ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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『本当にこれでいいのか?』と某絶叫の悪魔龍並の猜疑心を持ちながら書く日々。うすしお味にするには猜疑心を持ちながら書かないといけない程に原作の味が濃すぎるんです。




第104話 紅と赤、足掻くことと進むこと

 

冥界から帰還して翌日。オカ研で色々話し合った。

 

まずだが、対戦相手のサイラオーグさんの『兵士』について。ドライグの叔父貴というトンデモドラゴンを宿した兵藤は8つの駒を使っての『兵士』だったが、サイラオーグさんの『兵士』は何と6か7だそう。兵藤、というかドライグさんに匹敵する化け物らしい。どうやらグラシャラボラス家との一戦では出さなかったが、今回のゲームでは出す気満々だそうだ。

 

それとだが、グレモリー眷属にアザゼル先生がアドバイザーとして付いたようにサイラオーグさんにもアドバイザーが付いた。ディハウザーさんだ。

今回のゲーム、堕天使総督&グレモリー眷属VSベリアル家&バアル眷属というとんでもない構図になった。

 

裏で『代理戦争』だのなんだのと言われそうだ。

 

さて、ゲームの話はここまで。ここからはちょっとした日常の小話。

 

誰も話してくれなかったのだが、アザゼル先生が不意に情報をこぼしたために分かったこと。それは『フェニックスのその後について』。フェニックスってのは俺がしばいたあいつ、ライザー・フェニックスってのだ。

どうやら引きこもりになった後、最近になって兵藤やリアスが色々話に行ったりして立ち直ってきているそうだ。それに、俺の()の集大成である『轟熱伝』を読んだらしく、そこで俺がフェニックスの力を吸収したこととそれを扱うための努力をしたことを知り、今じゃ兵藤にも影響されて色々特訓に励んでいるそうだ。特に基礎訓練という泥臭いことを集中してやるようになり、それがあいつの眷属のハートをより射止めたんだとか。

これにはフェニックス夫人もニッコリらしく、感謝の言葉をレイヴェルさん伝いで送られた。

 

それとだが、面白いことがあった。アーシアがアザゼル先生に連れられてグリゴリに行った際に、小さな子供のドラゴンに気に入られたそうだ。その子は子ドラゴンの中でも超が付くほど気難しい性格だったそうで、そんな奴がアーシアにとても懐いた。

その光景を見たアザゼル先生がそのドラゴンをアーシアの眷属にしたのだ。悪魔の使い魔のシステムを応用したものらしく、まだプロトタイプでミカエルさんたちとも情報をやり取りしながらのものだとか。

 

その子ドラゴンだが、名前を当初は『ライチ』にしようとしていたそうだ。だが、それだとフルーツになってしまうので、『アーシアの大切な友達代表』ということで兵藤の名前をとって『ラッセー』とした。

 

ラッセーだが、めっちゃ可愛い。俺にも懐いてくれていてな、指をハムハムされた時は思わずヘブンへ行きそうだった。スコルとハティ並に可愛い。遥輝には劣るがな。

ただ、兵藤が余程気に入らないらしくて、雷を吐いて撃退していた。……本当にその名前で良かったのかなぁ?

 

さて、直近の話はここまでだ。

 

今の俺はと言うと、リアスと兵藤の態度にもう我慢の限界を迎えたので、老人らしく二人を導くことにする。これはアザゼル先生の許可も取ってある。

 

という訳で、俺はまずリアスと俺の部屋で二人きりになった。黒歌にも言って俺が許可するまで誰も入れないようにしている。どれだけ酷かったかって?うちの両親も気づいていたし、遥輝も心配していたくらいだぞ?

黒歌も黒歌で最近のリアスの様子のおかしさに悶えていたらしく、『さっさとあのお嬢様の安産型デカ尻蹴っ飛ばしてこい』と言って送り出してくれた。

 

と言うことで、俺は今、ベッドにリアスと隣り合わせに座っている。

 

「さて、と……回りくどいのは好きじゃない。手短に行こう」

 

「……」

 

「リアス。君の悩みはなんだい?ここ最近の様子のおかしさは俺の家族や黒歌にも伝わっている。このままじゃ、次のゲームに支障が出る。サイラオーグさんの思いも傷つけかねない。吐き出すまで、俺は動かないぞ」

 

俺は彼女の手をそっと握って、若干脅すように言う。少し沈黙が続いて、リアスが口を開く。

 

「私ってあなたにとって誇れるかしら、ダイチ?」

 

「誇れる?」

 

もしかしなくても、俺が原因か?

 

「ロキとの戦いの前夜だったわね。その時に言ったじゃない。『私はまだ、あなたには相応しくない』って。私はあれから努力したわ。あなたにふさわしい女に、強い『リアス・グレモリー』になるために。でも……」

 

そう言うと、涙をこぼすリアス。

 

「でもね……サイラオーグの決意を見て思ったの。『私は一歩も進めていない』って……。私の眷属達は皆すごい。私にはもったいないくらいに、上を見て一緒に進もうとしてくれている……。でも、その私は一歩も上に進めていない……」

 

……なるほど、大体分かって来たぞ。この子は脆いんだ。脆いなりに必死にやっていたんだ。

 

リアスはリアスなりに頑張っている。俺としては『君は頑張っている』と言いたい。だが、それは間違いだ。いいかお前ら、『頑張っている奴に『頑張れ』と言うのは最低レベルの煽り』だ。某キュアエールは『それでも』と言って乗り越えた。けど、あれはプリキュアだから許されたこと。ここは現実だ。使えば、リアスは間違いなく傷つく。そんな安易な言葉など使ってたまるか。

 

「私は……私は弱い……!どれだけ強がっても、どれだけ気高くいても、実力が伴わない……!ただのものを知らない我が儘な女よ……!」

 

リアスの涙は、見たことのないくらいに流れる。その涙には、悔しさと自身への怒りが籠っている。

 

「そんな女が……あなたにとって誇れるような存在なはずがない……!なのに……!なのに私は……!」

 

「リアス」

 

俺はリアスの名を呼ぶ。リアスがこちらに顔を向ける。俺はその隙を見逃さない。

 

「ん……」

 

俺はそっと彼女の涙を拭う。

 

「ダイチ……?」

 

「いつもの仕返しだ。……なるほどな、そう言うことだったか」

 

俺は彼女の目をしっかりと見つめる。彼女の悩みは俺が招いたこと。そうはっきり分かった。だったら俺が解決するしかない。仮に俺が解決しちゃいけなくても、俺は寄り添わねばならない。

 

「リアス。俺は常に強者の味方だ。『力が無くても抗った者』の味方だ。君も知る通り、俺はそう言う存在達に救われてきたからな」

 

『轟熱伝』の内容は嘘でも、実際に俺はそう言う何でもない人達に助けられてきた。だから、この想いは何も間違っていない。

 

「俺は君にその強さを見出した。折れない心に、美しさを見出したんだ」

 

「違うわ、ダイチ。私は何度も折れてきたわ」

 

「それでも立ちあがっただろ?それだけでも十分だ。俺はね、そんな君が大切なんだ。君が『弱い』と言う君が好きなんだ。弱さが大きすぎて強くなれない?だったら『弱いまま強くなる』ことだ。君の『弱さ』をそっと抱きしめて、包み込んでやればいい」

 

「弱い、まま……」

 

俺はそっとリアスを抱きしめる。

 

「君は俺のことを高く買っている。だけどね、俺だって君と同じさ。君にとって誇れる存在でいられるか不安なんだ」

 

「そんな、ダイチは私にとって……!」

 

何だか俺も怖くて震えてきた。思わずリアスを強く抱きしめてしまう。

 

「俺さ、『王』になって、眷属を集めて分かったんだ。リアスが抱えていた不安とか、『『王』らしくいなきゃいけない』とか。それこそ黒歌とか皆が俺を支えられてばかりだ。情けない話だよ、『王』で英雄で、異世界の王族だった俺がこんなザマだなんて……」

 

自分で言っていて悲しくなってくる。俺、本当に無力で無知すぎて幽さんたちにおんぶにだっこすぎてさ。これじゃあ兵藤達を笑えないよ。

 

俺は彼女からそっと離れ、その目を見つめる。

 

「リアス。君の言う弱さは、決して間違いじゃない。君は『王』だ。弱かろうとも強かろうとも、先頭を走り、その背に誰もが続こうとする。そんな気高くて美しい『王』だ。何より、俺を救ってくれた女性だ。だからさ、もっと自分を誇ってくれ。俺みたいな咎人さえも救ってくれる、すごい人なんだって胸を張ってくれ」

 

俺はこの世界を壊した。嘘を吐き続けた。この岸波家も、グレモリー家も、何もかもその醜いエゴで壊した。そんな俺でも『生きていい』と思うようにしてくれている人たちの一人である君には、もっと自分を誇っていてほしい。

 

俺が言いきると、リアスは俺の胸に抱き着いた。

 

「少しだけ……もう少しだけ、こういさせて……。そうしたら、いつも通りの『意地っ張りなリアス』に戻るから……」

 

「ああ」

 

俺はそっとリアスの頭を撫でる。彼女は弱くて強い。脆くて、屈強で、美しい。

 

そんな彼女との時間は、俺にとって何物にも代えがたい。だからこそ、彼女には笑顔でいてほしい。俺の記憶に、醜くて美しい姿のままでい続けてほしい。

 

 

○○

 

 

リアスのメンタルケアが終わって翌日。俺は旧校舎の一室に兵藤を呼び出した。机とかは運び出してしまっているので、床に座っての話し合いになる。

 

「さて、兵藤。お前、何考えてる?」

 

「何考えているって……そりゃぁ、女の子のおっぱいですよ?先輩だって大きなおっぱい大好きですよね?」

 

一学期当初までのようなことを言う兵藤。でも明らかに声のキレがない。全く、こいつも大概っぽそうだな。

 

「分かった。じゃあ、こっからは俺が勝手に思っていることを話す。それにお前は自由に発言しろ。……兵藤一誠。お前は自分の力に迷っている。誰よりも強い力を持って置きながら、それを一切生かせない。そんな無力な自分が嫌だ。自分が心底嫌いになる。こんな俺が、なんで皆に信頼されてるか分かんない」

 

俺がそう言うと、兵藤は手を震わせ、涙を流した。

 

「……先輩って何でもお見通しなんすね」

 

はぁー……ったく、リアス一派は全員こんな風に心に問題を抱えているような奴ばっかりだな……。世話の焼けることだ。

 

それから兵藤は語った。京都での一件で思い知った自分の限界。それに、自分が悪魔になった頃から抱えている女性への恐怖心。一歩踏み出すことの出来ない自分の情けなさ。子供たちからの大きな期待への不安。夢と希望の象徴になりながら、自分には夢がないし、希望になるだけの強さもない。

 

それらが高じて生まれた、『俺にはヒーローなんて出来ない』。

 

「俺は……俺は……!」

 

……悪いな、兵藤。俺は男には厳しくいく。どこぞの海賊のクソコック的スタンスなんだ。

 

俺は兵藤にチョップを入れる。

 

「いってぇ……何するんすか先輩……!」

 

若干苛立つ兵藤を放置し、俺はそのまま立ち上がって部屋のドアまで歩き、ドアを開ける。

 

「『一つの拳は百万の言葉よりも雄弁。それがアウトレイジの誇りだ』。……ダイチたちの信念でもある言葉だ」

 

「何を言ってるんすか……?」

 

理解の追い付いていない兵藤を無視し、俺は言葉を続ける。

 

「もう一つ。これで最後だ。……俺には夢が無い。けど、夢を守る事はできる」

 

「だから何を言って……」

 

「今度の一戦、サイラオーグさんの胸を借りてでも答えを見つけろ。でなきゃ、『おっぱいドラゴン』とか『乳龍帝』っつー呼び名を冥界に広めてやるからな」

 

俺は部屋を後にした。

 

さぁ、脅しはしたぞ。あとはお前が立ち上がる番だ。いくらでも無責任だと罵れ。お前ならやれる。

 

 

 





『乳龍帝リーチ』とかいうここのイッセー君的に最悪の状況。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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