ハイスクールD×D×R~禁断の使徒が頑張るRe:ライフ~   作:ブラッキオ

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これで一旦区切りです。次回から原作12巻へと入っていきます。





第134話 悲しみの裏側で

 

イッセーside

 

視界は真っ白。びっくりするぐらい真っ白。でも世界が揺れている。空間が震えてる。まるで許容の限界を超えて破壊されようとしているように。

 

見ると先輩たちが何やら慌てている。その中にはエルシャさんとベルザードさんもいる。

 

『え、エルシャさん。これは一体?』

 

『イッセー!目覚めたのね!』

 

抱きしめられる俺。え、これは一体?

 

『エルシャさん、これは一体?どうして皆そんなに慌てて?』

 

『そんなことは後!あなた、死ぬ間際のことは覚えてる?』

 

え?まぁ、そりゃあもうしっかり覚えてますよ?

 

『シャルバにサマエルの毒ってのを受けて、体が呪われて、んでもって死んで……』

 

『そう、その『呪い』がもたらしたものが今、とてつもない問題なの!』

 

え、問題?

 

『良いか小僧。結論から言うと、お前の魂は消えていない』

 

ベルザードさんがそう言う。

 

『サマエルの呪いは本来、魂にまで影響を与える代物、とドライグは言っていた。だが、お前の魂……そして俺達の残留思念には不自然なほどに『傷一つ付いていない』。寧ろこのままなら俺とエルシャくらいなら余裕で現世に戻れそうな勢いだ』

 

待って、次から次へと情報が来すぎなんですけど……?

 

そんな風に俺が困惑していると後方からドスンと大きな音が。振り向くとそこにいたのは……

 

『ドギラゴン?』

 

『久しいな、赤龍帝と呼ばれる青年。その赤龍帝本人は『あれ』を知って気絶したようだがな』

 

サイラオーグさんの時に死ぬほどお世話になった偉大なドラゴンだ。てか、『あれ』って何?しかもさらっとドライグさんは気絶しているし。

 

『それで、調査はどうだった?』

 

『ああ、エルシャとやら。お前の予想通りだった』

 

『そうなのね……』

 

『調査』?もしかして俺の魂に傷がないこととか?

 

『まず大前提だが、お前の体にサマエルとかいうカスのカスみたいな呪いが注入された時、それは消えた。わずかに残った禁断の力によってな』

 

カスって、あんたもドラゴンでしょうよ……。いや、でも先輩と張り合ったあんたレベルならサマエルの呪い程度どうでもいいのか。

 

……おい待て、最後とんでもないこと言ってなかった?

 

『待ってください、ドギラゴンさん。今禁断って……』

 

『お前の予想通りだ。ロキの時に打ち込まれて残留したものが呪いを打ち払った』

 

つまり……俺はまた先輩に助けられたってこと……?

 

……先輩。俺、またあなたに……

 

『感動するのは後だ。その禁断が問題だ』

 

ドギラゴンがそう言うとエルシャさんが続く。

 

『以前からね、ドギラゴンのこととかを聞いていたの。その中で、『レッドゾーンの禁断の力が暴走しかねないタイミング』というのが気になってね』

 

タイミング?

 

『それがどうしたんすか?』

 

『いい、イッセー。レッドゾーンの禁断の力の強化タイミングは……『死の経験』よ』

 

……どういうこと?

 

『デッドゾーン。レッドゾーンX。ブラックゾーン。どれも奴が死にかけた時や死んだ時に変わった姿だ』

 

知らない名前が並ぶ。一体、それが俺にどう関係しているのだろうか?

 

『私は、仮説を立てたの。『もしも禁断の力が残っている今のイッセーが死んでしまったら、禁断の力は目覚めてしまう』、とね』

 

『そしてお前はサマエルの呪いを受け、死んだ。仮説の立証だが……ドギラゴンの様子から全てが分かるだろう』

 

エルシャさんとベルザードさんがそう言う。

 

『ま、待ってください!俺には何がなんだか……!』

 

『分からないようならはっきり言ってやる』

 

そしてドギラゴンがとんでもないことを言い出した。

 

『お前の死の予兆に呼応して、レッドゾーン由来のわずかに残った禁断の力が目覚めた。結果、お前の肉体は禁断の力に耐えきれずに滅んだ。お前はサマエルに最後まで殺されたんじゃない。本当に最後のとどめを刺したのはレッドゾーンだ。そして……お前は二天龍や神よりはるかにおぞましい力を覚醒させたんだ』

 

……え?

 

『これから貴様は、とてつもない『進化』をすることとなる』

 

俺はそのことを受け入れがたかった。だって禁断ってそれ、ドキンダムXの……

 

その瞬間、俺の意識が飛んだ。

 

 

イッセーside out

 

 

Side in

 

暗い暗い、真っ黒な空間。俺の『本来いた』世界と俺の『心からいたいと思う』世界の狭間。三次元と二次元をつなぐ場所、らしい。俺はそこに偶然落ちてきた。

 

「おい」

 

……。

 

「おい、しっかりしろ!」

 

俺はぶん殴られる。右頬に伝わる『それ』は、きっと痛みなんだろう。

 

「おい、ユノハ様、これどうすんだ?」

 

「そんなこと言われてもね……。まさかこんな辺鄙な空間に落ちてきたショックで記憶喪失が治るなんて、想像もしないわよ」

 

絶望。憎悪。悲哀。俺の心を包む感情の嵐。

 

「一応聞くけど……『記憶』、取り戻したのね?」

 

「……ああ」

 

俺は全てを思い出した。鮮明に思い出した。

 

裏切りの多かった人生。

 

それでも信じ続けていた『人間』の輝き。

 

その中で出会った一人の女性。

 

その人と恋をし、そして結ばれた。

 

そして死んだ。

 

彼女の腹の中にいた俺との子供もだ。

 

全てを憎んだ。世界だけじゃない、どこまでも無力な俺自身も。

 

周囲の心配なんて塵芥ですらなかった。何もかもどうでもよかった。

 

人としての誇りも、意地も。全てを失った。

 

その中で出会ったのが、レッドゾーンだった。

 

人間性の欠落した自分を誤魔化すために、俺はデュエマ、と言うよりもレッドゾーンとその派生カードにのめりこんだ。

 

そしてそんな愚かな日々を過ごしていく内に、俺も死んだ。

 

余りに鮮明な光景だった。先ほどまで俺はそれらの情報でパニックに陥っていた。空間に所々穴があるのは俺が暴れていたのが原因だ。

 

「ねぇ、大地?いくら自分が吐いてきた嘘の一部が本当だったからって……」

 

「うるさい……」

 

俺はユノハ様の心配を足蹴にする。

 

そんな姿を見て、ドキンダムXの姿をしたドキンダムが言う。

 

「なぁ、こんな状況で渡せるのか?」

 

「仕方ないでしょう?」

 

何をする気だ?

 

俺は心を無になりかけながら二人を見る。片手には光り輝く槍があった。

 

「お前流に言うなら、『頂上連結槍ロッド・ゾージア』。まぁ、その名から分かるようにゾージアの持っている槍だな」

 

「だったら何だよ?」

 

俺がそう言うとドキンダムが俺の胸に槍を刺した。血は流れない。それどころか槍が俺の中に入っていく。

 

「こいつはお前が目覚めさせた禁断の力の『制御装置』と言える。お前が望まない暴力をしないためにも、こいつは受け取っておけ」

 

「それに、私達も設定を考えたのよ?『シーザーさんがディスペクターの力と神歌の力で作った主人公専用兵器』『D4レイをぶっ放せる次元貫通光線発射砲』。実際にあなたもそうした使い方が出来るから、やる時は思いっきりやってやりなさい」

 

……。

 

「なぁ、お前ら」

 

「なんだ?」

 

「神に向かってそんな表情でため口とか無礼よ?」

 

「確かに槍はありがたいよ。俺だって無茶したくないし。けどよ……お前ら、『何を隠している』?」

 

俺がそう言うと二人は黙り込んだ。普段からは想像できない不自然なやり取り。嫌でも気づく。

 

「な、なぁ?お前もパニックに陥っていたから「何を隠している、と言っているんだ」

 

「「……」」

 

俺がそう訊くとばつの悪そうな表情をする二人。

 

「ユノハ様」

 

「ええ、いつかバレることだし……」

 

ユノハ様がそう言うと映像が映し出される。それは俺が曹操のクソ野郎に異世界飛ばしを受ける直前の映像だ。

 

「まず前提として、あの世界にあなたを排除できるものなんて存在しないわ。例え、それが神の力だとしても」

 

「それじゃあ、なんで俺はこんなことになってんだ」

 

そう言うとユノハ様が難しそうな顔をする。

 

「『禁断』」

 

は?

 

「曹操の馬鹿が持っていた赤い結晶。あれは『禁断』の力。あなたがラヴィニアにあげたものとは別のものよ」

 

どういうことだ?あの世界にマゲとかいるってのか?

 

俺が疑問に思っているとユノハ様が答える。

 

「あの世界において禁断に関係しているのは、あなたとあなたの眷属・御使いのみ。それとラヴィニアね。これは絶対よ。天然の禁断は存在しない」

 

「じゃあ、なんであんなもんがあるんだよ」

 

「多分だけどね、『こっち側』が関係しているわ」

 

こっち側?

 

「ユノハ様の同僚にロキみてぇなクソ野郎がいるそうだ。そいつが何かした可能性がある」

 

ドキンダムがそう言う。

 

「あなたは神である私達から見てもとてもきれいな魂よ。それを妬んだ奴もいるってこと。ちょっとそのことについてはこっちで調べるわ」

 

あざっす。……で、だ。

 

「それは分かった。けどよ、あんたらもっと大切なことを隠してないか?」

 

「知らないわよ、そんなこと」

 

「神を疑うって余程だな。少し休んだ方がいいだろうよ」

 

肩をすくめる二人。俺はその様子に苛立ちを覚えた。

 

「黙れよ。俺は『何を隠している』と聞いているんだ」

 

ふざける二人に俺は圧をかける。さっきから目が泳いでいるのは分かってんだ。

 

俺が問い詰めると、少し黙り込んでからユノハ様が口を開いた。

 

「……原作と同じ流れを汲んだ運命だったからこそ、このことは逃れられなかった」

 

「何を言っているんだ?」

 

ユノハ様が真剣な表情で俺の肩を掴む。

 

「いい、落ち着いて聞いて。兵藤一誠は、死んだ。ハーデスの管理していたサマエルとそれを呼び出した曹操によってね。曹操のバックにいるのは帝釈天。多くの塵芥の神々が関わって、あの子は死んだ」

 

……は?

 

「あいつは死んだ。お前がいなくなったことがきっかけだが、お前のせいじゃない。お前がいなくても、原作通りならここで死んでいる」

 

はい?待って……それはつまり……

 

「あなたは決して悪くない!例えあなたが始まりだったとしても、その感情を持つのは違う!」

 

俺が、原因?

 

「……ユノハ様、まずいぞ!」

 

俺は……俺は……

 

「待ちなさい!しっかりして、大地!あなたは皆の……!」

 

俺はまた……!

 

「自分を見失うな!それ以上は……!」

 

『守れなかった』ッッ!!!

 

 

Side out

 

 

 





主人公の晩鐘が一部神仏への名指しを始めました。

あ、そうだ(唐突)
うp主ですが、朝起きたら体調不良が起きて、何だろうと思って症状を片っ端から並べて調べてみたら熱中症の予備軍でした。皆様もお気を付けください。あれは身構えていてもやってくる死神です。マジであいつは足音もなくやってきます。ガチもんのグランドアサシンです。

追記
これ以上悩みのタネを増やしてどうすんねんワイ!

諸事情によりこの作品の全データが吹っ飛んで継続投稿のやる気も吹っ飛んだうp主です。HSD×Dから逃げるのも癪なせいか、リブートも本格的に視野に入って来た次第です。心機一転のリブートをするか、それともこの作品を意地でも続けるかアンケートと取りたいです。因みに、リブート後だと主人公の眷属は完全ハーレムでない方がやりやすそうなので、完全ハーレムでなくなります。とりあえず12章は意地でも書ききります。

  • 無理スンナ。リブートしたらしたで読むで
  • 逃げるな卑怯者(炭治郎並感)
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