安藤美紀が事務所から退出して、神谷は世界の光教について調べ始めた。二日かけて老鶯町と施設の近くの近隣住民に聞き込みをしたところ、分かったことがある。
「…そこまで規模はでかくない感じか?テレビでもやっていたが、少し前から問題がある組織なのは分かっていたが、ここまでとは…」
神谷が聞き込みで分かったことは、”その行動 ”についてである。場所は問題ないが、信者の行動がおかしかった。夜な夜な”施設に集まる ”ことだった。依頼主いわく、近藤恵子は入ってから、だんだんやつれていったという。
また、教えも調べたところ、
•財産、所得の一部は毎月支払う
•信者は最低1人は教えを説き、信者を増やすこと
•上記の項目が達成されなかった場合、浄化を行う
•浄化とは、殺すこと。
ア 焼却
イ 暴行
ウ リンチ
エ 建物の人柱にする(業者は世界の光教のグル。噂だが)
「...改めて見ると、やばいな」
神谷ですら絶句している。
♦︎♦︎♢♢♦︎♦︎
神谷は、近藤恵子をどうやって戻そうか考え、一つの結論にたどり着く。
聞き込みの二日後、神谷は依頼主に連絡を取った。
「作戦は一通り考えました。今日の深夜、信者が集まっている時間帯に突激します。」
『えっ?えっええっ!?』
「だって、色々考えましたが、強行突破で教祖を殴り飛ばした後、近藤恵子を連れ戻すのが、一番早いと思って」
『いや…そうですけど…失礼ですが、貴方は無能力者ですよ?世界の光教の信者の中には、能力者もいるかもしれませんよ?』
「…頑張ればいけます!」
『……』
こうして、神谷は安藤美紀を失礼だなと思いつつ、強行突破で近藤恵子を連れ戻す事になった。
「本当にいいんですか?仮に死んでも俺は責任は取りませんよ?」
「大丈夫です。どうしてもしたかったんですから」
「…分かりました。絶対服従ですからね」
安藤美紀は、なんと神谷のカチコミについてきたのである。神谷は反対したが、契約書も書いた結果、責任を取らないという条件で付いてきた。
今は、拠点の前である。神谷と依頼主は進むと、入り口に受け付けはいなかった。今は深夜、信者たちは”集まっている ”のである。壁に貼られた地図を頼りに地下に進むと、お経のような声が聞こえ、扉の前についた。
神谷は、依頼主に問う。
「今からでも間に合います。それでも行きますか?」
「もう決めた事です。迷いはありません」
安藤美紀はそう返すと、神谷は無言で頷き、鍵がかかっている扉を蹴破った。部屋にはローブを羽織った信者らしき姿と、中央の台の上にいる教祖らしきおっさんが見えた。
蹴破った音で、神谷に注目がいく。
「なっ…なんだお前!教祖様の経の最中だぞ!!」
「はいはい、その意味わからんお経聞いて、何の意味があるんだ?」
「なっ…お前!!」
「静まりなさいっ!」
教祖らしきおっさんがそう叫ぶと、信者たちはその声の方向に向いて、神谷と安藤美紀もその方向に向く。教祖らしき男は、こういった。
「貴方は何者ですか?」
「俺か?俺は神谷悠。何でも屋だ。隣のは依頼主だ」
「なるほど…どうしてここに?入信したいなら、また明日来てください」
教祖は不快な声で不快な笑みを浮かべながら冗談を言う。神谷はそのふざけた態度にイラつきながら、目的を答える。
「違う、そういう事じゃない。俺は依頼主に、近藤恵子を連れ戻すようにと依頼された」
神谷は軽く睨みながら答えると、、教祖はこういった。
「ああ…あの悪魔ですか」
「…?」
そうして教祖は言う。依頼主にとって、重たすぎる真実を。
「あの悪魔…近藤恵子は、神の教えで、殺しました」
次回、教祖死す!デュエルスタンバイ!!