の外に置いてあるベンチにアルを座らせると、ムツキも隣に座った。

 

「ひっぐ、ひっぐ……」

「やっぱりアルちゃんにはミコト先輩の舎弟は無理だってば」

 

 いつもは幼馴染の突飛な行動を楽しむムツキも、こればっかりは笑えなかった。

 虎の住む洞窟に嬉々として入るのは、火遊びですらないからだ。

 

「私、ミコト様のこと、何も分かっていなかった……」

 

 アルは泣き止むと、そんな言葉を漏らした。

 

「ミコト様のようなアウトローになることが本質じゃなかった。

 ミコト様がかっこいいのは、あの人がアウトローだからじゃない……その生き様なのよ」

 

 ミコトは悪を成すことに躊躇いは無い。

 しかしそこに邪はなかった。

 

 規律や規範、ルールに囚われることなく、それの矛盾に直面した時に否と言って立ち向かえる。

 誰を敵に回しても、己の行く道を変えることはない。

 その道中で誰かを助けることが有っても、それを誇ることも無い。

 

 当たり前のように、息を吸うように、キヴォトスの常識という壁を破壊し突き進む。

 

 まさに、法の外(アウトロー)

 自分の美学というルールにだけ従う、本物の悪党だ。

 

 それはまさしく、アルの考える理想の姿そのものだった。

 アルとて進んで悪を成したいわけではない。

 結果として悪を成しても、己の理想を体現することを良しとしているのだ。

 

 だから例えば彼女は目の前で銀行強盗を目撃しても、その銀行で金品を得ることに憧れるのではない。銀行強盗なんて常識では測れない行為を、目的の為に行えることに目を輝かせるのである。

 

 さて、これにはどうしたものか、とムツキが思っていると。

 

「こんにちわ」

 

 ベンチに座る二人の前に、人影が現れる。

 

「あ、あなたは、ユエ、先輩……」

「こうして直接お話しをするの初めてね。実に光栄だわ」

 

 それは誰あろう、ゲヘナの魔女ことユエだった。

 

「あなたにミコトの奴が粗相をしたと聞いて、代わりに謝罪に来たわ。ごめんなさいね」

「い、いえ、わ、私が悪かったんです……」

「そんなことはないわ。私はアスナさん以外の全てのキヴォトスの生徒は貴女に敬意を示すべきだと思っているもの」

 

 アスナってだれ、と二人が思ったがユエは話し続ける。

 

「そう言うわけだから、貴女のしたいことに協力するわ。なんでも言ってちょうだい」

「ほ、本当ですか?」

「アルちゃん、なんか胡散臭いよ」

 

 はあ、とムツキは溜め息を吐いて、立ち上がる。

 

「それに、これ以上ミコト先輩に関わるのは私はパスだよ」

「え、ムツキ!?」

「私は今日はクラスの皆とカラオケにでも行ってくるから」

 

 そう言って、彼女はひらひらと手を振って立ち去ろうとした。

 

「そ、そんなぁ……」

「まあまあ」

 

 付き合いの長い幼馴染の素っ気ない態度に、アルが落胆していると。

 

「ところで、これ。この写真集。『キヴォトス萌え萌えメガネっ子大全』って書いてあるけど、誰の落とし物かしら」

 

 ユエはおもむろに謎の写真集を取り出しそう言った。

 ぴたり、とムツキの足が止まる。

 

「えー、こんなところに? 誰の落とし物?」

 

 そして、すたすたと引き返してユエの手からその写真集をひったくり、ぱらぱらとめくる。

 

「戻るついでに、私が事務所に落とし物として届けておくから」

「そう? それはよかったわ」

 

 スッとカバンに写真集をしまってムツキはそう答えた。

 さて、今度こそムツキが去ろうとしたところ。

 

「そう言えば、以前見かけた時は眼鏡をしていたわね。

 コンタクトにしてしまったの? もったいないわね」

「え、ええ!! やっぱり眼鏡なんてやぼったいし……」

「は?」

「ど、どうしたの、ムツキ?」

 

 なぜか急に振り返ってきた幼馴染の剣幕に、アルは気圧された。

 

「これ、私の変装アイテムなんだけれど」

「へ、変装アイテム?」

「あら、やっぱり!! 眼鏡が似合うわね、アルさん」

 

 今度は伊達眼鏡を取り出して、アルに掛けるとユエは手を合わせて喜び出した。

 

「そ、そうかしら……」

「やはり眼鏡は知的美人、出来る女の基本アイテムよ。書類仕事用に一つ持っておくべきだわ」

「な、なるほど、それもそうね!!」

 

 乗せられやすい生徒、アル。見事にユエの口車に乗ってしまった。

 すると、すすすーっとムツキが戻ってきた。

 

「あれ、ムツキ。もう落し物は預けてきたの?」

「うん♪ 事務所に預けて来たよ」

 

 このムツキ、ただのメガネっ子には興味がない!!

 自分が気に入った子が眼鏡を掛けているのが良いのである!!

 

「やっぱりアルちゃん一人だと心配だから、私も付き合ってあげるよ♪」

「え、本当!? ありがとう、持つべきものは親友ね!!」

 

 いつものムツキに戻った、と無邪気に喜ぶアル。

 かくして、名コンビ復活の時を待ったように、トラブルはやって来る。

 

「あら、ミコト。どうしたの?」

 

 ユエが横に視線を向けると、ミコトが歩いて来たではないか。

 硬直するアルとムツキ。

 

「シゴトだ。しかも緊急の。集められる役職の無いダチを集めろ。先方の金払いは良いぜ」

「それは、物騒ね」

 

 ミコトが緊急だっていうのだから、事態が逼迫しているのだろう、とユエは考えた。

 そして、目の前の二人に視線が向いた。

 

「ねえ、二人共。私達の仕事に一枚嚙まない?」

 

 役職が無く、しかも腕前なら保証できる二人を見て、ユエはそう言った。

 

 

 

 

「おい、カヨコ!!」

 

 ミコトは、自分と同じ校舎の同じ学年のあるクラスに行き、ホームルーム中の教室のドアを乱暴に開けた。

 

「緊急事態だ。ツラ貸せ」

「な、なに、急に──」

 

 ミコトは問答無用で椅子に座っていた彼女の腕を引っ張り、教室から連れ去った。

 

「せ、せめて事情は聞かせて……」

「要人誘拐だ」

「ッ!?」

 

 マジなトーンのミコトの言葉に、カヨコも流石に目を見開く。

 

「……どこの誰が誘拐されたの?」

「カイザー本社、プレジデントの娘だ」

「なるほどね、先方はヴァルキューレみたいな警察組織に通報するなって言われているのか」

「らしいな」

 

 なぜミコトがカヨコを引っ張り出したのか、彼女はすぐに理解した。

 風紀委員会など、組織的な行動は目につく。組織に属していない個人で動ける生徒を、ミコトは徴集しているのだ。

 この時点で参加を拒否しないのが、カヨコの善良さであった。

 

「要求は?」

「まだ聞いてねえ。三十分前に発覚した」

「他に協力者は?」

「ミレニアムとトリニティは、ユエに連絡させてる」

「まあ、動かす戦力を一つの学校だけに集中したら、目立つか」

 

 カヨコはミコトの判断を良しとした。

 それに何より重要なのは、人質の身柄だ。

 

「ああ、数は揃えられねぇ。精鋭を集めるしかねぇな」

 

 ミコトはそう言って頷き返した。

 そうして、一時間後には精鋭が集まった。

 

 

 

 場所は、D.U.某区の高級住宅街。

 カイザー社長、プレジデント宅の一室。

 

 ここに、精鋭──ドリームチームが集まった。

 

「ヴェリタスからの情報解析待ちですが、少なくともこの住宅街周辺で物理的な監視者は存在しないそうです」

 

 ミレニアムサイエンススクールから、次期セミナー候補。早瀬ユウカ。

 入学成績だけでリオが直接セミナーに勧誘した秀才。

 

「社長の娘さんの通う学校周辺の交通記録を観覧していますが、怪しい車の出入りは今のところ見当たりませんね」

 

 同じくミレニアムサイエンススクールから、次期セミナー候補。生塩ノア。

 ユウカと同じくその能力をリオに見込まれる。

 

「恐らく、犯人の誘拐方法は車両では無いでしょう。

 今の時代、監視カメラやドライブレコーダーから簡単に車両を追跡できます。

 当然、それを追うにはマンパワーと組織力が必要ですが、そのリスクを負うのは得策ではありません」

 

 トリニティ総合学園から、次期ティーパーティー候補。浦和ハナコ。

 ティーパーティーよりその頭脳を買われ、推薦されやってくる。

 

「となると、下水道だろうな」

「そうね。私達ならそうするわ」

「リーダー、念のために周辺に不審人物が居ないか確認しておいたよ」

「犯人は間違いなく複数だろうけど、プロでは無いね」

 

 SRT特殊学園より、FOX小隊四名。連邦生徒会長より特命が下る。

 ミコトのコネにより参戦。

 

「ね、ねえ、私達、場違いじゃない?」

「私達は実働部隊だから、別にいいじゃん♪」

 

 ゲヘナ学園より、アルとムツキ。

 肩身の狭そうにしているアルと対照的に、ムツキはこの状況を楽しんでいる。

 

「はあ、クライアントの望みは根本的な解決だから、私達は救出部隊。そっちの特殊部隊は黒幕の捕縛、実働部隊でも役割は違うから」

 

 ゲヘナ学園より、元風紀委員会行政官のカヨコ。

 ゲヘナで唯一の頭脳労働担当だった。

 

「ところで、なんで狐どもまで来てんだ?」

 

 そしてゲヘナ学園より、我らがお馴染み逢坂ミコト。

 ミコトのコネとは言ったが、彼女が把握しているかは別だった。

 

「別に警察には言っていないわ。(にっこり)」

 

 ゲヘナ学園より、月見ユエ。このドリームチームを編成した張本人。

 必要な人員は集めたし、あとは丸投げする構えである。

 

「それに彼女らは別に役職があるわけでもないでしょう?」

「だけど、あいつがよく許可したよな」

 

 当然ながら、FOX小隊の出動は連邦生徒会長にしかできない。

 彼女はこの事態を、それほどだと認識しているのだった。

 

「……正直、頼もしいと言うか、ここまでしろと言ったか、と言うべきか」

 

 さて、ソファーで悲嘆にくれる妻を慰めているプレジデントがそう言った。

 

「犯人の動機はいくつか推察できますが、出来ればそちらが把握している範囲で何かありますでしょうか?」

 

 絵画の女神のように気品溢れるハナコの物言いに、うむ、と歯切れの悪そうにプレジデントはこう答えた。

 

 

「石油が、出てしまったのだ……」

 

 

 

 

 

 





ミコト「実働部隊が全員俺、それがドリームチームだ」
ユエ「ミコトがこれ以上増えたら大変ね」

社会的地位がある音なら、妻子ぐらいいるだろうということで、プレジデントのご息女誘拐事件の発生でした。
今回と次回とで、便利屋結成編を予定しております。(プロット無し

それではまた、次回!!
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