ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
苦悶しながら書いている中で癒しを求めた結果の、いわゆる幕間という奴。
本日の俺はというと生徒会室にお呼ばれしていた。理由は今目の前で繰り広げられているものだ。
「チェックメイト、です」
「……参りました」
そう、チェスである。チェストではない、チェスだ。
パチパチ
生徒会室にそんな拍手が響く。我らが後輩の花戒さんとか草下さんとかがしてくれているのだ。
「いやぁ、お強い」
「謙遜しないでください。最後まで諦めず立派に戦い抜き、ここまで私を苦しめたのはあなたが初めてです」
そう言うのは対戦相手のソーナ・シトリーさん。我らの会長だ。
元々は真羅さんにお呼ばれして生徒会室に来ていて、ついででチェスをやることになった。その時真羅さんをボッコボコにしたので、彼女の『王』であるソーナさんが登場。こうして3戦3敗、いい所まで行って敗北してきた。
「うーん、経験値の無さか……?いや、そもそものセンスが……」
「センスの線はないでしょうね。何せ、『私』を相手にしてここまで抗えているのですから」
そう言うソーナさん。随分自信家だ。普段の謙虚な姿勢からは想像できない。
「その通りです。ソーナはこれでも若手の中でならその頭脳は1番。ゲームの先輩方にも勝てるような頭脳を持っています。そんなソーナに遊び程度の経験しかない状態でここまで追い込むのは、もう立派な才能です」
真羅さんがフォローを入れてくれる。優しい人だ。
「そうですね。私も今までの戦いでここまで追い詰められたことはありません。やはり、あなたにはセンスがあります」
「お褒めの言葉、感謝します。っつっても、結局負けてるし。まぁ、次がどうかは分からないなんて言い出したら、確かにそうだけど……」
俺は迂闊な発言をしてしまった。これを聞いたソーナさんはいい笑顔になる。
「ふふふ、それではもう一戦しますか?」
「……いや、いい」
流石に疲れた。何より、挑発みたいなことを言って焚きつけたあなたとは戦いたくない。
そんな風にやり取りをしていると扉が開かれる。そこにいたのは兵藤と匙君だった。
「ん?兵藤か」
「どうもっす」
――
それから俺らはお茶をもらった。今はこうしてのんびりしながら、花戒さんとかと一緒にチェスをして遊んでいた。ソーナさん以外には負けなしな辺り、俺にもセンスはありそうだ。
そして兵藤だが、どうやらアザゼル先生から俺に渡すものがあったそうで、そのパシリをしていたんだとか。
「ったく、お前もしっかりしてくれよ?俺達転生悪魔の星ってのもあるけど、それ以上に俺にとってはヴリトラの制御にも関係あんだから」
「俺もそうしたいのは山々だよ。でも、ドライグさんはナイーブなんだ……」
同世代二人がそう話し合う。
「何か、ごめん……」
チェスを終えて兵藤の隣に座る俺。そう呟くのは無理もないと思いたい。
「いや、こればっかりは先輩は関係ない……とは言い難いっすけど、こっちの問題ですし」
「……うちのヴリトラが二天龍みたいな奴じゃなくてよかったぜ」
匙君ものんきなもんだ。最近呪いの量が減ってうれしい限りだが。
「ああそうだ、先輩。これ、アザゼル先生から」
そう兵藤が渡してくるのは一通の封筒。はて、また誰から?
まさかガブリエルさん?あの人、俺のことを懇意にしてくれているらしいけど、ここまでやってくれると彼女の天界での立ち位置も不安になってくるよ。俺なんか心配しないで、もっと自分を気にかけてあげて。
「アザゼル先生からの伝言もあります。『ガブリエルの奴じゃねぇぞ』だそうっす。あのきれいな大天使様じゃないとすると誰っすかねぇ?」
兵藤が不思議そうにする。実際俺もそうだ。頭をかしげている。
とりあえず、俺は兵藤から封筒を受け取り、開封する。
中にあったのは手紙。うん、特にこれと言って問題はなさそう。
さて、読んでいこう。
『親愛なる岸波大地様
街路樹の葉の色が黄金のようになってきました。秋風も涼しく、季節の終わりを感じさせます。
私のことを覚えていますでしょうか?私はかつてあなたに助けられたラヴィニ』
パタン
「先輩?どうしたんすか?」
「岸波先輩、なんでそんな悲し気な顔を?」
兵藤と匙君が心配してくる。ああ、問題ない。問題ないんだ。たださ、言うことがある。
「なんで……なんで彼女が……」
驚きというより、喜びと悲しみが入り混じった複雑な感情だ。
続きを読もう。
『私はかつてあなたに助けられたラヴィニア・レーニです。
あなたの活躍はアザゼルから常々聞いています。
私はあなたに助けられた後、魔法使いの組織に所属し、そこで自分の力を向き合いました。
いっぱい魔法のことも学びました。今では組織一の魔法使いなんて呼ばれています。』
ラヴィニア……
『あなたはあの時、私を助けてくれました。アザゼルが言うには『あいつの過去の懺悔や清算が入っている』なんて言ってました。あなたの過去に何があったのかは、最近『轟熱伝』を読んで色々知りました。その中で、あなたが多くの傷を負ったことを知りました。
その傷がうずいた結果、私は救われたのかもしれません。それでも、どれだけ裏があっても私はあなたに救われました。
きっとあなたにとって私は何でもない『普通の女の子』だったんだと思います。あなたがかつて守った民と同じ、何の変哲もない人間。それが私』
違う、違うんだ……
――『おい、ユノハ。こいつは一体……?』
――『ちょっと調べただけでもこれよ……。全く、私が知りたいわ。まさか、ここまで奇跡的なことが起きて、その上で彼のついた嘘が彼自身の感覚にすら多大な影響を与えたなんてね……。深すぎる愛も考え物ね』
『それでも、私のことを覚えているとアザゼルから聞いた時、私はとてもうれしかった。あの一夜しか会っていない、『ただの女の子』じゃなくて『あなたにとって大切な思い出の一つ』になれていることが、私にとってうれしいんです』
俺は……俺は……!
『あなたとの思い出は数えるほどもないです。それでも、あなたを思い出させるものは星のようにあります』
ああ……ラヴィニア……!
『あの時は分かりませんでしたが、今ならこの感情に答えを出せます。
私は、あなたのことが大好きです。色んな人や仲間に会ってきました。それでも、あなた以上の人に出会えないです。
あなたと、また『創聖のアクエリオン』を歌いたい。
あなたにはアクエリオンさんがいることは承知しています。一番になれないことは分かっています。それでも、言わせてください。私はあなたを愛しています』
ラヴィニア……ラヴィニア……!
『アザゼルには『まだ会うな』と言われています。それでもいつか、機会があったら必ずあなたに会いに行きます。それまでどうか体調には気を付けてください。
ラヴィニア・レーニ』
ぼたぼたと涙があふれる。
何故なんだ、何故こんなにも切ない気持ちになるんだ。ラヴィニアは俺とは関係ない、ただの女の子なんだ。俺の業とは関係ないんだ。なのに……なのになんで……
「せ、先輩……」
「匙、そっとしておいてやってくれ……頼む……」
「兵藤君、手紙のお相手は?」
「……ラヴィニアって人です。先輩が入れ込んでいる女性。そんでもって……」
「ラヴィニア……もしかして、アザゼル先生が言っていた岸波君の奥さんの……?」
「……ですね」
「会長……?」
「匙、今は……そっとしてあげてください。あなたも『轟熱伝』を読んでいるなら、彼の涙の理由、その一部を嫌でも知ることになります……」
愚かだ……俺は愚かだ……。何でこうして幸せに生きていていいか分からないほどの愚者だ。
どれだけ懺悔しても足りないほどに心を埋め尽くす後悔と悲哀。
そして寂しさ。
俺と彼女は関わってはいけない。そう思っていたのに、嫌と言うほどに心が強く彼女を求める。
苦しい。寂しい。
この感情が憎い。
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)