そしてアビドスへ
そんな事がありながらシャーレが復活し数日経ったある日の事であった。
「おはようございます先生!!」
「ふわぁ・・・」
欠伸をしながら勝太は起き上がった、額にはヴァンソーコーが貼られている。
これは勝太の額の炎を封じる事ができるのだ。
「ここ数日間、シャーレに関する噂もたくさん広がって・・・」
「お!助けを求める手紙が来てるのか?」
「いえ、生徒クリーチャー問わず苦情の手紙が大量に届いてます」
「!?」
「『人数制限のカレーパンを誤魔化して買い占めるな』『シャーレはキヴォトスのカレーパンの独占をやめろー!!』『(눈_눈)』等・・・キヴォトスのそこら中から苦情の手紙が大量に届いてますよ!?」
「!?!?」
「そういや・・・ユウカがキレてカレーパンを禁止にするかどうか悩んどったで」
「!?!?!?」
勝太にとってカレーパンを食べれない事は死活問題である、禁止なんてされたらショック死をしてもおかしくは無い。
「や・・・やべえぞ!?急いでなんか事件を解決して俺の好感度を上げねえと大変な事になっちまう!!!」
「もう手遅れな気がするんやが・・・」
「ドロォォォォォォォ!!!!!!!」
勝太は大量の苦情の手紙の中に腕を突っ込み一枚の手紙を引き抜いた。
「ようし!!どれどれ・・・」
連邦捜査部の先生へ。こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。
今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。
単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。
それも、地域の暴力組織によってです。
こうなってしまった事情はかなり複雑なのですが…。
どうやら、私たちの校舎が狙われているようです。今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底を尽いてしまいます…。
このままでは、暴力組織に学校を占拠されてしまいそうな状況です。それで、今回先生にお願いできればと思いました。先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?
「なんか凄え物騒なの引いちまったけどこれいいんじゃねぇか!!」
勝太は即座に出かける支度を始めた。
「アビドスってどんな所なんや?」
「昔はとても大きい自治区でしたけど、気候の影響で街が厳しい状況になっていると聞きました、後・・・」
「後?」
「これは噂なんですが火文・・・」
「でこちゃん!朝のカレーパンをくれー!!!!」
アロナとカツドンの話は勝太の声に一瞬でかき消された。
切札勝太の妻である滝川るる・・・いつの間にかこの世界に来ていたのか喫茶滝川をこの世界でも営業していた。
「ご馳走様!それじゃあ行ってくるぜ!でこちゃん!」
「行ってらっしゃい、かっちゃん」
そして勝太は外に飛び出して駐車していたどんぶり型の宇宙船へと乗り込んだ。
「先生もやる気みたいですし出発しましょう!」
「・・・せやな」
「ふぅ・・・カツドンの宇宙船があってよかったぜ!」
勝太達はカツドンの操縦する宇宙船で空を飛びながらアビドス校舎に向かっていた。
「にしても外の温度ヤバい事になっとるな・・・こんなの準備しなきゃ熱中症になっとるで」
「にしても・・・兄貴も人に先生頼んでおいてこの数日間挨拶にも来ねえなんて失礼な奴だぜ」
勝太が先生をやる事になった元凶?の人物、切札勝舞。
だが今は何かによって相当忙しいらしく勝太でさえその姿を見ていなかった。
「まぁ相当忙しいんやろ・・・ん?」
カツドンは不思議そうな顔で窓を覗き込んだ。
「どうしたカツドン?」
「いや・・・なんか横切った様な気がするんやけど・・・気のせいやろか?」
「気のせいだろ?さっさと行こうz」
ビュウウウウウウウウウウウウ
「気のせいじゃねぇぇぇぇぇぇぇ!?」
チュドォォォォォォォォォォン!!!!!!
反対方向から飛んできたドラゴンに激突し宇宙船は木っ端微塵になった。
「・・・大丈夫?」
自転車に乗った少女が黒焦げで意識を失っている勝太とカツドンに話しかけるも返事は返ってこなかった。
「ん、道のど真ん中に倒れてるし、これは完全に死んでる」
「馬鹿だなー・・・よりにもよって空なんて危険地帯を移動しようとするなんて・・・」
「お姉ちゃん、亡くなった人に馬鹿なんて言っちゃダメだよ」
狼の耳が生えた少女とポニーテールの少女と本を持った少年が手を合わせた。
「か・・・カレーパ・・・」
「あれ?なんか今喋った様な・・・」
「気のせいじゃないか?」
「・・・とりあえず、皆に相談して棺桶でも作ってもらおう」
「ついでにこの宇宙船の残骸も持っていってやるか・・・意外と軽いなこれ」
「しかも中の物は全く傷ついてないよ」
そうして勝太達は三人に宇宙船ごと運ばれていくのだった・・・
「・・・ここどこや?」
「おっかしいなー・・・道を間違えちまったか?」
「完全に迷ったでござるな・・・」