ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
もうちっとだけ続くんじゃって感じのお話です。
リアス・グレモリーとサイラオーグ・バアルの戦いが終わった。アザゼル先生から話を聞いたのだが、サイラオーグさんはあの戦いで敗北した後、バックについていた上級悪魔たちは皆彼から手を引いたとのこと。要するに『お前に投資する価値は無い』と判断された。
次期当主の座に関しては、あれだけ多くの民に希望を見せた戦いをしたのに引きずり下ろすとなると世論が大爆発しかねないということで、そのままだそうだ。
そんな踏んだり蹴ったりなサイラオーグさんだが、とても清々しい顔をしていたそうだ。何でも『多くの貴族はいなくなったが、それ以上の価値がある岸波殿の期待が今の俺にはある』ということだ。何だかうれしいものだ。
そんなサイラオーグさんの周囲の変化もありつつ、リアス・グレモリー一派も変化をした。今まで腐りきった顔をしていたリアスは誇り高いものとなり、責任感を正しく感じているように思う。実際、彼女も『あの戦いで眷属たちが見せた姿が私を変えた』って言ってたし。多分ヴラディ君が一番大きい要因だろうよ。
兵藤も兵藤で変わった。あいつも『ハーレムとはおまけである』と悟って、ハーレム王を目指すなんてことは一旦やめようと言い出した。そんな奴に残っているものはというと、『最強の『兵士』への夢』『子供たちのヒーローとしての戦い』だ。前者はあの試合で高らかに宣言しやがったし、後者に関しては俺も見習わないといけないなって思ったよ。全く、こういう熱血馬鹿なのが根っこだってのに、何で当初はあんな始末だったんだよ……呆れるぜ。
さ、変わったこととかはそれくらいだ。
試合が終わる。すると何が始まると思う?
文化祭だ。
そう言う訳で始まりました。高校生活6度目にして最後にしたい文化祭。
俺はと言うとオカ研の開く喫茶店のウェイターをしていた。リアスというお嬢様ガチ勢の監修で作られた執事服を身にまとっている。
しかもこれがまぁ大盛況でさ、女性客がキャーキャー言うのなんの。
余談だが、お化け屋敷もやっており、こっちは京妖怪の皆様を雇ったものだ。あちらも『久々に人間を驚かせることが出来る』なんて張り切っていた。
サーゼクスさんとセラフォルーさんもやって来た。随分楽しんでいたが、グレイフィアさんと会長に引っ張られていったのは今でもはっきり覚えている。
さぁさぁ、今日の俺はやることがいっぱいだ。この後は鹿島さんと合流して歌を歌いにいくことになっている。
と言うのもだ、どうやら兵藤の奴が学校で『創聖のアクエリオン』を流したらしく、そこから『岸波には歌の才能がある』→『だったら歌ってもらおうよ』ってなったらしく、軽音部から依頼が来たのだ。鹿島さんはと言うと、運営委員会で働いていて、ちょうどイベント関係の担当だとか。そんな彼女に何故か俺のマネージャー係の白羽の矢が立つことになった。ごめん。
さて、そろそろ時間かな。
俺は喫茶店を後にする。途中、リアスに『ナンパはやめなさいね』と注意された。俺、そんなに信用されてない?
てなわけで、俺は執事服を惜しみながらも着替えて体育館の方へと急ぐ。
そうして着いた体育館。
裏から回って袖の方に行くと鹿島さんが待っていた。
「岸波君!こっちです!」
「ああ、分かった」
俺は鹿島さんの案内を受けて袖でその時を待つ。
「それじゃあスペシャルゲストの登場だぁ!」
お、来たわね。
それじゃ、行くとしますか。
「鹿島さん」
「はい」
「行ってきます」
そう鹿島さんに言うとちょっと驚いた様子になる。すぐに笑顔になって反応してくれた。
「いってらっしゃい」
今更ながら、ちょっとだけむずかゆいやり取りをし、俺はステージに出る。
会場の皆は驚いたのか静まり返る。
「風の噂で有名な岸波大地!スペシャルゲストはこの人だ!」
軽音部の奴が盛り立てるとわーっっとすぐに明るくなる。
「それじゃあ岸波から一言!」
俺はトークを振られたのでとりあえずマイクを手に取る。遠くを見るとサバーニャさんとエクシアさんもいた。彼女たちも見に来たんだ。
「それじゃ、端的に……ついてこれる奴だけついてこい!」
そう言うと更に盛り上がる体育館。さ、ここからはあんたらの仕事だ、軽音部さん。
「それじゃあ、早速いくぞ、岸波!」
「おうよ」
そこから始まる俺の歌。歌ったのは『空色デイズ』。やっぱ皆好きなんだろうね、すっげー盛り上がり方をした。元々が軽音受けのいいものってのもあるんだろうけどね。
そうして盛り上がった俺の歌唱。どうやら俺の歌もまだいけるようで何よりだ。
……まぁ、冥界で大ヒットかっ飛ばしてるアクエリオンたちがいるからある程度の保証はあったんだけどね。それでも人間受けが良くて良かったよ。
――
怒涛の日々だった文化祭も終わりを迎えた。俺の歌は相当好評で、あれから何度も声をかけられた。
今は目の前でキャンプファイアーが繰り広げられている。
俺はと言うと、色んな人にダンスを誘われすぎて疲れてしまったので、ちょっと遠くから炎とその周りで踊る皆を見ていた。
「ふぅー」
一息ついて座る。片手にはオレンジジュース。夏の頃から変わらない味だ。気障ったく言うなら、青春の味。
空も気が付けば暗い。あいにくここは都会、星なんて見えたもんじゃない。そんなに見たけりゃ宇宙まで行ってこいって話になる。
ふと、俺は今やるべきことが脳裏にちらつく。それは俺がリアスとサイラオーグさんの試合の時に言った『兵藤のために曲を作る』と言ったこと。それがきっかけで本当に一曲作ることになって、今熱心にパクっている所なこと。
今回パクったのは仮面ライダービルドより、『Burning my soul』。馬鹿で熱いドラゴンなあいつにはピッタリの曲だと思ったんでな。
まぁ、もうすぐ完成まで近づいているからな。冥界に解き放たれるのも時間の問題だ。
やめだ、やめ。仕事だろうが趣味だろうが、そんな悩むことなんか今はいらない。今だけはゆっくりと平和を謳歌しよう。
口にオレンジジュースを入れる。うん、美味しい。
のんびり遠くを見つめていると、人の足音が一つ。振り向くとそこには見知った顔があった。
「鹿島さん……」
「こんばんは。隣いいですか?」
「ああ、構わない」
そう言うと、隣に座る鹿島さん。距離がとても近いせいか、良い匂いがする。
ちょっとした無言の時間が始まる。風が気持ちいい。秋の夜風はいいもんだな。
「岸波君」
「ん?」
ふと鹿島さんの口が開かれる。
「私達、色々ありましたね」
色々……。まぁ、確かに色々あった。
鹿島さんとは高校1年からの付き合い。リアス同様にずっと同じクラスで、何かイベントごとの時は一緒にボランティアをしてきた。彼女的には『自分は恵まれているから』なんて傲慢な考えだったので改めさせたが、それ以来なんやかんやで友達以上的サムシングにはなっていたと思う。
「そうだな。色々あった。君との思い出は面白いくらいにあるしな」
修学旅行に文化祭に体育祭。どれもかけがえのないものだ。
けど悲しいかな、俺は人間。きっとこの思い出もいつか忘れてしまうかもしれない。それでも、何かの拍子に思い出すこともあるだろう。
「岸波君ったら、今年から随分グレモリーさんや姫島さん、真羅さんとかと近くなって……女たらしになりましたね」
「うぐぅ……いや、うん。否定できない」
気が付けば、俺の周りには女の子がいっぱいだ。俺がハーレム王になってどうすんだ。
俺が俺を嫌に思っていると、鹿島さんは更に俺に近付いてくる。
そうするたびに感じるんだ。彼女の存在だけじゃない、俺の中の『兵士』の駒の喧騒が。
お前ら、いくらなんでも彼女は一般人だ。巻き込むなら……消すぞ。
――『彼女、一般人じゃないわよ。どっちかと言うとリアス達寄り』
……え?
「岸波君。私は……」
待って待って待って!キャパオーバーする!
まずだが……ユノハ様、一般人じゃないってどういうことなのですか?
――『聞けばいいじゃない。そうね……『あなた、ヴラド派の吸血鬼って知ってる?』とか』
お、おう。
それは分かった。それはそうとして、この雰囲気。うーん……あかんな。リアスにナンパすんなと言われた矢先にこれか……。
「私は岸波君にとって何者ですか?」
『何者』、か。そりゃ勿論……
――『友達と言ったらぶっ殺すぞ。なんならここでお前の体を乗っ取って舌を絡ませる奴いくからな』
おいドキンダム、それはマジで洒落にならん。セクハラとかの問題じゃないだろ。
……分かっていたさ。鹿島さんが俺のことを一人の男のように見ていたなんて。何ならサバーニャさんと後輩のエクシアさんだってそっちの気配を感じるんだ。
だからこそ、真剣に答えなきゃいけない。分かっていて見て見ぬふりは罪以外何でもない。
でもさ、俺には既にリアスたちがいるんだ。いくら彼女達が『答えはまだにしてくれ』って言っているからって彼女達を無視してここで鹿島さんの想いに応えるのは不義理というものだろうよ。
うちの眷属たちにもそう言った手のことは答えていない。あの美空さんと光璃さんにだってその辺のことを誤魔化したまんまだ。
それにさ、俺は知ってんだよ。朝倉さんも寿水さんも、俺のことを好いてくれているって。
順番とか決めるのは余りに下衆だろう。それでも通さないといけない筋だってあるはずだ。
……ごめん、鹿島さん。俺は誤魔化すよ。俺には通さないといけないところがあるんだ。
「鹿島さん。俺はね、雰囲気ってものを大事にしたいんだ」
「岸波君?」
「今、君が文化祭のそれに当てられているって可能性もある。もっと理性的な時に俺は答えたい」
残酷だろう、悪魔のような所業だろう。いくらでも罵れ。俺は、それを背負って生きていく。
「少なくとも、俺にとって君は友達以上の存在だ。大切な人だ。それだけは覚えていてくれ」
そう言うと、彼女は静かに納得してくれた様子だった。
はぁー、嫌になる。
兵藤、ハーレム王ってのは、案外つらいものかもしれないぜ?
そうして過ぎていく時間。夜風が俺を苛むように吹いてくる。さっきまで心地よかったそれは、俺に痛く突き刺さるようになっていた。
次回、問題の原作11巻がスタートします。自分でも必死になりすぎて何書いているのか分かってない状況になっているので期待しない程度に今後ともお付き合いの程をお願いします。
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)