ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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しばらく書くことを休んで、原作とちゃんと向き合おうかと思いつつ、筆を進める日々。




第112話 頂を見る『騎士』たちと『戦車』の戦い

 

第五試合。両チームの『女王』対決と相成った。

 

序盤は互いに互角に魔力の打ち合いをしていた。そして終盤、朱乃が仕掛けた雷光を分解し、それをカウンターで打ち込むアバドン。その光の痛みの中で朱乃は油断した相手に雷光を打ち込んだ。

 

結果、両者共にリタイアとなった。

 

後出しじゃんけんだからどうしようもないのだが、サイラオーグさんの『女王』には兵藤の奴の方が相性が良かったのではと思ってしまう。

 

まずだが、朱乃の敗因となった『雷光の分解』。これは兵藤ならそもそも魔力を使わないという乱暴なやり方というか、VAN・ベートーベンに対して『ならクラジャで突撃するわ』理論で行くようなものというか、そんな感じで行くあいつなら特に損害もなく倒せていただろう。見た感じだとアバドンは近接が得意そうには見えなかったし。

 

ただ、これに対しての反論はある。まずだが、アバドンがそんなことを出来るなんて聞いていない。要は知らない初見殺しをしてきたのだ。初見殺しってのは情報の無い相手には必殺のそれとなる。となれば、情報が少しでも欲しかったリアスたちにとっては必要だった犠牲とも言える。

 

それに、だ。はっきり言って朱乃は今残っているリアス・グレモリー眷属の中で見たらそこまで特長がない。雷光は間違いなく悪魔にとっては天敵とも言える技だ。だが、それをメタられたらただの雷。

 

何というか、試合前の朱乃の目から察するに、そのことも分かっていて死にに行っていたような気もする。まぁ、これらは後出しじゃんけんにすぎない。ああだこうだ言うのは無粋だ。

 

さて、残されたリアス達よ。『女王』の陥落に動じるなよ。

 

 

Side out

 

 

イッセーside

 

 

朱乃さんを失って得た勝利の第五試合。俺達は非常に困っていた。

 

朱乃さんがいなくなったことではない。あの人もあの人でこうなることは覚悟の上だった。その覚悟を踏みにじる訳にはいかない。何より、『王』の部長が必死になって落ち着いているってのに、木っ端の俺らが騒いでどうするんだ。

 

じゃあ何なんだってことだが、それは先ほど出た目の合計のこと。

 

出た目の合計。それは『12』。もう一度言う。『12』。

 

そうだ。ついにこの時が来た。『12』と言うことはサイラオーグさんが出られる。そして今までの『兵士』への温存のし方を考えると、確実にサイラオーグさんは出てくる。

 

根拠はある。さっきサイラオーグさんが上着を脱いで下に来ていた戦闘用の服をあらわにしたこと。そして、先ほど感じたサイラオーグさんからの視線。あの人の目からは背筋が凍りつくほどの戦意に満ちたそれだった。

 

結局の所、俺の主観かもしれない。それでも、だ。それでもあの人は確実に出てくる。

 

今までの戦いを振り返る。どれも楽なものではなかった。そしてそんな戦いを繰り広げた相手をまとめ上げ、『王』の価値が12のサイラオーグさん。ここで出る人は『負ける』。いわば捨て駒になる可能性が大きい。そうならないように今、俺達は作戦を考えている。考えてはいるんだが……

 

「……」

 

部長は静まり返ったまま、思案する。どうも策が思いつかない様子だ。そりゃそうだ。何せ相手は俺の鎧を砕いたあのサイラオーグさん。一筋縄ではいかない。

 

ここで切るに相応しい駒を決める。心優しい部長さんにとってどれだけ負担がかかっていることか。

 

……なら、答えは一つだな。

 

「部長、お「イッセー君」

 

『俺が出ます』。そう言おうとした時だった。俺の言葉は木場に止められた。奴の方を向くと、覚悟を決めた目。ギャスパーと同じ目をしていた。

 

お前、まさか……いや、これ以上は何も言うまいよ。

 

「僕とゼノヴィアとロスヴァイセさんでサイラオーグさんと戦います」

 

『騎士』二人で6、『戦車』で5。合計11。うん、出られる。

 

「イッセー君と部長さんの為に、ここで出来る限りサイラオーグさんを消耗させます。出来れば、相手のフェニックスの涙も使わせたい所ですが……そこまで出来るかは少し怪しいですね」

 

「祐斗……」

 

木場の覚悟を感じ取ったのか、不安そうにする部長。それに対して笑顔で答える木場。

 

「僕単独ではサイラオーグさんには手も足も出ないでしょう。そんなことは最初から分かっています。ですが、それなら複数人なら?正直に言うと、これは僕の我が儘です。それでも、きっと勝利につながる。ゼノヴィア、ロスヴァイセさん、付き合ってもらえますか?」

 

木場がそう問いかけると、二人は頷いた。

 

「ギャスパーがあれだけ体を張ったんだ。私も体を張らねば気が済まなかった所でね。ちょうどいい」

 

「こういう風に役割がしっかりしていると分かりやすくていいですね。ヴァルキリーが勝利のために戦うのは世の常。ならば私は私の役目を果たすのみです」

 

……ここで3人はいなくなる。残るのは俺と部長のみ。相手はサイラオーグさんと『兵士』のみ。奇しくも同じ駒だ。

 

ここでサイラオーグさんが出れば俺か部長があちらの『兵士』と当たる。でも、相手の情報が分からないなら、次は俺の出番だ。そうなったら、最終決戦は『王』同士の対決となる。

 

不安はある。でも、うちの部長は最強だ。優しくて、美人で、努力する天才で……挙げだしたらきりがない。そんな人だ。負けないだろうよ。

 

「……そうね。分かったわ。だけど一つだけ。一つだけ聞きたいことがあるわ」

 

部長がそう言う。

 

「私はつい最近まで情けない姿をさらしていたわ。結局それもダイチに頼って立ちあがった。いつもいつも他人頼み。そんなポンコツもいい所な『王』だけど……あなた達にとって誇れるような『王』だったかしら?」

 

そう部長が訊くとクスっと笑う三人。

 

「『だった』、ではありません。『今までも、今も、これからも』、です。部長の愛があったからこそ、僕はここまで来られました。僕は、あなたを誇りに思います」

 

「そうだな。最初は『悪魔だから何を強いてくるか分からない』なんて警戒していたが、それも杞憂だった。教会にいた頃の上司よりずっと善人だよ」

 

「もう、困った方ですね。俗的なことを言うなら、今の好待遇に誘ってくれただけでも立派な『王』ですよ?」

 

各々がそう言うと、部長は何かをこらえるように唇をかみしめた後、いつもの凛々しいお顔に戻る。

 

「ありがとう、皆。あなた達の犠牲は絶対に無駄にしない。だから、安心して行きなさい」

 

そう言うと三人は笑顔で転送用魔方陣の方へと歩んだ。

 

「……あとは頼むよ」

 

「任せろ、ダチ公」

 

すれ違う木場とそれだけの言葉を交わし、三人はバトルフィールドへと向かった。

 

フィールドは湖畔。先に転送されたサイラオーグさんが腕を組んで待っていた。

 

『なるほどな。リアスも変わったようだ』

 

サイラオーグさんが腕組みを解いて、三人に告げる。

 

『お前らでは勝てない。それでも、立ち向かうのだな?』

 

『当然です。僕らは『赤龍帝に最高の状態であなたを送る』という仕事があります。それに、僕らの後ろにはレッドゾーンがいる。あの人に情けない姿を見せたくない。何より、あの人が『今の自分達が勝てなくても、後に託す』ことを大切に思っているからこそ、僕らもそれを真似ようと思ったんです』

 

そうだ。木場の言う通りだ。俺達はまだ弱い。弱いけど、それでも誇れる勇気がある。託すことが出来る。先輩の国の皆が先輩にそうしてきたように、俺達も託すことが出来るはずだ。

 

木場の言葉に打ち震える様子のサイラオーグさん。

 

『さすがは岸波殿の虎の子だっ!やはり俺の最大の壁はお前達のようだ……っ!震える……魂が震えるぞっ!』

 

『第六試合、開始してください!』

 

審判の合図。刹那、サイラオーグさんの体に紋様が浮かび上がる。

 

『これは、俺の四肢を縛り、付加を与える枷だ。お前達に敬意を表し、これを外させてもらおう。俺はお前たちの全力に応えるっ!』

 

淡い光がサイラオーグさんから放たれると、紋様が消失していく。

 

次の瞬間だった。『ドンッ!』という音が目で見えるように思えるほどのものがサイラオーグさんを中心にして放たれる。

 

風が巻き起こり、サイラオーグさんの足元にはクレーターが出来上がる。

 

クレーターの中心ではサイラオーグさんが白く光っていた。俺はその光を知っている。てか、さっき見た。

 

「部長、あれって……」

 

「『闘気』……!?」

 

そう、小猫ちゃんが纏っていたものと同じもの。サイラオーグさんも仙術を使えるってことか?

 

そんな時、解説席から声が聞こえてきた。

 

『なんて奴だ……。ありゃ闘気じゃねぇか……。しかもここまで可視化するほどの濃厚な……』

 

『うちの黒歌のそれと同じ、いやそれ以上か……?興味深いな』

 

『サイラオーグ選手は気を扱える戦闘術を習得している、ということでしょうか?』

 

実況の人がそう言うと、アザゼル先生が答える。

 

『いた、そんな前情報はない。もしバアル家が隠していたなら、こりゃとんでもねぇぞ?』

 

そんな風に言う先生に続いて、皇帝ベリアルが答える。

 

『はい、彼は仙術を一切習得していません。あれは、体術を鍛え抜いた末、いや、その先に目覚めた闘気です。純粋にパワーを求め続けた彼の肉体には魔力とは違った、生命の力とも言うべき力をまとわせたのですよ。可視化も、彼のあり余る活力と生命力の噴出によるものでしょう』

 

「そ、そんな……!!」

 

「そんなのありかよ……!?」

 

実に先輩好みのそれであることに部長と俺は驚くばかりだった。

 

サイラオーグさんから放たれるプレッシャーはその場にいない俺も震わせるものだった。だからこそ、その場にいながら顔を険しくさせるだけで済ませている三人がすごいと思っている。

 

サイラオーグさんは吼えた。

 

『貴様たちは『取られてもいい』と覚悟した戦士。何より岸波殿の薫陶を一番に受けている存在。生半可な相手じゃないことは十二分に分かった。だからこそ、俺も一切油断しないっ!取られてもいいという覚悟で戦うっ!それこそが俺という存在であり、相手への礼儀っ!』

 

地面を大きく削ってサイラオーグさんは姿を消す。これが、サイラオーグさんの全力ダッシュ。

 

ロスヴァイセさんがあちらこちらに魔方陣を展開する。魔法のフルバーストをいつでも打てるようにした。

 

『ロスヴァイセさん、そっちです!』

 

木場の指示で向けられた方向にフルバーストを打ち込むロスヴァイセさん。その先にサイラオーグさんが姿を現す。ゼノヴィアも追い打ちをかけんと聖剣の波動を飛ばす。

 

フルバーストがサイラオーグさんに襲い掛かる。だが、サイラオーグさんは拳一つで魔法の数々を打ち砕いていく。

 

う、嘘だろ?ロスヴァイセさんって北欧でも上位の実力者だぞ……?

 

驚く俺の前でサイラオーグさんが高速で魔法の嵐を潜り抜けていき、ロスヴァイセさんとの距離を一気に詰めた。

 

瞬間、金属の砕ける音と共にロスヴァイセさんの腹部にサイラオーグさんの拳が入った。

 

ヴァルキリーの鎧は砕かれ、ロスヴァイセさんは湖の遥か彼方へと飛ばされる。

 

たった一撃。それだけで一人落とされた。

 

『まず一人』

 

『うぉおおおお!』

 

ロスヴァイセさんが消えゆく中、ゼノヴィアがデュランダルを振りかざす。

 

目で追えない速度で動くサイラオーグさんは気が付いたらゼノヴィアの背後をとっていた。そのまま蹴り飛ばそうとするが、ゼノヴィアもゼノヴィアで抵抗し、体をよじらせて回避する。

 

回避したその先にある湖が真っ二つに割れる。サイラオーグさんはそれだけの威力の蹴りを放とうとしていたんだ……。

 

『まずは魔法の名手たる北欧のヴァルキリーを撃破。……さて、残るは聖剣使いが二人。厄介だな』

 

口ではそう言うが表情は不敵な笑みを浮かべているサイラオーグさん。その姿を見た二人はオーラをほとばしらせる。

 

『木場っ!こいつはまずいぞっ!』

 

『分かっているよ、ゼノヴィアっ!余力なんて残してられないっ!それだけの相手だっ!』

 

二人の緊張する姿を見てサイラオーグさんは満足げなようだ。

 

『そうだ、それでいい。お前達が岸波殿から多くを貰って来たように、俺にも岸波殿の期待がある。そして、あの人の歩んできた道の証明という責任がある。それを今、この拳に込めるっ!俺の拳を受け止めて見せろっ!!』

 

サイラオーグさんは闘気を纏わせた拳で木場に突撃する。木場も前方に聖魔剣の壁を幾重にも作る。だが、まるで障子を破るように簡単に剣の山を砕いていく。

 

『聖魔剣がっ!?』

 

『余りに柔いぞ。これでは俺の攻撃は受け止められん』

 

木場は危険を察知して即座に高速で走り出す。だが、それと同じかそれ以上の速度でサイラオーグさんは木場を追う。

 

目で追えないそれを追おうとしていた時、鈍い金属音が聞こえた。木場が、聖魔剣諸共一撃をもらった。つまり、あいつは……

 

『長所を伸ばし、技術への探求心を燃やし続ける。何よりも主と仲間への想いが強い。リアスはいい『騎士』を持ったものだ。妬ましいくらいだ。だが、防御が唯一の欠点だったな、木場祐斗』

 

拳が木場にめり込んでいく。

 

『だがな、この一撃を己の不覚と思うことはない。この拳は、お前でなくとも耐えられないのだから』

 

『デュランダルっ!!』

 

ゼノヴィアが割り込むようにデュランダルを振るう。

 

聖剣の波動はサイラオーグさんに襲い掛かる。だが、サイラオーグさんも負けじと闘気で受ける。

 

『聖剣の波動っ!それも名高いデュランダルのもの!面白い、俺の覇気とどちらが上か勝負と行こう!』

 

受け止めたサイラオーグさんは……無傷だった。しかもサイラオーグさんの闘気は薄まることを知らない。

 

『真正面から食らったのだぞっ!?』

 

『良い波動だ。だが、俺を止めるにはまだ足りない』

 

『ゼノヴィア、合わせて!』

 

口から血を流す木場はゼノヴィアにそう言い、サイラオーグさんに斬りかかる。だが、あの人はそれを最小限の動きで避けていく。

 

木場も龍騎士団を作り、突撃させる。だが、サイラオーグさんは真正面から迎え撃ち、騎士団を屠った。

 

その光景に二人は戦慄していた。

 

あいつらだって……あいつらだって修学旅行での屈辱から立ち上がってここまで来たんだぞ!?そ、それを……

 

『才気あふれる動き。可能性に満ちている。しかし、この場では俺の方が上だったな』

 

サイラオーグさんは二人との距離を一気に詰めて、ゼノヴィアに回し蹴りを、木場の腹部に掌底を当てた。

 

その場で血を吐き、倒れる二人。

 

これは、悪い夢か?俺よりずっとすごい二人が、こんな簡単にやられてしまったのか?

 

力の化身

 

闘気を纏って二人の前に立つサイラオーグさんはまさしくそれだった。

 

木場が口元の血を拭うと小さく笑う。

 

『イッセー君はこれだけの一撃を受けても前に進もうとしたのか……やっぱり『グレートドラゴン』は違うや……』

 

そう言って立ち上がる木場。

 

違う。違うんだ。俺はただ、意固地になって、先輩のことを悲しませたくなくて立っただけなんだ。俺はそんな崇高なものじゃない。子供っぽい怒りなんだ。

 

『ゼノヴィア、いける?』

 

『まだ寝させてくれないか……それもそうか……』

 

聖魔剣を再び作る木場と立ち上がるゼノヴィア。もはや満身創痍といっても過言じゃない。

 

『さぁ、第二ラウンドだ。削れるだけ削ろう。少しでもあの二人のために、そして岸波先輩のために剣を振るおう』

 

剣を構える二人。その姿を見てサイラオーグさんは笑みを浮かべる。

 

『まだ……まだ俺を楽しませるか……っ!』

 

『簡単に飲み込める前菜だと思わないでほしいな……!』

 

『思う存分楽しませてやるさ……!』

 

二人がそう啖呵を切る中で、ゼノヴィアの背後からロスヴァイセさんが現れた。え、ロスヴァイセさん!?さっきやられたんじゃ……

 

よく見ると、その手元には透明な刀身の剣を持っていた。

 

『近距離からのフルバーストならどうだっ!!』

 

サイラオーグさんの至近距離でフルバーストを撃つロスヴァイセさん。え、どういうことだ?

 

俺は部長の方を見る。部長さんは、ちょっとだけ笑っていた。

 

「さっきサイラオーグが倒したロスヴァイセは偽物。エクス・デュランダルの鞘にしている擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)が化けたものよ。そして今出てきたのは、所持者を透明に出来るようになった透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)を持った本物のロスヴァイセ。付属した各エクスカリバーはエクス・デュランダルへの改装と同時にその能力が進化したようなの。持ち主の合意があれば、短時間なら聖剣使いの因子が無くても聖剣を振るえる。というより各エクスカリバーの能力の恩恵を受けられるのよ。と言っても一日に発動できる回数があったり色々制限はあるのだけれどね」

 

だから最初にあれだけの攻撃を受けたロスヴァイセさんに対して審判がリタイアのアナウンスをしなかったんだ。

 

「おそらく、最初のフルバーストの時の混乱に乗じて擬態と透明を渡したのね」

 

「す、すっげー……」

 

「元々はゼノヴィアの持つ聖剣の有効活用について考えていた時に思いついたものだけど、それを即席で実際に出来たというのは大きな収穫よ」

 

そ、即席……。先輩、俺、もしかしたら皆に置いて行かれそうになっているかもしれません。

 

近距離からのフルバーストを受けたサイラオーグさん。体の表面に血をにじませながらも、体勢を立て直す。

 

『……どうりでアナウンスが無かったわけだ。『湖の傍で気絶していた』、というのは俺の勝手な思い込みだったようだな。全く、油断しないと決めた矢先にこれか……』

 

そう言うサイラオーグさんは非常に楽し気にしている。

 

『その飽くなき勝利への欲求、見事だ。敬意を払うと共に、これを送りたい』

 

サイラオーグさんは右拳を強く握ると闘気を拳に集中させ、ゆっくりと拳を引いていく。右腕も大きく盛り上がっている。

 

あれは……まずい……!

 

俺の危機感を感じ取ったのか、三人はその場から退避する。

 

『ゼノヴィア、例の……』

 

何かを感づいたのか木場が何かを言おうとした瞬間だった。爆音と共に拳が放たれる。映像は激しく揺れた。見ればサイラオーグさんの前方に地面が遥か先までえぐれている。

 

『リアス・グレモリー選手の『戦車』一名、リタイア』

 

「「っ!!?」」

 

俺と部長はアナウンスに驚愕した。今の一撃で、ロスヴァイセさんを落としたってのか!?しかもアナウンスがあるってことは今度こそ本当のリタイアじゃないか!

 

サイラオーグさんは静かに右拳に闘気を溜めだす。

 

そのヤバさを感じ取った二人は同時に斬りかかる。

 

だが、刃は届かない。闘気だけで聖魔剣たちは砕かれる。デュランダルも闘気で相殺されてしまっている。

 

それでも力を込めるゼノヴィア。あいつの握るデュランダルの柄に木場の手が伸ばされた。木場とゼノヴィアがデュランダルを握る。瞬間、デュランダルのオーラが爆発するように光の奔流を放ちだす。木場の聖剣使いの因子も合わせてデュランダルのオーラを高めたのか。

 

そのまま斬りかかる二人。右腕は斬り落とされた。だが、その腕にはまだ闘気が宿っている。デュランダルの聖なるオーラよりもサイラオーグさんの生命力が上だっていうのか……!?

 

『見事だ。その右腕はお前達にくれてやろう。喜べ、俺はこれでフェニックスの涙を否が応でも使わねばならなくなった。お前達の役目の勝利だ。だが、試合の勝利までは渡さん』

 

そう言うと、サイラオーグさんはゼノヴィアを蹴り上げ、左拳を食らわせた。

 

ゼノヴィアは、もうだめだ。

 

木場もそれを見て距離を取ろうとする。だが、サイラオーグさんはその顔面を掴むと地面に叩きつけた。

 

木場を蹴り上げると宙に投げ出された木場の腹部に真っすぐな正拳突きをサイラオーグさんは食らわせた。

 

崩れ落ちていく木場。その中でもあいつは笑みながらサイラオーグさんに言う。

 

『……役目は果たした。あとは……二人が……あなたに、勝つ……!』

 

それだけ言い残して木場とゼノヴィアは光に包まれていく。

 

『見事だ。見事すぎる。お前達と戦えたこと、感謝しよう』

 

『リアス・グレモリー選手の『騎士』二名、リタイアです』

 

イッセーside out

 

 

 





そろそろ塩入り飲料が手放せなくなってきた気がします。それくらい暑いっすね。皆さんもお気を付けください。

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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