ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~ 作:ブラッキオ
イッセーside
木場が偵察から戻って来た。どうやら相当数の死神が駐車場にいるそうだ。
「ハーデスの野郎、本格的に潰しにきたな……!」
アザゼル先生が憎々し気に言う。
現在ホテルの30階。合計で60階ほどあるホテルだから、大体中間にいる。
アーシアの神器と黒歌さんの仙術でけが人の治療をしてもらい、全員それが終わった所だ。
ヴァーリだが、ルフェイに解呪の術をかけてもらった。が、サマエルの呪いは強力で、簡単には解けない。最善の処置は施したから、いつかは解呪される。だが、その間は苦しみ続けることになるそうだ。
不謹慎だが、俺が受けなくて良かったと思っている。ヴァーリですらそれなら、俺が受けていたら一瞬で消し炭だっただろう。
アーシアは疲労で倒れかけたので今は隣の部屋で仮眠をとってもらっている。ありがとう、アーシア。
それと、ルフェイから最悪に近い報告を受けた。
ヴァーリチームが
つまり、『禍の団』連中も何をし出すか分からない状況になってきた、ということだ。
参ったな……。確かにヴァーリ達は俺達に得すること、利敵行為をしてきた。時間の問題とも言えたが、多分それを曹操の馬鹿が嘘八百を並べてそれを加速させたってとこか。
「ったく、オーフィスのためを思ったヴァーリチームが、オーフィスを手中に収めようとした英雄派によって排除、か。呆れた組織だ……」
アザゼル先生が嘆息する。
ルフェイが言う。
「グレートレッドさん関係を始めとして、私達は随分自由、と言うより好き勝手に動いてきました。世界の謎や伝説の強者探し。たまにオーフィス様の願いを叶えたり。そんな姿が英雄派の皆さんにとって『力を持っておきながら』と思われ、目障りになったんでしょうね。特にジークフリート様は元英雄派で兄のアーサーを引っこ抜いた恨みもありますし……」
お前ら、そんなことになっていたんだな。ていうかさ……
「世界の謎ってなんだよ。お前ら、というかヴァーリがそんなものに興味を持つなんて思えないんだが?」
「これでもヴァーリ様は冒険家気質なんです。次元の狭間を泳ぐグレートレッドさんの秘密だったり、滅んだ文明……それこそアトランティスのようなものだったりの調査やヴァーリ様に眠る神器と縁の深い異世界についても」
異世界。ああ、先輩か。
「たまに組織の仕事と言う名のテロもしましたが、ほとんどが大冒険でしたね!ヴァーリ様はドラゴンの発生の起原についても調べようとしていますし。あと、二天龍の喧嘩のきっかけも」
喧嘩のきっかけ、か。
――「悪いな、その辺りは神器に封じられる際に忘れたよ」
「おや、残念ですね。ヴァーリ様の方のアルビオンさんも同じ意見でした」
ドライグもドライグならアルビオンもアルビオンってわけか。
「それと、新たな
「……お前ら、バイタリティーすげぇよ」
「ありがとうございます!でも、ヴァーリ様の探求心は総督様由来かと思われます」
「俺のせいかよ……」
まぁ、話を聞く限りヴァーリ様ってのはあなたの息子みたいなものですし、先生。親としての責任はとりましょうね(他人事)
俺はふと疑問に思ったことを口にする。
「一番強い神滅具である
気になったのだ。ドライグさんとアルビオンをも超える性能のものがあるのは分かった。頂点も分かった。だけど、頂点にたどり着けなかった二番手は誰なんだって。そいつだって間違いなく俺達には脅威になりかねないし。
「
イリナは首をかしげて答えた。
「デュリオ様ですか?各地の美味しいもの巡りの旅に出ていますね?」
「はぁ!?仮にも次期セラフ候補の元最強エクソシストだろ!?しかもジョーカーっつー岸波にも渡されなかったレベルの札使ったんだろ!?ミカエル馬鹿か!?」
「し、知りませんよぉ!」
元最強エクソシスト。そんな奴がジョーカーなのか……。天界も天界で相当な戦力を蓄えているってわけか。まぁ、平和ボケの末に堕落して痛い目に遭うくらいなら、先輩が好きな『戦うことを忘れない』人間のようになる方がずっといいわけだし。
「一応知らない奴らにも説明する。神滅具ってのは現在13種ある。テロリスト側についた『黄昏の聖槍』に『絶霧』、『魔獣創造』。それにお前らにとって身近な
俺が出会ったのは半分くらい、か。俺が言っても説得力皆無だけど、聖槍のような馬鹿みてぇなものが世の中には大量にあんだな……。
てか、最後に言った『永遠の氷姫』ってのの前置きが随分ひどいな、先生。
「どいつもこいつも神滅具の使い方が従来通りじゃない。現代っ子の発想力は呆れるぜ……。はぁ……」
先生がため息を大きく吐く。
「先生、一ついいですか?」
「なんだ、勉強熱心なイッセー君?」
「その最後に言った『永遠の氷姫』って、何が問題児なんですか?」
そんなにヤバいなら上位神滅具にカウントしてもいいのでは、と思った。
すると先生は何だか遠い目をし出した。
「あれはな、神滅具自体は普通の神滅具なんだ」
「普通の神滅具とは(哲学)」
「そこはいいんだ……。ただな、今代の所有者が問題なんだ」
ああ、持ち手で変わるタイプか。才能の無い俺の逆でヴァーリと同じ的な感じかな?
「前に言ったよな?『岸波の嫁にそっくりな女がいる』って。そいつが所有者なんだが……」
先生が随分頭を抱えながら話す。そんなに問題児なの?ヴァーリを超えるくらいの?
「あいつ……脳のリソース、というか何もかもが岸波なんだ」
「はい?」
先生のよく分からん言葉に俺は頭に疑問符を浮かべる。
「あいつな、岸波が絡むとIQが0と∞を両立させるんだ……」
「どういうこと?」
意味不明なことを言い出した先生。
「前に言ったろ、戦ったらヴァーリや俺でもヤバいって。あいつな、岸波が絡むと脳みそスイーツになりながら世界最強になるんだ。それも自分の才能と努力と知恵をフル回転させて。あいつとのコンビなら、今代も含めて歴代の上位神滅具所有者さえも超えるんじゃねぇかな……?もうな、ありゃ神とかだよ……。ちゃんと話しをしたことがないが、アルテミスとかの類じゃねぇか……?ははっ……」
先生が珍しく乾いた笑いをする。えぇ……。ほぼ何にでも寛容どころか悪乗りする先生にそう言わしめるって相当だぞ……?
そんな遠い目をしている先生がふと意識を取り戻す。そう、オーフィスがこの部屋に戻って来たからだ。
先ほどだが、この階層を見て回るって言ってお出かけしていたんだ。
「で、どうだ具合は?」
先生がそう言うとオーフィスが答えた。
「今の我、全盛期の二天龍より二回り弱い」
「……それは弱くなったな」
「いやいや、封じられる前のドライグさんより強い時点で化け物だよ」
俺がそう言うとアザゼル先生が言う。
「なぁ、イッセー。以前までのこいつは全勢力で最強の『シュレディンガーの猫』だったんだ」
「シュレディンガーの?」
『箱を開けるまで分からん』って奴?
「こいつは強すぎる。故に『そもそもオーフィスを倒せるのか?』『倒した先に何があるのか?』という問題が生まれる。こいつ自身の能力とかは箱に閉じ込められていて、誰も開けられなかったんだ。謎のブラックボックスって感じだな。それが今、こいつの力は『二天龍より強い』という中身が判明した」
「だからなんだってんです?」
「つまり、だ。『俺らがどうであれ、岸波なら確実に屠れる』ってことが分かるレベルになっちまったんだよ」
ああ!なるほどね!確かに全盛期の二天龍を容易くぶっ倒した先輩なら、二天龍よりちょっと強いくらいの存在なら倒せる!そういうことか!
「納得したようだな」
「ええ」
それからオーフィスの解説が始まった。
どうやらサマエルに捕まっていた時、自分の力を『蛇』にして逃がしていたそうだ。それをさっきまで回収してたんだって。それで二天龍より強いってもうバケモンだろ。
あと、英雄派はオーフィスを舐めすぎたね。あいつらの先も短いのは確定だ。
アーシアも休息は十分なようでこちらに来た。頃合いだということで、先生による死神講座が始まった。
まずだが、ここはオーフィスを捕らえるためのもの。オーフィスを逃がすためには結界を破壊するしかない。
そして死神だが、実力事態は俺達の方が上だそうだ。だが、問題は奴らの持つ鎌。死神の象徴のそれ。それは触れたものの生命力を刈り取るものだとか。回復中の俺が受け続ければ、寿命で死ぬ。そう、傷ではなく寿命で、だ。オーフィスも今は無限じゃない。斬られ続けたら弱る。オーフィスの力の流出を防ぐためにも、何としてもオーフィスだけは死守しなきゃいけない。
特に相手は神のハーデス。しかもロキとは訳が違う。単独行動ではなく、部下を連れての徒党を組んでの行動。何より、ハーデスに同調した他の神が何をするか分からない。
今までにないくらいの最悪な状況だ。いなくなってしまった岸波先輩に助けを求めたくなる。けど、それは叶わない。だって、先輩は英雄派の卑劣な罠にかかってしまって今はこの世界にいないからだ。
なら、俺達自身で何とかしないと。それにこれはいい機会だ。先輩からの自立につながると思えば、やる気と闘志が満ちてくる。
「今言った通り、今回はハーデスという大物が関わっている。以前のゼウス達の反応を見る辺り、あいつの独断だろう。ここにい続ければいずれ外に問題が出る。だからこそ、外に助けを呼びに行くメンバーは決めるべきだ」
そう言って先生はイリナの方を見る。
「イリナ、お前だけは行け」
「え、私ですか?」
「俺や悪魔が天界に行くことは余り好ましくない。だが今回のことは天界にも伝えねばならない。お前が外に行き、サーゼクス達とミカエル達に英雄派の真意とハーデスのクーデターを伝えろ」
「で、でも……!」
「イリナ」
俺は縋るイリナを止める。
「イッセー君?」
「今の死神、っていうかハーデスの目的は俺達とオーフィスの抹消だ。それにオーフィスのことを捕らえようとしているなら、こいつの力を利用させないためにも何とかしなきゃならない。それを外に満遍なく伝えられるのは、お前だけなんだ。頼む」
俺が頭を下げると、イリナは納得した様子で言う。
「……分かったわ。でも、私だって天使よ?悪魔が納得してくれるか……」
「それなら、私が護衛をしよう」
そう言って立ち上がるのはゼノヴィアだ。
「エクス・デュランダルとしての機能はないが、デュランダルだけなら機能する。ここでは足手まといだが、結界の外での奇襲くらいには対応できる。その上部長経由でルシファー様方にも顔が利く。同じことを黒歌も出来るが、彼女にはオーフィスの護衛をしてもらった方がいい。これ以上にない選出だ」
「ああ、それがいい。天界でデュランダルの修復もしてこい」
そう言うアザゼル先生。そうして決まった外への脱出要員。ルフェイと共に転移魔方陣の準備のために別室に行く二人。
この部屋を出る直前に、ルフェイが何かに気付いた。
「それなら!」
そう言うと鞘に入った剣を一本、ゼノヴィアに渡す。
「こ、これは……
それは、アーサーが持っているという最後の聖剣。
「これを持って行ってください。兄からの預かりものです。お渡しするタイミングを掴みあぐねていたので、いい機会だと思いました。これ、私達にとってはもう用済みなので……」
用済み……か。随分贅沢な言い方だ。
「いいのか?」
「フェンリルちゃんを手に入れるまでの聖剣です。制御のためにフェンリルちゃんの力は下がっちゃいましたけどね。兄も『折角なのだから全部のエクスカリバーをデュランダルと合体させてしまえ』と言ってました。我ながら、変人の兄を持ったものです」
ああ、なるほど。フェンリルも先輩のとこみたいに完全に実力だけで屈服させたわけじゃないのね。
「ありがとう!」
「ありがとうございます!」
ルフェイに頭を下げるゼノヴィアとイリナ。どうやら、お前もまた上に行くんだな、ゼノヴィア。
「それじゃあ、脱出作戦の会議といきましょう、先生!」
「ああ、そうだな」
俺の言葉を先生は肯定する。さぁ、こっからが始まりだ。
イッセーside out
諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。
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無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
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逃げるな卑怯者(炭治郎並感)