ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

11 / 152

今回はいずれ確実に来る主人公離脱イベント時のための練習がてら書きました。お見苦しいでしょうが、許してください何でもはしません




第10話 そして一旦閉じる幕

 

イッセーside

 

レイナーレたち堕天使の討伐から数日経った。俺達オカルト研究部ことリアス・グレモリーとその眷属一同、そして来客のアーシアはここオカルト研究部室にてある人を待っていた。

 

ついでだが、最近アーシアがこの駒王学園に転入してきました。最初は不安そうにしていたけど、持ち前の優しさであっという間に打ち解けて、気が付けばクラスの人気者になっています。よかったな、アーシア。

 

「お邪魔する」

 

「どうぞ。さぁ、座って」

 

その待ち人は岸波大地先輩。超高身長のイケメン。どうみても同世代とは思えない程大人びている人で、俺にとって兄貴みたいでもう一人の父親みたいな存在。いつも迷惑ばかりかけているけど、何度も俺に語り掛けてくれる。そんな人。

 

そして、あの夜アーシアを助けてくれた人。この人がいなかったらきっと俺達は目の前でアーシアを失っていたかもしれない。いや、きっと失っていたに違いない。折角仲良くなった『友達』から全てが奪われていただろう。だからこそ、俺は感謝しきれない。いつも俺の世話を焼いてくれただけじゃなく、俺の大切なものを守ってくれた、大恩人だ。

 

「粗茶ですが」

 

「ありがとう」

 

朱乃さんがお茶を出す。優雅にお茶をすするその姿からは普段の乱暴そうな感じはしない。いや、別に普段から乱暴ってわけでもないんだけどね。寧ろ優しいくらいだし。成績も超優秀で、マジで何故俺に構ってくれるのか分かんないくらいの人だ。

 

「さて、本題に入るわ。岸波君、アーシア」

 

「ああ、どんとこい」

 

「は、はい!」

 

空気が変わる。そう、俺達は先輩たちに聞きたいことがあってここに来てもらったんだ。

 

「そうね……色々聞きたいことはあるけれど、まずは私自身が気になることを……そう、岸波君。あなたは何故あの教会にいたのかしら?」

 

そうだ、普段というかずっと前から人気のないようなあの教会に先輩は何故いたのだろうか。いたお陰でアーシアが助かったのはそうだが、それはそれとして自分からあそこに近づこうとは思わんだろう。

 

「そうだな。あれはアーシアに会って友達になってからのこと。折角だし遊びに行こうと思っていてな。俺が作ったティラミスと母さんおすすめのコーヒーを持ってあの胡散臭い教会に行ったって所だ。それ以外特に狙いとかはない。そうしたら、嫌な予感がして……急いで行ってみたら気の狂った神父服の奴がいて、ただならない状況だと理解したってわけだ」

 

「待ってください!その神父服の男って……!」

 

木場が声を荒げる。そうだ、あそこにいた神父服の男って言ったらあいつしかいねぇ!

 

「ああ、裏拳でぶっ飛ばしたら一発で気絶したあいつがどうした?」

 

「一発で!?」

 

「気絶ぅ!?」

 

木場と俺の驚きの声が響く。あいつを倒したのって先輩だったんすか!?いや、確かに状況を考えたら先輩しかいないけどもさぁ!だとしてもさ、あいつ相当ヤバい奴だったはずだぞ!?危険物も持っているしさ!?

 

「武器とか持っていなかったのに、ですか?」

 

「『戦いの基本は格闘。武器や装備に頼ってはならない』っていうだろう?そういうことだ。ライトセーバーもどきも随分脆いのか砕いちゃったしな」

 

その基本でK.O.しちゃったんですね……待って最後なんて言った?

 

「せ、先輩。武器を砕いたって……?」

 

「ああ、殴る時に盾にしたのが悪かったのか、そのまま勢いで砕いてな」

 

「そ、そんな……!」

 

木場のいつもの余裕なイケメンフェイスが崩れる。うん、いつもは憎く思っているけど、今だけは同情するよ。この人、マジで規格外すぎないか?本当に人間?実は『世界を救った英雄です』なんて言われた方がよっぽど信じられるぞ?

 

「そ、そうなのね。それじゃあ、続きだけど、あなたはその後、アーシアさんを見つけて堕天使たちを制圧した。その際にあの朝倉和泉っていうアザゼルの協力者と合流したそうだけども……彼女との関係は?私が言うのもあれだけども、アザゼルってろくな話を聞かないわよ?」

 

アザゼル、堕天使の長だったっけ?そんな人物と関わりのある人とつながっているっていうのはどういうことなんだろうか?

 

「ああ、彼女は単純に町で知り合った人ってだけだ。それ以上は、まぁ、ちょっと仲良くなったってだけだ。別に親戚筋でもないはず」

 

「そう……その後は私達が来てって所ね。あとのことやあの堕天使の動向は朝倉やアーシアから聞いているし、長々と聞いているのも疲れるから一旦ここで終わりましょう。それじゃあ、あなたから私達に聞きたいことはあるかしら?」

 

色々来たんだ、『悪魔』らしくこちらも対価を出さないとな。その辺り、うちの部長はしっかりしている。

 

「それじゃあ……まず一つ。1年生の頃から思っていたことだが、君達、『何者』だ?俺の両親とかとは違った気配がするんだが?」

 

「っ!?……そうね、その辺りを説明させてもらいましょうか」

 

先輩の鋭い質問に部長は驚きを隠せない。俺達もだ。これでも見た目だけなら人間と変わりないが、『あの夜あそこにいた』っていう怪しい要素じゃなくて気配で感づかれた以上、隠し通せないだろう。

 

「皆」

 

部長の合図で俺達は悪魔の翼を広げる。

 

「私達はね、『悪魔』なの」

 

「……」

 

先輩が少し驚いた表情をする。すんません、黙ってて。アーシアには以前からバレちゃっているけど。

 

 

 

―――

 

 

 

その後は俺達が悪魔であることや、この学園ともそれなりに繋がっていてそのおかげでアーシアがこの学園に転入出来たこととか色々話した。岸波先輩は表情を余り変えていなかったけど、いつも見ている俺なら分かる。あの人、かなり動揺してる。うん、だろうね!俺も初めて聞いた時理解を拒んだもん!

 

悪魔と天使と堕天使についても軽く説明した。その中でも特に動揺していたのが、『レッドゾーン』の話をしていた時。何でも現魔王様方が若かりし頃天使,悪魔,堕天使の敵対する三すくみが手を取り合わないといけない程の世界の危機が訪れたそうだ。その時、突然やってきた英雄だそう。その名前と活躍を聞いた時、目がすごく泳いでいたと同時に『英雄』という言葉に何か思うところがあった様子だった。

 

……そのレッドゾーンっての、気になってきたな。あとでどんな奴なのか木場に詳しく聞いてみよう。

 

「こんな所かしらね」

 

部長の説明を聞いて理解をしようとしている岸波先輩。俺が馬鹿なだけだけど、それにしたってこんなに現実味の無いこと言われても無理ないよなーって思う。

 

先輩は紅茶に口をつける。ああ、すっげー優雅。俺じゃあ生まれ変わってもあの境地に至るのは無理だろうな。

 

「ところで二人とも」

 

「はい」

 

「ん、なんだ?」

 

「物は相談なのだけれど、あなた達『悪魔』になることに興味はないかしら?」

 

「部長!?それってつまり……!」

 

「ええ、イッセー。岸波君とアーシア、あなた達を私の眷属にしたい」

 

部長の言葉に俺達眷属一同は驚きを隠せない。

 

「まず、アーシアだけれども、この世界において回復魔法を扱う神器というのはとても貴重なの。さっき朱乃に調べてもらってけれど、魔力のキャパシティもかなりのものだそうだし、成長性も抜群。そんな魔法を使えるあなたが欲しいっていうのもあるけれど、もし私の眷属になれば今回の堕天使のようなあなたを付け狙う輩からあなたを守れるわ」

 

確かに、アーシアは元々後ろ盾がなかったからあんなことになったわけだし、部長さんに守ってもらえるってなれば万々歳だ。

 

「岸波君だけれども、あの後の堕天使たちの状態から説明しなきゃね。あなたが手加減したかどうかは分からないけれど、あの時私達が手を下さなくても全員致命傷だったわ。息も長くなかった。それにあのはぐれ悪魔祓い達の負傷。祐斗と朱乃に見てもらったら全員もれなく複雑骨折。中には生と死の狭間をさまよっているのもいた」

 

そう、あの時見た光景はまさに地獄とも言えた。皆目が死んでるなんてもんじゃなかった。本当に死んでるんじゃないかって奴もいた。いつもプロレス技かけてきた先輩だけど、あれって手加減してくれてたんだって分かったくらいだし。

 

「朝倉から話を聞いたけれど、並の『騎士』以上の速さであの数を仕留めたそうね?」

 

「奴らが遅かっただけです」

 

「そう。だとしても、あの数を短時間で片付けたことを否定することにはならない。それに普段から見ているから知っているけれど、あなたのその高潔な魂は余りに悪魔にとって魅力的。ここまでくどくど言ってきたけれども、端的に言いましょう。私はあなたが欲しいの」

 

わーお、部長さん大胆。まるで男女の関係のお誘いみたいだぁ。

 

「どうかしら、二人とも?決して悪い話ではないわ」

 

「わ、私はその……信仰を捨ててしまうことになるかもしれませんが……ダイチさんがなるのなら……」

 

「そう。岸波君はどうかしら?」

 

「……確かに、悪い話じゃない。寧ろいい話だろう」

 

「なら……」

 

「悪いが、断らせてもらう」

 

「……理由を聞かせてもらえるかしら?」

 

部長の目の色が変わった。まるで獲物を前にした肉食動物のような目だ。意地でも岸波先輩を逃がしたくないって意気込みを感じる。

 

「俺、両親と血がつながってないんよね」

 

……ん?今なんて?先輩、そんな闇の深い人だったの?

 

「元々露頭に迷っていて、惨めに餓死するかもしれねぇって所で父さんと母さんが拾ってくれて。本物の息子のように育ててくれて、その後に本物の息子である弟が生まれて、それでも俺を見捨てないでいてくれた。そんな人達に黙って人間やめてどっか行っちまうってのは、些か不義理ってもんじゃねぇかって思うんだ」

 

ズキリ……

 

今、俺の心に激痛が走った。そうか、俺って不運な事故だったかもしれないけど、両親に何も言わずに死んでいたんだ。一種の親不孝をしちまってたんだ。

 

「ってのが表向き。本音は、俺はまだ人間としての生を謳歌したくてね」

 

悪魔は出世すればハーレムを作れるって喜んでいたけれど、俺はもっと大切な現実を見ていなかった。散々迷惑をかけていた親に何も返せなかったんだ。それどころかここまで大切に育ててくれた人たちの知らない所で死んでいたんだ。

 

別に部長の眷属になったことを嫌だと思ってなんかいない。寧ろ、俺の神器のことやら色々教えてくれて、未来を模索してくれた恩人だ。

 

でも、どうしてだろう。心が曇ってくる。今までこんなことはなかったのに……。

 

「……どこまでも高潔ですわね」

 

朱乃さんがそう言う。本当にその通りだ。騎士道なんてもんじゃない、もっとその先にある人としての原点。その光の道を先輩は歩んでいるんだ。

 

「本当にそうね。だからこそ、あなたが欲しくて仕方ない。……いいわ、『今回は』諦める」

 

「折角の誘い、ありがたかった。だが、俺にも譲れないものがあってな」

 

「それ以上言わないで。惨めになってくるから。本当にあなたのその正義は眩しいわ……」

 

「ん?俺は別に正義の道なんて行っているつもりはないぞ?」

 

先輩が不思議そうにそう言う。

 

「正義なんて時代によって変わる。仮に同じ時代でも立場が違えば変わる。結局の所、自分にとっての悪の行動をする自分を正当化したいだけの言葉のそれだと思う。何より、正義より悪の方が楽だろ?」

 

難しいなぁ……。倫理の授業とっておけばよかったか?

 

「そうね。あなたの言う通り。正義は人によって違うものね。ありがと」

 

「気にすることないさ」

 

こうして俺達のカミングアウトと勧誘は終わった。この後、先輩とアーシアにはオカ研に入部してもらうことになった。『人間だけどいいのか?』って思ったそこのあなた。部長さん、その辺りはかなり柔軟なのよね。『強者は眷属に出来なくても味方にしておきたい』ってことだそうだ。

 

まぁ、あの惨状を見たらそりゃ味方につけたいよな……。

 

 

イッセーside out

 

 

 

Side in

 

 

 

「……」

 

さて、俺はいまだに理解を拒もうとしていることがある。それは我が友人たるリアス・グレモリー氏と彼女が率いるオカルト研究部御一行様が皆悪魔だってことだ。

 

どうやらアーシアは兵藤の奴が悪魔だってことは知っていたらしいが、そんなことはこの際どうでもいい。

 

「いや、マジかぁ」

 

確かに彼女達には違和感があった。何か人間っぽくないっていうか。そんな感じ。まさか本当に当たっていたとは思わなんだ。

 

ユノハ様。

 

――『モグモグ……何?』

 

おやつ中にすんません。こんな感じで身近なところに悪魔とか堕天使とかいるんすか、この世界って?

 

――『ええ、そうね。ハイスクールD×Dってそういうもんだから』

 

頭が痛くなってきた。確かにかつての戦いでそれっぽいのは見たけどさ、もう縁のない話だと思ってたもん。

 

――『ま、彼女達が悪魔かどうかなんて関係ないのでしょ?だったら気にすることでもないじゃない』

 

ぐうの音も出ない。俺にとっては結局の所、『心』による部分が大きい以上彼女達の種族なんて正直どうでもいい。

 

――『そ・れ・よ・り・も。予想はしていたけれど、まさかレッドゾーンの名前が1000年にも渡って語り継がれるなんてねぇ(笑)』

 

「ふんぐぅ……!」

 

ちょっと調子乗りすぎたかな?ガブリエルさんとか思い出すと、『俺、何やってんだ』ってツッコみたくなることしかしてない。もうこれは黒歴史なのでは?アクシズ落として忌まわしい記憶と共に消えてもらうしかなくないか?

 

――『それにしても『英雄』ねぇ?』

 

俺が気になっている所。それは『英雄』ってこと。グレモリーさん曰く、『レッドゾーンという存在は、世界的にはヘラクレスにも負けない知名度を持っている』とのこと。なるほど、俺は近々虫の名前にもなるのか。なんて思うか。

 

別に俺がなろうとしてなったわけではないからいいんだけどさ、俺なんかが英雄なんてタマじゃないだろ?だってのに、それを押し付けられてよ。困ったもんだぜ?

 

――『そうは言いながら『自分がレッドゾーンです』なんて言っていないじゃない』

 

……はい。だって恥ずかしいじゃん、『我、英雄ゾ?』なんて言えるか?

 

とにかく、今は黙って時が過ぎるのを待つしかない。いつまで待つかなんて知らんが、黙り続けてやる。

 

(――『ちょっと煽ったらすぐにボロを出しそう(名推理)』)

 

俺は若干の悲しみを背負いつつ、帰り道を行くのであった。

 

 

 





投稿時点で取っているアンケートが個人的に十分すぎるほどに投票されたので予定を前倒しして近日中に閉じようと思います。投票してくださった皆様、ありがとうございます。

さぁて、オリキャラ考えるぞ(白目)

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。